『すずめの戸締まり』と天皇について
『すずめの戸締まり』と天皇の関係について考察している批評的なツイートをまとめました。急いで作ったのであとで整理します。
『すずめの戸締まり』、監督がティーチインでこう仰ったのか。「閉じ師という役目について、実は「裏天皇」のような役割なのではないかと考えている。 」。 天皇と絡める読み筋が、妄想の陰謀論扱いされなくなりそうで(笑)良かった。 twitter.com/lu_maple/statu…
2022-11-15 07:37:05『すずめの戸締まり』は、想像力の形においては、百田尚樹の『日本国紀』とあまり変わらない。後者を女性/巫女/女帝の力で補完する、という災害ナショナリズム。ただし、百田本には天皇(制)に関する関心はほぼみられないが。新海は、神道/天皇の力をはっきりとアニメーションに注ぎ込んだ
2022-11-11 14:32:31『AKIRA』と『攻殻』も、ぼくはそう考えています。『攻殻』は原作の時点で、かなり神道・仏教・スピリチュアルが参照されていますし、『AKIRA』のミヤコ教団は神道系の信仰宗教? 「大覚さま」なんていう呼び名も、「悟り」などを想起させますね。なんでなんでしょうね。 twitter.com/nao_arakawa/st…
2022-11-09 16:41:37ありがとうございます。アニメは語源であるanimateからして、animismと似た、「モノに魂を吹き込む」表現なわけですが、新海誠の場合は、ディズニーが動画やキャラクターに「魂」「生命」を感じさせていたのに反し、動かない背景にそれを宿らせようとしているように見えるのが興味深く感じます twitter.com/nao_arakawa/st…
2022-11-09 17:01:04新海誠『すずめの戸締まり』109シネマズ@二子玉川にて鑑賞。これは国民的アニメ作家になった新海誠が凄く日本のアニメとしてのジブリを意識し、神道や震災(関東大震災も含めた災害史)を捉えた問題作だと思う(悪い意味じゃなく議論すべきという意味で)。巫女としてのジェンダーの問題も重要。 pic.twitter.com/0nUkqyJLPS
2022-11-11 16:28:11新海誠監督の『すずめの戸締り』を鑑賞。公式が喧伝するとおり、最高傑作と思った。内容とは別に村上春樹オマージュがいつも楽しみ。「みみず」が暴れて大地震は、「かえるくん、東京を救う」。『ノルウェイの森』が自由引用されて「生と死は隣りあっている」。「氷男」のモティーフまで登場!
2022-11-11 18:48:14視聴中。藤田さん→海外のアニメをみると、戦争や内戦、貧困や差別などの深刻な社会問題をストレートに描きつつ、それをアニメ化する。日本のアニメ視聴のしかたはむしろ特殊ではないか。『天気の子』の受容の仕方の海外との違い。日本ではなぜか気候変動や貧困や女性差別について思いを寄せない…… twitter.com/naoya_fujita/s…
2022-11-11 20:14:10『すずめの戸締まり』と天皇の関係について考察している批評的なツイートをまとめました。急いで作ったのであとで整理します。
藤田さん→新海誠の神道/スピリチュアリズムは、天皇制/国家神道とは別物なんだと『新海誠論』で書いた。あくまでも縄文や蝦夷などの迫害された人々の側のスピリチュアリティ。しかし、映画版はどうか。迷うところ?。文庫版よりも、映画版では皇居/天皇の問題は少し背景に退いているが……。
2022-11-11 20:23:06土居さん→草太と芹沢の関係は、同性愛/BLとは言わないけど、「聖☆お兄さん」的な、大らかな男同士の愛、神々の愛の関係なのでは。草太と芹沢は付き合っている、そう考えると、すずめが一方的に恋愛感情で盛り上がっていく、という空回り?の物語なのかも…。なるほど。
2022-11-11 20:32:49なるほど。明らかにすずめの「子どもになり損ねた存在」(水子)なんですよね。要石=人柱=石女=うまずめ=すずめ、という連想が働くような……。 twitter.com/mayuqix/status…
2022-11-11 20:39:31土居伸彰×藤田直哉の新海誠論対談at NakedLoft、現地拝聴。すずめネタバレありレビュー。すずめのアレコレはさておき… 現実肯定をどこまで突き詰めるか。ゆく先の、文化・人種・日本的なものの越境、「ハイブリッド」への相対などの課題(仮説)はとても興味深くこの先も楽しみに。面白い対談でした。 twitter.com/connie_tkht/st…
2022-11-12 00:12:49宮崎駿論や橋川文三論で書いたけど、自分もまた民俗や宗教混合の先にある日本の(雑多化ではない)雑種化=混血化の過程に希望を託すからこそ、ポストコロニアルとか多文化主義の蓄積をきれいに消し飛ばした『すずめの戸締まり』には、どうしてもノレないのだろうな。宮崎駿とは全く似ていないとおもう… twitter.com/sssugita/statu…
2022-11-12 01:56:31「それ以前から少しずつ距離は感じていたけど、『もののけ姫』で完全に宮崎さんが遠くにいってしまったと思った」みたいなことを語る年上のアニメ好きが結構いる印象なんだけど、『すずめの戸締まり』は私と年齢の近い新海誠監督ファンにとって近い位置付けの作品になりそうね。評価とは関係なく。
2022-11-12 11:03:36少なくともニッポンの消費者や観客においては、「百合期待!」「BL妄想捗る!」「性癖!」みたいなのが、マイノリティの歴史や文脈をキャンセルするばかりか、作品の政治性や社会性から都合よく目を逸らすために機能しているし、その傾向は日々強まっているという印象(評論家や批評家においても)
2022-11-12 11:53:35震災が心理学的なもの(否認、絶望、受容)として一貫して捉えられている、ということは極めて危ういと思うが。自然災害と原子力を切断してしまうことも含めて。震災はこの国の内的矛盾や非対称を露にしたはずなのに、「震災というトラウマを受容する傷付いた主体=純粋国民」が捏造されている
2022-11-12 12:00:13社会的PC的なものとエンタメ性を融合させて高次元の政治的享楽を作り出そう、というのが近年の世界的潮流だと理解していた。しかし『すずめ』については、少なくとも初動は、PCなんて忘れたとばかりに絶賛と快楽の嵐が吹き荒れているように見え、評論や批評の潮目の変化を感ずる(劣化と言うのはやめた)
2022-11-12 14:05:52『すずめの戸締まり』と天皇の関係について考察している批評的なツイートをまとめました。急いで作ったのであとで整理します。
べつにPC「だけ」じゃないんだよな。愛国にしろ天皇(制)にしろ、震災にしろ、ちゃんと描いてくれ、本気で愛すれば雑種的で混血的な国土と列島民が見えてくるはずだろう、自然災害と社会問題が渾然一体となったアニメーションになるはずだろう…という感じ。 twitter.com/emonerd_1998/s…
2022-11-12 18:38:51災害を受け止めて現在と未来を肯定するために、天皇(制)とジェンダーの問題に切り込んだこと、それ自体はすごいな、それをやったんだな、と感じてますね(その描かれ方や扱い方については、観客の多事争論があってしかるべきだとしても)
2022-11-12 18:42:13新海監督の描く「家族像」が好きです。 現実的で、変な「媚び」がないといいますか。 片親、両親不在、子供だけの暮らし、血が繋がっていても蔓延る不和、血が繋がっていなくても温かい関係… などなど、所謂「普通の家庭」があまり登場しない。
2022-11-12 19:40:19そこまで言っちゃうと新海さんは行く行くは「国体」という厄介で難しい言葉にぶち当たっちゃうのよね。そうするとダメな社会だけど、SNSや中間共同体に価値を見出そうとする不器用な細田さんの方がリベラルになっちゃう。
2022-11-12 21:01:21消費や娯楽や観光にすること自体を全否定すべきというのではなく、しかしそれらはつねに政治や歴史や文脈とも絡み合っているのであり、後者を抹消して前者だけを取り出すことはできない、のに、見たいものだけを見たがる観客や評論家が依然として多い(増えている?)ように見える、という感じですかね twitter.com/syxAp7kceXYMu9…
2022-11-12 22:25:27新海さんは「社会問題をしっかり描いたとしてだから何だというのか?」みたいな冷笑的なことは絶対言わないタイプじゃない? そこは信頼しているけどね。 twitter.com/emonerd_1998/s…
2022-11-12 22:28:24天皇(制)のレティサンス(言い落としによって間接的に描く)よりも、震災の描き方の方が問題性が高い気がするのだよな。やっぱり、震災を非社会的な心理的なものに回収してない?震災を心理学化しつつ、レジリエンス的でナショナリズム的な「われわれ」(傷ついても美しい自分たち)に回収してない? twitter.com/sssugita/statu…
2022-11-12 22:59:19いや、やはり『すずめの戸締まり』はけしからんと思います。巨大ミミズの封印のために安易に持ち出すのが、大和朝廷が作り上げた「日本神話=天皇制」というのは、『もののけ姫』インスパイア作品としてあるまじき態度ですよ。まつろわぬ民や神を描き出したところに『もののけ姫』の真価があったのに。
2022-11-12 23:07:13すずめの戸締まり、震災を人為的にどうこうできるものとして描いているのが受け入れられない、という批判はよくわかるのだが、しかしああいう災害を「自分のせい」として引き受けられる/引き受けるべき存在がいるんですよ。五穀豊穣と国家国民の安寧を祈る祭祀王としての天皇です。今回は明らかにそう
2022-11-12 23:10:21セカイ系という、世界の終わりをキミとボクの関係に帰する思想は、自分の生のままならなさに世界全体を巻き込む傲慢で臆病な拡大自殺にすぎないんだけど、でもこれは突き詰めると天皇制の問題と重なる。今回はそこに届いているのですごい、というのがわたしの個人的な感想
2022-11-12 23:17:00これは、土居さんとのイベントでも話し、『新海誠論』でも書いた、文化的フィルタリングの問題かもしれませんね。無常などの伝統的な日本文化も、オタク文化も、現実の問題を否認するための装置として機能しうるというのが、現在の深刻な問題で、特に性がそれを起こしやすいんでしょうね twitter.com/sssugita/statu…
2022-11-13 00:09:40このままだと新海さんもむしろガッカリするのでは。せっかく神道と天皇、巫女と女帝、アマテラスとアメノウズメなどの危うい葛藤をエンタメに埋め込んだのに、そこを欲望的≒政治的に楽しんでもらえないとすれば。その点、天皇問題を真っ直ぐに論じた藤田さんの新海本はさすがです
2022-11-13 00:28:07もちろん、神道/天皇/女帝の問題、ジェンダー/フェミニティの問題については、これから専門的な視点から様々な論者が論じていくのでしょうけれども。
2022-11-13 00:30:18その差は、おそらく、現代日本の観客が、どのような心理的な状態にあるのかについての分析と、処方箋の違いという部分なのでしょうね……。良し悪しではなく twitter.com/sssugita/statu…
2022-11-13 00:46:03ぼくはそう感じましたが、やはり国家や体制側につくとは何事だという意見や、祈りで個人が世界の災害をコントロール可能だという祭祀のあり方とセカイ系のあり方を重ねている(無力ではない、生が無意味ではないと感じるための装置)解釈もあり、面白いなと感じます。色々な意見が議論になるといいですね twitter.com/sssugita/statu…
2022-11-13 00:58:05『すずめの戸締まり』と天皇の関係について考察している批評的なツイートをまとめました。急いで作ったのであとで整理します。
物語をリードする人物は左側に立ち、男性が担ってきたが、「すずめの戸締まり」では「星を追う子ども」以来の女性が担う事に。 そして、男性は作品を追う毎に体の向きを後ろ向きから横、斜めへと変え、今回の草太でようやく体も目線も真っ直ぐに前を向く事になった。 #すずめの戸締まり #新海誠 twitter.com/ABin9000/statu…
2022-11-13 01:29:06なるほど。女性たちが皇室を肯定/補完しているようにも批判/解体しようとしているようにも見えて、その辺をどう受け止めてよいのかな、というのはまだうまく腑に落とせていません twitter.com/teramat/status…
2022-11-13 01:34:39@sssugita そこはわたしもよくわからないポイントでした。ただ解体的なポテンシャルがあるというよりは、シスターフッド的な連帯によって自己犠牲的な天皇=皇室の仕事を支援しているようにも見えて、このあたりは解釈によってはかなり保守的というか、考えがいのあるところでおもしろいです
2022-11-13 01:41:21セカイ系と天皇制の関係は、ゼロ年代批評でいわゆるポストモダン以降大きな物語の代替物としての「あえて」の問題において、構造的に確かに同じ機能を果たしているのだが、天皇制に比べてセカイ系的肯定は明らかに脆弱で、その脆弱所以のカタルシスというのは、天皇制と質的に違うのは明らかのである。
2022-11-13 01:43:57よくわかる気がしますが、ただ皇室とセカイ系を作り手が意図的に重ねてきたのが今作だと思うので、見た人が皇室を連想するのは避けられないし、だからこそたんなる若者向けの伝奇震災ラブストーリーにとどまらないポテンシャルがある、というのがわたしの感想かな…
2022-11-13 02:02:05むしろわたしからすると、いつまでウェルメイドなラブストーリー作ってるの、秒速で全部終わってるよ、みたいな気持ちがあったのでw、今回ついに次のステージに踏み込んだ感じがあって、本当に感動した
2022-11-13 02:03:45「太平洋戦争と天皇の戦争責任の問題をセカイ系として」描くこと、赤坂真理さんの『東京プリズン』が「戦後」を引き受ける達成だったと思っていて、僕は「震災以後」を引き受けるための『東京プリズン』を、新海さんに期待しているのかもしれない(『すずめの戸締まり』がそうだったかは置いておいて)
2022-11-13 05:05:15『ブラックパンサー』や韓国映画では、政治的情動とエンタメの内容が相互乗り入れしてますよね。日本のエンタメの可能性の中心の一つは、政治神学(アニミズム、家族観と骨絡みな無意識な思想)に踏み込めることなんだと思います。この国の場合はそうならざるを得ないのか分からないですが twitter.com/kurageru/statu…
2022-11-13 09:05:33『すずめの戸締り』観ました。これは問題作ですね….一筋縄でいかない矛盾を内包しながら、これは、震災の過去と現在を描く作品でもあります。諏訪敦彦監督の『風の電話』を引用しつつ、ある意味ではそのアンサーでもある。その答えに賛同できるかは別として。たしかに一つの躍進かもしれない。 pic.twitter.com/fdfwrHH3Ju
2022-11-13 09:29:52『天気の子』は、非血縁家族の話で、監督は『万引き家族』と対比させて語っていらっしゃいましたし、今作は今までと男性と女性の役割を逆転させてて、当初はシスターフッドの物語にしようとしていたわけですね。BL的関係もあるし。鈴芽も非血縁家族で、叔母さんが人柱になってたわけですよね
2022-11-13 09:32:43『新海誠論』では、かつての戦時中のウルトラナショナリズムのように、この「ニュータイプの日本浪漫派」が機能するかを検討していますが、やはり、新海は右派ー左派、保守ーリベラルという対立を折衷したアップデートを志向しているので、単純にそうではないと書きました。これもそのひとつかなと。
2022-11-13 09:38:02新海誠監督が、(これまでに描いてきたことの軌跡の延長で)この先に作らざるを得なくなるのは ①移民たちと遺伝子的・民族的・文化的ハイブリッドになっていく未来 ②災害ナショナリズムではなく、災害インターナショナリズム ③第二次世界大戦/第三次世界大戦 でしょうね。
2022-11-13 09:52:57「震災ネタにして君の名はでビックネームになり、搾取してしまったことに対して、浴びている批判をかわしたい、みたいな動機」「だって、お前の当事者性は搾取した側、加害者の側のはずで、だったらお前が寄り添うべきは様々な被害者の前に、加害者の側じゃねーの? みたいな疑念はずっとあって」
2022-11-13 10:16:55「高畑・宮崎・富野(・安彦)」という、戦争/革命ガチ体験世代に対して、庵野・新海世代は、直接体験がなく、バーチャルなものを通じてそれらに接する世代なので、特有の問題はあると思います。富野さんは対談で新海さんに説教?してますが、次世代がそれに向き合っているのが昨今なのかなと twitter.com/kurageru/statu…
2022-11-13 10:25:00
0 件のコメント:
コメントを投稿