映画『クレイマー、クレイマー』で流れた挿入曲をシーンごと解説!
1980年4月5日公開の映画『クレイマー、クレイマー』
第52回アカデミー賞9部門にノミネートされ、そのうち作品賞を含む5部門を受賞しました。ダスティン・ホフマンが主演男優賞、メリル・ストリープが助演女優賞を受賞し、子供・ビリーを演じたジャスティン・ヘンリーは史上最年少の8歳でアカデミー助演男優賞にノミネートされました。
この記事では、映画『クレイマー、クレイマー』で流れた音楽4曲をご紹介します。
『クレイマー、クレイマー』で流れる曲とは?
オープニングシーン
Antonio Vivaldi - Concerto for Mandolin, RV 425より1楽章
オープニングシーンで流れた曲は、Antonio Vivaldiの『Concerto for Mandolin, RV 425』です。
『クレイマー、クレイマー』といえばこの曲を思い浮かべる人が多いですよね! 中学の音楽授業で鑑賞する『春』を作ったイタリアの作曲家ヴィヴァルディが1725年に作曲した『マンドリン協奏曲 RV 425』の1楽章です。
「イチジクを縦半分に割った形」と例えられるマンドリンは17世紀にイタリアで生まれた楽器で、ピックで弦をはじいて音を出します。明治時代に日本には入ってきて、今では学校の部活など、マンドリンを演奏する団体が国内にたくさんあるそうです!
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仕事を終えたテッドの帰り道、ストリートミュージシャンが演奏している曲
Vivaldi: Mandolin Concerto in C Major, RV 425 - I. Allegro
Antonio Vivaldi - Concerto for Mandolin, RV 425より1楽章
仕事を終えたテッドの帰り道、ストリートミュージシャンが演奏している曲は、Antonio Vivaldiの『Concerto for Mandolin, RV 425』です。オープニングシーンでも使われていました。
テッドが家の中から妻のものを片付けるシーン
Vivaldi: Mandolin Concerto in C Major, RV 425 - I. Allegro
Antonio Vivaldi - Concerto for Mandolin, RV 425より1楽章
テッドが家の中から妻のものを片付けるシーンで流れた曲は、Antonio Vivaldiの『Concerto for Mandolin, RV 425』です。オープニングシーンでも使われていました。
テッドがビリーに自転車の乗り方を教えるシーン
Sonata in D Major for Trumpet Strings and Basso Continuo, Z. 850: III. Presto
Henry Purcell - Trumpet Sonata, Z. 850より3楽章
テッドがビリーに自転車の乗り方を教えるシーンで流れた曲は、Henry Purcellの『Trumpet Sonata, Z. 850』です。
17世紀後半のイギリスの作曲家ヘンリー・パーセルが1694年に作った『トランペット・ソナタ, Z. 850』の3楽章です。
パーセルはイギリス王室の音楽家でウェストミンスター寺院のオルガニストも務めていました。ウェストミンスター寺院は、2020年9月女王エリザベス2世の国葬で棺が運び込まれた場所です。葬列の際に奉唱されていた聖歌の作曲者もパーセルでした。
ビリーがクリスマスの飾りを作りながらハミングするシーン
James Lord Pierpont - Jingle Bells
ビリーがクリスマスの飾りを作りながらハミングするシーンで流れた曲は、James Lord Pierpontの『Jingle Bells』です。
アメリカの牧師ジェームズ・ロード・ピアポントによって1857年に作られ、歌詞の冒頭部分からの引用で『一頭立ての馬のソリ』として出版されました。今では『ジングル・ベル』の題名で世界的にも知られています。クリスマスソングとして日本でも定番の曲ですね!
キッチンのテーブルでビリーは、なんと「ポップコーン」に糸を通しているのです!欧米ではポップコーンのガーランド(ロープや鎖状の飾り付け)をクリスマスツリーに飾ることが伝統的だそうです。
エンドクレジット
Henry Purcell - The Gordian Knot Untied, Z. 597 Rondeau Minuet
エンドクレジットで流れた曲は、Henry Purcellの『The Gordian Knot Untied, Z. 597 Rondeau Minuet』です。
パーセルが1691年に作った劇音楽『ほどかれたゴルディウスの結び目』からロンド・メヌエットが使用されています。パーセルの曲は、テッドがビリーに自転車の乗り方を教えるシーンでも使われていました。
パーセルは、イギリス王室の仕事だけではなく、王政復古で再開された劇場で劇付随音楽を多数作曲し絶大な人気を確立したそうです。「英国のオルフェウス」の異名でも知られています!
ちなみに題名の「ゴルディアスの結び目」とは、「誰も解決できないような難題・難問」などの意味で使われる有名な故事成語です!
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