2023年12月7日木曜日

Amazon.co.jp: 邪馬台国の秘密 新装版 名探偵・神津恭介 (光文社文庫) 電子書籍: 高木 彬光: Kindleストア


https://www.amazon.co.jp/邪馬台国の秘密-新装版-名探偵・神津恭介-光文社文庫-高木-彬光-ebook/dp/B09J8JHV7R/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=カタカナ&crid=30IFB8ZMW57W4&keywords=邪馬台国の秘密』(高木彬光著)&qid=1701953303&sprefix=邪馬台国の秘密+高木彬光著+%2Caps%2C163&sr=8-3


2009年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作は『成吉思汗の秘密』に続いて名探偵神津恭介が日本史最大の謎である邪馬台国に挑んだ
ベッド・ディテクティヴ第2弾となる意欲作です。最早この論争は百家争鳴状態で古墳等の学術調査
によって決定的な物証が出てこない限り結論は出ないと思われるのですが、神津推理は原点で
ある所謂『魏志・倭人伝』を素直に読み解いていくところからスタートします。そこから単純な間違い
と指摘されるような方位や距離の問題を全方位360度の8等分や地図上での距離の測定といった
非常に簡便な方法で解決していきます。

これで従来言われてきたような誤記訂正的な論法ではなく自然な形で九州東海岸への道筋が開
けていく事になるわけですが、一番ユニークだったのは朝鮮半島から対島、壱岐を経て北九州への
上陸地点が従来の東松浦半島ではなく宗像となった点でした。『魏志・倭人伝』の距離を尊重した
推理ですが夏場の帆船航路としては実に自然な考えで後の朝鮮通信使も海流を考慮して直接博多
方面に航海している事からみても慧眼であったと思います。その後の邪馬台国の宇佐比定や投馬国
の位置については万人を納得させる説得力としては未知数ですが宇佐神宮と大和朝廷の関係から
見て非常に興味をそそられます。

邪馬台国の衰亡と畿内への勢力移動については歴史上のロマンとして大いに受け入れられる
考えですし「謎の四世紀」というミッシングリンクを解明する一つの指標と言っても良いと思います。
今後、新たな為政者の英断で邪馬台国の全貌が解明された時は地下の高木彬光先生や名探偵
神津恭介も大いに満足されるのではないでしょうか。混沌とした論争にエポックメーキングを見出し
たい方にはお勧めの一作です。

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