《『鎌倉殿の13人』いよいよ最終回》三谷幸喜が明かしたラストシーンの裏側「あれ以外の終わり方はないと自負しています」
12月18日でいよいよ最終回を迎えるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。脚本を担当した三谷幸喜氏がラストシーンに込めた思いを語ったインタビュー「僕が描きたかったこと」(「文藝春秋」2023年1月号)より、一部を転載します。
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「政子の演説は皆さんのイメージと違うかもしれません」
『鎌倉殿の13人』がいよいよクライマックスを迎える。執権・北条義時と後鳥羽上皇のバトルが過熱し、北条政子は尼将軍となった。脚本家の三谷幸喜は最終決戦「承久の乱」をどう描くのか。
三谷(以下同) 承久の乱での北条政子の大演説については、ちょっと皆さんのイメージと違うかもしれません。当初は政子が何千人もの御家人の前で演説を繰り広げる、ダイナミックなシーンを想定していました。でも、プロデューサーと話す中で、エキストラを確保するとか、諸々制約があって難しいことが分かった。どうすればそれに優るシーンになるのか。そこで、政子が誰に対して語るのかを考えてみると、僕は間違いなく義時だと思ったんです。なので、政子の演説は意味的には義時に向けたメッセージになっています。それで気づいたんです。このドラマは結局は家族の話なんだと。
小栗旬が「衝撃のラスト」と語る最終回。ラストシーンは義時と政子の会話になるという。
《『鎌倉殿の13人』いよいよ最終回》三谷幸喜が明かしたラストシーンの裏側「あれ以外の終わり方はないと自負しています」
今までの大河になかったラスト
これは、織田信長のような英雄が主人公の、日本全国を舞台にした壮大な歴史劇ではありません。伊豆の片隅で穏やかに過ごしていた北条家の平凡な人たちが歴史の大きなうねりに巻き込まれていく。結局僕が描きたかったのは、そんな北条家の家族の話、とくに義時と姉の政子の関係です。だからこの長い物語は2人の話で完結しないといけないと思いました。あれ以外の終わり方はないと自負しています。
今までの大河になかったラストになったはずです。朝日新聞の連載コラムでアガサ・クリスティーのある作品がイメージにあったと書きました。今さら『オリエント急行殺人事件』や『アクロイド殺し』ではありませんよ。もっとマイナーな作品です。クリスティーといえば、毒殺モノ。毒殺が起きる作品をいくつか思い返していたら、ある作品のあるシーンを思い出したんです。
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『鎌倉殿の13人』の脚本を務めた三谷幸喜氏による『僕が描きたかったこと』の全文は、「文藝春秋」2023年1月号と「文藝春秋 電子版」に掲載しています。
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