豊受皇太神御鎮座本記
一応、人前で説明はさせていただいたのですが3分くらい喋って、資料を配って終わりという、顰蹙ものの説明だったので、もうちょっとだけ説明しておきます。聞く所によると、伊勢には伊勢神宮という大きな神社があるそうでして(笑)
伊勢神宮(いせじんぐう)は、三重県伊勢市にある神社。神社本庁の本宗(ほんそう)とされ、正式名称は地名の付かない「神宮」(じんぐう)である。他の神宮と区別するため「伊勢の神宮」と呼ぶこともあり、親しみを込めて「お伊勢さん」「大神宮さん」とも言う。
伊勢神宮には、太陽を神格化した天照坐皇大御神(天照大御神)を祀る皇大神宮と、衣食住の守り神である豊受大御神を祀る豊受大神宮の二つの正宮があり、一般に皇大神宮は内宮(ないくう)、豊受大神宮は外宮(げくう)と呼ばれる。内宮と外宮は離れているため、観光で内宮のみ参拝の人が多いが、まず外宮を参拝してから内宮に参拝するのが正しいとされている。
主祭神は以下の2柱。
皇大神宮:内宮(ないくう)
天照坐皇大御神 (あまてらしますすめおおみかみ) - 一般には天照大御神として知られる
豊受大神宮:外宮(げくう)
豊受大御神 (とようけのおおみかみ)
以上 wikipediaより
内宮は垂仁天皇期に祀られ、外宮は雄略天皇の御宇に今の場所に祀られたとの伝承が起源となっております。
外宮の祭祀を代々司ってきたのが度会(わたらい)氏で、度会氏に伝えられてきたのが度会神道、一般的に言われる伊勢神道であります。
その伊勢神道(度会神道)の根本経典として伝わるのが「神道五部書(しんとうごうぶしょ)」。
鎌倉時代に度会行忠ら外宮祀官が、伊勢神宮に伝わる古伝を加味しつつ執筆したものとされており、奥付には奈良時代以前の記載であるとの記述があるそうですが、確認はできておりません。一般的には14世紀頃の成立であるようです。
この「神道五部書」はその名の通り5つの経典の総称でありまして
『天照坐伊勢二所皇太神宮御鎮座次第記』(御鎮座次第記)
『伊勢二所皇太神御鎮座伝記』(御鎮座伝記)
『豊受皇太神御鎮座本記』(御鎮座本記)
『造伊勢二所太神宮宝基本記』(宝基本記)
『倭姫命世記』
の五書からなっております。
今回、ご紹介するのは、そのうちの『豊受皇太神御鎮座本記』(御鎮座本記)でありまして、外宮である「豊受大神宮」鎮座に関する由来を記したものです。
伊勢神宮公式サイトには
豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祭り申し上げる豊受大神宮は、内宮(ないくう)に対して外宮(げくう)とも申し上げます。
雄略(ゆうりゃく)天皇は、夢の中で天照大御神のお教えをお受けになられ、豊受大御神を丹波(たんば)の国から、内宮にほど近い山田の原にお迎えされました。今からおよそ1500年の昔のことです。
豊受大御神は御饌都神(みけつかみ)とも呼ばれ、御饌、つまり神々にたてまつる食物をつかさどられています。このことから衣食住、ひろく産業の守護神としてあがめられています。
内宮と同じく、正宮と呼ばれますように、建物やお祭りはほとんど内宮と同様ですが、両宮は決して並列されるものではなく、あくまで内宮が神宮の中心なのです。
との説明が記載されています。
御鎮座の時期は、ボクが喋ったのとは大分違っていて、どうも勘違いしてたようです、ごめんなさい。
ま、それはそれとして『豊受皇太神御鎮座本記』の内容を「国史大系」の第七巻から見てみますれば
見ていただきたいのは赤線の部分。
天村雲命伊勢大神主上祖也。神皇産霊神六世之孫也。阿波國麻植郡座忌部神社、天村雲神社、二座是也
これだけで、詳しい説明は不要かなとも思いますが...
阿波國に座す二社が皇祖皇統の正統なる末裔であると記してあるのです。
阿波忌部が伊勢神宮(少なくとも外宮の)の正統なる祭祀者、あるいは......
(ここを書かないから常々『ずるい』って言われるんだなぁ)
内宮、外宮、両宮の御鎮座当初より忌部氏が祭祀を司っていたのはまぎれもない事実であり、6世紀に中臣氏に取って代わられるまでその地位は安泰だったのです。
その御鎮座時を記録するために度会氏が14世紀になってこの本紀を記したのでしょう。
ただ、「伊勢大神」というのは「天照大神」を指しまして、天照大神を祭神とするのは皇大神宮(内宮)で、穀物神である豊受大神を祭神とする豊受大神宮(外宮)の本紀として、この記述があるのは、非常に疑問です。
あと、神皇産霊神、云々の話もでてましたよね
この辺りは今後の課題となるでしょう(だれか調べてよ〜)。
が、通常世間に出る事の無い「御本記」に、ここまではっきりと国名、郡名を出して、その起源を主張するには、並々ならぬ事情があったことと推測されます。
「道は阿波より始まる」にも伊勢神宮は「阿波王子神社」を遷座したものだなんて書いてありましたしね。一つの裏付けにはなるでしょう。
ってトコですかね。
いかがなもんでしょうか?
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