大麻比古神社
大麻比古神社
(おおあさひこじんじゃ)
阿波国板野郡
徳島県大麻町板東広塚13
(大鳥居の内外に大駐車場有)
■延喜式神名帳
名神大 大麻比古神社の比定社
■社格等
旧社格 国弊中社
現在は別表神社
阿波国一宮
■祭神
大麻比古神
[配祀]猿田彦大神
社伝によると神武天皇の御代、天太玉命の孫神である天富命が阿波忌部氏の祖を率いて阿波国に移住、麻や楮の種を播殖し麻布木綿を生産して開拓、その祖神である天太玉命を守護神として祀ったのが始まりとしています。
ご祭神については諸説あり、「大日本国一宮記」「阿波国式社略考」では猿田彦大神。これに対し谷川健一先生の「日本の神々」では、猿田彦大神は大麻山山頂にあったのを遷し祀ったとし、本来の主祭神は天日鷲命であると神社側は考えているとしています。ところが安房国下立松原神社で発見された忌部氏系図では、大麻比古命は天日鷲命の御子神で別名、津咋見命(ツクイミノミコト)となっています。
明治以前は猿田彦大神と天日鷲命、明治以降は天太玉命というのが公式のご祭神。
この地に麻を広めた阿波忌部氏の祖である天日鷲命を忌部神社に、太祖である天太玉命を大麻比古神社に、というのが大麻信仰の基礎にあるとか。
文献、資料を整理すると、どうやら津咋見命が正体のように思えます。
「日本の神々」では、津咋見命そして娘神に千鹿江比売命が見えることから、「津咋霊(つくいみ)」「近江(ちかえ)」つまり「港」に関連する神ではないかと。忌部氏の衰退とともにその神も忘れられ港、交通の神という性質が残り人気の猿田彦大神が宛てられたのではないかと。本来の姿に戻そうとしたときに、記紀からこの氏族の「麻」という特色が際立つために、それにまつわる性質を全面にご祭神が比定されたと考えています。
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