2023年7月25日火曜日

徳島県阿南市|21番札所太龍寺は阿波の遍路転がし第三弾、だるまが気になる「西の高野」

徳島県阿南市|21番札所太龍寺は阿波の遍路転がし第三弾、だるまが気になる「西の高野」

徳島県阿南市|21番札所太龍寺は阿波の遍路転がし第三弾、ダルマが気になる「西の高野」

四国霊場

2019.07.09

四国八十八か所霊場第21番札所太龍寺は標高600メートルの山の上にあるお寺。「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」といわれるとおり、焼山寺、鶴林寺に次ぐ阿波の遍路転がし第三弾です😫

太龍寺は「西の高野」と呼ばれ、荘厳な本堂と大師堂をはじめ見どころが多いお寺です。

もともとの遍路道では遍路転がしぶりは健在ですが、ロープウェイの開通によって難易度は格段に下がりました。ロープウェイを使う・使わないでアクセス方法が大幅に変わるので、詳しく解説します💁‍♀️

太龍寺ロープウェイを使用しない場合、公共交通機関でのアクセスは無理め。車でのアクセスをおすすめします。
・最寄り駅(JR牟岐線桑野駅)から9.5km
・最寄りバス停(丹生谷線「阿瀬比」)から6.3km

太龍寺へのアクセス

太龍寺

〒771-5173
徳島県阿南市加茂町龍山2

太龍寺へのアクセスはロープウェイを使うかどうかで大幅に変わります。まず、ロープウェイを使用する場合はカーナビの設定を「太龍寺」にはせず、必ず「太龍寺ロープウェイ」にすること!山を挟んで反対側にあるので、取り返しがつかなくなります💦

ロープウェイを利用する場合

  • 鶴林寺から太龍寺へ行く場合、県道283号線、県道19号線経由で20分程度
  • 徳島自動車道徳島インターから国道55号線から県道28号線、19号線経由で約1時間

ロープウェイを利用しない場合

ロープウェイ乗り場とは山を挟んで反対側に太龍寺への入り口があります。

県道28号線に分岐があるので、見落とさないようにご注意を。車1台分ギリギリのかなり細い道です。普通車以上は通行できず、途中にヘアピンカーブが数か所あります。

太龍寺の駐車場

駐車場もロープウェイを利用する・しないによって事情が変わります。

ロープウェイを利用する場合

ロープウェイ乗り場に無料で利用できる大型駐車場があります(150台分)。

ロープウェイを利用しない場合

駐車場は10数台分のみ、駐車料金500円を納経所で納めます。駐車場から本堂まで約1km、急な山道を30分~40分かけて進む登山並みの厳しさです。

公共交通機関でのアクセス

公共交通機関でのアクセスもロープウェイを利用する・しないによって変わります。

太龍寺ロープウェイを利用しない場合、公共交通機関でのアクセスは難しいです。

ロープウェイを利用する場合

徳島バス丹生谷線に乗車し「和食東」バス停で下車、ロープウェイ乗り場まで100m

ロープウェイを利用しない場合

  • JR牟岐線桑野駅から9.5km
  • 徳島バス丹生谷線「阿瀬比」から6.3km

前後の札所

20番札所鶴林寺から6.5km

22番札所平等寺まで10.9km

太龍寺の御朱印

太龍寺は鐘楼門近くの本坊に納経所があります。納経所内部にはお守りやお遍路グッズなども多数ありました😆

太龍寺でいただける御朱印は3種類。

  • 四国八十八か所霊場第21番札所
  • 奥の院・舎心ヶ嶽
  • 阿波秩父観音霊場第10番札所

オリジナル御朱印帳あり?

太龍寺にはオリジナルの御朱印帳があるそうなんですが、時間の都合でゆっくり納経所内を見られなかったので現物は未確認です。四国八十八か所霊場の納経帳ではなく汎用的な御朱印帳で、舎心ヶ嶽の求聞持法修行大師像やロープウェイがデザインされています。

太龍寺の御影

太龍寺で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。

カラーの御影をいただく場合は別途200円が必要です。

太龍寺について

延暦12年(793年)に聖武天皇の勅願により、阿波の国司・藤原文山が伽藍を建立、弘法大師が虚空蔵菩薩像を刻んだといわれています。

天長2年(825年)には淳和天皇が寺領を寄進し、皇族や武家からの信仰が厚く栄えていましたが、天正年間(1573年~1592年)には長宗我部元親による兵火で堂宇が焼失。徳島藩主・蜂須賀家の保護によって再建されました。

本堂は標高約600mの太龍寺山の山頂近く(505m付近)に位置し、四国霊場で6番目に高い場所にあります。鶴林寺は山の上すぎて諦めた長宗我部元親ですが、なぜか太龍寺はきっちり焼かれました。なんでだよ😂

正式には舎心山(しゃしんざん)常住院(じょうじゅういん)太龍寺(たいりゅうじ)といい、高野山真言宗のお寺です。

寺号の「太龍」は、舎心ヶ嶽で求聞持法修行中の若き弘法大師を守護したという大龍(龍神)が由来だとか。かっこいい🐉

太龍寺の御本尊

太龍寺の御本尊は虚空蔵(こくうぞう)菩薩。

福と智を虚空のように無限に持ち、人々の望みを叶えてくれるというありがたい仏さまです。四国八十八か所霊場で御本尊が虚空蔵菩薩なのは太龍寺のほか、12番札所焼山寺と24番札所最御崎寺の3か寺だけというレア御本尊ですよ。

毎年1月12日に開帳され、11時から法要、正午から15時頃まで本堂で拝顔できます。

太龍寺の見どころ

太龍寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。

ロープウェイで行くお寺

太龍寺といえば、太龍寺ロープウェイ。遍路転がしもロープウェイの開通で楽々アクセスできるようになりました👏

乗車時間約10分で山を2つ越えて行きます。途中、大自然の景色とニホンオオカミの像や舎心ヶ嶽の求聞持法修行大師像、山さきもりなどを見ながら空中散歩が楽しめますよ。

ロープウェイ乗り場を出ると、立ちはだかる108段の階段。もちろん、108は人間の煩悩の数です。

厄年ごとに表示があり、100段目では祝福してくれます🎉本堂まであと少し!

ロープウェイで行くと仁王門が見えない問題

太龍寺の仁王門はロープウェイを使用しないルート側にあり、金剛力士像は徳島県で最大・最古のもので鎌倉時代に作られました。

この仁王門は文化3年(1806年)製、太龍寺最古の建造物でぜひ見たいところですが、仁王門のあたりが参道でいちばん急傾斜できついと評判なのでなかなか行けず…。ご興味がある方は、ぜひチャンレジしてみてください。

舎心ヶ嶽見えます!

ロープウェイ乗り場からすぐ、舎心ヶ嶽(しゃしんがたけ)の遥拝所があります。弘法大師が19歳のとき、虚空蔵求聞持法修行をしたという聖地がすぐそこに!

うん、写真だとあんまり見えねぇな😂

現地ではここから赤丸のあたりに求聞持法修行大師像がうっすらと見えます。肉眼で見る以外にもドローンで空撮した映像が見られるQRコードも掲示してあり、舎心ヶ嶽は太龍寺一押しスポットとなっています。

お遍路さんは時間の都合で奥の院までなかなか行けないという場合が多く、ほとんどの人がスルーしてしまいます。現地がどうなっているのか、舎心ヶ嶽に行ってみた記事をどうぞ💁‍♀️

荘厳な本堂

嘉永5年(1852年)に建立された本堂は国の登録有形文化財に指定されています。現在の本堂は築170年ほどですが、建物の傷みにも太龍寺の長い信仰の歴史を感じ、圧倒される荘厳さでした。

2018年の台風で倒木が直撃し、屋根が部分的に修繕されたそうですがパッと見はわかりません。2019年6月には本堂のちょうちんにムササビが巣を作ったというほのぼのニュースもありました(現在は撤去済み)。

ぐるりと一周、飛び出す獅子の彫刻があってかなりゴージャス。

本堂には巨大なダルマもいます。荘厳な雰囲気の中、異彩を放っていました😂

ちなみに、本堂の左奥には弘法大師が舎心ヶ嶽で行った虚空蔵求聞持法修行を行うための「求聞持堂」があり、現代でも修行にチャレンジする僧侶がいるとか。

びんずるさん

太龍寺の賓頭盧(びんずる)尊者は本堂の内部にいます。

「びんずるさん」と呼ばれるなで仏で、なでると病気が治ると信仰されています。ちゃんと全身撫でまわせるタイプの模範的なびんずるさんでした。

龍がいっぱい太龍寺

「太龍寺」というだけあって、寺号にちなんで境内にはたくさんの龍がいました。

手水舎には仲良く並んだ首だけの龍さん、なんだか温泉に入っているみたいです。迫力があるのか、ゆるキャラ寄りなのか…微妙なデザインで好き。

本堂には奉納された龍の絵がいくつかあります。やたらとボケてる写真でわかりにくいですが、真ん中の龍の絵は人の動きに合わせて目玉が動くタイプのトリックアート的な絵でした。

大迫力の天井画もあります!この絵は納経所の隣、本坊(持仏堂)の天井いっぱいに描かれています。本坊の中に入ってじっくりと見学することはできませんが、扉が少し開かれているので外から見ることはできます。

少しずつ薄れているそうなので、いつか見れなくなるかも。。。

高野山と同じ配置の大師堂

太龍寺の大師堂は橋を渡り、拝殿があって奥殿があるという高野山奥の院と同じ配置(奥殿方式)になっています。これが「西の高野」と呼ばれる理由。

現在の大師堂は明治10年(1877年)に作られたものです。弘法大師の生家である75番札所善通寺を除けば、太龍寺の大師堂は四国霊場でトップクラスの大きさ&荘厳さじゃないでしょうか。

「ネコ科の猛獣の首根っこをつかむ人」みたいな謎の彫刻が気になりますが、大師堂の彫刻はすべて中国の神話や民話がモチーフになっているそうです。どんな話なの…😂

大師堂には弘法大師の十大弟子が壁に描かれていたり、四方には白虎や青龍などの四神が配置されているそうなのでぜひ一周してじっくり見てください✨

裏側にまわると奥殿を見ることができます。

大師堂から多宝塔へ上がることができますが、時間の都合で行けず。

多宝塔は文久元年(1861年)に作られたもので、法界虚空蔵、金剛虚空蔵 宝光虚空蔵、蓮華虚空蔵、業用虚空蔵の五尊からなる「五大虚空蔵」が安置されています。五大虚空蔵には息災増益(災いを除き寿福を授ける)の御利益があります。

鶴林寺見えます

山を挟んだ向こう側、鶴林寺が見えるポイントがあります。

フクロウさんのお腹の中をのぞくと、赤丸のあたりに鶴林寺の三重塔の屋根がかすかに見えます。

山を挟んで向かい合っている配置になっていますが鶴林寺からは太龍寺が見えないので、遍路転がしを2つ制覇したことをかみしめてください。

太龍寺オリジナルおみくじがおすすめ!

太龍寺にはここでしか引けないオリジナルのおみくじが2種類あります。

納経所前にある巨大ダルマ、ここでも熱いダルマ押しです😂ダルマの中には小さいダルマがみっちり詰まっていました。ボディにおみくじが入っていて、ダルマはひとつひとつ顔が微妙に違う手作り。背中には「太龍寺」と書かれています。

ヒモをひっぱるとおみくじがコンニチハするタイプです。このダルマさん、後ろ姿が焼たらこみたいですね😂

もうひとつ、昔からある伝統的な太龍寺の龍のおみくじ。中にはおみくじと小さな龍のお守りが入っています。お守りは財布に入れるのにちょうどいいサイズで、袋に入っているので汚れない&無くさない優れもの👌

太龍寺のおみくじは種類が多いですが、これ以外は他の神社やお寺でも見たことがありました。

小坊主くん

大師堂前にたたずんでいました。

まとめ

太龍寺は四国霊場屈指の壮大さで、まさに「西の高野」と呼ぶにふさわしいお寺です。

境内はかなり広くて、紹介した以外にもいろんな石仏や文化13年(1805年)に作られた珍しい金属製の相輪橖(そうりんとう)、六角経蔵や不動堂などがあり、見どころがいっぱいでした。

ロープウェイの開通でアクセスも便利になったので、ぜひ時間をかけてゆっくりと参拝してくださいね。

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四国八十八か所霊場第22番札所平等寺は阿南市の山あいにあるのどかなお寺。気軽にお参りできる開かれたお寺にしようと副住職が精力的に活動されていて、秘仏だった御本尊も本堂で常時開帳されています。オリジナルの授与品「食べるお札」もあります。

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