遺伝子で判明、秦氏は中東から渡来した
渡来系氏族、秦氏は朝鮮半島の任那から渡来してきたことは、史実として認められているところであるが、ルーツは中国、朝鮮の何処かであろと通説では考えられていた。
しかし、男性のY染色体のD2系統に着目すると日本人は元々、アジアを飛び越えて地中海、中東の人々に近い。縄文時代以前からユーラシア大陸の北のモンゴル経由、南回りで日本に渡来し、またはD系統以外の民族に駆逐され、中国大陸や朝鮮半島の他の民族と混血・定住することはほとんど無かった。弥生時代、O2b系統のY染色体を持った渡来系弥生人が西日本を中心に定住すると東日本と南西諸島にD2系統のY染色体分布が偏った。
後世、中東のユダヤ系と云われる秦氏が日本に圧倒的な人数で渡来して混血しても、遺伝子的には縄文時代以来のD2系統を駆逐することなく、渡来系弥生人とほぼ同じ地域に定住し、結果的に全国均一なD2系統YAP遺伝子となったことになる。また、秦氏は中国大陸、朝鮮半島を経由して渡来したと云われているが、弓月国付近のシルクロードにD系統の発現があるのを除き、遺伝子的には現在の中国、朝鮮と混血・定住していなかった。(注: 厳密には日本、チベットの他の東アジアの民族集団全般、あるいは東アジアの境界付近の中央アジア、北アジアでも、5%未満ではあるが無いことはない。)
現在までの中東は何千年の戦乱でD系統は存在するかどうか期待出来ないが、近縁のE系統との分岐の場所に近い民族のルツボである中東に故郷を持つ秦氏の先祖はD系統であろう。イスラエルの調査機関は、チベット近辺のシンルン族、カレン族、チャンミン族をユダヤ系と認定した。特にチャンミン族(羌岷族/羌族)は中国にいて、ツングース系民族であり現在約30万人。古の日本語に極めて近い言語といわれ、中国の歴史書にはかなり古くから登場する。これら民族は縄文人と同じ、遺伝子にYAP因子を持つ、D系統である。主流のユダヤはE系統であるが、ある2系統はD系統であろうと言われている。(ユダヤ教では母親がユダヤ人なら子供は皆ユダヤ人であり、男性遺伝子のつながりは必ずしも必要無い)
参考
縄文人、渡来系弥生人、秦氏の渡来について、新しい文化や技術による出生率、生存率の向上と、渡来規模をバラメータとしてシミュレーションしたものである。通常の出生率、生存率を考えた場合、渡来人の渡来規模を100万人くらいは考える必要がありそうである。
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