2023年8月30日水曜日

日本は「知らす国」シラスとウシハクという古語から考える日本の未来 | ことのはそだて

日本は「知らす国」シラスとウシハクという古語から考える日本の未来 | ことのはそだて

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参考:
「しらす」「うしはく」という言葉は古事記や日本書紀の中の「国譲り」のお話のところで使われる。

「…汝がうしはける(支配・所有する)葦原中国は、天照大御神の御子が知らす(治める・知る)国であると任命された。汝の考えはいかがか?」

「…汝がうしはける葦原中国は、我が御子の知らす国と言依さし賜へり。故汝が心いかに」


参考:
「しらす」「うしはく」という言葉は古事記や日本書紀の中の「国譲り」のお話のところで使われる。

「…汝がうしはける(所有する)葦原中国は、天照大御神の御子が知らす(治める・認知させる)国であると任命された。汝の考えはいかがか?」

「…汝がうしはける葦原中国は、我が御子の知らす国と言依さし賜へり。故汝が心いかに」

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日本は「知らす国」シラスとウシハクという古語から考える日本の未来

日本は「知らす国」

この「知らす」という言葉を、聞いたことがあるでしょうか。

日本が「知らす国」であること、そして日本の古い神話や祝詞に出てくる「シラスとウシハク」という言葉は、日本が世界に誇れる概念です。

現代の日本人は、「知らす」という言葉を知らない人が多いかもしれません。

社会が大きく変わろうとしている今だからこそ、「知らす」と「うしはく」という言葉を知っていきましょう!

こんな情勢ですが、ちょっと心が楽になるかもしれません。

シラスとウシハクの意味

まず、ざっくり意味を確認してみます。

・知らす(シラス)
→ 知る / 一体化する

・主人(ウシ)履く(ハク)
→ 所有する

反対の意味であることが分かりますね。

日本ではずっと昔の時代の神話「古事記」によって、既に「知らす」が良しとされ、「うしはく」はだめですよとされていました。

それぞれの意味をもう少し詳しくみてみましょう!

知らす = 一体化する

「知らす」は、神道の祝詞の一節に出てくる単語です。

「瑞穂の国を安国とたいらけく知ろし食せ」

これは「安寧な国となるよう国を知り食しなさい」という意味ですね。

「国を知り食べる」

これはつまり、「国と一体化しなさい」ということです。

もともと日本語の「知る」には、「一体化する」という意味がありました。英語の「know」との違いがここにあります。

前かいた手書きのメモ(笑)

ただ知識として知るのではなく、
一体化することが「知る」こと。

古事記に出てくる天皇陛下の遠いご先祖様とされる神さまは、「国と一体化すること」を説かれていたのです。

身分の差なく一体化する国、
国民を「おおみたから」とする国。

自分を愛するように国民を愛し、
国民もまた自身を大切にするように国を大切にする。

そんな国こそが「知らす国」

日本の原形が「知らす」にあります。

うしはく = 所有する

一方のうしはくは、「主人履く」と書きます。

主人が履く(所有する)訳で、一体化するわけではありません。

自分の好きに扱って良いものとして所有するので、酷い扱いをしようと、利用するだけして捨てようと、それは所有者の自由であると見なされます。

昔の大陸で行われていたのは、この「うしはく」の統治であったと言えるでしょう。

王が国と国民を所有物と見なし、私的に支配し贅沢の限りを尽くし、最後に反乱によって倒れ、力によって新たな王が立ちます。

そして争いと「所有」が繰り返されていたのですね。

手紙メモその2

日本は知らす国

日本でははるか昔、古事記の「国譲り神話」によって、すでにこの「うしはく」が否定されていました。

「国譲り神話」と言うと、「あー国を無理やり取られた話でしょ?」と思われがちですがそうではありません。

大国主神が「うしはく」で民を統治した

国は経済的に栄えた

でも「栄えればいいってもんじゃない」と否定

天孫を遣わして国を明け渡すよう告げた

これが国譲り神話の背景だと言われます。

どんなに国が経済的に栄えても、「うしはく」はだめ。

「知らす国」であることの大切さを説いたのですね。

これからの時代の「知らす」と「うしはく」

日本では1300年前(!)からあった、「知らす」と「うしはく」の概念。

今は日本でも「うしはく」が強い力を持っていますが、きっとこれからどんどん、「知らす」が主流になっていくでしょう。

日本が真の「知らす」を取り戻す時代になったのです。

もう一度手書きメモを見てください。

「うしはく」は「分離」ですよね。
分離しているからこその「所有」です。

その背景にあるのは「恐怖」です。
恐怖があるから、人は「所有」をしたくなるのです。

昔の大陸の王様も、きっと民衆の力が怖かった。
怖いから力で所有し、虐げて力を奪わなくてはいけません。
常に叛逆の危険もあって、怖かったのです。

一方の「知らす国」だった日本は、
あの戦後の混乱の最中、
昭和天皇がご自身の足で全国行脚を行い、
民の中に入っていくような国でした。

昭和天皇は、なぜそれができたのでしょうか。

昭和天皇

日本人が「知らす」を知っていたら、コロナウイルスの時のマスクの買い占めや転売も、こんなに大きくは起きなかったことでしょう。

昭和天皇は、全てを承知で丸腰で民に身を晒しました。

たとえ怖くても、それを受容する。
「何が起きても(例え死んでも)大丈夫」と思えたら、
安心感に包まれ生きることができるのです。

日本の長屋的な助け合いも、元々はここに根付いているんですね。

私たち日本人は、経済的な豊かさと引き換えに、
あまりに多くのことを失ってきました。

「うしはく」の会社で苦労しておられる方、
家族や友人が「うしはく」で悩んでいる方も、
たくさんいるでしょう。

もしあなたがそれに苦しんだり悩んだりするならば、
あなたは間違いなく、
「知らす」の魂を持った人です。

「知らす」は一体化し、共有すること。

自分らしく力を発揮し、
人とその力を共有し、
みんなで幸せに生きていく。

そんな「知らす」を取り戻す日本になったら、
どれだけ多くの人が笑顔になるでしょうか。

気付いた人から、戻りましょう。

「うしはく」から「知らす」へ。

「知らす世界」は、すぐそこです。

こんな時代だからこそ、「知らす」を取り戻していきませんか。

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「しらす」「うしはく」という言葉は古事記や日本書紀の中の「国譲り」のお話のところで使われる。

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「天照大御神・木神の命以ち問ひに使はせり。汝がうしはける葦原中国は、我が御子の知らす国と言依さし賜へり。故汝が心いかに」

4:00
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「しらす」「うしはく」という言葉は古事記や日本書紀の中の「国譲り」のお話のところで使われる。

「…汝がうしはける(所有する)葦原中国は、天照大御神の御子が知らす(治める・認知させる)国であると任命された。汝の考えはいかがか?」

「…汝がうしはける葦原中国は、我が御子の知らす国と言依さし賜へり。故汝が心いかに」


https://shakai-chireki-koumin.net/mahoroba-shirasu-and-ushihaku-the-government-of-japan/

【中学歴史・国史(日本史)】国を治める2つの方法 – 「しらす」と「うしはく」について分かりやすく解説

日本の肇国を知ろう記紀における日本の肇国

2021.01.21

この記事は約7分で読めます。

今回は、「古事記」や「日本書紀」の中にも書かれている国を治める2つの方法について解説したいと思います。

その2つの方法とは、

  1. しらす
  2. うしはく

のことを言います。

これが分かると、日本が天皇を中心としてどのように国を治めようとしたのかが分かるため、歴史(国史・日本史)の理解だけでなく、公民(政治経済・現代社会)などの理解も深まります。

学校では習わないのですが、ここを飛ばして説明されるために天皇の統治の正しい概念が学校教育の中で伝わっていないのが実情です。ここで解説をしていきます。

「しらす」と「うしはく」が記紀の中のどこで登場したの?

まず、「しらす」「うしはく」という言葉が古事記や日本書紀のどこで使われているのでしょうか?

「しらす」という言葉は多く使われていますが、対照的に使われている場面があるので、そこを紹介したいと思います。

なんじうしはける葦原中国あしはらのなかつくには、天照大御神の御子が知らす国であると任命された。汝の考えはいかがか?」

これは、古事記や日本書紀の中の「国譲り」のお話のところに書かれているものです。

大国主神おおくにぬしのかみという神様が国作りを行い、葦原中国あしはらのなかつくにつまり地上世界を治めていたところに、天照大御神あまてらすおおみかみ建御雷神たけみかづちのかみを使いに出した時に発せられた言葉です。

「しらす」と「うしはく」の話に戻しましょう。

「うしはける」という言葉を終止形に変換すると「うしはく」になります。あとは「しらす」という言葉が続いて登場します。

以下、「しらす」と「うしはく」という2種類の国の治め方について、言葉の意味を説明しながらわかりやすく解説していきます。

なお、この言葉の説明については、松田雄一先生が主宰されている「国語WORKS 大人向けオンライン国語教室」で頂いている資料及び説明を参照しております。

「しらす」とは?

まずは「しらす」という概念について説明しましょう。

「しらす」に漢字をあてると!?

「しらす」という言葉に漢字をあててみましょう。

  • 治らす
  • 知らす
  • 添らす

こんな漢字をあてます。どれも「しらす」と読みます。

まず一番上の「治らす」なのですが、「統治する」ということですね。この言葉には、鎮めるとか静めるとかそういう意味があります。世の乱れを鎮めて心穏やかに過ごせるようにするといったことですね。

ちなみに、「統治する」の「統」という字を「訓読み+送り仮名」にしてみると、「める」「べる」と読みます。実は、「天皇」を古くから伝わる日本語で「すめらみこと」と言います。今でも神社などで使われていますよ。

歴史で明治時代の勉強を終えている人や公民の勉強を終えている人は、「統治する」という言葉を聞くと、こんな条文を思い出す人もいるのではないのでしょうか?

大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治

大日本帝国憲法第1条none

大日本帝国憲法第1条に書かれている「統治する」とは、これから説明する「しらす」と同じ意味なのです。起草者の伊藤博文が自らの言葉で解説をしています。

また、日本国憲法第1条の「象徴」という言葉も「しらす」という概念の現れだと言われています。

さて、続いて2番目の「知らす」ですが、これはそのままですね。知るとか理解するとかそういう意味です。

最後に3番目の「添らす」なのですが、「寄り添う」という言葉を補うと分かりやすいと思います。

「しらす」という言葉にはこのような意味があり、上のような漢字があてられます。

結局、「しらす」とは?

上の漢字の意味をくっつけていくと、「しらす」とは次のような意味になります。

国の様子をり、国民に寄りい、世がまることを願い祈る。権力や財力ではなく、「在り方」を体現することで影響を及ぼす。

今の天皇陛下もこのような存在でいらっしゃいます。

天照大御神あまてらすおおみかみが仰った、

豊葦原之千秋長五百秋之水穂国とよあしはらのちあきのながいおあきのみずほのくには、我が子、正勝吾勝勝速日天忍穂耳命まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみことしらすべき国である。」

の中にある「しらす」もこの意味で使われています。

また、国譲りが行われた後に天照大御神あまてらすおおみかみ高御産巣日神たかみむすひのかみ邇邇芸命ににぎのみことに命ぜられた「天孫降臨てんそんこうりんのご神勅しんちょく」にもある、

豊葦原水穂国とよあしはらのみずほのくには、なんじしらさむ国ぞ」

というのもこの意味なのです。

神統譜
神統譜

天照大御神あまてらすおおみかみ天忍穂耳命あめのおしほみみのみこと邇邇芸命ににぎのみこと火遠理命ほおりのみこと鵜葺草葺不合命うがやふきあえずのみこと神倭伊波礼毘古命かむやまといわれびこのみこと(=神武天皇)…現在の天皇陛下まで続く天皇のあり方は、神話の世界からずっと引き継がれた大切な価値観なのです。

「うしはく」とは?

では、「うしはく」とはどのような意味なのでしょうか?

先ほどと同じように、「うしはく」という言葉に漢字をあててみましょう。

  • 領く
  • 主はく

1番目の「領く」は、領有するという意味で、自分のものとして支配をするということです。

2番目の「主はく」の「主」という字を訓読みでは「あるじ」とも読みますが、主として支配するということです。

つまり、

「うしはく」という国の治め方とは、主として土地や人民を領有するという意味なのです。そこには、力や財力を用いて力を背景にした支配を展開することが想定された概念。

だということです。

「しらす」と「うしはく」という国を治める2つの方法の比較

ここで今まで述べたことをまとめてみましょう!

しらす(知らす・治らす・添らす)うしはく(領はく・主はく)
定義国の様子をり、国民に寄りい、世がまることを願い祈る。として土地や人民を領有する。
力や財力の
利用
権力や財力ではなく、
「在り方」を体現することで影響を及ぼす。
力や財力を用いて、
力を背景にした支配を展開することが想定されている。
「しらす」と「うしはく」の違い

日本の統治の仕組み

最後に、日本は天孫降臨の神勅を経て神武天皇が肇国ちょうこくされた結果、どのような統治形態を取ったのかを見ていきましょう。今までの話のまとめになります。

天皇を中心とした統治のあり方
天皇を中心とした統治のあり方

権力者と国民の間には「うしはく」の関係があります。力や財力がなければ秩序を保つことはできないし、経済活動もできません。人々の暮らしを守れません。しかし、この関係だけだと権力者は私利私欲の政治を行ってしまいがちです。

ところが、「天孫降臨てんそんこうりんのご神勅(日本書紀では「天壌無窮てんじょうむきゅうのご神勅」)」により、「しらす」存在として邇邇芸命ににぎのみことさらにそこからつながる天皇が存在します。天皇は国民のために祈りを捧げてくださっています。我々国民を大御宝おおみたからと思ってくださっています。その御心に少しでも応えるために、天皇から任命された権力を持っている人が政治を行い、国民も天皇のことを尊敬する。これが日本の姿です。これを君民共治くんみんきょうちと言います。

三大神勅についてわかりやすく解説してみました!

神々の総意により伊耶那岐神いざなぎのみこと伊耶那美神いざなみのみことが国作りを行い、伊耶那岐神いざなぎのみことから天照大御神あまてらすおおみかみが成り、大国主神おおくにぬしのかみに自分が「うしはく」存在であることを分からせて、その後に邇邇芸命ににぎのみことが「天孫降臨の神勅(日本書紀では「天壌無窮の神勅」)」により天孫降臨をし、その直系の神武天皇が天皇の位に就くプロセスを説明することで、天皇がどんな背景を持って日本にいらっしゃるのかを説明しているのが「古事記」という日本最古の歴史書なのです。

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