2026年9月21日月曜日

Why Homer's Odyssey Still Matters - And What Christopher Nolan Got Wrong... https://youtu.be/5MGXoqDTvdo?si=G_ykLl2V4ZYTg5za @YouTubeより

リベラリズムはなぜ失敗したのか 

リベラリズムからの体制転換: ポストリベラルと共通善保守主義 

American Odyssey: What an Ancient Story Reveals about Our Divided Souls (English Edition) 

Why Homer's Odyssey Still Matters - And What Christopher Nolan Got Wrong... https://youtu.be/5MGXoqDTvdo?si=G_ykLl2V4ZYTg5za @YouTubeより


https://youtu.be/5MGXoqDTvdo?si=G_ykLl2V4ZYTg5za


 (00:00-00:27)

クリストファー・ノーラン監督の超大作映画「オデュッセイア」が興行収入で 嵐よ、なぜホメロスの叙事詩は今もなお重要なのか?そしてノーランは何を見落としたのか? 新刊「アメリカン・オデッセイ」の著者、パトリック・デニーンは、このアロヨにいる。 グランデ。さあ。


(00:27-01:47)

アロヨ・グランデへようこそ。今すぐ番組を購読してください。 通知をオンにしてください。今後の情報を見逃してほしくありません。 さて、皆さんはクリストファー・ノーラン監督の作品に対するソーシャルメディアでの怒りと称賛を目にしたことでしょう。 「オデッセイ」なので、原作を深く理解している人に話を聞いてみようと思いました。 教材。彼はプリンストン大学、ジョージタウン大学で30年間、古典を教えた。 そして今はノートルダム大学で、2012年から政治学を教えており、 新しい本、時宜を得た本『アメリカン・オデッセイ:古代の物語が明らかにするもの』を執筆した。 「分裂した魂について」というテーマで、パトリック・デニーン博士をアロヨ・グランデにお迎えしましょう。 ようこそ、パトリックさん。お越しいただきありがとうございます。 ありがとう。 さて、あなたも私もノーラン監督の「オデッセイ」を観ましたね。本の話に入る前に、 正直言って、この映画の映像表現にはがっかりした。 ここで全てを告白します。 それらのIMAXメガスクリーンには、私の考えでは、ほとんどが退屈な画像でいっぱいだった。 ジャンプスケアはほとんどない。しかし、ホメロスの叙事詩について博士論文を書いた男として、 クリストファー・ノーラン監督の作品と呼ばれているものについてどう思いましたか? ホメロスのキリスト教化? あなたはそう捉えていましたか? ええ。それは面白い表現ですね。私はそれを一種の ほぼポストキリスト教


(01:47-01:59)

この非常に古い物語の枠組み。 言い換えれば、キリスト教は確かにノーランの世界観に影響を与えているが、 いわば、ポスト・キリスト教的な世界観と言えるでしょう。


(01:59-02:03)

それは根本的に平和主義です。


(02:03-02:09)

さまざまなリベラルな美徳や正統性、順応性を取り入れ、


(02:09-04:44)

主人公の男性キャラクターの自傷行為、さまざまな女性の地位向上 登場人物たちの美徳は、単に彼らが男性ではないという理由だけのように見える。 そしてもちろん、オデュッセウスの全体的なテーマは、 罪悪感、そしてそれゆえにこの世界の文明の終焉は 彼がトロイで行ったこと、彼が犯すことができた暴力行為―― 右 …トロイで。つまり、ある意味では、それは非異教的なことを非常に反映していると言えるでしょう。 それは世界観ではあるが、完全にキリスト教的な世界観を反映しているとは言えないだろう。 それは、ある種の穏やかで進歩的な、ポスト・キリスト教的な世界観だ。 ふむ。ノーランはトロイの木馬の場面をホメロスではなく、ヴェルギリウスから借用している。 そしてホメロスはこの詩の中で、ウェルギリウスの物語に言及している。 それは初期の適応と呼べるかもしれないね。 しかし、ここでいうトロイの木馬は、オデュッセウスの最初の罪である。 ホメロスの物語の壮大なスケールと道徳的な観点から見て、なぜそれが問題なのでしょうか。 ホメロスがその詩を通して伝えようとしていることとは何だろうか? まあ、それは間違いです。なぜなら、物語全体の構成が、そしてこれは もう一つのポストキリスト教- うん ...その側面から言えば、それは彼のプロモーションのための手段と言えるでしょう。 私は基本的に移民賛成で国境開放的な政策を考えています。 全員見知らぬ人だった。 うんうん。 そして、作品や叙事詩の最初の罪は、 この場合の映画では、トロイの木馬は一種の ギリシャの美徳である客人との友情の放棄。 これはギリシャ人からトロイア人への贈り物であり、 誤った前提。そしてこれが、映画によれば最初の大きな事例である。 ゲストに親切にすることやオープンであることなどのルール、 そして基本的に、その壁は良い形で崩れるべきだ。 うんうん ...破壊的な方法ではなく、トロイの木馬は オデュッセウスは、客人との友情のルールを破った人物と言えるだろう。 ええ。いや、あなたの言う通りです。彼らはそのセリフを誇張して、何度も何度も、 聞いてください、ゼウスはあなたが見知らぬ人を歓迎し、彼を テーブル。そして、それがノーランの描写にあるように最初の罪であるならば、トロイア人は 馬、その装置全体はそれ自体が罪深く、破壊的で恐ろしいものであり、 オデュッセウスはそう感じている。しかし、


(04:44-04:57)

映画の内容をネタバレしたくないのですが、ほとんどの人は知っていると思いますが、彼は基本的に そしてドアに鍵をかけ、歓迎された見知らぬ人の格好をして同じことをする すべてがまた繰り返される。彼は目につく者すべてを殺していく。


(04:57-05:32)

そうですね。ええ、もちろん、イタカで起きていることは、求婚者たちが破局したということです。 客人との友情の法則。彼らはもう長居しすぎている。 実際、彼らは歓迎されていない。 うんうん。 そして彼らはオデュッセウスの家の食料をむさぼり食っている。 つまり、ある意味では、彼らは自らの運命にふさわしいと言えるだろう。 右。 彼らは、その形の客人を破ったことで、当然の報いを受けたのだ。 友情。そしてもう一つ例を挙げるべきでしょう。それは―― うん …映画では完全に省略されている。おそらく最もタイプの人物は 客人との友情を軽視するのはサイクロプスである


(05:32-05:38)

そうそう …文字通り、これらのギリシャ兵を食い尽くす。文字通りに。


(05:38-06:09)

この点に関しては、映画は正確だ。彼はこれらの男たちを貪り食う。 うん。 それなのに、彼はどこか誤解されている人物として描かれている。 形。 はい、同情を誘う人物です。 そうですね。これは、物語が語り直されるまったく奇妙な方法です。 クリストファー・ノーランの手による。そしてもちろん、そのシーンで欠けているもの それは本当に重要な瞬間のひとつです。 実際、こう主張することもできる


(06:09-07:02)

決定的な瞬間でなければ はい …トップ3に入る重要な瞬間の一つ。 あなたが何を言おうとしているのか、私には分かります。 良い- オデュッセウスの賢さについて はい …彼の技量、彼の狡猾さ。 その通りです。つまり、これは実際に例を見ることができる瞬間の1つです。 それはある意味、オデュッセウスの賢さの一瞬の表れだった。 そしてもちろん、これは有名な彼自身の名前の語呂合わせで、ギリシャ語では オデュッセウス、つまり私は人間でも何でもない者だ ああ …彼はサイクロプスに、それが自分の名前であり、本名に非常に近いと告げる。 そしてもちろん、それが彼の冒険につながる 逃げるサイクロプスは、片目を潰された後、仲間に叫ぶ キュクロプスは言った。「誰も私の目を潰していない。誰も私に怪我を負わせていない。」そして… 他のキュクロプスたちは皆、「わかったよ、じゃあ寝なさい」と言った。


(07:02-11:01)

そうですね。そこを見落としています。この物語には、他にキュクロプスは一切登場しません。 それは正しい。 洞窟の中には男が一人だけいる。 洞窟にはキュクロプスが一体だけ。 はい。 おっしゃる通りです。それは、オデュッセウスの本質を損なうものであり、それはオデュッセウスという人物の非常に重要な部分です。 ホメロスの表現、彼の技巧、彼の狡猾さ、彼のほとんど無頓着な狡猾さ 全体を通して。ここではそれが剥ぎ取られています。 ああ、もうなくなってしまった。 …そして、非常に内省的な自己陶酔、罪悪感に取って代わられた。 うん …オデュッセウス。 罪悪感。そして、それが、人々がそれを ある種のポストキリスト教的あるいはキリスト教的な語り方、なぜならそれは罪のレベルが オデュッセウスが経験したこと。 オデュッセウスは 部下全員の死を悲しんで、 帰郷の失敗。例えば、彼が騙した後 キュクロプス。彼らは船で去っていく途中、キュクロプスから無事に逃げ出すことに成功する。 オデュッセウスは、やや傲慢な態度で、キュクロプスに向かって自分の本名を叫んだ。 彼は言う、「もし誰かがあなたの目を潰したのが誰かと尋ねたら、こう答えてください。 「私こそがオデュッセウスだ。」 うんうん。 そしてその時、キュクロプスは父の手に怒りを呼び起こし、 ポセイドンはこう言います。「この男を虐待し、罰し、最終的には殺し、 彼が殺されず、帰郷を妨げられなければ、彼のすべての 「海では男たちが命を落とす。」そしてもちろん、それがポセイドンの動機となる。 本質的にオデュッセウスの帰還を長引かせることで、 誇りの瞬間。だからオデュッセウスには多くの点で責任があるが、冒頭で 詩の行の中で、ホメロスは物語の中で、 男性は、大抵の場合、自らの破滅の原因を自らに負っている。 そして彼は、彼らが下した決断、特に神の牛を食べたことを指摘する。 太陽の うん、ヘリオス …これも描かれている。つまり、オデュッセウスは単に 罪悪感と後悔を抱えている人物像は、非常に不正確である。 古代神話の描写であることは間違いない。 しかし、それは同時に物語そのものを歪めてしまうとも思う。 一体どのような点で、どのような形で、この男は英雄なのだろうか、と疑問に思うだろう。 どのような方法で 右 …彼は私たちが模範とすべき人物なのか、尊敬すべき人物なのか、それとも… うん ...自分たちの生活の様々な側面をモデルにしているのだろうか? まあ、彼は明らかにエミリー・ウィルソンの非常に物議を醸す、と一部の人が言う ホメロスのフェミニスト翻訳では、文章が実際に書き換えられています。 他の翻訳と比較してみてください。 その資料は、 これらの出来事やオデュッセウス自身が、ノーラン版の映画でどのように描かれているのか? おそらく少し違った言い方をすると思いますが、 ウィルソンの翻訳では、彼女自身が、ある意味で、 オデュッセウスをキャラクターとして貶めることで、ウィルソンの魅力が 翻訳はノーラン自身の頭の中に既に存在していた。 ああ。 これは、別の翻訳であれば、おそらくもっと 英雄オデュッセウス うん …しかし、ノーランのその衝動は既に存在していたと思う。 この点についてはあなたの言う通りだと思います。彼はある意味でオデュッセウスを オッペンハイマーの古代版 おお …暴力、戦争、彼の…について後悔している。 …男らしいステータス。だから、それは単に不正確なだけでなく、荒唐無稽な話です。 物語の再話だが、彼の キャラクターと、もちろん「 「オデッセイ」は、実際に何かを得たかもしれない人々にとって、本当に不利益なものである。 この偉大な叙事詩の再話から


(11:01-11:31)

話。 ええ。あなたの著書「アメリカン・オデッセイ」は、偉大な この物語の枠組みと、私たち全員がそこから学ぶことができる素晴らしい教訓 時間の経過とともに、そこから歪んだ形で、ピクセル化されたレンズを通して ノーラン、あなたの著書で引き出されている教訓の多くは、ここではかなり歪曲されて伝えられています。 ホメロスはなぜ今も重要なのか?オデュッセウスはなぜ今日でも重要なのか? うん …2026年?


(11:31-11:33)

それで


(11:33-12:24)

この映画で一番私を動揺させたのは、 私たちがこれまで言ってきたことの多くが含まれています。 うん …しかし、オデュッセウスの旅の物語は、もちろん絶対に 何千年もの間、人間だけを執着してきた。 うんうん 彼が挑むすべての冒険、すべての人物、これらの生き物、 彼が出会う神々。それは、いわば人間の魂の物語だ。 あるいは、私たちの人間性とは何かを探求する努力。 非常に寓話的な形で、オデュッセウスは絶えず誘惑されている 人間以上の存在になる可能性、神のようになる可能性、あるいは人間以下の存在になる可能性 人間よりも獣のようになる。 ん。 だからもちろん、恐ろしい怪物や生き物がいて、


(12:24-12:27)

違う、


(12:27-12:29)

のように


(12:29-12:32)

のシーン


(12:32-12:37)

攻撃してくる巨人たちと うん …彼の乗組員を全滅させる。


(12:37-13:01)

これは間違いなく、その帰郷の一部である。 しかし、ノーランのテキストだけを知っていれば、唯一の イサカ以外では、何もなく、 イサカならまだしも、本当に何もかもがひどい。 全てが本当にひどい状況だ。 すべてが恐ろしく、怪物や致命的な生き物で満ちている。


(13:01-14:33)

そして、誘惑など全くない。キルケは誘惑ではない。 カリュプソはオデュッセウスをそこに留まらせるために、彼に薬を飲ませなければならなかった。 数々の素晴らしい瞬間がある。 セイレーンたちは彼に知識の歌を捧げる。 うんうん …あらゆることを知る可能性。 ノーランが語るところによれば、それは彼が耐えなければならない拷問である 彼がセイレーンの島を通り過ぎるとき。 つまり、彼の帰郷の旅は、全体として言えば、まさに恐怖の物語と言えるだろう。 彼がしなければならないこと うん …乗り越え、道を切り開き、故郷へ帰る。 しかし、私が思うに、『オデュッセイア』が今日私たちに本当に提供し続けているもの、そしてこれからも提供し続けるもの 今日、それは私たち人間にとってどれほど困難で挑戦的なものなのか 理解し、それ以上の存在になりたいという誘惑のない人生を送る存在 人間と人間以下は、私たち自身の世界をナビゲートする一種の方法であり、 に- …それらの誘惑を乗り越える。そしてキリスト教以前の時代の最初の航海士は 世界はオデュッセウスだった。 ええ、そしてあなたの著書では、この物語に関する他の主要なアメリカ人の見解にも言及していますね。 コーエン兄弟の「オー・ブラザー!」は、かなりゆるやかに原作に基づいていると言わざるを得ないが、 はい …オデュッセウスと「オデュッセイア」。カーク・ダグラスの「ユリシーズ」、レイ・ファインズの映画、 昨年公開された「ザ・リターン」は、実際には その第三幕の演奏は、 はい …オデュッセウスは故郷に帰る。


(14:33-14:43)

昨年、ストリーミング配信で偶然それを見て、「これは本当に心に響く」と思ったんです。 ノーラン版は、他の作品と比べて、あなたの中ではどのような位置づけですか?


(14:43-14:52)

そうですね、少なくとも撮影技術の面では、ノーラン版の方が優れていると思います。 そして


(14:52-15:02)

特に最も有名な遭遇のいくつかを示す、実証 サイクロプスと共に、 うんうん ...キルケと共に


(15:02-15:10)

スキュラとカリュブディス。これは明らかに最も 映画的に


(15:10-15:23)

この曲の、魅惑的で、まさに心を奪われるようなバージョン。 「オデュッセイア」を愛する者として― うんうん …そして、現代人として「オデュッセイア」を読む人は、


(15:23-15:30)

それを読んだら、映画化してほしいと思う。見たいと思う。 あなたが見たいのは …その描写。そして私は思った、


(15:30-15:38)

確かにカーク・ダグラス版と比較すると うん ...技術が大きく異なっていた時代において、それははるかに優れていた。 でも私は思う


(15:38-16:04)

この他の3つのバージョンは、少なくとも忠実度という点では 原文の方がはるかに優れている。 彼らは原文に対してはるかに少ない改変しか行わなかった。 うんうん。 映画を脚色するには、必ず何らかの工夫が必要になる。 うん。 300ページ、400ページにも及ぶ壮大な物語を、実質的に 3時間。しかし、それは単なる適応ではなく、根本的な変化なのです。 それは、これまで述べてきたように、


(16:04-16:20)

ある意味では、物語の歪みが私を本当に動揺させるのは 何でも。 驚きましたか?私は大変でした。 私は同行していた人たちに、神々とは誰なのかを説明しなければならなかった。 「ああ、彼女は海の妖精だ。」だって、それは特に強調されていないから。


(16:20-16:39)

この人物が家庭にいる妻とは違う人物であることを示す視覚的な手がかりは何もない。 あるいは、城の侍女。 このバージョンに神々が登場しないことに驚きましたか? ええ。つまり、描かれている唯一の神は、もちろん、実際の神として


(16:39-18:08)

神よ、アテナは 右 ...少なくとも映画が示唆している限りでは、それは オデュッセウスの想像力。 それは彼が空想したり想像したりする何らかの人物像のようだ。 右 …まるで、ほとんど外部化された良心のようなものだ。 そして実際、彼女は多かれ少なかれ彼がある種の 彼は罪悪感と後悔の重荷を下ろす。 うん。 つまり、ギリシャの神々については、ある意味ではそれが最大限であり、もちろん、 非常に重要な役割 うん …本文中で。しかし、映画で神々を描写するのは難しいと思います。 そのため、神々を除外するという決定に完全に反対するわけではありません。 これは、あなたが絶賛した映画「ザ・リターン」が成功した理由を部分的に説明していると思います。 なぜなら、そこは『オデュッセイア』の中で最も神の存在が感じられない部分だからだ。 うん。 それは「オデュッセイア」の中で神々やアテナが役割を果たす部分だが、それ以外では、 第三幕では、神々はほとんど登場しない。 ん。 神々の描写で一番気になったのは、そしてあなたはすでに カリプソはキルケと同様に、ある種の半神のような存在だと彼女は示唆した。 彼女たちはニンフです。 うん。 彼らはギリシャ神話の神々のパンテオン、その拡張されたパンテオンの一部であり、 そして、特にカリプソの場合に重要なのは、彼女は親切な人物として描かれている 基本的には、オデュッセウスのセラピストのような存在だ。


(18:08-18:37)

ああ、そうだな。あるいはクルーズディレクターとか。 彼女は彼のために新しいアクティビティを考え出し、彼に新しいご褒美を与える。 右。 とても上品な見た目です。 はい。 映画の中のチャーリー・セロン。 ええ、ええ。でも、もちろん、作中では彼女は最も重要な登場人物の一人です。 うん なぜなら、彼女はオデュッセウスに不死を与えるからだ。 彼女は、半神の一人として、人間の男性に 彼女が恋に落ちる相手、それは不老不死の可能性だった。 そして私は思う、


(18:37-19:19)

おそらく私はトップの瞬間を3つ挙げましたが、これがトップの瞬間かもしれません。それは、 人間は女神から不死を授けられた時、どうするだろうか? そしてギリシャ神話から分かるのは、彼らはいつも「はい」と答えるということだ。 さて、物事がうまく終わらないことが多いのは、次のような場合です。 右 神になろうとするとき、しかしそれはほとんど意味がない。なぜなら人間は 彼らはこの不老不死の誘惑に心を奪われる。 うんうん。 そしてオデュッセウスは、7年間不死になるという申し出を断った。 カリプソの島。 彼女は7年間彼に「私と一緒にいて」と懇願し続けた。 「不死身になれ。」と言うと、「いや、家に帰りたい。」と言う。 知っている


(19:19-20:30)

私は君より美しくない女性と付き合うだろう。 私はトラブルだらけの家にいることになるでしょうし、自分の死に直面することも分かっています。 この結果として。」これはおそらくオデュッセウスの人生で最も英雄的な瞬間である。 …人間には断るのが難しいこの申し出を断る。 最後に一つだけ付け加えておきますが、映画にはそれがないので、 全く意味が分からない。後になって、オデュッセウスはこの申し出を断ったことが分かる。 不死の神オデュッセウスは既に冥界に行ったことがある。 しかし、このことは本文の後半で初めて明らかになる。 つまり、我々が発見するのは、彼が不死を拒否したということだ。 彼が死後の世界で直面するであろうことは、決して美しい光景ではない。 うん。 ここは決して私たちの天国ではない。 そこはかなり陰鬱な場所です。だから、オデュッセウスは本当に素晴らしい人物で、 この映画からは、そういった印象は全く受けない。 オデュッセウスの帰還があなたの本の主要なテーマの一つであることは知っていますし、 言ってみれば、人間性、そしてアメリカの経験について、真の教訓を与えてくれるものだ。 映画は


(20:30-20:45)

帰還は勝ち取り、戦って勝ち取ったものだと理解しているのか、それとも イサカを旅程の最後の立ち寄り地として扱い、 大ヒット映画の結末は? うん。


(20:45-20:49)

それは正しいと思います。特に、


(20:49-21:01)

先ほども述べたように、他に魅力的な選択肢は全く見当たらない。 うんうん …イサカ以外ではね。つまり、正直言ってイサカはそれほど素晴らしい街ではないんだ。 うん。 イサカは


(21:01-21:03)


(21:03-21:44)

完全に、徹底的に荒廃している。 求婚者たちが、国内のあらゆる店の商品を買い占めている。 彼は帰宅した時に妻がどんな気分でいるのか確信が持てない。 彼はアガメムノンの歓迎の話を聞いたことがある。 …愛人を作り不貞を働いた妻によって殺害された。 つまり、イサカについて懸念すべき点があることは分かっています。 しかし映画では、他のすべてがあまりにもひどいので、イサカはまるで まあ、他にどこにも行くところはないから、家に帰るよ。 うん …そして、そこにあるものに対処する。一方、もちろん、ホメロスのテキストの本文は、


(21:44-22:18)

おっしゃる通り、イタカは勝ち取らなければならないものであり、 真実を貫く ん …最終的にはオデュッセウスの人間性、彼の愛と結びついたもの 家族、家への愛情、そして自身の死を受け入れる姿勢。 そして、それもまた、映画には全く欠けている。 ええ。あなたの著書『アメリカン・オデッセイ』は、実は友人に勧められたものなんです。 この作品を書くに至った経緯と、他の作品との関連性について教えてください。 それは映画と関係がありますか? ノーラン監督の映画との関連性は、タイミングだけである。


(22:18-22:23)

映画が公開されると聞いたとき、


(22:23-23:29)

昨年の秋に うんうん 私の友人(もしかしたら同じ友人なのかもしれない)が、私にこう提案した。 何年も前に書いた博士論文を改めて読み返してみる。 ああ ...そして、ヒットするかもしれない短い本を抽出できるかどうか見てみましょう 映画が公開されたのと同時期に、私が主張したいくつかの論点を改めて紹介します 「オデュッセイア」についてもっと知りたいと思っている読者のために。そして私は それについて考え始めたとき、ノーランの 映画が公開される予定だったのですが、もちろん私は映画を見る前に本を書きました。 幸いにもそうしました。 うんうん アメリカもまた、建国250周年を祝うことになるだろう。 …あるいは独立宣言の誕生日。そして、なぜそうしないのか、とふと思ったのです。 一見すると、この二つの出来事を結びつけるのは、私にとって非常に理にかなっているように思えた。 一方では、偶然か偶発的なものかもしれませんが、実際には、私の考えでは、 実際には、


(23:29-24:13)

アメリカの物語、あるいはアメリカの魂は、これらを深く反映していると言えるでしょう。 少なくとも本文中で表現されている限りにおいて、オデュッセイア的なテーマと言えるだろう。 うん。 だから、私はその映画がどんな内容になるのか、考えたり予想したりしていなかった。 それは本当にホメロスのテキストに焦点を当てています。 …そして、彼がオデュッセウスとその帰還について語る内容のバージョンが それは、深くアメリカ的な現象や深くアメリカ的な文化に反映されている 象徴的なテキストや映画。 さて、あなたの本の副題は「アメリカン・オデッセイ」で、副題は「 「古代の物語が、分裂した魂について明らかにする。」分裂ってどういう意味?パトリック? つまり、こういうことなんです。


(24:13-24:24)

ホーマーが診断するアメリカ人の魂の奥底にあるものとは一体何だろうか? ええ、それはまさに私たちがこれまで話してきたテーマに反映されています。 うんうん。


(24:24-24:27)

「オデュッセイア」は、おそらく


(24:27-25:11)

聖書以外では、西洋で最も古いテキストの1つ、あるいは最古のテキストと言えるでしょう。 真実を知りたいという強い願望について語る伝統 私たち自身の経験や馴染みのあるもの、そして 許容範囲ですよね?ですから、もちろん創世記のテーマを反映しています。 コース、秋- うんうん バベルの塔から、人間が何ができるかを知りたいというこの切望は しばしば禁じられているもの、あるいは境界を押し広げ、 それは私たちに許されているものであり、私たちの魂を構成する一部である。 そして同時に、人間の魂の構成要素は、


(25:11-25:14)

家に帰る。


(25:14-25:39)

愛する人たちと一緒にいたいと切望し、 その人々との深い繋がり。その家、家族、場所、これらは 私たちに大きな影響を与えます。そして、もちろん、私たち自身の歴史を振り返り始めると、 アメリカの歴史的経験- うんうん ...そして私たち自身の文学、文化、映画


(25:39-26:17)

歴史を振り返ると、このダイナミズムやこのテーマ、あるいはこの緊張関係が見えてくる。 あらゆる場所で。これは、私たちが何者であるか、私たちの 歴史、そして偉大な文化的象徴を通して私たちがどのように自己を理解するか。 うーん。では、詩そのものを見ていきましょう。 妻のペネロペは20年間待ち続け、イタカで求婚者たちを退けている。 彼女の知性と創意工夫によって。 ホメロスは結婚を実際には何と考えていたのか、そしてなぜ古代の結婚観は いわば忠実さは、現代の聴衆にも依然として響くのだろうか?そうだろうか?


(26:17-28:21)

そうですね、この壮大な物語の中で最も感動的な瞬間のひとつは、 映画には描かれていないが、オデュッセウスとペネロペはある意味で、 お互いに完全に姿を現した。彼らは不信と 不確実性。オデュッセウスは故郷に帰る際、変装していた。 彼は、貞操を守ってきた妻と対峙することになるのかどうかわからない。 もし彼がその夜ベッドで殺されるつもりなら アガメムノンはそうだった。 右。 そしてペネロペは、これから何に遭遇するのかを知らない。 夫が20年間も不在だったのだから、誰が戻ってくるかなんて誰にもわからない。 しかも彼女は、この人物が本当に名乗っている人物なのかどうかも確信が持てないでいる。 そして、この本当に素晴らしいダンスの中で、二人は互いを試し、 明らかになったのは、彼らがまさに理想的なカップルだということだ。 彼らは賢く、思慮深く、慎重で、 好奇心旺盛。彼女は彼を試し、彼も彼女を試す。そして、二人が完全に お互いを認識することは、人生で最も美しい瞬間のひとつです ホメロス作品集。 うん。 ペネロペがオデュッセウスの腕の中に飛び込むとき、詩人は彼の有名な詩の一つを私たちに贈る。 これが他の何かに似ているかを比較する比喩表現。 そして詩人がペネロペの抱擁を例えているのは、 20年間海で行方不明になり、陸地で苦闘し、ついに自分の家にたどり着いた。 彼は自分の土地を受け入れ、自分が帰ってきたことを認識する。 言い換えれば、まさにその瞬間に―― ペネロペはある意味でオデュッセウスになり、オデュッセウスとペネロペは完全に 和解した。それはただのシーンで、引き出すシーンは多くない。 古代叙事詩における涙。これは夫婦愛の美しい場面である。 うん …そして、男性と女性の完璧な組み合わせは、 古代の叙事詩。 うん。 しかしそれは


(28:21-28:33)

深く感動的な場面だった。 ええ。美しい人間的な瞬間ですね。おっしゃる通りです。 そういったささやかな微笑ましい瞬間は、叙事詩には滅多に現れない。 …あるいは日常的に。 定期的にではない。 うん。素晴らしいね。


(28:33-29:15)

どうぞ。 ええ。もう一つ、そしてこれはおそらくノーランの最後の側面だと思うのですが 私が最も嫌悪感を抱く映画。 うんうん。 オデュッセウスが再び故郷に帰るとき、まだ見ていない人へのネタバレ注意。 うん。 しかし求婚者たちが殺された直後、 和解した二人は出発する。ペネロペとオデュッセウスは船に乗り、イタカを去る。 文明が崩壊の危機に瀕しているからこそ、そう提案されているのだ。 ん。 トロイアの略奪、オデュッセウスが解き放ったもののために、 ノーランが提案した うんうん


(29:15-29:40)

文明全体を脅かす力が解き放たれてしまった。 そして彼らは西へ航海する、おそらく 文明に何らかの安定を取り戻す方法を見つける ご存知の通りです。そして、これもまたホメロスの物語とは全く正反対です。 うんうん。 源


(29:40-30:41)

不安定さとトロイア戦争に象徴される断絶は、不貞行為である。 それはヘレンのものです。 右 誘拐された可能性もあるが、自発的な行動だったともよく考えられている。 夫メネラオスを捨てて トロイのパリスと不倫関係になることを決意する。 戦争はある意味で、紛争のために戦われる。 不倫 …家庭内の争いが原因で。 ん。 そのため、混乱と 夫婦の家庭と寝室における不安定さ、そして宇宙の秩序 それ自体。そして、これはまた、ギリシャ的な理解だと思います。 結婚の貞操と秩序の間には強い分裂がある 宇宙。つまり、「オデュッセイア」の最後の部分は、ある意味で、


(30:41-31:46)

「家庭内の秩序は回復できるのか」という疑問に突き動かされ、 それによって宇宙の秩序は回復されるのだろうか? そして『オデュッセイア』の最後のページは、本質的には復元であるだけでなく オデュッセウスとペネロペの結婚の物語だが、最後の場面には神々が登場する。 「これでこの争いは終わった」と言いながら。 この戦争は終わった。 彼らは平和が訪れると宣言する。人々は武器を捨てるだろうと。 トロイア戦争はトロイで終結したわけではない。 ある意味、オデュッセウスとペネロペが和解した時点で物語は終わる。 ん。 ノーラン監督の映画だけを見たら、このことは決して分からないだろう。 ええ、率直に言って、それは、1つよりもずっと興味深い結論です。 はい クリストファー・ノエルについて、妻が私に見せて、「まあ、彼はただ 冒頭のシーンでペネロペが言った「ボートに乗って 一緒に夕日を眺めよう。 それが起こったことだ。彼女はそうすればよかったと言ったし、彼は 戦争も、サイクロプスも、何もかも全て回避した。 そして彼女の言う通り、結局明確な教訓は得られないまま終わってしまうのだ。


(31:46-33:03)

しかし、ホメロスの教訓の方がはるかに興味深い。 そうです。 そして、もっと真実を言うと言えば、国内の不安定さが 共同体の不安定性 …それは…につながる。 はい …国家の混乱と崩壊。 そうですね。そしてもちろん、その話は確かに共感を呼ぶと言えるでしょう。 今日ですよね? うんうん。 他にどのような方法で、多くの点で、この深刻な不安定さを理解できるだろうか。 宇宙の擾乱、確かに私たちの国家および国際的な擾乱 私たちがそのつながりを根本的に理解しなければ、 家族を形成したり、家族の本質を理解したりする能力がないのか? うん。 だから、そうですね。 ええ。詩の冒頭では何も知らない少年である息子テレマコスでさえ 父親の庇護もなく、実質的な権威も持たない彼は、最後にはオデュッセウスと共に戦うことになる。 しかし、映画の中では、それも取り除かれている。 息子が男になるというこの流れの中で、彼は実際には男にならず、 少しばかり、人々は決勝戦でのトム・ホランドの姿を見て笑っている。 彼は最後にはまるで小さなお姫様のように見える。 私は実際にスパイダーマン役のトム・ホランドのインタビューを見ました。 テレマコス- …インタビューで「テレマコスは何歳だったと思いますか?」と聞かれた彼は、 「17」と答える。


(33:03-33:14)

父親が20年間も不在だったとしたら、それはかなり難しいだろう。 彼がその特定の計算をどのように行ったのか。つまり、彼は彼をあまりにも若く演じすぎたのだ。


(33:14-33:41)

そして彼は、とてつもない間違いを犯したのだ。 そしてノーランが彼を訂正しなかったという事実は、ノーランが単に 少なくとも部分的には、これを成長物語とは見なさなかった。 …確かにそれも事実です。 ええ。それは、何年も前から語られてきた文化に何を語りかけているのでしょうか。 父親のいない家庭、そしてアメリカでは特に父親のいない家庭が危機に瀕している。 そしておそらく今では西側諸国でもそうなっているでしょう?


(33:41-33:54)

もちろん、それは素晴らしい物語です 父親なしで育ったこの青年は、ある意味で外に出て、


(33:54-34:25)

比喩的な意味でもあるが、文字通りにも父親を探しに出かけなければならない。 そしてまた、これは実際にはあまり見られず、適切に描写されているとは到底言えません。 うん。 旅の途中で、まずピュロスのネストルへ、そして 映画ではある程度描かれているメネラオスとヘレンは、 初めて出会うのは、秩序正しく整然とした家庭です。 ん …トロイア戦争で偉大な戦士だった男たちに率いられていた。


(34:25-34:56)

彼が最初に立ち寄った場所で、非常に大規模な犠牲が捧げられているのを目にする。 つまり、神々を崇拝する一種の習慣は、 イタカは、神々が軽んじられている場所だ。 そして2番目の目的地では、メネラオスは2人の娘の結婚を祝っていた。 息子たち。だから、家庭の継続性と家庭の健全性は 彼が2番目の立ち寄り先で遭遇するもの。 しかし、それらのことは映画では一切描かれていない。 だから、


(34:56-35:25)

テレマコス- うん ...は、非常に迅速だが必要な教育を受けている。 彼自身の父親の不在と混乱の中で、彼は目指すべきでしょうか 彼自身の家庭の不安定さ?彼が帰国したときに目指すべきものは何だろうか? イサカ? ええ。パトリック、ホメロスの考えでは、徳のある人生を送る真の代償とは何でしょうか。 彼は男らしさについて何と言っているのだろうか?


(35:25-35:31)

さて、私がすでに述べたように、徳のある生活の代償は


(35:31-35:43)

私たちはある意味、これらのことをリードする運命にあるという認識、 原アリストテレス的トマス主義者は、どのような美徳の中に生きているか、


(35:43-37:43)

人間の美徳とは、獲得するものである。それは私たちが獲得するものであり、与えられるものではない。 そして私たちは、過剰と 欠乏。スキュラとカリュブディスのたとえ話で言えば、 アリストテレスは倫理学において、 彼は「美徳とは両極端の中間にあるものだ」と言い、それは少し スキュラとカリュブディスの間を航行する。 そしてアリストテレスが強調するように、物事は決してちょうど真ん中にあるわけではない。 真ん中を通ることはできないよね? 真ん中を進むと、オデュッセウスが真ん中を進むと、 カリュブディス号と船全体が破壊された。 そのため、私たちは慎重さを発揮できることが求められます。 私たちの状況を知っていて、私が誰であるか、そして私が置かれている状況を考えると 生きている中で、私はどのようにして、その人物になるという誘惑を乗り越えていくのだろうか もっと多くを、私の人間性の過剰を切望する者、 あまり多くを望まず、座りすぎているかもしれないし、 家に閉じこもりがちで、野心も失っている。人間として、私たちはどうやってこの状況を乗り越えていくのだろうか? そして、例えば良い父親や良い 母親たちと良いコミュニティ、これは達成されたことだ。 それは勝ち取るものであり、自動的に得られるものではありません。 それについて深く考え、熟考する。 ええ。そしてあなたの本は、まさにこの核心を突いているのです。 アメリカの精神は、外に出て探検し、限界を押し広げたいという欲求と 家庭の灯を絶やさず、地域社会と家庭における深い繋がりを保ちましょう。 トクヴィルは実際、アメリカ人は古典にあまり興味を示さないだろうと予測していた。 文学。私たちは落ち着きがなく、商業主義的すぎる。パトリック、彼は間違っていたのだろうか? ホメロスと『オデュッセイア』は、建国の父たちにどのような影響を与えたと思いますか? 想像力?彼らは明らかに古典に精通していた。 はい。


(37:43-39:42)

そう、もちろんトクヴィルはアメリカ人が ギリシャ語とラテン語と古典に非常に興味があり、 彼がその予測をしたのは非常に興味深い。なぜなら、 当時存在していたものは、ほぼ完全に基本的に教えられていた ギリシャ語とラテン語、そして原文を強調し、 オリジナル。つまり、彼はその時目にしていたことについて話していたのではない。 彼は、これから起こりそうなことをある程度予測していた。 そういう意味では、彼は全く正しかったと思う。 右。 もちろん、今日では古典を学ぶ学生がますます少なくなっているだけでなく、 そして、今日の古典学の現状を考えると、なぜ彼らが 古典を教えている多くの人々は、テキストそのものやテキストから得られる教訓を軽蔑している。 右 …彼らが教えていること。しかし、まさにあなたが述べた理由から、 実用性とより功利主義的な見方が、 国が時代とともに前進していくにつれて、アメリカ国民を活気づける。 しかし彼は、別の点も強調している。 彼は「誰もが古典を読む必要はない」と言った。 古典を読む必要がある人もいる。そして、特に 人々は、もちろん教育機関や 大学や学校、あるいはより広い社会において、それらが活気を醸し出す可能性がある これはアメリカ人の、より実利的で、より現実的な側面である。 それは正しい。 だから、それは、 古代の過去。しかし、アメリカ社会に酵母が残っている限り、彼は常に バランスをもたらす可能性があると考えた。 だから私は自分の小さなやり方で考えたいし、今、多くの人が 特に人々が「オデュッセイア」について語りたがっている今の時代には、 私たちは、そうした刺激を自らの社会にもたらしていく準備ができていると信じています。


(39:42-40:14)

うんうん。でもパトリック、ちょっとお話したいんだけど、あなたの本「アメリカン」 「オデュッセイア」は、「オデュッセイア」がいかに重要であるかを素晴らしい形で示している。 アメリカの物語は、「オズの魔法使い」から「ハックルベリー・フィン」、そして「アポロ」まで多岐にわたります。 13. あなたは、この化身の間の結合組織を示します 物語、あるいはオリジナルの物語、そして私たちが持っているそのすべての反映 時を経て、まさに現代に至るまで見てきたもの。 なぜこれが


(40:14-40:26)

物語は生き残ったのか?オデュッセウスと彼の特別な旅には何があるのか? アメリカ人だけでなく世界中の人々にも共感を呼ぶ家 世界?


(40:26-41:24)

もちろん、私がこれまで述べてきたように、これは非常に人間的な物語です。 それは、あらゆる人間の経験、あらゆる人間の中核にあると言えるでしょう。 少なくとも幸運にも、 何か別のこと。もちろん、ドロシーの有名な歌であり嘆きでもある「どこか遠くで」のこと。 「虹」。私たちはオデュッセウスの中に、そうした憧れを見出す。 残念ながら、ノーランの映画は、私には本当に欠けているように思えたが、 オデュッセウスがセイレーンの歌に誘惑される重要な場面について。 そしてオデュッセウスへのセイレーンの歌は、知識、知識を与えることである 地上で起こること、地上の上空で起こること、そして地底で起こることすべて。 言い換えれば、すべてだ。そして、オデュッセウスがこれらの束縛に抵抗するのはまさにこれなのだ。 彼はマストに縛り付けられている。彼は海に飛び込もうと必死にもがくが、 その


(41:24-41:29)

知りたいと思うのは、非常に人間的な現象である。 うん。 そして


(41:29-42:20)

これは映画では失われていますが、ある意味ではこれは オデュッセウスの称賛に値する側面は、知りたいという欲求であり、 うん 自分の命を危険にさらし、船から飛び降りて確実に負ける その過程における彼の生き様は、オデュッセウスの称賛に値する資質である。 そしてこれは彼が非常に誘惑される瞬間のひとつである。 うん 基本的に知識への欲求が非常に高いため、彼の帰郷は実現しないだろう 素晴らしい。そして、その一節を読んで、 彼ら自身の側面には何かが欠けている。 しかし同時に、先ほども述べたように、オデュッセウスと ペネロペの気持ちは、私たちも共感できる。 そしてこれが、分裂したアメリカ人の魂について私が言いたいことなのです。 人間の魂とは、この二つのことを求めるものだ。 私たちは、


(42:20-42:51)

それは私たちを、馴染みのある世界や既知の世界へと押し進める。 そしてこれは特にアメリカ特有の現象だと思う。 それはアメリカ人に限ったことではなく、この大陸にも存在すると言えるでしょう。 そして、私たちの性格において最も強烈な形で現れる。 私たちの歴史、ここに移住してきた人々の種類を考えると、 偉大なアメリカ人であったのは、 限界を押し広げてきたのは、探検家、開拓者、宇宙飛行士たちです。


(42:51-43:19)

私たちの伝統の中で、単に「できない」と言うことを拒否する偉大な人物は皆 「それは、我々には不可能だ。」それはアメリカ精神ではない。 うん。 そして同時に、私たちはアメリカ人が、 限界を押し広げ、探検し、新しい場所を見つけ、定住する 西へ向かうのは、根を下ろし、家を築くためだ。そこには目的がある。 うんうん。 だからそれが


(43:19-46:30)

ある種の緊張感やダイナミズム、そして私が既にそこに存在していると思うある種のパラドックス。 それは「オデュッセイア」に深く根付いており、そしてそれは、 私たち独自の物語、自己理解、そしてもちろん私たちの 独自の映画と文学。 パトリック、あなたの初期の著書の一つである『なぜリベラリズムは失敗したのか』についてお話したいのですが。 そしてあなたは古典的自由主義について話していて、 自由主義が失敗したのは、その約束を果たせなかったからではない。 成功したがゆえに失敗した。そしてその成功は家族やコミュニティを空洞化させた。 そして信仰。8年経った今でも、あなたはそれを信じていますか? そして、今や忍び込んできたシックな社会主義についてどう思いますか? アメリカの政治情勢は? ええ。だからあの本でのリベラリズムへの非難は、まさに非難だったんです。 自由主義の二つの極のうちの一つは、 ある種純粋化された、ほとんどイデオロギー的な古典的自由主義―― うんうん ...人間をこの自由な存在として捉えている 自然状態にある生き物としての選択者、社会を形成する生き物として 他の生物と契約を結ぶ。言い換えれば、自律的な個体は ん 歴史上のあらゆる束縛や義務から解放され、自らを創造する存在。 そしてそれが一つの極であり、それが時としてこれをより活気づけると言えるでしょう。 テック業界の若者たちに対する過激なリバタリアンの見解 自分たちは特定の国家に縛られていないと自認している。 うんうん ...根本的に国境がなく、ある種のトランスヒューマニズム的な傾向を持つ人々、 彼らは単なる死すべき運命に縛られるのではなく、どんなものも超越すべきである 彼らの人間性の限界は、技術的に可能である。 つまり、それはある種の古典的自由主義的見解の極端な例と言えるでしょう。 さて、あなたが今述べた進歩的リベラルの見解の極端なバージョンは、 それは、私たちが個人ではなく、この一部であるという一種の信念です。 一種の集団。私たちはその一員です。 …この種は、マルクス主義の用語を使うと、 そしてどちらの場合も、これら二つの自由主義の形態は、 古典的自由主義と進歩的自由主義は、空虚化に基づいている。 中間領域、市民領域、市民領域と言えばいいでしょう。 家族や近隣地域、コミュニティ、教会、国家が共存する場所 繁栄するためには、私たちが何かの一部となる必要がある。 右 単に個人としてではなく、義務と責任を共有する存在として捉えること。 そして義務。そして私が強調したいのは、これはまさに これは私たちのアメリカの遺産です。これは私たちの生活経験の一部ですが、 私は、自由主義のイデオロギーによって脅かされていると思う。 ますます支配的になり、 ん …それは、そうした人間関係の形態にとって真の脅威となってきた。 確かに、今日では至るところでそうした脅威を目にする。 ええ。減るどころか、増えていますよ。 ご覧のとおり


(46:30-46:37)

党派性からの圧力 ...実際に増加しているという点で- など、


(46:37-46:54)

私がこれを説明している最中に、リスナーや視聴者はこう思うかもしれません。「あなたは今 正反対の2つの現象について述べた。 うんうん。 あなたは一方ではこうした過激なリバタリアンについて説明し、そしてこうした 一方には過激な社会主義者もいる。そして私が本当に強調したいのは、 実は、


(46:54-48:31)

違いはあれど、彼らはある意味、弱体化させるという共通の決意を共有している。 それらの市民空間。どちらも、それぞれ異なる理由で、敵対的である。 私が言うところの人間共同体の形態は確かに カトリック教徒は、家族、家庭、コミュニティを大切にする人々として、 ストレスはある意味で、繁栄したリーダーシップの本質である。 人生、ある種の要件 うん …豊かな人生。そしてここでもまた、古典は私たちの中に息づいていると思う。 古典作品の中では、おそらく『オデュッセイア』が最初の偉大な作品の一つだと思います。 次のような表現- うん 人間は自らの道を見つけ、最終的には故郷に身を捧げなければならない。 そして家族と地域社会へ。 だからこそ、古典を吸収するだけでなく、 歪曲されていない、明確で本物のバージョンを見つける、または ノーランの場合は、耳をひねって …つまり、彼らは本来の姿とはかけ離れたものになり、メッセージを伝えるようになるのです。 それは確かにホメロスが意図したものではなかった。 ええ、私もそれに同意しますが、せめてノーランを褒める言葉を一つだけ言わせてください。 間接的ではあるが、この素晴らしい 会話- はい もしノーランがこの映画を製作・制作していなかったら…。 私はとても勇気づけられ、熱意にあふれています。 うん …ホメロスの『オデュッセイア』への関心が今まさに高まっていることによって。 そして、確かに、この映画を見た多くの人は誤解するだろう。 彼らは目隠しをされていたか、あるいは騙されていたのだろう。 うん。


(48:31-49:40)

しかし、彼らは決してそうするつもりはなかったのかもしれない。 全く遭遇しない …全く遭遇しないかもしれない。しかし、映画を見た人の中には、 興味を持った彼らは、もしかしたら原作を読んでみるかもしれない。 うんうん。 それが私の願いです。彼らがその本を読んでくれることを願っています。 うん。 彼らはこういったポッドキャストを聴いている。 彼らは、もっと責任感のある人たちが修正案を提示してくれるだろうと思う ノーランのアイデア。 うんうん。 そして、おそらくこれは、その欠点のすべてにもかかわらず、 映画は、人々が突然古典に興味を持つきっかけとなった。 ...この偉大で、素晴らしく、信じられないほどの叙事詩的テキストは、2800年前のもので、 それは、私たちのより広い文化の観点からすると、ほとんど忘れ去られており、 話題に上らなくなった。 ええ。彼らはそれを文化の中心に据えました。それは良い議論です。 それを持っていること。だから、そのことにも感謝しています。 さて、アロヨ・グランデのアンケートにご回答いただく必要があります。準備はよろしいですか? わかった。 これはまさに矢継ぎ早の質問です。 ああ、わかりました。準備不足です。 ああ、これは気に入るよ。 わかった。 あなたが最も尊敬する人は誰ですか? 私の父。 なぜ? 彼は偉大な人物で


(49:40-49:44)

母と非常に若くして結婚した。


(49:44-49:54)

幼い子供がいる家庭で、トラベラーズ保険会社で夜勤をしていた。 私が子供の頃は、彼と会う機会はほとんどありませんでした。野球のコーチをしてくれていました。


(49:54-50:00)

私たちに模範を示し、今日に至るまでコーチたちは


(50:00-50:03)

青少年スポーツ。彼は80代です。


(50:03-50:22)

信じられない。 ええ。私たちみんなが、そういう人が私たちのそばにいてくれることに感謝して祈ることができると思います。 生きる。 そうですね。パトリック、これまでで一番役に立ったアドバイスは何ですか? もちろん、それは「自分がしてもらいたいように他人にもしなさい」という黄金律でしょう。 自らの行いの結果である。 うんうん。


(50:22-50:34)

今日私が気づいたことの一つは、きっとあなたも気づいたと思いますが、 …は、まさに無礼のレベルであり、 はい ...今日の社会には純粋な無礼さがあり、私はそれを多くのレベルで感じています。


(50:34-52:05)

狂気じみた馬鹿げた進歩主義よりもさらに不気味だ の上。 なぜなら、これこそが文明の根幹を成すものだからだ。 はい。 あなたは、礼儀正しく、 丁寧な表現。どちらにも基本的に「都市」という単語が含まれています。 ん。 良い政治体制はあり得ない。これは『オデュッセイア』のテーマにも通じる。 礼儀作法や礼儀正しさの基本がなければ、良い政治体制は築けない。 礼儀正しさのことです。文明の基盤は、自分がしてもらいたいように他人にもしてあげる能力です。 彼らにはそうしてほしい ええ。いや、マナーと社会的なつながりですね。 それはとても重要です。 はい。 おっしゃる通りです。ごく基本的な礼儀ですね。 はい。 礼儀正しさ。 今はもう完全に失われてしまった。あなたの最大の恐怖は何ですか? 私はここ半年で祖父になったばかりで、 ん 私の孫たちが、 私が恵まれた環境で育った世界と比べて、はるかに、はるかに悪い状況だ。 ん。 現代アメリカで育つことは 本当に大変な挑戦になりそうだ。 …私の孫たちの世代のために。 そして私は毎日、私たちの国が 基本的な礼儀作法など、矯正の道筋をたどる。 うん …しかしそれ以上に、私の孫たちが祝福を受けるべきなのです 私が子供の頃から知っていたことです。 うーん。パトリック、君の人生で一番後悔していることは何? これ以上子供を持たない。


(52:05-52:14)

それはよくあることだ。 うん。 私もそれに賛成です。 うん。 うん。 妻と私は子供たちのことでとても忙しくなってしまいましたが、あんなに忙しくするべきではなかったのです。


(52:14-52:18)

うん。 あるいは、別のことで忙しくしているべきだった、と言うべきだろうか。 大丈夫です。


(52:18-52:27)

あなたは数人連れてきた。 はい。 それは良いことだ。 絶対に。 あなたが知っていて、他の人が知らないこと、あるいは忘れてしまったことは何ですか? そう思います


(52:27-53:01)

若者は私たちが思っている以上に多くのことができるということです。 そして教師として、私は確かにそれを授業で示そうと努めています。 でも、文明としては— ええ …私たちは学生にもっと厳しく、若者にもっと厳しくあってほしいと思います。 そうですね。 ええ。 父が夜勤をしていたことを話しましたね。 彼は20代でトラベラーズ保険に勤めていて、夜6時に起きて 8時に仕事に行き、午前4時に帰宅して寝ていました。 朝少し会うこともありましたが、彼は20代でそんな生活をしていました。 うん。


(53:01-53:22)

私は14歳の時にコネチカットのタバコ畑で働いていました、ただ稼ぐために— わあ …最低賃金以下でしたが、漫画を買いたかったからです。 うんうん。 まあ、世界で最も高尚なことではなかったけれど、私は本当に一生懸命働きました 子供の頃に、そして— 努力すること …今ではそう感じます—ええ、それが本当の労働倫理を築いたと思います。 うんうん。


(53:22-53:50)

そしてもちろん、学生に読むように求めることに関して— …授業で学生にやらせることに関して、私たちは本当に—私たちは しばしば若者を責めますが、彼らが悪いわけではありません。 本当に責任を負うべきは、次の世代にあまり求めていない大人たちです。 次の世代にあまり求めていないことに責任があります。 彼らは私たちが求める以上のことを絶対にできると思います。 そうですね。 だから、私が話していた恐れに対処する一部としては、


(53:50-53:54)

彼らにもっと多くのことを求めることです。 これが終わったらどうなりますか?


(53:54-54:03)

何が終わるのですか? あなたに解釈を任せます。 ああ、これが終わったら? これが終わったら、どうなりますか?


(54:03-54:06)

ええと、これが終わったら


(54:06-54:13)

もしこれがこの人生を意味するなら、私は確かに望み、期待しています、


(54:13-54:19)

救い主と天国で会えることを望んでいます。


(54:19-54:59)

しかし、これは終わりではないと予想しています。 うん、同感です。パトリック・デニーンさん、ここに来ていただき本当にありがとうございます。 『American Odyssey: What an Ancient Story Reveals About Our Divided Souls』は 現在、全国の書店やオンラインで購入可能です。ぜひ手に取ってみてください。 パトリック、来てくれてありがとう。 ありがとう、レイモンド。本当に楽しかったです。 またすぐにアロヨ・グランデに戻ってきてほしいですね。 なぜ乾いた窮屈な人生で満足するのか。善、美、真実で満たせば、 それは広く繁栄するアロヨ・グランデのように流れ出すのです。 私はレイモンド・アロヨ。この番組を購読し、このエピソードにいいねを押してください。 ご視聴ありがとうございました。また次回お会いしましょう。


(54:59-55:20)

アロヨ・グランデはDP StudiosとiHeartPodcastの協力で制作され、 iHeartRadioアプリやポッドキャスト配信サービスでお聴きいただけます。

2026年9月20日日曜日

【吉備素子さんが痛烈批判】クローズアップ現代は火消し番組? - 【日航ジャンボ機墜落事故】調べ疲れた人のための羅針盤

【吉備素子さんが痛烈批判】クローズアップ現代は火消し番組? - 【日航ジャンボ機墜落事故】調べ疲れた人のための羅針盤

【吉備素子さんが痛烈批判】クローズアップ現代は火消し番組?

「火消し」ではないか ー 遺族・吉備素子さんの抗議

8月26日放送の「クローズアップ現代」について、遺族の吉備素子さんは、「あまりのひどさに驚きました」という書き出しで、8月30日付けに青山透子さんのブログを通じて抗議文を公開しました。

金子国交相の発表は8月25日だったのに、なぜ番組は事故の日である8月12日ではなく26日に放送されたのか

吉備さんは、青山透子さんの新著が話題になったことへの「火消し」だったのではないかと見ています。

「氏名不詳」への疑問

吉備さんが問題視したのは、米国での訴訟でボーイング社は修理担当者を「氏名不詳」として一切表に出さなかったことです。

この点は「【逮捕が怖くて話せない】NHKクローズアップ現代「新証言」の中身」で紹介したショート動画で検察官の千葉さんが語った「関係者の刑事免責を認めない限り協力できない」というボーイング側の姿勢とも重なりますが、吉備さんはさらに踏み込みます。

2019年の情報開示裁判の準備の際に弁護団と過去の裁判記録を精査したところ、不起訴の際の遺族説明会で前橋地検の検事から「実は氏名がわかっていた」との話を聞いたとし、当時の検事正が「修理ミスは疑わしい」と述べたとも主張しています。

1985年の「受注最高」報道

吉備さんはさらに、1985年12月27日付の新聞各紙に「今年6機落ち、死者1100人だが、ボーイング受注最高」という記事にも言及。事故が起きた1985年という同じ年に、防衛庁がボーイング機を大量購入したという情報や、中曽根康弘首相とレーガン大統領の往復書簡の中で、全日空がボーイング機を購入したことへの謝意が示されていたという情報も紹介しています。

吉備さんは「墜落した年に、日本政府がその会社の飛行機を大量に買っていたのは裏取引ではないか」と訴えています。

抗議文の最後で吉備さんは、番組で語られたボーイング側の説明を「矛盾とデマと嘘の発言」だとして、今回の放送内容そのものを録画・記録し、法廷で改めて決着をつけたいという考えも示しました。40年以上前の裁判の記憶を、41年目のテレビ番組が呼び覚ました形です。

「圧力隔壁は壊れていない」松田智さんの技術的反論

9月4日、独立言論フォーラム(ISF)に掲載された松田智さんの記事は、遺族の抗議とは異なる角度からNHK番組を批判。松田さんが問題視するのは、番組が前提としている「圧力隔壁破壊説」そのものです。

事故調査報告書の本文には「推定される」とあるだけで、圧力隔壁の破損が墜落原因だと断定してはいない、というのが松田さんの指摘です。

吉備さんの抗議文がボーイング社の対応や利害関係という周辺事情への疑問であるのに対し、松田さんの記事は、事故原因の骨格そのものに向けられている点で性格が異なります。

復元写真に「大穴」がない

松田氏は、報告書に載っている圧力隔壁の復元写真・復元図を見る限り、
・垂直尾翼を吹き飛ばすほどの空気が漏れ出したはずの大きな損傷部分が見当たらず、ほぼ「お椀型」を保っている
・墜落現場ではこの圧力隔壁がほぼ完全な状態で見つかっていたものの、自衛隊が輸送のために切断し、後から組み直したのが復元写真
と指摘しています。

この切断は、修理の際にボーイング側の作業員が接続板を切ったという話とは別の出来事であり、墜落後の現場での対応だったと。加えて、機内写真では乗務員が通路を歩くなど平静な様子が写っており、生存者の証言や遺書にも急減圧を示す兆候が見られないとも述べています。

「本当の原因」をめぐる仮説

松田さんはさらに、垂直尾翼が壊れても機体はその後32分飛び続け、大月市上空では旋回飛行もできていたとして、横田基地への着陸直前に第4エンジンが破壊されたことこそが墜落の真因ではないかという見方を示しました。

また、前橋地検が不起訴としたのは無罪を確信したからではなく、報告書の内容があいまいで証拠として採用できなかったためだ、とも主張しています。

報告書付録にある「異常外力の着力点」の図が、NHK番組にも大手紙にも一切登場しないことにも触れ、公開情報であるはずのこの図がなぜ表に出ないのか疑問を投げかけています。この図が実際に何を示しているかという技術的な検証は、当ブログの関連記事で複数回取り上げています。

何を伝えなかったのか

吉備さんは遺族としての当事者性から、松田さんは物証・技術面から、それぞれ異なる根拠でNHK番組に異論を唱えており、二人に共通するのは、番組が伝えなかった部分にこそ大事な論点があるはずだ、という不信感のように感じました。

番組が示した「事故調査と刑事捜査のジレンマ」という切り口と、遺族・市民記者が投げかけるこうした異論のどちらが正しいというより、41年たった今も検証の余地がこれだけ残っている、という事実そのものが、この事故の重さを物語っています。

なお、吉備さんの主張は個々の周辺事実についての疑義であり、松田さんの主張は事故原因の骨格に関わるものなので、両者は矛盾するというより、それぞれ別の角度からNHK番組の不十分さを指摘。一つの番組をめぐって、これほど性格の異なる反発が同時に噴き出したこと自体、この事故がまだ「決着した過去」にはなっていないことを示しています。

クローズアップ現代の出演者に偏りはなかったのか

これは私個人の感想ですが、遺族として真相究明に尽力しているのは美谷島氏だけではなく、吉備素子氏や小田周二氏もです。しかも真相究明という点においては、2人とも血のにじむような努力を重ねてきながらこの41年を過ごしてきました。なぜNHKは、遺族として美谷島氏だけを出演させるのでしょうか。

また、ノンフィクション作家の吉岡忍氏を出演させるなら、なぜ「疑惑」の角田四郎氏は出演させないのでしょうか。都合がつかなかったのかもしれませんが、それでも「疑惑」が出版されてから後、アントヌッチ証言が出るなど多大な影響を与えていることは言うまでもありません。

捜査側の描き方にも偏りを感じます。番組に登場したのは前橋地検の千葉さんだけで、現場での捜査を担った群馬県警の関係者は一切出てきませんでした。なぜ検事だけが語り、警察は語らなかったのか。ボーイング社、日本航空、事故調査委員会も含め、事故に関わったあらゆる立場の人選を見渡しても、今回の番組は偏っているように感じます。

公平性を期すのであれば、NHKには吉備さんの指摘に応じた第二弾、第三弾の番組をぜひ企画してほしいと思います。

参考・出典

吉備素子さんの抗議文(青山透子オフィシャルブログ)
松田智「日航123便事件をめぐるNHK番組に対する大いなる違和感」(ISF独立言論フォーラム)

2026年9月18日金曜日

ユリシーズ



ユリシーズ

「ジェームス・ジョイスのユリシーズ」

●スタッフ
脚色
ジョセフ・ストリック
フレッド・ヘインズ
撮影
ボルフガング・スシッキー
シーマス・コーコラン
音楽
スタンリー・マイヤーズ
キャスト
モリー・ブルーム・・・
-バラ・ジェフォード
レオポルド・ブルーム…
.....ミャ・オシア
スティーブン・ディーダラス
モーリス・ローブス
バック・マリガン・・・・・・・・・.
..T.P.マッケンナ
サイモン・ディーダラス・・・・・・・・・マーティン・デンプシー
メイ・ガウルディング・ディーダラス
・・シェイラ・オサリバン
ペインズ…
ジャック・パワー
ガーティ・マクドール・
ベラ・コーエン…・・
ゾー・ヒギンズ・・ジョシー・ブリーン・・マイルズ・クロフォード
ブレイゼス・ボイラン....
...グレアム・ラインズ
....ピーター・メヨック
フィオスアラ・フラナガン
.....アンナ・マハーン
•モーリーン・トール
モーリーン・ポッター
........クリス・カラン
・ジョー・リンチ

•序曲
• タイトル
「ジェームス・ジョイスのツユリシーズ"は、現代二〇世紀文学の夜明けであった。彼の文学史上ユニークな貢献といわれる”意識の流れ”は、三つの異なった世界の融合による。
彼は、現在・過去の追憶・未来の幻想の三つをそれぞれ区別することなく混然一体として一つのストーリーにまとめあげた。ジョイスにとって、この三つは等しく現実であり、彼は現実のこの異なる三つの面をあえてそれぞれ分離・差別・価値づけしょうとはしなかった。
従って、この映画においても、そのような表現はとっていない。
〃ユリシーズ”の有名な〃夜の街”の場面で、主人公のブルームはダブリンの赤線地域をさまよう。そこで彼が経験する一連のできごとは、同時に過去の追憶と未来の幻想の流れをよび起す。
これは、ジョイスの”意識の流れ〃の最もよき一例で、文学上の最も想像的で強烈な表現といわれている。
モリー・ブルームの有名な独白も純粋な"意識の流れ”で、夫とならんでベッドに横たわるモリーが、過去と未来の恋と恋人たちに思いをはせる。
現実とないまぜた一連の追憶と幻想の句読点のない連続。かくて、この映画は原作と同じく、観る者に新たな要求を提起するのである」
(F・O)
•マーテロ塔
夜明けー。
マリガン、大空と海を眼の前に屋上に立ち両腕を拡げる。
マリガン「神の祭壇におもむかん。(階下に向かって)来いよ、ディーダラス!くそまじめのジェスイット!(まじめに)愛する人々よ、これぞまこと
の聖晩さん。肉体と精霊と血と傷ですぞ。ゆるやかな音楽、どうぞ静かに」マリガン、くそまじめにヒゲを剃り始める。スティーブン・ディーダラス階下から上がってくる。
スティーブン「マリガン、ヘインズはいつまでいる?」
マリガン「困った奴だ。君を紳士と思ってない。イングランド人め、金貨と化不良が自慢だ。あいつは君を、わからないんだ」
スティーブン「彼がいるなら僕は出る」
マリガン「麻拭きを借せ。剃刀をふくんだ。詩人の舁拭きというヤツだな。アイルランド詩人の新芸術色。まさに背っばな色というところだ。伯母は、君がお母さんを殺したと思ってる。臨終ひざまづくぐらい、できたはずだ。お母さんが死の床で祈ってくれと懇願したのに。君には悪魔的なところがある」
スティーブンの回想し。
母親の死の床。
マリガン「ジェスイットとは関係なく。
哀れな犬。君にシャツと鼻拭きを少しやろう。古ズボンは?」スティーブン「有難いが、グレーははけない」
マリガン「はけないとさ!作法は作法だが。母は見殺し、グレーのズボンはいや。見るがいい、その詩人のザン!
何が気にくわない?言えよ!」スティーブン「母の死後、初めて君を訪ねた時、君は伯母さんに、母をみじめに死なせた男だと言った」
マリガン「そう言ったか?それが何が悪い?死とは何だ?病院では毎日人が死に、解剖室で切りまれる。みじめ、それだけだ。君は、お母さんの臨終に祈らないで僕に怒ってる。僕は、君のお母さんを侮辱する気はなかった」
スティーブン「母のことではない」
マリガン「では何だ?」
スティーブン「僕への侮層だ」
ヘインズの声が階下からマリガンに呼びかける。
ヘインズ「いるか?」
マリガン「(スティーブンに)そんなことでくよくよするな。ヘインズが朝食
だ。一ポンドしぼれ」スティーブン「今日は給料日だ」
マリガン「四ポンドか?ーポンド出せ。盛大に酔おう」
・塔の中の部屋
雑然とした部屋。
スティーブン、マリガン、ヘインズがテーブルを囲んでいる。
ヘインズ「(マリガンに)君は濃い茶をいれるんだな?」
マリガン「茶をいれる時は茶をいれ、湯をわかす時は湯を。両方一つの土瓶
ではできない”これは書きとめるがいい。立派な民芸だ。僕は破産だ、ディ
1ダラス。学校へ行って金をもってこ
い。詩人らは、今夜酒冥をはる。アイルランドは、各人が義務を果すことを求める」
ヘインズ「僕は国民図書館行だ」
マリガン「それより水泳だ。今日は、君の命の洗濯日かい、ディーダラス?
不潔な詩人の月一度のさかもり」スティーブン「ここは、潮流が洗う」
ヘインズ「君の句を僕の本に使ってみたい」
スティープン「金になるかい?」
ヘインズ「それは分からん」
マリガン「彼のハムレット論を聞くがいい、ヘインズ」
マリガン、食事を終って立ち上がり表に出ようとしてし。
マリガン「出てこい、ディーダラス!
残飯は食い終ったろう」
マリガン「(歌うように)おれは変な男。
母はユダヤで、親父は小鳥」マリガン、駈けて先へ行く。
ヘインズ「(笑って)何だっけ?」
スティーブン「〃おどけキリスト」
ヘインズ「前に聞いたのか?」スティーブン「日に三度、毎食後に」ヘインズ「君は信者でないらしい。言葉のもつ狭い意味で」
スティーブン「意味は一つだけさ」
ヘインズ「そうだね。ずるか借じないかだけだ」
•海岸
マリガン、岩の上に立ち手を組み、おごそかにつぶやく。
看板ヶ四〇フィート、男子専用”
マリガン「”"貧者よ盗む者は、神に貸す者なり。ツァラストラはかく言う”」マリガン、海の中にとびこむ。
•海岸の道
•塀に沿った海岸通り
スティープンとヘインズ、話しこみ
塔の外。
ながら歩いてくる。
マリガンの後から、スティーブンとヘインズ「僕は人格神の考えに我慢できない。君はそうであるまい」
ヘインズが肩を並べて歩いて行く。

ヘインズ「君のハムレット論は?」
スティーブン「自由思想の悪例だ」
マリガン「いや、僕はかなわん。君もヘインズ「アイルランド人はそう思うだ
杯以下では言えんだろう。簡単だ、彼ろう。イングランド人が君らに不公平
はハムレットの孫は沙の祖父で、彼だったことは、その一人として僕も認
自ら父の幽霊であることを代数で証明める。国をユダヤ人に渡すことは、僕
する。聖なる一杯の酒が彼の舌をとは反対だ。これは、国民的問題だ」
く」
ヘインズ「僕も神学的解釈を何かで読んだ。父と子、子が父のため償いをさせられる」
• ブルーム家の食堂
レオポルド・ブルームが、食堂をうろうろしている。
17

食事の仕度ーー。
猫。
テーブルに手紙の束。
妻のモリーの声が階上から響く。
モリー「お茶を急いでー!ノドがかわい
たわ。何て手間どるの?誰への手紙?」
プルーム、朝食ののった金を手に階段を上がる。
モリー、何かをさがしている。
ブルーム、彼女の下落を手にとる。
ブラジャー、パンティー等々。
モリー「いや、あの本よ。落ちたんだよ」
ブルーム、本をモリーに渡す。
モリー「ききたい言葉があったの。これ何の意味?
論・彼が家にいる時の
名前は?」
ブルーム「ギリシャ語からきた言葉だ。
•寝室
ブルームが入って来る。
つまり、霊魂の転生を意味するんだ」
モリー「やさしく説明して」
モリー、ベッドにだらしなく横たわ
ブルーム、本を読みながらー。
っている。
ブルーム「ハマフェイは呪いの言葉で犠
ブルーム「カーテンは?」
牲者を投げた"読んだの?」
ブルーム、窓ぎわへ近よりカーテンモリー「みだらなところは全然ないわ。
を開ける。
いつも最初の男に恋するの?」
射しこむ朝の光。
ブルーム「私は読んでない。別のが欲しいかい?」
ブルーム、モリーに手紙を渡す。

ブルーム「誰から?」
モリー「ボール・ド・コックのを借りて。面白い名前だわ」
モリー、手紙を広げて読む。

モリー「ブレイゼス・ボイラン。今日、ブルーム「”生まれ変る”ぴったりだ。
音楽会のプログラムをもってくるわ」

ポスターのショットー。

ある人は、死後別の肉体に生きると信じている。前世を覚えてるという人も
ハボイラン行独唱会”
いる」
ボイランとモリーがたわむれている。フラッシュ・バック。
モリー、顔を別の方向に向けて!。
モリー「焦げ臭いわ。何か火にかけてた
ブルーム「君は何を歌う?」
モリー「〃わが手与えん”と小恋の古くブルーム「じん臓だ!」
優しき歌”」
ブルーム、洗てて階下に降りて行く
二人の子供の写真!。
フライパンの上のじん臓し。
ブルーム「窓を、少し開けた方がいいか
い?」
モリー「ディクナムの葬式は?」ブルーム「十一時、らしい。新聞はみないが」
•.小学校の教室
スティーブンが生徒たちに講談している。
授業終了のベル。
生徒たち、表にとび出す。
顔色が悪く小さいサージェントが一人残り、おずおずとスティーブンに近づく。
サージェント「ディージー先生が書き直せって言いました」
スティーブン「自分でできるか?」
サージェント「いいえ!」オフ・シーンから。
スティーブン「無知で、役立たず、しかも誰かが彼を愛し、腕に胸に抱いた。
彼女がいなければ、全人類は彼をふみにじったであろう。彼女は、自分から受けついだ薄い血を愛した」
スティーブン、黒板に問題の解答を普いてみせる。
スティーブン「分かったか?二番は自分でやれるかな?」サージェント、うなずく。
オフ・シーンから。
スティーブン「俺も同じだ。このなで肩、ぶこつさ、少年時代の俺がそばに立っている」
スティーブン、少年に。
スティープン「簡単だろ」
少年、うなずく。
ディージーが少年を呼ぶ声。
スティープン「ディージー先生が呼んでる」
ディージー校長が教室に入ってく
る。
ディージー「ホッケーだ、サージェント(スティーブンに)ディーダラス君、支払いだ」
•校長室
は、いまや破壊作業を進めている」スティーブン「商人は誰であろうと安く買って、高く売ります」
ディージー「光にそむき罪を犯した」スティーブン「歴史は、誰でも逃れたい悪夢です」
ディージー「造物主のやり方はちがう。
すべての歴史は、神の告示に向かって動いている」
外の方から子供たちの喚声ースティーブン「あれが神です。街の叫び
ディージー「君はこの仕事に長くはいまい。早いほどいい」
スティーブン「編集者を二人知ってますから、返事は明日」
•校庭
スティーブン、校長の部屋から表に出て来る。
ディージー、彼を追ってしディージー「ディーダラス君、おしが言いたいのはアイルランドはユダヤ人を迫害せぬ唯一の国だということだ。知ってるかね?なぜだと思う?」
スティーブン「なぜです?」ディージー「入国させんからだ!」スティーブン、去る。
• 街
ブルーム、路上を歩いて来る。
通りがかりのライオンズが近よって話しかける。
ライオンズ「ブルーム、いい話は?(ブルームの持っている新聞を見て)今日の新聞か?見せてくれ。今日、金否ディージーは、がま口から金をとり出して数え、スティーブンに渡す。
スティーブン、給料を無造作にポケットにねじこむ。
ディージー、自分のガマロを見せて
ディージー「そんな持ち方では落とす。これがいい」
スティーブン「いつもからでしょうよ」
ディージー「貯えないからだ。イギリス人の自慢を知ってるか?”払うべきものは払ってきた。一文の借りもない”分かるか?」
スティーブン「未だです」
ディージー「そら思った。しかし、いつか分かる。我々は寛大だが、正しくなけりゃ」
スティーブン「私は大宮壮語が怖いです」
ディージー「わしには反逆の血が流れている。皆、王族の子孫だ」校長、デスクの上から書類をとり、スティープンに見せる。
ディージー「君の文学者仲間にお願いがある。新聞への公開状だ。口蹄疫だ。
読んでみたまえ」
スティーブン、声を出して原稿を読む。
スティーブン「”貴重な紙面を借りて要点を述べるならー"」
ディージー「簡明な言い方だろう?」
スティーブン「(読む)「男戦に事に当たる必要がある。ご掲載を感謝する&」ディージー「ぜい発表したい。わしは困難に取り囲まれている。イングランドはユダヤ人の手中にある。ユダヤ商人
賞に出るフランス馬だ」
ライオンズ、黒服のブルームに気づいてー。
ライオンズ「何か不幸でもあるのかい?その姿で~」
ブルーム「今日はディグナムの葬式なんだ」
ライオンズ「可哀そうに、奥さんは?」 
ブルーム「元気だよ。二十五日、ベルフ
ライオンズ「そうかい?誰の催しでだ
ブルーム「巡業の一種でね。委員会ができたんだ。あのボイランだよ」
ライオンズ「ボイランがね。それはよかった。出馬表を見せてくれ」
ブルーム「読んだら、捨ててくれ」
ライオンズ「どうも」
ライオンズ、去る。
ブルーム、壁に貼ってあるポスターを眺める。
ポスター〃ポイラン興業提供、マリオン・ブルーム夫人独唱会”
サンディマウント海岸
スティーブン、波打ち際を考えごとをしながら歩く。
たくさんのカモメの群、波、空。
オフ・シーンから。
スティーブン「見える物の免れがたい様式。それだけにすぎない。眼を通して考えた。俺がここで読みとる万物の特色。魚の卵と海岸、それから近よるあげ潮。古びた長靴。暇をとじてみろ」
スティーブンが眼をとじると同時にスクリーン暗転。

スティーブンの声だけが響く。
スティーブン「闇の中をうまく進む。トッシュの剣をわきに下げて軽く叩く。
かたい音。さあ、汝の眼を開け。俺は砂浜に沿って永遠に歩み入るのか?
すべては溜えたのか?今開いて暗黒の不透明にいるとしたら?もう沢山
だ!
見えるものなら見てやろう」
珍品だった。ハハキトク、カニレチチお前が母を殺したという。塔の冷たい円天井の室が待ってる。今夜はあそこに眠るまい。マリガンは溺れる者を救った。大がこわい。お前は?
ボート
と救命ブイがあったら救うか?
正直
に答えろ!やりたい。やってみよう。水泳は強くないが。水は冷たい」
着かね?」
プルーム「いや、お一人です」
ボイランとモリーがたわむれているショット。
ディーダラス「仲間が悪くてね。マリガ
ンは手におえぬ不潔な悪党だ。ダブリ
•墓地
ンに聞こえた不良で、私は神の加護で
参列車たち、墓地の中を歩む。
近く、あいつの伯母か母親に、手紙を
他にも葬儀の群。
書いて眼を開かせんことには気がすまカニンガム「可哀そうに、子供だ」
ん。必ず叩きつぶしてやる。息子を破
ディーダラス「でも人生の苦労は免れた
スティーブン、眼を開ける。
減させてたまるもんか」
ね」
海岸、砂浜、光ーオフ・シーンか〇
路上
(回想)ブルームの息子。二匹のパワー「悪いのは自分で命を絶つこと
ら、
海岸から、街へ上る階段をのぼるス
大。犬の動作を見ているモリー。
だ。一時的発狂だ」
スティーブン「お前がなくてもいつもあ
ティーブン。
オフ・シーンからし。
カニンガム「同情の眼で見なけりゃ」
り、永久にあり、世は終ることがな
一人の少女がやって来て彼の横を通プルーム「息子で夢中だ。むりもない。
ディーダラス「自殺は卑怯者のするこ
い。女が俺をこの世に引きずり出し
り過ぎる。
財産を残す以上。作が生きてたらし。
と。批判はできない」
た。無からの創造。アダムの妻にして
見つめるスティープン。
あの朝テラスでだ。彼女は二匹の犬が
墓地を歩む一同。
友なるはだかのイブ、彼女は、へそを
オフ・シーンからし。
あれをしてるのを見ていた」
少し離れてブルーム。
もってなかった。キズのないふくれたスティープン「柔らかい・・・・・・やわらかいモリー「お願い、さわって。がまんでき
カニンガム(ディーダラスに)「ブルー
腹。びんとはった牛皮の楯。永遠から眼。やわらかい、やわらかい手。俺はないわ」
ムの前で自殺の話とは、へいこうした
無限に続く白く盛り上る設物の山」
淋しい。おお、さわってくれ、すぐ。
ブルーム「(オフ・シーン)生命の始ま
ぞ。彼の父は避自殺だ」
裸の女の彫像、父母の写真!。
皆が知ってるあの言葉は何だ?俺はり。あの時妊娠した。彼女の中の息ディーダラス「なんだって!それは初
スティーブンの声。
孤独だ。そして悲しい。さわってく子。生きてたら力になれたのに」
耳だ。毒薬自殺だって!」
スティーブン「罪悪の子宮。俺も罪の闇れ。さわってくれ!」
大運河のそばで馬車がとまる。
プルーム、一同から離れて、一人で
の中で生まれたのでなく作られた。俺
カニンガム「どうした?」
歩んでいる。
の声と限をもった男と、その息が灰の
葬儀馬車の中
パワー「とまった。ここは?」
メントン「後から来るのは誰だね?」
匂いのする亡者の母。二人は抱きあい
ディグナムの葬式。
ブルーム「大運河です。(空を見て、デケラー「ブルーム、広告とりです。ソプ
離れて神の意に従がった。新聞への校
ブルーム、ディーダラス氏、パワー、ィーダラスに)天気が変りますよ」
ラノのマダム・モリーは彼の妻です」
長の手紙、そのあとで酒場、十二時半
カニンガムが馬車にのっている。
ディーダラス「いつ変るかあてにならメントン「十五、六年前に踊ったことが
だったな。ついでにあの金は、バカに
通りすぎて行くダブリンの市街。
ん」
あるが、いい女だった」
なって、派手に使おう」
街の人々が馬車を見て脱帽する。
馬車が動き出す。
メントンとケラー、キリスト像の前
歩くスティーブン。
ディーダラス「(ブルームに)いい習慣
路上のブレイゼス・ボイラン。馬車
に来る。
海岸!そしていろいろな物体。
ですな。まだ残ってるのはうれしい」
を見て拶換する。
ケラー「霧の夜、二人の酔っぱらいが友
オフ・シーンからー。
馬車の窓から、スティープンが海岸パワー「気がつかん。いや見た」
人の墓を探しにきて、マルカイの墓を
スティーブン「ラテン区帽。神よ、身な
を歩いているのが見える。
ディーダラス「誰だね?」
教えてもらい、やっとのこと墓を探し
りはちゃんとしろ。パリではよくサンブルーム「あなたのお知り合いだ。息子パワー「ブレイゼス・ボイランが、たれあてた。一人はマルカイの墓神を読め
・ミシェル街に出かけた。持ち帰った
さんが」
髪を風に吹かせて」
たが、もう一人は救世主の像を見て、
貴重な戦利品。青いフランスの電報はディーダラス「どこに?マリガンも一
ブルームの顔が曇る。
”ちっとも似てない」と言った。ミマ
ルカイじゃない。誰がこんなものを作った?〃」
ましょう」
レネハン「次はどの酒場へ?私はムーニーだ」
• 新聞社
一同、室を出て行く。
ブルーム、やってきて輸転機の間を
ブルーム、姿を現わす。
通り編集室へ入る。
ブルーム(クロフォードに)「二カ月の
クロフォード「ドアを閉めろ!風が吹更新です。ただし記事がほしいそう
きこむ!」
で」
ブルーム「キーズの広告ですが、上に鍵クロフォード「俺のケツでもなめろと言ってやれ」
を二つ」

クロフォード「でき。デザインは?」ブルーム「デザインが手に入れば出しま
ブルーム「キルケニーの新聞に出てまし
す」
た」
クロフォード「俺の尊いケツをなめれば
オロフォード「できる。三カ月ごと契約いいんだ」
を更新するなら」
ブルーム「今とりに行くところで」
•街
クロフォード「行け!
うまくいくさ」
H・E・L・Y・Sの看板をさげたブルーム、編集室から出て行く。
サンドイッチャンたちが、ブルーム
レネハン(一同に)「金委賞の勝馬を教
を追いこして行く。
える。ハセプタ号だ〃」
最後の'SS"が遅れてし
ブルームと入れちがいに、スティーブンが入ってくる。
ジョシー・ブリーン夫人が歩いてく
スティーブン、クロフォードに原稿ブルーム「ブリーン夫人、いかがです?」を渡す。
ジョシー「いつもの通りよ。モリーはいかが?」
クロフォード「誰からだ?」
スティープン「ディージー氏」
ブルーム「元気だよ。ご主人は?」
クロフォード「(読む)”口蹄疫についジョシー「夫のお話はよして。昨夜のこて〃」とをご存じ?」
〃スペードの化物”が
スティーブン「ディージー氏の原稿で」
階段を上るって大騒ぎ」
クロフォード「彼を知ってる。紅君は手ブルーム「ミナのお産は?」
におえぬしたたか女。あの女こそロ監ジョシー「いま寄ってきたら、ホレス街
患者だな。(スティーブンに)何かの産院にいるのよ。三日も苦しんで。
辛らつなものを書かんか。口蹄疫か!
難産だって看護婦が言ってたわ」
ばかばかしい!みんなでやるとしよ
/S"の看板のサンドイッチマンが
う。父と子と精霊に誓って」
やって来る。
スティーブン「皆さん、会議は閉会とし
ジョシー、彼に近づく。

ジョシー「うちの人よ。弁当をもってきたの。モリーによろしく」
•食堂
ブルーム、汚ない食堂に入ろうとするが、品の悪い雰囲気に顔をしかめて出て行く。
客の一人がゲップをする。
•博物館
プルーム、デザインを調べるため図書館に入ろうとするが、マリガンの姿を見て、あわててとなりの博物館に入る。
マリガンとスティーブン。
プルーム、そしらぬ顔で博物館のビ
1ナス像を眺める。
豊かな胸、腰ー。
マリガン(スティーブンに)「さまよえるユダヤ人だ。腰を見たか?ディーダラス、危険だ。尻あてをしとけ!」
o
ディーダラス氏、店から出てきて娘と出くわす。
ディリー「パパ!」
ディーダラス「頼むから姿勢をよくしな
さい」
ディリー「お金ある?」ディーダラス「どこで入る?一文も貸
す奴はいない」
ディーダラス、仕方なさそうに少しの金を娘に握らせる。
ティーダラス「大切に使うんだよ」
ディリー「もっとあるはずよ」
ディーダラス「お前もお袋が死んでから
生意気になったな」
ディリー「もうけ口を探したら?」
ディーダラス「オフネル街のドブを探したが、ここもさがそう」
ディリー「変ってるわね」
ディーダラス「これでミルクとパンか何か買うがいい。すぐ帰るから」
•古本屋
雨上り。
街角でブルームが古本屋をのぞいている。
通りがかりのレネハンとマッコイ。
レネハン「いるぜ!」
マッコイ「何を買ってるんだろ?」
レネハン「ろくな本ではあるまい」
マッコイ「本のムンだ」
レネハン「ブルームは教養が広い。下らぬ俗人とはちがう。芸術家の素質がある」
古本屋の屋台を出しているホーカ
あれこれとさがすブルーム、本を手にとってめくる。
ホーカー「いい本だよ」
ブルーム「家内にはむかないね。(本を読む)「夫が与えた金は全部高価な服飾に裂やされた。愛人のため!ラウルのために!唇は甘美な彼の唇と重なり、彼の手は服の下の豊かな肌にさわった〃遅いじゃないか”彼女を見すえて彼は言った。美しき彼女は肩かけを脱ぎすてて、たくましい肩、盛り上った乳房を出した”。これをもらおう」
ホーカー「「罪の甘さ”いい本です」
ブルーム、本を受けとって去る。
・運 河
ブルームが運河のそばを通りかかる。
空に舞う大群のカモメ。
ブルーム、カモメの群を見上げる。
ブルーム「誰にしょうかな?黒い服がいい。あれだ。空からは面白かろう」
・古本屋
スティージンの妹ディリーが、古本屋をのぞいている。
通りかかったスティーブン。
スティーブン「何してる?」ディリー「あっちの車で買ったのよ。役に立つかしら?」
スティープン「〃フランス語初歩”、フランス話を習うつもりか?そりゃ結構だ。親父の質草にさせるな。僕の本は流しただろう」
ディリー「仕方ないのよ」
・街角
ブルーム、ボイランとモリーの姿を想像して歩く。
ブルーム、オフ・シーンから!。
モリーの声「あなた、さわって。我慢できないわ」
ブルーム「あの頃は幸福だった。俺は二十八、彼女は二十三、ルディーが死んでからは変った。あの幸福は戻らん。
昔を今に返すことはできん」
酒場
ブルーム、酒場の片隅で食事をしている。
ディーダラスが酔って歌っている。
”いにしえの愛の歌は今もなお耳に残る。
その歌は永遠にわが心の奥に残る。
足おとはよろめき
道は遠ざかるとも。
一日の終りにはわが耳にささやく。
歌声は
薄明にたゆとう。
光りは
うすらぎて
ゆらめく
ものかげが
かそけくも
来たり去るとき・・・・・・歌声に聞き入るブルーム。
ブルーム、モリーとの楽しき日々を思い出す。
ブレイセス・ボイランが入って来
お客の一人「どうだい?」ボイラン「しごく元気だ。馬は?金
盃賞は?」
客「結果は四時だ」
ヘインズ「ハセプタ”が勝つ」
ボイラン「僕は思いきってニポンド賭けた。女友だちのため」
ヘインズ「死んだディグナムのため祈ろ
う」
酢っぱらい「彼が死んだ?」
声「間ぬけ亭主!」
ボイラン「何時だ!四時だって?遅れた!」
ボイラン、ブルームに聞こえよがし言って、おれと彼の友人たちが、彼の
に言って出て行く。
遺徳を談えていたと伝えてくんな」
うつむいているブルーム。
ブルーム「喜んでお伝えする」
酢っぱらい「俺が奴と別れてから五分とたっていねえ。本当だ」

酢っぱらい「ボイランが北へ演奏旅行するそうだな」

ヘインズ「そうかな。けさ葬ったぜ」ブルーム「その通り。いわば夏季巡業でしかに見た」

酔っぱらい「慈悲深いキリスト。俺はた格好な夏休みさ」

一同、ブルームを見てフクミ笑い。
ドーラン「キリストが、選悲深いだって?」
ブルーム、知らぬ気に。

ヘインズ「ブルーム夫人がスターで」
酢っぱらい「何だって?」
ブルーム「私の家内かね?歌うよ。成
ドーラン「ウイリーを殺すのが慈悲深い功するだろうね。彼は立派な事業家
のか?」
だ」
酔っぱらい「浮世の苦労を除いてくれたんだ」
酢っぱらいが、レネハンを呼ぶ。

酢っぱらい「気のぬけた顔をしてるぜ。
ドーラン「哀れなウイリーを殺すなんて
金盃賞、一対二〇〇で〃スローアウェイ”にさらわれた」
大それた悪党だ」

犬がブルームにづく。
ヘインズ「二〇対一だって!どうせ俺たちは芽がでないぜ」
ブルーム、犬をさけようとする。

客(ブルームに)「咬みはせん!」
レネハン「弱き者よ、汝の名はハセプ
ブルーム「カニンガムは?」
タッ」
ヘインズ、ブルームに呼びかける。
ブルーム「(つぶやく)世界の歴史は迫害でいっぱいだ。民族間の憎悪をけし
ヘインズ「何をのむ?ブルーム」

ブルーム「私はいい。これ以上飲めなかけて」
い。葉巻をいただこう」
客「民族って何のことだ?」
ブルーム、カウンターに近づく。
ブルーム「同じ場所に住む同じ人々のことだ」
ヘインズ(ボーイに)「上等のをあげろ」

客「(ブルームに)「犬が怖いのか?」
ヘインズ「俺は五年間同じ所にいるから 民族だな」
酢っぱらい「小便をかけられるのがこわいのさ」

ブルーム「いろいろの場所に住む人もある」
ヘインズ(ブルームに)「飲まない?」

ブルーム「ディグナムの保険の件で」
カレネハン「俺もそうだ」
ニンガムが私にたのむとー」
客(ブルームに)「君の民族は?」
ドーラン「お前さん行くかね?
それじブルーム「アイルランドさ。ここで生まれた」
や細君に、私からだといって、深いお

悔みと、葬式に行けなかったおわびを盛っぱらい(ヘインズに)「酒をよこせ。

2425

どれが誰のだ?」
ヘインズ「それは俺のだ。まちがいね
一同がブルームを開笑しているのを感じて、ブルーム激してくる。
ブルーム「同時に、私は今も迫害され憎まれてる人種に展してる。現にモロッコで家畜のように売られてくる」客「(ひやかして)天国の話かい?」
ブルーム「(激して)不正についてだ」
ヘインズ「では力で鍛え!」プルーム「それはいけない。黒力とか憎悪は。侮とか憎悪は、人間にとっての生活でない。皆知っている。真の人生はその正反対だ。つまり憎悪の正反対だ。私は裁判所へ行く。カニンガムには、すぐ戻ると言って下さい」
客「異邦人への新使徒。あまねき愛」ヘインズ「汝の隣人を愛せか?」
客「ユダヤめ、わが隣人に、物を乞え、さ!」
酢っぱらい「元気だ歌え。もっと力をだ
しな!」
客「神とマリアとパトリックの祝福を」
ブルーム、外へ出て行く。
レネハン「行先は分かってる。裁判所はウソ、競馬の配当をとりに行ったんだ。〃スローアウェイルの勝ちを知ってた。穴を知ってたのは彼一人だ」
ヘインズ「奴が穴馬さ」
カニンガムが入って来て、一同に挨拶する。
カニンガム「ブルームはどこにいる?」
レネハン「後家と孤児をだましてら」
客「それがアイルランドの救世主ときた
か」
カニンガム「しかし、彼らは救世主を待
男たち、酒場から出てきてわめく。
す」
っている。我々も」
客「誰の神だと?」
医者が通りかかる。
ヘインズ「生まれる男は、皆、救世主とブルーム「イエスの叔父も、貴様らの神ディクソン「ブルームさん」
思ってる。だから、ユダヤ人は子を持
はユダヤだ」
ブルーム「先生、私は元気です。(看護
つと興奮する」
婦に)産婦に面会は?」
カニンガム「ブルームの死んだ児が生ま•教会
看護婦「うかがってみます。出産間近
れる前がそうだ。ある日、南市場で彼
教会の前を通りすぎるブルーム。
で」
は乳児食を買っていた。お産の六週間
ブルーム「おかまいなく」
前だ」
• 海岸
客「あれで男か?」
ブルーム、海岸を通りすぎる。
〇病院の食堂
ヘインズ「不能者さ」
海辺に女たちと子供。
ディクソン、ブルームを食堂へ案内
パワー「しかし、男が生まれた」
足を組んで岩にかけている娘ガーテ
する。中からにぎやかな歌声。
客「誰のタネかな?」
ィ。
ディクソン「一杯やりたまえ。酒盛りの
カニンガム「汝の隣人への施しさ」
ビディ「花火へ行くわよ、ガーティ」
最中だ」
ブルームが入って来て、カニンガム
ガーティとブルーム、顔を合わせる。
歌声”はじめに彼は
に近づく。
ガーティ、足をもち上げ股間をブル
女をくすぐり
ブルーム「裁判所へ探しに行った」
ームの視線にさらす。
ついで女を
酔っぱらい「裁判所か。五ポンドもうけ
あわてるブルーム。
軽くたたき
たな」
ブルーム、ガーティを見つめながら、
それから入れた
客「ケチンボ!このユダヤ人め!こ
岩の壁でひそかにオナニーにひた
カテーテルを
ずるい便所の鼠!」
る。
なぜなら彼は
ブルーム「(怒って)何だって?」
ガーティ、やがて立ち上がって夫
医学生だった
客「誰にも内証だぜ!イスラエル萬歳
る。
彼はたのしい
!」
ガーティはビッコだ。
医学生だった〃
ブルーム、男につかみかかるがカニ
食堂には、スティーブン、レネハン、
ンガムにとめられる。
•橋
マリガン、医学生らがいて、酒を飲
カニンガム、ブルームを表に引きず
橋を渡るブルーム。
み騒いでいる。
り出して車に乗せる。
看護婦(一同に)「お静かに願えません
ブルーム、車の上から酒場の男たち•病院
か。ここは病院です」
に向かってわめき散らす。
ブルーム、病焼の廊下で看護婦と会マリガン「よろしい。皆静かに!みん
ブルーム「この世でニラい人間はみなュ
う。
な静かにしてくれ」
ダヤだ。イエスも、その父も、君らの看護婦「レオポルド!どうした風の吹
マリガン、歌い出す。
神は一」
きまわしで?」
〃人生とは
カニンガム「イエスには父がない。行こブルーム「ブリーンからミナ・ピュアフ
何とも陰気なもの
う」
ォイが難産だと聞いて」
みじめさと
カニンガム、車を動かす。
看護婦「可哀そうに。お産は女の大役で
くらさでいっぱい
おやじは肛門狭容
マリガン「一杯やりたい。一本よこせ」
お袋の子宮はうつろ
ブルーム「一晩中やってたのか?」
従兄のカスパーは
マリガン(スティーブンに)「ヘインズ
同性愛の罪で
が帰りたいとき」
この国から
スティーブン、テーブルに顔をうつ
追放された
ぶせにしたままー。
姉はもう四十二回も
ブルーム「病気らしい」
堕胎をしている
マリガン「はかな!家で寝たいんだ。
伯父のチャーリーは
ァイルランドの夜明けにふれてな。デ
去勢されて
ィーダラス、鍵をくれ」
めったに
笑うこともない
•街(夜)
なさけないのが
夜ふけの街を行くスティーブン。
おれの商売
ブルーム、その後を追う。
じじいのイボジを冷やすための氷かき”
停車場
スティーブン、正面に坐っているが
スティーブン、列車に乗る。
相当に酔っている。
ブルームも続いて乗りこむ。
マリガン「静かに!詩人が諸君のため特別な芸を提供する」
街(夜)
スティーブン「(歌う)
ADORO TE
夜ふけの街を。よろめくスティーブ
DEVOTI, LAETENS DEITAS, JESU
ン。後に続くブルーム。
CHRISTI FIGURIS →お前らに分かるか」
売春宿
雷鳴がとどろく。
スティーブン、よろめきながら売春
リンチ「二階のあいつだ」
宿の前を通る。
マリガン「屋根で神さまが暴れているん
窓から呼ぶ売春婦。
だ。私の名刺だ」
売春婦「おいで、いい話があるよ。生態だょ」
ブルーム、スティーブンが酔っぱらっているのを見かねて、マリガンに聞く。
スティーブン、何事かつぶやきながら素通りする。
ブルーム「どこが悪い?」
売春婦「キザな医学生だよ!気ばかり
マリガン「ジェスイットが地獄の話で迷
で文なし!」
わしてる。詩人にはなれないね。彼の
ブルーム、売春宿の前を通りすぎ
悲劇だ。君のは何だね?」
る。
ブルーム「何がだね?」
売春婦1「生娘が十シリング。まだ水アケ前だよ。

・ブルームの幻想

ブルームの頭の中に、いろいろな人物が現われては消える。
ガーティ「良心はないの?”世のすべてを我は次に与えん"。あんたを憎むわ
ブルーム「私を?夢を見ているんだ」ガーティ「ズロースまで脱がせて。いやらしい女房もち。でも好きよ」ジョシー「レオポルド、罪をあさってる
ブルーム「名前は呼ばんでくれ。仕事の関係だ。私は、廃業娼婦救済会の幹事
ジョシー「ごまかさないで。モリーに言
ブルーム「ちょっとでも私に抱かれたい
ジョシー「くだらない!鏡に相談なさ
ブルーム「昔のなじみがいに四角関係、つまり結婚した同士の新婚。君を愛し
ジョシー「恐れ入るわ。その顔で、よく
プルーム「昔はポウェル、ダブリン一の美人。クリスマスを覚えてる?」ジョシー「道化まじりの朗読で、あなた
ブルーム「淑女紳士諸君、アイルランドジョシー「(踊って)すぎて帰らぬ優し・
の過去よ。恋の優しき歌よ。私は階段の寄生木の下で。あなたのトゲを抜い

ゲ前だよ」
プルームの頭の中に、いろいろな人物が現われては満える。
ガーティ「良心はないの?「世のすべてを我は次に与えん”。あんたを憎むわ
ブルーム「私を?夢を見ているんだ」ガーティ「ズロースまで脱がせて。いやらしい女房もち。でも好きよ」ジョシー「レオポルド、罪をあさってる
ブルーム「名前は呼ばんでくれ。仕事の関係だ。私は、廃業娼婦救済会の幹事
ジョシー「ごまかさないで。モリーに言
ブルーム「ちょっとでも私に抱かれたい
ジョシー「くだらない!鏡に相談なさ
ブルーム「昔のなじみがいに四角関係、つまり結婚した同士の新婚。君を愛していた」
ジョシー「恐れ入るわ。その顔で、よくそんなことを!」
プルーム「昔はポウェル、ダブリン一の美人。クリスマスを覚えてる?」
ジョシー「道化まじりの朗読で、あなたは座の花形」
ブルーム「淑女紳士諸君、アイルランドと家庭と美女」
ジョシー「(踊って)すぎて帰らぬ優し・
の過去よ。恋の優しき歌よ。私は階段の寄生木の下で。あなたのトゲを抜いたっけ。あなた、あついわ。ヤケドし
ブルーム「君の新婚は永久に許せない。
私のいのち。私は絶望だ」
ジョシー「なぜキスして、いやそうとし
ブルーム「モリーの仲良しの君に、そん
売春婦がブルームに呼びかける。
売春婦2「遠くへ行くの?」
売春婦3「まん中の脚の具合はどう?」
売春婦4「固くしてあげようか?」
ドリスコル「卑しい女じゃないわよ。カタギだわ。彼の悪さでやめたんです」
ドリスコル「ある要求をしたのさ。いく
•夜の街(幻想)
夜響が現われて、ブルームを連行し
ブルームがドリスコルを台所でからかっているショット。
ブルーム「お前にはエメラルドの靴下ド
夜響1「現行犯だ。小便無用」
メをやったほどだ。こそ泥を働いた時
夜巻2「姓名住所は?」
でも助けてやった」
ブルーム「ドクター・ブルーム。歯科医
ドリスコル「私がカキを盗んだかどうか
です。従兄のフォン・ブルーム・パシ
*は、オーストリアとエジプトの半分
を所有」
エジプト人の扮装をしたブルームのショット。
夜部2「証拠は?」
ブルーム「クラブは、陸海軍青年将校」
夜容2「職業は?」
ブルーム「文筆業です。作家でジャーナリスト。イングランド、アイルランド
新聞に関係」
クロフォードが電話を受けているショット。
クロフォード「〃小便週刊尻拭き社”だ。ブルーム?
全然知らんね」

法廷に立たされているブルーム。
裁判席、傍聴席ともダブリンの人々
皆官1「人民対ブルーム!ドリスコル
ドリスマルが証人席に立つ。
ドリスコル「この人は奥さんの留守中、家の裏で安全ピンをはずせと私を驚かしました。そして私に抱きつき、四カ所にアザを作りすそをまくりました」
ブルーム「殴り返したくせに」
ドリスコル「私が抵抗すると、喋らないでくれと言いました」
法廷、ざわめく。
被告は虚為の陳述を
ブルーム「無罪です!」弁護人のカニンガムが立ち上がる。
カニンガム「ここで軽卒に酒の上の失敗
た妻の写真だそうで、たくましい闘牛
土と不義の変わりをしてるところです。彼は、私にも同じことをしろとすすめるのです。口で言えない方法で手紙を汚せとか、彼に馬乗りになってくれとか、うてとか、しきりに頼むのです」
バリー夫人「私もです」
女たち、コーラスのようにロ々に、私もです”と叫ぶ。
トールボーイズ夫人「神に醤って私は、
皮ひんむいてやる」
を論ずべきでない。あえて言うが、肉体関係はなく、またドリスコルの婦思は二度と犯されなかった。被告の家庭には錯乱があったが、今は正常です。
今はアジアの広大な土地を抵当に入れ、不遇ですが。スライドをいまお目
スライドが映写される。
ブルーム、エジプト風の扮装をして、若い女を相手にしている。
カニンガム「若い婦人は娘の扱いを受けた。私は見えざる力が働きかけてる反証をここに提出したいと思う。疑うならば起訴されたい。(ブルームに)立派にふるまっていただきたい」
ブルーム(法廷に)「ーポンドに一ペニ
傍聴人の一人、バリー夫人がにわかにブルームを攻撃し始める。
バリー夫人「逮捕して!彼は私に匿名の手紙を送り、王室劇場のボックスで美しい私の眼を見て私に深く思いこが
れ、ポールドコックの作罪の甘さ”を郵送すると申し出たのです」
ベル夫人「私にもし。いやらしい男です。何度も手紙をよこして、ビーナス”などとおだてあげ、私の脚や豊かなふくらはぎを最上級の言葉でほめあげたり、レースに包まれた秘部が想像できるなどと、ほめたたえたあげく、できるだけ早い機会に、姦通でベッドを汚せとすすめるのです」
トールボーイズ夫人「私もよ。この平民のドン・ファンは、二重封筒で卑猥な写真を送ってよこしました。それは半裸体の優しいセニョリタで、彼が撮っ

トールボーイズ夫人「誰がきくもんかね。下司の分際で私をくどくなんて!
人前で存分ぶってやる。女房を寝とられたくせに。ズボンをとって!」
ブルーム、女たちにこづかれ打ちのめされて、年につながれる。
•牢屋(幻想)
ブルーム、シマの毛皮をまとった女たちに追いたてられて、牢の中へ追いこまれている。
ロやにわめく女たち。
ブルーム(ベル夫人に)「また?あり
がたい」
ベル夫人「尻をぶっておやり!」バリー夫人「シマがつくまで!」
トールボーイズ夫人「女房もちのくせに
、」
ブルーム「私は平手うちを期待してた。
体がほてり、血行をよくするだけ」
・裁判(幻想)
再び法廷のシーン。
ブルームとダブリンの市民たち。
少年たちのコーラス「「聖心の使者”。
女房をとられた男の新住所!」人々のささやき声し。
ライオンズ(クロフォードに)「金盃営は、二〇対一でブルームは百シリング
だ」
ケラー「ブルームは、凶悪なテロ犯人、
文書崎造、重婚、ぜげん、裏切られた夫、ダブリンの公安妨害者」
判事「余は、白人奴隷売買を廃止し、害虫を取り除きたい。彼を被告席よりマウントジョイ刑務所に移し、絞首刑に処すものとす。命令をおろそかにすべからず。汝に神の加護を!誰がユダを絞首する?」
トールボーイズ夫人「神かけてひどい目にあわせてやる。眠っていた牡虎が暴
•ベラの売春宿
ブルーム、売春婦のゾーに呼びとめられて、中へ招き入れられる。
れ出したよ」

バリー夫人「うんとぶって!」
ブルーム「私に?」
ベル夫人「息の根をとめて!」
ゾー「そうよ。お友達と中にいるわ。と
バリー夫人「去勢して!」
ラ・コーエンよ。あんたは、あの人のお父さん?」
ブルーム「寒い!
ふるえる!
原因は

君が美しいからだ。許してくれ。見逃ブルーム「いや、ちから」
してくれ」
バリー夫人「きかないで!」
ゾー「二人とも黒服ね。”小鼠”さんはおとなしい?どんぐりは?」

ブルーム「奇妙なことに、いつも右側に神よ、レオポルド一世を守り給え!」
とらん」
ある。右が重い。百万人に一人だそう
人々の歓声し。
コステロ「お祭りです」
た。育ちのいいアクセントだ。ダブリブルーム(司数に)「そこなる僧正。快プルーム「お祭りだと?
これは聖幾で
ン生れ?」
く受けよう」
すぞ。余は公民道徳の改善と、十戒を
ソー「イングランドよ。煙草ある?」
同数2「アイルランドとその属領におい強調したい。新世界の建設と、ユダヤ
プルーム「めったにのまない。葉巻は、て、すべて陛下の判断に基き、法と仁
数回数異教徒の団結。富と恋愛の自
時々やるがね。もっといい口の使い方
慈をほどこし給うや?」
由。自由国家の教会の自由」
があるのにね」
プルーム「造物主のお導きにより、そう
ゾー「さあ、大道演説でもしたら」
することを誓う」
•街(幻想)
ブルーム、くつろいでゾーに話しは
ブルームの頭に、おごそかに王冠が
ブルーム、演説している。
じめる。
のせられる。
人々ー。
プルーム「海賊的資本家が何だ?機械
大司教「汝らに歓びを語らん。我ら死刑 ディーダラス「牡鶏をおそう自由」
は彼らの合言葉だ。労働節約の道具。
執行人をもつ。レオポルド・パトリッ
ブルーム「民族混交と雑婚」
相互殺人のため作られた怪物。金で売
ク、ここで汝を戴冠せしむ」
レネハン「男女混浴は?」
られる労働に、飢えた資本家が生む貧
貴族たち「陛下の臣として忠誠をつくす牧師「彼は監督派で、僧仰の絶滅を望む
欲。貧民が死する時彼らは一」
ことを誓い奉る」
無主義者」
ブルーム「わが臣民よ。余はここに今日クローン「けだもの! ろくでなし!」
• ダブリン市(幻想)
労働者姿で演説するブルーム。
聴き入る人々。
男「ダブリン市長に萬歳三唱!」市長姿になっているブルーム。
より以後、前夫人を離婚し、新たに夜ディーダラス「歌ってくれ!古い恋の
の輝きなるセリーン姫をめとることを
歌を」
あえて宣言する」
ブルーム「(歌う)別れぬと誓ったが、
半裸のセリーン姫が王座のブルーム
彼女は裏切った」
にかしづく。
ディーダラス「彼にかなうものはない」
大使「陛下こそわが王」
レネハン「名優だ!」
町のおえら方。
男「はてさて、あれがブルームかね?」
男1「あれが偉大な改革者プルームだ」
女「祖国の至宝」
ブリーン「彼は自然の目的を害うため、
プルーム「愛する臣民よ。新時代は明け機械装置を使う男だ」
んとしている。余ブルームは、波らにドウィー「キリスト信者で反ブルーム党
告ぐ。今や時は近い。しかり、ブルー貝よ。ブルームという男は地獄の生ま
ムの言にかけて汝らは、やがて未来の
れで、大悪党汚行にけがれた女の崇拝
芸術家「古典的な顔。思想家のひたい」
新アイルランドなる新ブルーム聖地た
者だ。火刑の柱と新、たぎる油がふさ
• 病院の手術室(幻想)
手術台に腰かけるブルーム、全裸で局部に帽子をあてている。
医師と、見守る医学生たち。
マリガン「ブルーム博士は両性の変質者
で、不義の子。放縦な添欲の結果として、遺伝的てんかんをもち、慢性陰部露出症の徴候が顕著で、潜在的に狡
猾。自感のため、早くはげゆがんだ理
想主義者。改心した放蕩者で、金の入
れ歯、隆の検査と肛門、わきの下、胸の毛に対して、酸性試験の結果〃処女膜のある処女”と診断した」
ディクソン「ブルーム教授は、女性的男性の好適例で、道徳心は単純で愛すべく、多くの人は親しむべき人物と見ている。変った人物で、内気だが精神薄弱とは言にない。一説には父の死後生まれたともいう。私は最も神聖なる意味をこめた言葉で、党大な処置を懇願する。彼は子供を生むのです!」
笑い声!!。
ブルーム「私はぜひ生みおとしたい」
声「ブルームよ、汝は救世主か?」
ブルーム「その通り」
声「では奇跡を行なってみろ。予言だ」
ブルーム「金盃賞は〃スローアウェイルが二〇対一で優勝だ。あらゆる狂気、愛国心、死者への追悼は、捨て去れ!」
るべき黄金都市に入らん」
わしい」
•.宮殿(幻想)
宮殿の人々にかしづかれたブルームアイルランド王の戴冠式ー。
司教1(ブルームに)「疑いもなき皇帝にして大統領、気高き議長。至高にし
て至尊権勢ならびなき王国の支配者。
母親たち「(歌う)おじさん!おじさクローン「私刑だ!」
•売春宿
ん!」
コステロ「大悪人め!」
再びブルームと売春婦ソー。
歌う子供たちし。
ブルーム「真夏の悪夢。私は無罪だ。私ゾー「顔が紫色になるまで話して!あ
コステロ「ご園にスタウトーダース献は、旧友の性病専門家マリガン博士にんたは好きな女と早くできすぎたの
上します」
医学上の診断書を作ってもらうことにね。分かるわ」
ブルーム「ブルーム夫人は贈り物を受け
する」
ブルーム「男と女の恋が何だ?いわば
コルクとビンさ」
スティーブン「初めに詞あり。終りに果
ソー「私はヤクザは嫌い。安達売でも相しなき世界あり、八つの福音よ」
手にしな」
ゾー「煙草は?」
ブルーム「おれはキザな男さ。君は必要フェリー「歌って、"恋の古い優しい歌”
悪だ。ロンドンか?」
を」
ゾー「ヨークシャーよ。廿日風さん、もスティ1ブン「声がでない。ダメだ」
っといいことをしてよ。ショートの金フロリー「破戒僧なのね」
ある?」
ゾー(ブルームに)「ちょうだい!
プルーム「もっとある。彼女が知ったらお利口さんね。ほら!」
それこそやくだろうな」
おかみのベラとブルームとの暗黙の
心理園。
• 演説会場(幻想)
一人の懐古主義者が人々に演説をぶっている。
懐古主義者「時は来た。母親にはあすこへ行くと言え。ただちに参加せよ。永遠の駅まで無停車。君たちは神か、それとも下司か?もし再臨があったら用意はいいか?宇宙力を感ずるのは君たちしたいだ。われらは宇宙が怖いのか?否、天使の味方になるのだ。
さあ証営せよ」
キティ「忘れてうっかりして、また間違いを犯しました。鉛管工が、私の純潔を汚しました」
フロリー「コニャックの上にブドー酒を飲んだからです」
ゾー「ウェランがベッドに忍びこみ、あれを許したのです」
サーカスの小屋のようなものの中で四つんばいの男たちの、奇妙なダンスが行なわれる。
ベラ、男装してムテをもちブルームに迫る。
ブルーム、女となる。
ベラ「どうだろう?ぐっしょりだよ」ブルーム「きつい?」
ベラ「ヘマをするとお前さんの急所をけ
っとばすよ」
ブルーム「今後も相変らずお引き立て
を」
ベラ「恥知らずめ!」ブルーム「女王様!」
ベラ「不義の尻をあがめる奴!クソ食
いめ!」
ブルーム「崇高なる君!」ベラ「足を前に出して!左足を一歩らしろにひくのだ。お前は倒れる。ほら
倒れる」
ブルーム、四つんばいになる。
ベラ、ブルームに馬のりになる。
ブルーム「松露よ!」
ベラ「さあ、この重みを味わえ。奴隷よ
次の王の前にぬかずけ!」
売春宿
スティーブン、リンチ、ブルーム、おかみのベラ・コーエン、女たち。
ブルーム「絶対そむきませぬ」
プラ「ばかめ!
次は知るまいが、余は
汝の運を定めるダッタン人だ」
28
29

ゾー「いないわ」
ブルーム「います」
フェリー「悪気はなかったのよ」
キティ「いじめないで」
ベラ「おいで!ちょっとお話がある。
いい子だよ。ちょっとこらしめに言ってあげよう。お前のために柔らかい安全な場所をこしらえてあげる。やさしくしてあげよう。
いいかね。もう逃げ
られない。一生おれを忘れさせないぞ」ブルーム「ばあやさん!いじめちゃイ
やよ」
ベラ「そう待たすな。(女たちに)おれが乗るから押さえつけてろ」
ベラ、ブルームにまたがる。
女たち、口々に騒ぐ。
ベラ「ギネスの優先株が十六ポンドと%になった。買わなかった俺はバカだった。不人気のスローアウェイが二〇倍の払い戻し。あの灰皿は、どこへいった?お前の罪の生活のうち一番わいせつなのはどれだ?過去の罪障がお前を責めてるか?」
タイトル"過去に犯せる罪”
女たち「彼は、ブラック・チャーチの蔭で密通したり、電話室の器具に変なまねをしながち、口にできない言葉を竜
話で送り、五カ所の公染便所で鉛筆で落書し、五体満足な男に女房を提供すると書きました」
ブルーム「私は豚でした。かん腸までし
て。肛門深く!1婦人の友なるハミル
トン・ロングかん腸器で」
ベラ「出て行け、スカンク!お前に男の役が勤まるか?気を悪くするな。
強い男が代りをしてる」
ブルーム「ひどい。訴えてやる」ベラ「やってみろ、かたわ。おれが欲しいのは土砂ぶりだ」
スティーブン、リンチ、ブルーム。
秘密〃を」
大騒ぎし。
スティーブン「知ってたら歌詞を教えて
ベラ(ブルームに)「これは、のぞきシ
下さい」
ョウでないよ。ピアノを、いためない母「悲しむお前を慰さめたのは誰?お
•酒場 (幻想)
レネハン、ポイラン。
レネハン「大した夜なべだ」
ボイラン「見本通りだぜ」
レネハン「えびにマヨネーズ」
で!(他の者たちに)誰が払いをする祈りこそすべて。悔い改めなさい」
の?」
スティーブン「亡鬼!ハイニナめ!」
スティープン「ぼくたちは一つ会計です」
母「あの世で祈っています。夜、勉強の
リンチ「ぼくからもよろしく」
後はディリーにおかゆを作らせなさ
ベラ「女は三人ね。十シリングだわ」
い。永年愛したお前。私の長男、お腹
スティーブン「それは悪かった」
に宿った時から」
ブルーム家(幻想)
ゾー(ベラに)「寝てもらけた金よ」
ゾーの声「熱い!とけそうよ」
ボイラン、入って来てブルームにたブルーム「十シリングの三倍、いいね」フロリーの声「ごらん、まっさおよ」
ずねる。
ブルーム、ベラに金を払う。
ブルームの声「めまいだ」
ボイラン「夫人は?水割りジンでも飲ベラ「ぬけめないわ。キスしてやる」
母「悔い改めなさい。地獄のごう火!」
みな。案内しろ。君のワイフに私用ブルーム(スティーブンに)「君のだ。
スティーブン「死体を食う鬼、血まみれ
が」
その金は、私にまかせるがいい。なぜ
の背!」
ブルーム「ブルーム夫人は入浴中で」
余分に払う?」
母「気をおつけ!神の御手に!」
二人、二階の浴室の前へ来る。
スティープン「払うべきは払うさ」
フロリーの声「おひゃを」
モリーの声ー
'。
ブルーム「そうかね?なくしたのに資母「イエスさま、スティーブンにお慈悲
モリー「ラウル、来てふいて!入浴帽
任はもたんよ」
を。彼を、地獄より救いたまえ、御心
でスポンジがあるだけよ」
スティーブン「どうだってかまわないよ!」
ボイラン、浴室に入る。
や。街がやかましいな」
スティーブン「黙れ!おれをくじいて
モリーとボイランの声。
ゾー(ブルームに)「私はヨークシャーみろ。おれは必ず勝つぞ」
プルーム、鍵穴からのぞく。
娘。踊ろうよ」
母「主よ、スティーブンをあわれみたま
モリー「見せて苦しめてやりたいわ」
一同、歌い踊る。
え。カルバリ山の愛と悲しみと苦悩は
ボイラン「鍵穴からのぞいて、一人遊び
スティーブン、幻覚におそわれる。
ロに表わせぬものでした」
をしてるがいい」
母親の幼影し。
スティーブン「やめる!」
ブルーム「ありがとう。ワセリンは?
母「私は美しいメイのなれのはて」
スティーブン、深れてランプをこわ
花油とヌルマ湯はいかが?」
スティーブン「お前は誰だ?
いかなる
す。あたりはまっくらになる。
のぞくブルーム。
妖怪のしわざだ?」
ベラ(ブルームに)「ランプの代は誰が
ベラもやってきてのぞく。
声「おかしいぜ。死んだ女」
払う?連れだね。十シリング、誰が
ベラ「彼女の崇拝者」
母「皆が通る道だよ。お前もいつかは死
払う?」
フロリー「ごらん。
したままで部屋中を
ぬ」
ブルーム「たっぷりまき上げたくせに」
回り歩いてるわ。突け!刺せ!」
スティーブン「ぼくが殺したと皆が言うペラ「えらそうな口を!ここは安淫売が、殺したのはガン、運命です」
宿とちがうよ」
〇亮春宿
母「お前は歌ってくれたね。”苦い愛のブルーム「これっぽっち」
30
1
ブルーム、何とか言いつくろってスティーブンを追って表に出る。
兵隊、スティーブンを殴り倒す。
路上にのびてしまったスティープ
ブルーム抱き起す。
スティーブン、路上で二人の兵隊に 兵隊2「お巡りがきた」言いがかりをつけられている。
水兵のカー、女にし。
ブルームとスティーブン。
スティーブン「言葉の行きちがいで」
売春婦「客の兵隊が私を残して出ると、若い男が私の所へ来たの。先客が大切
売春婦「兵隊と一緒よ」
スティーブン(兵隊1に)「男敢なる兵
兵隊1「あごに一発」
スティーブン「不快だね。からいばりの手さ。お断りだね」
ブルーム「先生、御者が待ってるよ」兵隊「今、何て言った」スティーブン「君の立場は分かる。祖国のために死ぬ。ぼくなら、ぼくのため国家を死なせる。生命よ、萬歳だ!」兵隊2「急所をけってやれ!」ブルーム「彼は酔っているんです。立派な紳士で詩人です」
兵隊1「何でもいい」
ブルーム「彼は何も言わん。誤解だ」
兵隊2「眼に一発みまえ!
皆2「さし図は受けん。何者だ?」
ブルーム「サイモン・ディーダラスの息子だ。今日、脱馬で勝ったんだ、二〇対一で。私が始末しよう。こんなのはよくあることさ。若い者にはありがち
ブルーム、スティーブンを助け起す
発官たち、去る。
夜ふけの街を行く二人。
ブルーム、スティーブンを見てー。
ブルーム「亡くなった母に似ている。わ
ナレーション1「帰途、二人は語った。
音楽、文学、アイルランド、パリ、友
情、女性、売淫、食療法、カトリックについて。ブルームは、二人の経験反
ナレーション2「両者とも音楽的印象に対しては、造型的絵画的印象よりも、敏感で、正統派宗教や倫理的教義に対して、不倍感を表明した」
ブルーム、鍵がないので中庭から地
ブルーム「行こう」
下室に入って玄関を開け、スティー
売春婦「あんた酔ってるんだわ。でも私、
ブンを招き入れる。
彼を許してやる」
ナレーション1「ブルームは目的地に着
兵隊「許さんぞ!」
くと何をしたか?」

ナレーション2「エクルズ街七番地。玄関の下から数えて第四番目の階段で、合鍵を出そうと尻ポケットに手を入れ
た」
ナレーション1「鍵は?」
ナレーション2「その一日前にはいていたズボンに入れ忘れていたのだ」
ナレーション1「なぜいら立ったか?」
ナレーション2「忘れまいと二度も念を押したのを思い出したからだ」
•台所
ブルームとスティーブン、台所で話し合っている。
ナレーション1「主人は客の何が優れてると思ったか?」
ナレーション2「自、自己放棄と自己回復の反対の等しい力」
ナレーション1「彼の心境は?」ナレーション2「危険を冒さず、期待ももたない。失望しないから満足してい
た」
ナレーション1「損失を受けず、他人に利益を与え、異教徒の光明となって満足した。十一歳で週間新聞シャムロックが、三つの賞金を提供したとき、未来の詩人の彼が創作した最初の詩の結びの一句は何だったか?」ナレーション2「印刷されし、わが詩を見たし。場所を給え、もし許しを得るならば、詩のあとに、わが名ブルーム
を」
ナレーション1「どっちが人種の差別に
ふれたか?」
ナレーション2「なし、最も簡潔なる相互形式に要約された。ブルームならびにスティーブンの相手の考えに対する
考えは如何?」
ナレーション1「一人はユダヤ、一人は非コダヤと考えた。ブルームは、人生大学で、学んだことを、なぜかくした
?」
ナレーション2「なぜなら、この件についてはすでに、お互いに語られたかどうか、あいまいに思われたからだ」
ナレーション1「彼らは次のいずれを代表するか?」
ナレーション2「科学的?芸術的?
梅印の缶詰肉のない家庭は?不完
全」
ナレーション1「これがあれば幸福」
ナレーション2「家庭上のどんな問題が彼の心をひいたか?細君をいかに扱うか?」
ナレーション1「ブルームは、室に夫婦の寝室のすぐ隣りで、台所のま上の室に今夜泊るようにとすすめた。これが長びけば数々の利点がある」
ナレーション2「スティープンには住居と勉強」
ナレーション1「ブルームには知力の若返りとある満足感」
ナレーション2「モリーには緊張の緩和と、正しいイタリア語の発音の習得」ナレーション1「宿泊は、承諾されたか
?」
ナレーション2「これは即座に、体よくいんぎんに、謝意をこめて拒否され
た」
•中庭
スティーブン、帰りかける。
二人、立小便する。
スティーブンを見送るブルーム。
ナレーション2「最初に主人が、次いで客が家の背後より通路を、暗閣の中から庭園のおぼろの中に現われた時、どんな光景が待っていたか?」
ナレーション1「星の天のが夜空に青くかかっていた。両者はそこに沈黙し
た」
ナレーション2「彼らは、お互いの顔の中に映るおのれの顔、その中の相手を熱視しつつ、はじめは順々に、やがて一緒になった。立小便は同じでなく、ブルームのは長く、規則的で、スティーブンのそれは、より高く、よりかしましかった。それは、前夜の利尿飲料で膀胱を圧迫したためだ」
ナレーション1「ブルームは、何を聞い
た?」
ナレーション2「地球を遠ざかる足音の二重の反響と、ユダヤの琴の共鳴の二重の振動を。ブルームは一人、星と星の間の冷たさと、近づく暁の初期の暗示を感じていた」
•寝室
ベッドに寝ているモリー。
寝る支度をするブルーム。
ナレーション1「完全な一日に、どんな不完全があったかを、ブルームは数えたか?」
ナレーション2「広告の再契約を得ることの一時的失敗。ギリシャ女神の場合後部の直腸口があるかないかを、確かめなかった失敗」
ナレーション1「妻の夜の質問に答えて
の五週間前が完全な交渉の最後だっ
た」
ナレーション1「(ささやく)疲労せる小児、大人、子宮内におる胎児、子宮は疲労し、彼は休息する。彼は旅行した。船乗りシンドバッド、仕立屋ティ
ンバッド、獄更ジンバッド、釘作り=
ンバッド、鯨とりウインバッドとし」
• モリーの回想・幻想
時計のフリコが動く。
眠っているモリー。
天井
女中のメリー
ボイラン
神父
モリー、オフ・シーンから。
モリー「ベッドの中で朝食なんて言ったことなかったわ。卵二つも!朝食だなんて!あの食欲からみて何かいわくがあるわ。恋愛なら食欲どころでないから、どうせその辺の淫売よ。彼を知ってたらね。自分に思召しがあると思って。男ってそうよ。
彼から金をしぼるこんたんさ。中年の男はバカね。変な所へキスしてごまかすのよ。相手が誰であろうと別に気になんかしないわ。あの人をそそのかすために、お尻に詰め物したメリーのように、昇先でいちゃつかない限りはね。男は女一人で満足しない。スパイのまねなどまっぴら。どうせ辛抱できずに、どこかですますのよ。女の破減だわ。満足も得ずに、気に入ったふりをして、すませるの。唇がまっさおになるわ。
彼はキアナンの赤線地域における内部での公開論争、また女性の露出症によ
る肉感的挑発は省略し、小罪の甘さ”
と称する好色趣味の苦についてだけ説明することにした。彼の行為は?」ブルーム、モリーのそばに頭と足を反対にしてすべりこむ。
ナレーション2「慎重に情欲のベッドに入るときの如く軽やかに、なるべく物音をたてずに、うやうやしく、懐妊と誕生、結婚の完成、婚姻の破、睡眠と死のベッドに蛇のようにすべりこ
む」
ナレーション1「四肢が伸びた時、何にさわったか?」
ナレーション2「新しいリネンと、それに伴う香気。彼女のものである女性の肉体の存在に、彼のものでない男性の肉体の残した痕跡に、残されたパン
屑、温め直した肉の残片に、それを彼は捨てた」
ナレーション1「最後にそこに寝たものについての反省は?
旺盛な精力、別
の意味できざっぽさ、肉体の均驚、ま
たの意は男色。商売の方ーつまり山
師感受性1高音への反省」
ナレーション2「彼の談話中きわ立ったのは誰か?」
ナレーション1「教授で著者スティーブン・ディーダラス」
ナレーション2「この直接的な談話の進行中双方は婚姻の適合性の限界について考えた。すなわち、女性との体液の射出を伴う交渉は、十年五ヵ月十八日間行なわれなかった。つまり、彼らの唯一の男児ルドルフ・ブルームの誕生
それでとにかく何もかもおしまい。世間ではいろいろ言うけれど、大切なのは最初。あとは当たりまえのことよ。結婚しない同士でキスはいけないの?狂おしいほど燃え上って、が主んできなくなった時など、長い熱いキスは体中をしびれさすわ。私、サングは嫌い。神父の所へ通ってた頃、言ったわ。彼が私にさわったの。いけません?運河の土手でバカみたいに。お前のどこにだね?脚のうしろの奥の
方かね?
ええ、上の方。坐る所かい
?なぜ〃お尻か?^と言えなかったのかしら?
それで?忘れたけれど
何とかしたかって。
いいえ。いつも父を思い出すわ。神に告白したのに、何を知りたかったのかしら?私の顔は見えなかったはずよ。もちろん彼はふり向かないし、他
侶に女は禁制よ」
ボイランの姿。
ナワトビをしている子供たち。
ボイラン。
仮面。
子供。
ルディ。
ダブリンの丘。
ガードナー、マスチャンスキ夫人。
肉屋、干物。
ジブラルタルでの思い出し。
等々、無数のイメージ。
モリー、オフ・シーンから!。
モリー「彼は私に満足したかしら。いやだったのは、なれなれしくお尻をぶったこと。馬やロバであるまいし。いま娘は夢でも見ているかしら。私の夢を。

私たちの食べた肉おいしかったわ。私は、快い疲れでベッドに入ると、すぐ眠ったわ。
この古ベッドは、ひどくきしんで公園の向う側まで聞こえるわ。床にフトンをしいて、腰に枕をあてた方が!!。
ジブラルタルみたいな怖い雷鳴。世間の人は、神などいないと言うわ。彼は笑うわ。ミサにも行かない人よ。魂などない。あるのは機物だけ。そういう
わ。
魂など知らないのよ。そうよ、彼はあ
の巨大な武器で、矢つぎばやに攻めたんだわ。香水をかけ、髪をなでた後、ブラインドをおろし服をぬぎ、そのあとでのあの人はものすごかった。たっふりカキでも食べたんだわ。声は強く、深かった。あれほど私を満たしてくれたものはなかった。荒れ狂う種馬も受けいれるように作った神さまのはたらき。彼らが私たちに求めるのはそ
れだけ。邪悪の眼。私は半ば眼をとした。早めに彼を引き離した時には、思ったよりもその力は静まっていた。
その方が安全だったのね。最後に、彼は深々と私に沈んだ。すべての喜びを男に与える神の思召し。ルディを生んだ時の私のあの苦痛。ミナの亭主は、毎年、規則的に子をはらませる。ふくらませなけりゃ気がすまない。そんな男と結婚するんなら死んだ方がましね。彼には、私みたいに合う女はいないんだわ。
彼のくどき方がよかったわ。八日生れの私に、ケシの花を八つ贈ってくれて。でも抱擁は下手。ガードナーみたいではなかったわ。顔色が悪い。鏡では表情は分からないものよ。それに、彼は大きいお尻でのしかかってくる
わ。
この暑さに毛深い胸は重苦しいわ。いつも押しつけられて体位を変えるといいわ。マスチャンスキ夫人みたいに、犬を見習うといいだなんて。男のハラって分からないわ。でも彼が夕刊を持って、馬券を裂きながらとびこんで来た時は、悪魔みたいだったわ。
私のために賭けた馬が負けて損したって。とにかく、このままじゃシュミーズが二ついるわ。ズロースはどんなのが。いらないっていったかしら。ジプラルタルでは、娘の半数ははいてなかった。マノーラを歌った娘は隠そうとしなかったわ」
キャベツの薬で、前をかくして立っている。
裸体のボイラン。
水をかけられるブルーム。
ダブリンの丘。
男の銅像。
さまざまなイメージ。
モリーのモノローグー。
モリー「こんなのが二つ同じにできてるの。不思議ね。美をあらわすとされてるなんて。博物館の彫刻のように上についてて、一つを手でかくすようにして。あれで美しいの?
もっとも男が
二つの袋をさげて、もう一つが立って
るのにくらべればね。キャベツの葉でかくすの当然よ。
女は美しいわ。あれで歩き回って蹴られるの、怖くないかしら?誰か、新聞にのせるといいんだわ。もし、私が半分も覚えてて本に書けたらね。カポ
ルディー先生傑作集”だわ。
男たちが女から味わう快感。あの人の口の感触。私、体をのばしたい。彼か誰か私を夢中にさせてくれればいい。
体中が火のようにほてり、夢見心地で、二度も夢中にさせ、指でうしろをくすぐり。夢中で五分ほど足と手で抱きついていたっけ。夢中で叫んでみたかった。醜悪でないかぎり、どんな言葉でもよかった。
歓喜の絶頂でもらす言葉なら、男がどう感じとるか知りたいわ。皆が彼みたいではない。あなたの喜びを望む人、対照的にあの時口をきかない人。私は、ふり乱した髪で彼の方を流し眼で見たわ。唇の間から私は彼にふれた。
野蛮なけだもの。私があれほど求めていた人を、与えてくれた神に私は感謝するわ。ここでは昔のような機会などはない。
誰か私にラブレターを書いてくれるといいわ。それは何かを考えさせ、私の回りを新鮮にする。返事はベッドで普く。短かく簡単に。私の名がブルームになるとは思わなかった。でもお尻でなくてよかった。ラムスボトム夫人などよりは。また汽車の音。泣いてるわ」舞台に立つモリー。
モリーの歌声し。
〃思い出もはるか
すぎさりし日々
眼をとじ
唇をつき出し息をする
キスして、悲しい表情
両眼をかすかに開いて
世を包むものは
再び深いくる袋
わたしは嫌いだわ
流れくる愛の
甘きその歌声
則光の前に立ったら出すわ〃
モリーとガードナー
食事。
ブルームのポケットをさぐるモリ
1。さまざまなイメージ。
モリーのモノローグー。
モリー「カスリン・キアニーや雀っ子たちは政治の話でとび回ってるわ。何も知らないで。借心は男にもてないからよ。ガードナーは、私の口が魅惑的だと言ってたわ。
彼は、私のアクセントを嫌いかと思っ
たわ。眼と姿は母親似。彼は私の唇に夢中だったわ。見て似合いのを夫を持たせるのよ。さもなければ金持でしかも、ボイランみたいに長く女を喜ばせるような男を射とめるんだわね。私まちがって結婚したんだわ。
いにしえの恋、あごをひいて、二重にならぬよう。うらやましがらせてやろう!
医学生とは遊ばせない。若返ったと思って。お金を浪して、酒ばかりのんで、水でいいわ。朝、コップをかたつかせて、階段を上る音がすき。
それから、卵と紅茶とトーストの注
彼みたいな習慣の人はいないわ。蹴ったり歯を折らないのがまし。教会の鐘だわ。誰にしろ、今頃帰ってくるなん
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て立派よ。まずシャツ、手帳にサックをはさんでるかしら。知らないと思ってるんだわ。男って嘘つきね。
嘘をかくすには、ポケットが二〇でも足りないわ。こっちが本当を言っても信じてくれやしない。毒を盛ってやるといいわ。それから紅茶とバター・トーストと新鮮な卵。彼は生来の嘘つき
よ。
人の女房に手を出す男気はないわ。デニスは、彼女の夫なんていう代物じゃないわ。
彼の相手は、どうせ安淫売よ」モリーとスティーブン。
ベッドの上の二人。
海岸の二人。
スティーブンと息子のイメージ。
モリーのモノローグ。
モリー「著述家でイタリア語の教授。私も習うはずよ。なぜ私の写真を見せる
の?
出来は悪いけど若く見えるわ。
くれたんじゃないわね。私もつけていいのよ。私、喪服を着てたわ、十一年前。生きていれば十一よ。どうでもいいものに喪服して何になる?彼の主張よ。猫のため。坊やは今頃もう大人だわね。
あの頃は無邪気な坊やだったわ。彼は私を好きだったわ。覚えてるわ。今朝
広げたカルタに出てたわ。前に会った、黒影でも金髪でもない青年と一緒に。彼だと思ったけど若造でないわ。
皆、詩の中で女を書く。私のような女は珍しいわ。柔らかい愛のタメ息、ギターの調べ、漂よう詩情。彼は優れた詩人よ。そういう人に会いたい。他のボンクラはごめん。それに若いわ。マ
1ゲイトで見た、たくましい岩人たち。岩かげからのぞいた素裸で太陽の下に立ち、皆で次々と海にとびこみ、男が皆ああだと女の慰めだわ。
彼が買ってくれた、彫像のように一日中眺める。それこそ真の美で詩だわ!
時々体中にキスしてやりたい。その可愛い若い単純なシンボル。誰もいなけりゃキスしたいわ。吸ってと言ってるわ。清潔で、純白で、あどけない顔。
いいと思うわ。キスして吸いこんでも、あんなに清潔なんだから危くはないわ。
しかも、年がら年中、洗おうとも考えないような、豚どもとくらべたらきれいなものよ。でもロヒゲが生えるって。この年で若い詩人とできたらすてきね。明日の朝、まずカルタ占いだわ。よく読んでしらべておくわ。誰を好きか分かったら、女をバカだと思うなら、教えてやる。気が遠くなるまで感じさせてやる。
彼が有名になれば、恋人で思いものの私について、写真入りで書くわ。彼はどうする?夫はいいが、恋人はだませない。彼は、作法も上品さももちあわせないわ。
私たちのお尻をあんな風にたたくだなんて。彼を”無知のヒュールと呼ばなかったからって。彼らを甘やかすからなのよ。目の前で靴やズボンをぬいだり、シャツ半分の姿でほめられようとつき出したり。冗談に暇をつぶすのはいいけれど、それくらいならライオンと寝る方がいいわ。ライオンの言い二と

うなことでも言ったら?私の乳房が誘惑的だったからとは思うけど、私も時に興奮するわ。男が女から喜びをひき出すのはいいわ。いつも丸くて白くて。たまに男だったらと思うわ。私たちの上で、固く、またやわらかいあれを一度使ってみたいわ。
また男に戻るけれど何でも選べるんだわ。人妻、未亡人、娘、皆味わいがちがう。女は鎖につながれたきり。わたしは鎖につながれないから平気よ。一度やり出したら、バカな夫の嫉妬なんか。なぜ、皆仲良くできないのかしら。この欲望は何のため?若かったら我慢できないわ」
ベッドに寝ている、モリーとブルー
ム。
モリーの回想~。
丘の上を行くモリーとブルーム。
海。
モリーのモノローグ。
モリー「冷たい男。眠っても誰かも知らず、足に抱きつく以外何もしてくれない男。女のすべてにキスしてくれる男なら尊敬するわ。あとは何にでもキスできるわ。私たちはラードの固まりよ。
男にあれをする前に。フン、不潔なけだもの。考えただけで沢山。お嬢さん、おみ足にキス。気ちがいよ。彼の考えが分かるのは私だけ。もちろん女は若く見せるためには誰でもいい。愛するか愛されている限りは、一日に二
〇度は抱かれたいわ。好きな男がいなけりゃ。神様、わたし時には暗い晩波止場へ出かけて、女に飢えている水夫
ING CROWD
を拾いたいと思うわ。要するに、門のあたりですませればいいんだわ。それとも、狂暴な顔のジプシーでも。澄ん
だ眼の暴漢が、暗闇でおそいかかり物も言わず壁に押しつける。
半分は悪い病気の持主だわね。その大きい図体を少しずらして、後生だから。
聞いてハタメ息を君に伝える風よ”。
よく眠るわ。偉大な予言者ドン・ポロ
・デ・ラ・フロラ。主人が寝てる間、私は朝食の支度で台所をはい回れと言う。私はそんなことするかしら。一度やったら、男は女を見くびっちまう
わ。
何と言おうと世の中は、女が支配した方がいい。女の大量殺人なんて見たことある?いい息子がいて満足しないなんて!私はないわ。彼が作れなかったのかしら?街で大の交尾してるのを見てそそのかされた。あれで私は気落ちした。子供はジャケツのまま葬ったが、哀れな子にあげるんだった。
最初の児を失なって、もう出来ぬと思った。
私たちは変った。あれを考えて暗くなることはよそう。あの人は、なぜ夜泊ろうとしなかったのかしら?夜って淋しいわ静かで。もし私が誘ったとしても、それはあの人の罪よ。涙の谷でしたことが、それだけだとしたら、ささいなことよ。誰でもするわ。隠してるだけ。女はそのためにあるのよ。
でなけりゃ、神は魅力的に造らないわ。神がいないなんていう人は、私相手にしないわ。何か創ってみるといい
15
のよ。それでいて、死ぬ時は神父を呼ぶ。それは、地獄行が怖いからなのよ。
知ってるわ。神さまの前に、この世にいた人は誰なの?誰も知らない。私も=だが我々はここにいる。明日の太陽を望まぬ人がいるかも知れないが、太陽は君のため輝やく!ー」花の咲き乱れる岬。
抱き合うモリーとブルーム。
長い抱擁。キス。
重なり合う二人一。
モリー「ホウス岬で花の中に寝て、彼は言った。私が彼にプロポーズさせた日だった。私は口移しに彼に菓子をやった。うるう年だった。十六年前ー長いキスの後で、息がきれそうだった。
私たちは何もかも花だった。女の体も!それだけが彼の唯一の真実だった。太陽は君のため輝やく。彼のそこが好きだった。彼は女を感じてくれた。私は彼にできる限りの喜びを与えた。最後に、ウンと言えと嘆願した
わ。
はじめ私は答えないで海と空を見たわ。あの底知れない葬流。海、炎のように燃える真紅の海。そして壮厳な日没。植物園のいちじくの欄。奇妙な小路と多彩な家々。バラ、ジャスミン、ゼラニウム、サボテン。私がまだ花だった頃のジブラルタル。髪にバラの花をさした時!赤がいいかしら。彼はムアの城壁の下でキスしたわ。彼はすばらしかった。私は眼で彼に頼むように促した。彼は聞いた。ぼくの花よ、ええ、と言ってくれ。私は腕を回し、いいわ」
(F・O)