小津安二郎
以下『腰抜け愛国論』より
宮崎駿 ぼくの親父は秀才では決してなかったと思います。父が死んでからしばらくして、小津安二郎の『青春の夢いまいづこ』という映画を見て呆然としました。主人公の青年が父とそっくりなんです。この映画を見て、親父は真似したんじゃないかと思うくらい(笑)。アナーキーで、享楽的で、権威は大嫌い。デカダンスな昭和のモダン・ボーイです。映画は早稲田大学が舞台なんですが、親父も早稲田でした。
半藤一利 何年くらいの映画ですか。
宮崎 昭和七年(一九三二)ですね。親父の大学卒業は昭和九年ですから時代もドンピシャでした。
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