2022年11月10日木曜日

反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット

 


スコット(ジェームズ),63,80~81@,81@(『反穀物の人類史』),125~126@

反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット 2019

 Against the Grain: A Deep History of the Earliest States   James C. Scott  2017

[目次抄]
序章ほころびだらけの物語――わたしの知らなかったこと
1火と植物と動物と……そしてわたしたちの飼い馴らし
2世界の景観修正――ドムス複合体
3動物原性感染症――病理学のパーフェクトストーム
4初期国家の農業生態系
5人口の管理――束縛と戦争
6初期国家の脆弱さ――分解としての崩壊
7野蛮人の黄金時代
索引
原注
参考文献

#3
チカコー80~1
1:1:③

わたしは、初期の、記録のない時期に人口密集地が放棄されたうちの相当多くは、政治ではなく病気が理由だったと考えてまず間違いないと思う。

#3
チカコー81
1:1:③
定住しない人びとは、たいてい意図的に繁殖力を制限している。定期的に野営地を動かす際のロジスティクスを考えると、子ども2人を同時に抱えて運ぶのは、不可能とはいわないまでも、かなりな負担になる。その結果、狩猟採集民が子どもを作るのはおよそ4年ごととなり、離乳を遅らせる、堕胎薬を使う、育児放棄する、あるいは子殺しをするなどして間隔を開けることになる。また、激しい運動とタンパク質豊富な赤身肉の食餌という組み合わせは、思春期の訪れを遅らせ、排卵を不定期にし、閉経を早めることにもなる。

#5
チカコー121~2
1:2:⑦

沖積層の都市国家どうしで戦争が当たり前だったことは明らかだ。実際の話、もしかなりの割合の捕虜が互いの臣民を目的とした都市国家間戦争から生じたのだとしたら──しかもそれまで独立していた地域コミュニティの出身者だったのだとしたら──その共有文化を考えれば、彼らはたいした混乱なしに、捕らえた側の都市国家のふつうの臣民になったと考えるのが妥当だろう。おそらく、公式に奴隷化されることすらなかったのではないだろうか。


反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー 単行本 – 2019/12/21 


Against the Grain 2017

kindle

https://www.amazon.co.jp/反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー-ジェームズ・C・スコット/dp/4622088657/


Against the Grain: A Deep History of the Earliest States (English Edition) 1st 版, Kindle版 





「ある感覚が要求してくる――わたしたちが定住し、穀物を栽培し、家畜を育てながら、現在国家とよんでいる新奇な制度によって支配される「臣民」となった経緯を知るために、深層史(ディープヒストリー)を探れ、と…」ティグリス=ユーフラテス川の流域に国家が生まれたのが、穀物栽培と定住が始まってから4000年以上もあとだったのはなぜだろうか? 著者は「ホモ・サピエンスは待ちかねたように腰を落ち着けて永住し、数十万年におよぶ移動と周期的転居の生活を喜んで終わらせた」のではないと論じる。キーワードは動植物、人間の〈飼い馴らし〉だ。それは「動植物の遺伝子構造と形態を変えてしまった。非常に人工的な環境が生まれ、そこにダーウィン的な選択圧が働いて、新しい適応が進んだ…人類もまた狭い空間への閉じこめによって、過密状態によって、身体活動や社会組織のパターンの変化によって、飼い馴らされてきた」最初期の国家で非エリート層にのしかかった負担とは? 国家形成における穀物の役割とは? 農業国家による強制の手法と、その脆弱さとは? 考古学、人類学などの最新成果をもとに、壮大な仮説を提示する。

内容(「BOOK」データベースより)
豊かな採集生活を謳歌した「野蛮人」は、いかにして古代国家に家畜化されたのか。農業革命についての常識を覆す、『Economist』誌ベスト歴史書2019。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。

著者について
ジェームズ・C・スコット(James C. Scott)
1936年生まれ。イェール大学政治学部・人類学部教授。全米芸術科学アカデミー
のフェローであり、自宅で農業・養蜂も営む。東南アジアをフィールドに、地主
や国家の権力に対する農民の日常的抵抗論を学問的に展開した。ウィリアムズ大
学を卒業後、1967年にイエール大学より政治学の博士号を取得。ウィスコンシン
大学マディソン校政治学部助教授を経て、1976年より現職。2010年には、第21
回福岡アジア文化賞を受賞。著書『ゾミア――脱国家の世界史』(佐藤仁監訳、み
すず書房)ほか。

Scott, James C. The Art of Not Being Governed: An Anarchist History of Upland Southeast Asia. New Haven: Yale University Press, 2009〔邦訳『ゾミア──脱国家の世界史』佐藤仁監訳、みすず書房、2013年〕

James C Scott: The Domestication of Fire, Animals, Grains and.......Us
2015

In the Praise of Floods – Luce Lecture with James Scott
2020
https://youtu.be/IwMQSOdLULI

立木勝(たちき・まさる)
翻訳家。

--このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
スコット,ジェームズ・C.
1936年生まれ。イェール大学政治学部・人類学部教授。農村研究プログラム主宰。全米芸術科学アカデミーのフェローであり、自宅で農業、養蜂も営む。東南アジアをフィールドに、地主や国家の権力に対する農民の日常的抵抗論を学問的に展開した。ウィリアムズ大学を卒業後、1967年にイェール大学より政治学の博士号を取得。ウィスコンシン大学マディソン校政治学部助教授を経て、1976年より現職。第21回(2010年)福岡アジア文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。


登録情報
ASIN ‏ : ‎ B082NXLMJH
出版社 ‏ : ‎ みすず書房 (2019/12/19)
発売日 ‏ : ‎ 2019/12/19
言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 3918 KB
Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) ‏ : ‎ 有効
X-Ray ‏ : ‎ 有効にされていません
Word Wise ‏ : ‎ 有効にされていません
本の長さ ‏ : ‎ 322ページ

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