2023年8月19日土曜日

Amazon | 決戦の大空へ [DVD] | 映画


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2022年8月28日に日本でレビュー済み
1943年東宝映画。監督は渡辺邦男、出演は原節子、英百合子、高田稔、黒川弥太郎他。

本作は勇壮なタイトルとは裏腹に、海軍省の委託を受けて東宝が製作した、海軍飛行予科練習生(予科練)の募集を主眼とした宣伝兼戦意高揚映画。舞台はもちろん教育隊のあった茨城県の霞ケ浦航空隊。原節子は、予科練生たちが日曜の外出の日に、1個班7,8名をまとめて休養させる契約を結んでいる家(劇中では「クラブ」と呼ばれています)のお嬢さん。英は母親、高田はその班の班長で下士官、黒川はその班の分隊長で、海軍大尉という設定。

内容は部隊での生活や、詳細な教育内容の紹介、そして休みの日に原の家で寛ぐ若者たちを活写しています。戦闘シーンは手紙の内容を映像化した爆撃のシーンがホンの少しあるだけです。そしてもう一つの重要な物語として、原の弟の成長が描かれます。彼は尋常高等小学校で最上級生なのですが、何をやってもダメで自信を失っています。しかし日曜ごとに家にくる予科練の先輩たちに励まされて、徐々にやる気を盛り返して、ついに学業でも体育でも上位に躍り出て、彼も最後は見事予科練に合格するのです。というワケで、誤解を恐れずに言わせていただくと、本作中では軍人も含めた当時の日本人の清々しさや礼儀正しさを余すことなく表現していることに、個人的にはとても好感を持てます。これは現代の製作の戦争映画や、戦争TVドラマにはなかなか表現できない「何か」なのです。

本作は海軍マニア、特に海軍航空隊や予科練というキーワードに目のない方なら、十分に楽しめます。海軍マニアでない邦画マニアの方には、進藤英太郎、清水将夫、木村功といった名優さんたちがちょい役で出演しているので、それを見つける楽しみもあります。しかも当時20代前半の原節子の弾けるような美しさがひと際眩しいし、ファンはこれだけでも必見ですね。

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