くまの‐じんじゃ【熊野神社】
熊野三社を本宮として全国各地に分祀された氏神、産土神(うぶすながみ)の神社。その数は三千社をこえる。 [一] 島根県松江市八雲町熊野にある神社。旧国幣大社。祭神素戔嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したのち宮を定めた地で、上代の起源と伝えられる。出雲大社新嘗祭のための鑽火(きりび)祭は有名。出雲国一の宮。熊野大社。 [二] 群馬県碓氷(うすい)郡松井田町峠にある神社。長野県軽井沢町にまたがる。旧県社。祭神は速玉之男命(はやたまのおのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、日本武尊(やまとたけるのみこと)、事解男命(ことさかのおのみこと)。日本武尊が東夷征伐のとき、熊野三社を勧請(かんじょう)したと伝えられる。碓氷権現。 [三] 福島県いわき市錦町御宝殿にある神社。旧県社。祭神は伊邪那美命(いざなみのみこと)、速玉之男命(はやたまのおのみこと)、予母都事解命(よもつことさかのみこと)。平城天皇の勅願所で、大同二年(八〇七)熊野速玉大社(新宮)を勧請(かんじょう)したもの。御宝殿権現。 [四] 山形県南陽市宮内にある神社。旧県社。祭神は伊邪那美命(いざなみのみこと)。大同元年(八〇六)平城天皇の勅命により創建されたと伝える。藩主上杉氏の崇敬をうけた。熊野大社。
日本大百科全書(ニッポニカ)「熊野神社」の解説
熊野神社
くまのじんじゃ
京都市左京区聖護院(しょうごいん)町に鎮座。祭神は伊奘冉尊(いざなみのみこと)を主座とし、相殿(あいどの)に伊奘諾尊(いざなぎのみこと)、天照大神(あまてらすおおみかみ)、速玉男神(はやたまのおのかみ)、事解男命(こととけのおのみこと)を祀(まつ)る。後白河(ごしらかわ)上皇(1127―92)が帝都の守護として勧請(かんじょう)、創建したと伝えられ、東山の若王子(にゃくおうじ)神社(左京区若王子町)、今熊野(いまくまの)の新熊野(いまくまの)神社(東山区今熊野椥ノ森(なぎのもり)町)と並ぶ京都三熊野の一つ。1162年(応保2)平清盛が奉遷使に任ぜられ、土砂花木に至るまで紀州(和歌山県)熊野の本社から運送して造営、当時は現在の約10倍の広大な社域を誇ったという。旧郷社。例祭5月16日。現在、縁結びや安産の信仰が厚い。
[菟田俊彦]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)none日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
デジタル大辞泉プラス「熊野神社」の解説
熊野神社
熊野神社
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