関東で多発する強盗との関連は 「テレグラム」でターゲットを指示? 東京・狛江の強盗殺人事件
東京都狛江市の住宅で19日、住人の大塩衣与さん(90)の遺体が見つかった強盗殺人事件で、千葉県内の強盗傷害事件で逮捕された男の携帯電話に、今後の強盗対象として大塩さんの住所が記録されていたことが、捜査関係者への取材で分かった。関東地方では今月、グループによる強盗や窃盗事件が相次いでおり、警視庁捜査一課は広域の犯罪グループが大塩さん殺害に関与したとみている。(榊原大騎、鈴木みのり)
◆千葉県警が情報察知し警視庁に連絡…しかし間に合わず
捜査関係者によると、千葉県大網白里市で今月12日夜、リサイクル店で男性店主(76)が襲われる強盗傷害事件が発生し、逃走した男3人のうち、20代の自衛官の男が翌13日に逮捕された。
県警は男の携帯電話を解析。指示役とみられる人物から、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で、大塩さんの住所と強盗を示唆する内容が送られていたことが確認されたという。
県警から19日午後3時前、「大塩さん方が強盗に狙われているのではないか」と情報提供を受けた警視庁調布署員は、5時すぎに住宅の地下1階で大塩さんが倒れているのを発見した。
捜査1課によると、両手首を結束バンドのようなもので縛られ、既に死亡。頭から血を流し、左肘を骨折していた。複数の部屋で棚の引き出しが開けられ、床には物が散乱するなど物色された形跡があり、捜査1課は複数人による犯行とみている。
◆1月に関東で3人組の強盗や窃盗が7件 犯行手口に共通点
今回の事件のように複数人のグループとみられる強盗や窃盗が1月に入り、関東地方で少なくとも7件起きている。いずれも3人組の犯行で、被害者が縛られるケースが目立つなど共通点も多く、警視庁などは関連を調べている。
12日未明、さいたま市西区で一人暮らしの80代女性宅に、3人組が押し入った強盗傷害事件が発生した。埼玉県警の幹部は「高齢女性が縛られて被害に遭っている。狛江の事件と指示役が共通しているのかもしれない」と話す。
9日から14日にかけ、神奈川、千葉、埼玉、栃木、茨城の各県で相次いだ強盗・窃盗事件。川崎市宮前区では9日未明、一人暮らしの70代女性が、押し入った男3人に粘着テープで手足を縛られるなどして現金を奪われた。つくば市では14日未明、高齢夫婦が手足を粘着テープで縛られた上で被害に遭った。
一方、警視庁は20日、昨年12月に東京都渋谷区のブランド品店にガラスを割って侵入し、アクセサリー29点(272万円相当)を盗んだとする窃盗などの疑いで、19歳の男3人を逮捕したと発表した。うち1人は「金に困ってインスタグラムの闇サイトに応募した」と供述している。
事件から一夜明けた20日、狛江市の現場近くでは、多くの捜査員らが周辺での聞き込みや現場検証を進めていた。近くの70代女性は、亡くなった大塩さんについて「足が少し不自由そうだったが、年の割には元気な様子だったのに…」と言葉少な。関東地方で強盗事件が相次いでおり、「人ごとと思えなくなった」と不安そうに話した。(鈴鹿雄大、飯塚大輝)
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