純正調と平均律ってそもそも何?楽しく演奏する為の基礎知識
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「純正調(純正律)」と「平均律」
特に、トランペットのような「1本では和音の出せない楽器」同士で、2人以上で演奏する時に出会う単語です。
トランペットを始めたばかりの方でも、
- グループレッスンを受けたりとか
- 演奏会に参加する機会ができたりとか
したりして、「吹けるだけで楽しい~!!」と、言う段階が終わると、気になってくる可能性があります。
とは言え、「純正調(純正律)、平均律」って言葉だけみると、
- なんか難しい事やらされるの?
- っていうか、音楽を楽しむ時に、それ、そんなに必要?
と感じたりしていませんか?
という事で、この記事では、純正調(純正律)と平均律について、おカタい説明よりも、
「なんで必要か?」という目線から書いていきます。
どうぞご覧ください。
純正調(純正律)と平均律を覚えると こんな良いことがあります
まず、
「純正調(純正律)と平均律の響きを覚えることが必要か、必要でないか?」
の話からしていきます。
その前に、純正"律"という言い方のほうが一般的に使われるので、ここからは「純正律」で、書かせていただきます。
結論を言いますと、少なくとも趣味でやる分には、「必ず必要」と、言えるものではありません。
ですが、あなたが「もっと、レベルアップしたいな~」と思った時に、体が自然に求める可能性があります。
純正律と平均律の説明は次の章でしますが、純正律と平均律のなり方を体に覚えることによって、
- あなたが所属するバンドのレベルが一気に上がる
- バンドの音圧や「音のまとまり感」が上がる
- 聞く人たちの耳を、幸せにできる
- あなたのバンドメンバーの耳も幸せになる
そして、一度"純正調(純正律)と平均律の響き"を体が覚えてしまうと、「純正律と平均律の響きから外れた音」を聞いた時に、
「うわぁぁぁ!!!」
と、苦しみ、もだえる事になるからなんですね。
では、次の章で、「純正律と平均律とは何か?」を説明します。
純正律と平均律を分かりやすく説明します
この章では、「純正律と平均律」を分かりやすく説明します。
(きちんとした説明はウィキペディアに載っていますが、目がまわると思いますので…)
それでは、平均律から。鍵盤で説明した方が、わかりやすいので、鍵盤で説明しますね。
平均律と言うのは、すぐ"隣の鍵盤(白鍵黒鍵問わず)"との、「音の高さはすべて同じ」になります。
白鍵だけ取り出すと、下の図のようなイメージです。
(「ミ」と「ファ」、「シ」と「ド」の間には黒鍵がないので、半音しか上がりません)
平均律の良いところは、曲を転調や移調をしても、楽器(特に鍵盤楽器)が、すぐについていけるところです。
転調と移調を、分かりやすく例えると、
転調
→バンドだと、「ねぇ~このサビだけ、ちょっとキー変えない?」と言われた時がそれです。
移調
→カラオケで「キーの+や-ボタンを押して、キーを上げ下げしている」と言うのが、まさにそうですね。
ただし、この平均律、和音を鳴らした時に、ほとんどは「にごりのある響き」になります。
(完全5度と完全8度以外。わからなければスルーで結構です)
そして、この「にごりのある響き"をなくしたいな~」と、音の高さを調整していったものが、「純正律」になります。
ただ、この純正律、音の高さをざっくりと図にすると、こんな感じになります。
(本当にざっくりとです。諸説あります)
こうなってくると、特にピアノの様な鍵盤楽器の場合、転調や移調が簡単にできません。
例えば、上の純正調のセッティングの場合(赤丸のように"ミ"の音が低め)、ハ長調で「ド」と「ミ」の和音を出した時には、バッチリなのですが、
「ねぇ~、これさ~、キー2個上げない?(この場合は大概ホ長調への移調をさします)」と、言われた時に、
- 調律師を呼ぶ
- 全部の鍵盤を調律しなおす
と言う、ものすごい手間をかけないと「キーを変える前の雰囲気」を再現できないから。なんですね。
まとめましょう。
- 平均律は、ピアノのような鍵盤楽器の場合、転調や移調がしやすいけど、必ず和音がにごる
- 純正調は、ピアノのような鍵盤楽器の場合、和音のにごりは減るが、転調や移調がしにくい
という事になります。
では、「トランペットの場合はどうなるか?」を、次の章で書きます。
楽器1台で和音が出せるもの、出せないもののメリットとデメリット
楽器は大きく分けて(ここでは、シンセサイザーなどの電子楽器、民族楽器を除きます)、
- 1台で同時に和音が出せる楽器(代表はピアノ)
- 1台で同時に1音しか出せない楽器(こちらはトランペットで行きましょう)
の2種類に分けられます。
- 1台で同時に和音が出せる楽器のメリットは、そのまま「1台で和音が出せる事」
- 1台で同時に和音が出せる楽器のデメリットは、こちらも「1台で和音が出せる事」
「意味がわからない…」と思われたらすみません。さらにいうと、
1台で和音を出せることは、メリットにもありますが、1台で和音を出せるメリットとと引き換えに、音の高さ(ピッチ)を固定しています。
なので、「和音がにごってる」となった時に、調律が面倒という事になります。
その片方で、「1台で同時に1音しか出せない楽器」で和音を出す場合、音の数だけ奏者が必要なのですが、
そのかわり「和音がにごってる」となった時に、全奏者に「修正よろしくね♪」と、号令をかけるだけで、簡単に修正できるわけです。
1台で同時に1音しか出せない楽器の場合、微妙な音の高さの調整がしやすいものが多いです。
ただ、逆を言えば、
「奏者側に、音の高さ(ピッチ)をコントロールをする技術が必要」
と、いう事でもあります。
というわけで、「トランペットはピアノに比べて、純正律の和音を作り続けるのが簡単」という事になります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
純正調(純正律)と平均律の違いと、「演奏する時にどうしても必要?」と、いう疑問について、
- 純正調(純正律)と平均律を覚えると こんな良いことがあります
- 純正調と平均律を分かりやすく説明します
- 楽器1台で和音が出せるもの、出せないもののメリットとデメリット
の、3つの項目に分けて書いてきました。
最後に、誤解のないように言いますと、
- 和音を出す時は、必ず純正律で出さなくてはならない
- 平均律の和音は邪道
とか言うのも、また無理があるんですね。
音程(時には音色も)の組み合わせによっては、どうしても純正律で合わせるのに、無理が出てくるものがあります。
また、曲によっては、純正律の和音だと、「つまらない…」と、感じるものも出てきますので。
迷った時には、「気持ち良い響きか?」で、判断するのも良いでしょう。
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