2023年8月27日日曜日

恋スル古事記 近藤 ようこ(著/文) - 角川書店 : 角川グループパブリッシング | 版元ドットコム

恋スル古事記 近藤 ようこ(著/文) - 角川書店 : 角川グループパブリッシング | 版元ドットコム 2012
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784041103197
1、黄泉津比良坂-イザナキとイザナミ
2、オオナムジの冒険-オオナムジとスセリヒメ
3、綿津見の魚鱗の宮-ヤマサチヒコとトヨタマヒメ
4、稲城の火-サホヒコとサホヒメ
5、やまとをぐな-ヤマトタケルとオトタチバナヒメ、ミヤズヒメ


それぞれの章の終わりに作者による解説がつく
恋が通奏低音という古事記への意外なアプローチ





5つ星のうち5.0 心が洗われる。2012年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入

古事記から選ばれた物語が5つ。
なんともおおらかな作風でこころが洗われる。
作者は近年長らくスランプだったようだが、復活を強く印象づける。
物語にそのつど解説漫画を付随させるアイデアが素晴らしく、自身が教養のある作者(=國學院大學で折口信夫などを研究していたようだ)にしか出来ない技で、類書と一線を画す。

描き込んでいない画風に拍子抜けする読者もいるだろうが、これは貴重な完成度の高い漫画(書下ろし)である。





恋スル古事記 近藤 ようこ(著/文) - 角川書店 : 角川グループパブリッシング | 版元ドットコム 2012
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784041103197
1、黄泉津比良坂-イザナキとイザナミ
2、オオナムジの冒険-オオナムジとスセリヒメ
3、綿津見の魚鱗の宮-ヤマサチヒコとトヨタマヒメ
4、稲城の火-サホヒコとサホヒメ
5、やまとをぐな-ヤマトタケルとオトタチバナヒメ、ミヤズヒメ


新版角川
1,


 伊耶那岐神と伊耶那美神 おのごろ島  そこで天の神々の仰せによって、伊耶那岐命・伊耶那美命の二神に、「この漂っている状態の国土を繕い、しっかり固定しなさい」と仰せになり、天の沼(玉)矛をお与えになって委任なさった。そこで二神は、天に懸かる浮き橋の上にお立ちになって、その玉矛を下界へさし下して攪き回されると、海水は攪くたびにコオロコオロと音を立てて、矛を引き上げるときにその先からしたたり落ちた塩が累なり積もって島ができた。これが淤能碁呂島である。  二神はその島に天降りなされて、高天原の象徴の御柱はこことお決めになると、そこにパッと柱が立ち、立派な宮殿をパッとお建てになった。 二神の結婚  そこで伊耶那岐命は、妻の伊耶那美命に、「おまえの体はどのようにできているのか」と問うと、「私の身は成長し終えてもなお合わないままのところが一か所あります」と申した。すると伊耶那岐命がおっ


2,


大国主神 兎とワニ  ところで、この大国主神の兄弟は八十神もの大勢おいでになった。しかしそのすべての神々が国は大国主神に譲って身を引いた。身を引いたわけはといえば、その大勢の神々のめいめいが、稲羽(因幡)の八上比売と結婚したい気持ちを持っていて、皆で一緒に稲羽に行った時に、大穴牟遅神(大国主神となる前の名)に袋を背負わせ、従者として連れて行った。こうして気多の岬に着いた時に、毛を毟り取られた裸の兎が臥せっていた。そこで大勢の神々がその兎に、「おまえがすべきことは、こ


3,


海佐知と山佐知  その火照命は海佐知毗古(海の幸〈獲物〉を得る男)として、海の鰭の大きい魚、鰭の小さい魚もろもろを獲り、火遠理命は山佐知毗古(山の幸を得る男)として、山の毛のあらい大きな動物、毛の柔らかい小さな動物もろもろをお獲りになっていた。そんなある時、火遠理命がその兄の火照命に、「お互いの猟具を取り替えて使ってみようと思う」と言い、三度提案してみたが、兄は受け入れなかった。それでも遂にやっと交換することができた。そこで火遠理命は海の道具をもって魚をお釣りになったところ、まったく一尾の魚もかからないうえにその釣鉤を海中になくしてしまわれた。このときに兄の火照命が、その釣鉤を求めて、




4,


沙本毗古の反逆  この(垂仁)天皇が、沙本毗売を皇后となさった時に、沙本毗売命の兄の沙本毗古王が、その同母の妹に尋ねて、「夫と兄とどちらを愛しく思っているか」と言った。妹は答えて、「兄さんが愛しい」と言った。すると、沙本毗古王は、たくらみごとを謀って、「そなたがまことに私を愛しいと思うならば、私とそなたと二人で、天下を治めようではないか」と言って、幾たびも鍛えた紐小刀を作り、その妹に与えて、「この小刀で、天皇が眠っておいでのところを刺し殺し申せ」と言った。し


5,


倭建命の西征  (景行)天皇は、小碓命に、「どうして、おまえの兄の大碓は、朝夕のお食事に出て来ないのか。たっぷりとおまえがねぎ(ていねいに)教え諭してやりなさい」と仰せになった。このように仰せられてから、五日経っても、大碓はやはりご膳に陪席しない。そこで天皇は、小碓命に、「どうしておまえの兄はいつまでも出て参らないの




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