スコット(ジェームズ),63,80~81@,81@(『反穀物の人類史』),125~126@
反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット 2019
Against the Grain: A Deep History of the Earliest States James C. Scott 2017
[目次抄]
序章ほころびだらけの物語――わたしの知らなかったこと
1火と植物と動物と……そしてわたしたちの飼い馴らし
2世界の景観修正――ドムス複合体
3動物原性感染症――病理学のパーフェクトストーム
4初期国家の農業生態系
5人口の管理――束縛と戦争
6初期国家の脆弱さ――分解としての崩壊
7野蛮人の黄金時代
索引
原注
参考文献
#3
チカコー80~1
1:1:③
わたしは、初期の、記録のない時期に人口密集地が放棄されたうちの相当多くは、政治ではなく病気が理由だったと考えてまず間違いないと思う。
#3
チカコー81
1:1:③
定住しない人びとは、たいてい意図的に繁殖力を制限している。定期的に野営地を動かす際のロジスティクスを考えると、子ども2人を同時に抱えて運ぶのは、不可能とはいわないまでも、かなりな負担になる。その結果、狩猟採集民が子どもを作るのはおよそ4年ごととなり、離乳を遅らせる、堕胎薬を使う、育児放棄する、あるいは子殺しをするなどして間隔を開けることになる。また、激しい運動とタンパク質豊富な赤身肉の食餌という組み合わせは、思春期の訪れを遅らせ、排卵を不定期にし、閉経を早めることにもなる。
#5
チカコー121~2
1:2:⑦
沖積層の都市国家どうしで戦争が当たり前だったことは明らかだ。実際の話、もしかなりの割合の捕虜が互いの臣民を目的とした都市国家間戦争から生じたのだとしたら──しかもそれまで独立していた地域コミュニティの出身者だったのだとしたら──その共有文化を考えれば、彼らはたいした混乱なしに、捕らえた側の都市国家のふつうの臣民になったと考えるのが妥当だろう。おそらく、公式に奴隷化されることすらなかったのではないだろうか。
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