2022年3月13日日曜日

バーリン 世界最強の諜報機関を率いた元長官が“プーチンの視点”から考える「ウクライナ侵攻の解決策」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

世界最強の諜報機関を率いた元長官が"プーチンの視点"から考える「ウクライナ侵攻の解決策」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース
バーリン 世界最強の諜報機関を率いた元長官が“プーチンの視点”から考える「ウクライナ侵攻の解決策」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/f22b7585e1d5fc59399901fda410aba691c06688?page=2

世界最強の諜報機関を率いた元長官が"プーチンの視点"から考える「ウクライナ侵攻の解決策」

キューバ危機を解決したケネディ大統領のやり方

今まさに漂う核衝突の気配は、多くの人々に1962年10月の核ミサイル危機を思い出させるだろう。キューバ危機において、ロシアは戦闘機の大隊をキューバへ送り、また核弾頭を搭載した戦艦を派遣してアメリカ東海岸を核ミサイルの射程に入れた。 身を切られるような13日間の後、ホワイトハウスの優秀な職員一同はなんとか危機を回避したのである。彼らの成功から、現在我々の身に迫りつつある核災害の危機を回避する方法を学ぶことができるかもしれない。 まったくの偶然だが、キューバ危機が最高潮に達していたとき、ラトビア出身のオックスフォード大学哲学教授アイザイア・バーリンが、個人的にアメリカを訪れていた。 筆者の近しい親戚でもあるバーリンは、第二次大戦中にウィンストン・チャーチルの個人使節としてワシントンとモスクワに派遣されており、その両方で高い評価を得ていた。 この緊迫した秋のある晩、バーリンはワシントンでのカクテルパーティーに出席していた。すると正面玄関からケネディ大統領が現れ、バーリンはいるかと尋ねた。大統領はバーリンに近づき、握手をして去った。 翌日、バーリンとその妻はホワイトハウスでの私的な晩餐会に招待される。大統領はある重要な問題への答えを求め、来賓たちに助言を乞うた。 「ロシア最高指導者(フルシチョフ)が自国の党員たちに対し、自身が『諦めて』アメリカ沿岸から核を撤退させる理由を説明できるようにしてやりたいんだが、そのために、私は何を提供してやれば良いだろう?」 この晩餐会からまもなくして、ロシア空軍とミサイル搭載戦艦は撤退した。その数ヵ月後、アメリカはトルコに配備されていたミサイル「ジュピター」を撤去する。ロシア側からすれば、脅威と不安の種であった戦力が撤廃された訳だ。

求められるのは「プーチンの威厳を損なわず、撤退できる道」

さて、現在に目を転じれば、今ホワイトハウスが抱える課題もやはりはっきりしている。血を流すウクライナの勇敢で罪なき市民たちを支援しつつ、同時にプーチンに対し、外聞の良い撤退の言い訳──彼が国内の支持層に体良く説明できるような言い訳──を与えてやるには、いったいどうすれば良いのか。 国際社会においてもロシア国内においても、すでにプーチンの威信は大きく損なわれており、この深い傷の克服には数年が必要となるだろう。 停戦は、然るべき方針への可能な第一歩ではあるが、しかしそれはアメリカとロシアの共同政策として、長期的な問題解決のアウトラインの一環としてなされなければならない。 プーチンが第二次チェチェン紛争と同じ解決手段(空爆を中心とした強硬な武力制圧)を今回の戦争で用いることは許されず、またバイデンも事態の収拾がつかなくなるまで手をこまねいているわけにはいかない。

Efraim Halevy

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