イベルメクチンは、新型コロナウイルス感染爆発の当初から、その効果について、議論をされ続けていますが、その作用機序は、ウイルスに対して、核内への運搬蛋白とウイルス蛋白との結合を阻害することにより、ウイルスによる自然免疫抑制作用を解除する。 これにより自然免疫による抗ウイルス作用が発揮され、ウイルスの増殖を抑制する。と、言われています。まだ、十分なエビデンスはありませんが、上記の厚生労働省のHPにも記載があるため、注目はされていると思います。予防であれば、0.2㎎/㎏を初日と48時間後に1回、その後2週間ごとに服用するようにします。
注意:当院では、新型コロナウイルス感染の予防目的でのイベルメクチンの処方は行っておりません。
https://sugiharaclinic.com/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F
よくある質問
■COVID-19感染症
Q. オミクロン株によるブレークスルー感染が心配なのですが、どのように対策をすればよいのでしょうか。
通常、新型コロナワクチンは2回目の接種から2週間たてば免疫がほぼ定着するとされますが、それでも感染するケースが少なくありません。90%以上の感染予防効果があると謳われているワクチンを"突破"して感染することから、『ブレークスルー感染』と呼ばれるのです。
この原因として、インターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁先生は、「ワクチンを接種しても、感染を防ぐための抗体ができない人が数%います。実際に私のクリニックで60人に2回接種したところ、抗体ができなかった人が3人いました。ワクチンを打てば絶対安心というわけではないのです」と指摘しています。
それでは、どうすれば、確実にワクチン接種で、オミクロン株に対しても十分な抗体を作ることが可能なのでしょうか。対策は5つあります。
1つ目は、3回目のワクチン接種です。2週間ほどでできる抗体が、一定期間を過ぎると予防効果が落ち、特にファイザー製やモデルナ製の『mRNAワクチン』は、従来の予測よりも早めに効果が落るとの調査結果が出ています。現在、ワクチンの3回目の追加接種が、開始されていますが、下記のように、3回接種で中和抗体価は大幅に増えるので、発症や重症化を防ぐ効果はあると見られています。しかし、2回接種しても、6か月経過すると、オミクロン株への有効性は10%まで低下し、3回目を接種することで、70%まで回復します。しかし、以前のデルタ株よりは、予防効果は低いのです。
(北海道ニュースUHB)
それでは、3回目の接種は、どのワクチンがいいのでしょうか。もともとモデルナ製のワクチンに含まれるmRNAの量が、ファイザー製の3倍であるため、日本では、モデルナ製ワクチンの3回目接種量は、2回目までの半分の量で接種となっています。そのため、アメリカでは、誘導される中和抗体量に差はありますが、日本では、3回目は、どちらを選んでも、中和抗体価と副作用に差はないと思われます。
※モデルナ製:アメリカ国内では3回とも同量接種
2つ目は、鼻うがい
当たり前ですが、自宅に戻った時に、鼻から喉まで洗って、オミクロン株を洗い流しましょう。小林製薬の「鼻うがい・ハナノア」がいいと思います。
3つ目は、漢方薬
鼻うがいで、残ったウイルスが鼻腔や気管支粘膜で増殖するため、鼻づまりなどがあると、ウイルスが増殖しやすくなります。荊芥連翹湯(けいがんれんぎょうとう)で、鼻づまりや扁桃腺の炎症を改善し、ウイルスの細胞内への侵入を防御します。しかし、新型コロナウィルス感染症に限らず、ほとんどの細菌やウイルスは咽頭(のど)から侵入してきますが、その侵入により粘膜での炎症が起こってきた、発症初期では、麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯などの麻黄剤が有効です。麻黄湯は、気道の上皮細胞の炎症を抑え、体の防御機能を高めることでウイルスに抵抗すると考えられています。そのため、オミクロン株は、デルタ株に比べて、気管支での増殖速度が70倍であるため、これらの漢方薬が予防になる可能性があるのです。通常は、荊芥連翹湯で予防をして、微熱があれば、麻黄湯を併用することお勧めします。
(羽鳥慎一モーニングショー)
4つ目は、イベルメクチン
イベルメクチンは、新型コロナウイルス感染爆発の当初から、その効果について、議論をされ続けていますが、その作用機序は、ウイルスに対して、核内への運搬蛋白とウイルス蛋白との結合を阻害することにより、ウイルスによる自然免疫抑制作用を解除する。 これにより自然免疫による抗ウイルス作用が発揮され、ウイルスの増殖を抑制する。と、言われています。まだ、十分なエビデンスはありませんが、上記の厚生労働省のHPにも記載があるため、注目はされていると思います。予防であれば、0.2㎎/㎏を初日と48時間後に1回、その後2週間ごとに服用するようにします。
注意:当院では、新型コロナウイルス感染の予防目的でのイベルメクチンの処方は行っておりません。
(厚生労働省HPより)
5つ目は、ビタミンD
ビタミンDは、新型コロナウイルス感染症の重症化のリスク因子の一つとして、認められています。そのため、下図ように、ビタミンDが正常値でない方は、死亡率が20倍高くなるため、サプリで、補充する必要があります。最近では、病院でも測定できるようになったため、栄養失調があるかどうかの確認ができます。日本人の50%以上はビタミンD欠乏症のため、薬やワクチン接種の効果が十分に出ない可能性があるのです。がん治療もウイルス感染症も同じです。ビタミンD(25(OH)VD)は、病院の血液検査で測定可能です。(通常予防であれば、1日1000~2000IU、非常事態宣言中は1日3000~4000IUのビタミンDの1か月摂取が必要)
Q.(緊急報告)古川先生は、3回目の新型コロナウイルスワクチン接種を受けられましたか?
A.医療法人杉原クリニックでは、今年に1月に、‐80℃の冷蔵が可能なディープフリーザーを準備することができたため、神奈川県の医療従事者と一般市民向けの新型コロナワクチン接種の基本型施設の指定を受けることができました。そのおかけで、2021年4月17日と5月8日の2回、ワクチン接種を受けることができました。高血圧以外の持病がなかったため、アナフィラキシーや発熱、頭痛、全身倦怠感もなく、穿刺部の筋肉痛だけでした。その後、発熱外来なども行ってきましたが、感染はしませんでした。。3回目のブースター接種は、2022年1月8日に受け、今回も、筋肉痛のみでしたが、事前の中和抗体検査では、2回目接種から8か月経過したためか、残念ながら陰性で、もう中和抗体がなくなっていました。しかし、1月22日の中和抗体検査では、高値になっていました。
Q.古川先生は、オミクロン株に感染しないために、何か対策をしていますか?
A.私は、新型コロナウイルス感染症患者のための発熱外来を昨年8月からやっていますが、自分が感染しないか、かなり神経を使って体調管理を行っています。予防に関しては、食事、運動、睡眠が3本柱になりますが、ここではサプリ・食事に関してお話したいと思います。
具体的には、自宅では、まず、帰宅したら手洗い、鼻うがい。その後、すぐにお風呂に入ってから、ようやくリビングに入れます。食事は、家族とは時間をずらしたり、対面にならないようにするなど、飛沫感染に注意しています。あと当たり前ですが、料理も直箸は禁止して、専用の箸を使うなど行っています。
免疫力アップのため、食前に、荊芥連翹湯を内服し、食後は、ビタミンC、ビタミンD(Nature Made Super D)、ビタミンB群(キューピーコーワGOLDαプラス)のサプリを摂取しています。やや風邪っぽい場合は、食前に麻黄湯を追加しています。ビタミンDは、新型コロナウイルス感染の重症化予防になります。ビタミンB群は、別名「戦うビタミン」と言われ、免疫細胞を活性化します。ビタミンCもウイルス感染による活性酸素を抑制しながら、好中球を刺激し、ウイルスをやっつけてくれますし、サプリの摂取で、みかん20個分のビタミンCが摂取できるので、ウイルス感染時期のビタミンCサプリは必須です。
食事に関しては、亜鉛、セレンの摂取のため、黒にんにく、牡蠣をなるべく食べるようにしています。がんの食事療法に共通点がたくさんありますが、基本的には、ウイルス感染対策もがん予防も同じなのです。
Q.ワクチン接種を2回受けていましたが、新型コロナウイルス(オミクロン株)に感染し、軽症のため、自宅療養となりました。最新の治療法を教えて下さい。
下の新型コロナ重症度分類を見てみましょう。
新型コロナ重症度分類(新方針)
表にあるように、現在、治療には、レムデシビル(抗ウイルス薬)、デキサメタゾン、バリシチニブ、抗体カクテル療法(ロナプリーブ、ソトロビマブ)、経口治療薬(モルヌピラビル)など、治療の種類も増えてきました。当初は、抗体カクテル療法は、入院でしか投与ができませんでしたが、現在では、クリニックの外来でも、往診でも投与ができるようになり、当院でも、申請を行い、外来と往診で、抗体カクテル療法、中和抗体療法ができるようになりました。また、経口治療薬のモルヌピラビルは、ウイルスが細胞に侵入したあと、設計図となる「RNA」をコピーして、ウイルスが増殖するのに必要な酵素の働きを抑え、増殖を防ぎ、今後、軽症の患者さんの治療の中心になると思います。
2022年は、第5波のデルタ株の拡大時期とは、比べ物にならないくらい、治療の選択肢は増えて、クリニックでの診療体制は安定してきました。オミクロン株により第6波が起こった場合は、抗体カクテル療法、中和抗体療法とモルヌピラビルで、なんとか切り抜けられると思います。しかしながら、これらの治療薬と合わせて、重症化を予防し、医療機関への負荷をかけないように、確実に治していきましょう。
必須アイテム:体温計、パルスオキシメーター
治療薬:
(軽症)軽症の方の80%は、対症療法でも治るのです、過度の心配は不要ですが、万が一に備えて、パルスオキシメーターは準備しておきましょう。ラゲブリオ(経口治療薬)は、死亡や入院の割合を30%下げることはできます。当院では、ラゲブリオの内服を推奨しています。
※ペラックT錠は、添付上750㎎までですが、男性や症状が強い方は、1500㎎まで可能と思われます。クリニックでは、1500㎎を処方。
(オミクロン株:中等症Ⅰ、高齢者、基礎疾患のある方)
中和抗体療法(ソトロビマブ)または経口治療薬(モルヌピラビル)+症状に合わせて上記治療
ただ、上記の治療でも確実には治らないので、上記の治療に並行して、ビタミンD、ビタミンB群、ビタミンCの補充をしましょう(詳細は、他の記事を参照)。拙書「ビタミンDとケトン食 最強のがん治療(光文社新書)」にもあるように、日本人の50%以上はビタミンD欠乏症のため、薬の効果が十分に出ない可能性があるのです。また、呼吸がややつらい場合で、酸素濃縮装置(在宅酸素)を救急隊または医療機関からレンタルしましょう。
Q.イベルメクチンを個人輸入で購入しましたが、飲み方が分かりません。教えていだけないでしょうか。
現在、非常に、電話でのお問合せが多くなっているのが、イベルメクチンです。しかし、日本では治験が開始されたばかりのため、新型コロナウイルスに対する効果は、不明です。また、国内向けのプロトコルもありません。
杉原クリニックでは、Front Line COVID-19 Critical Care Alliance(FLCCC)のプロトコルをもとに、呼吸器症状がなく入院適応とならない方で、発熱が下がらない患者さんを主に治療を行っています。当院以外で、新型ウイルスの治療目的で服用される場合は、必ず医師等にご相談ください。
■新型コロナウイルス・投与方法・使用方法
服用量の目安
0.2㎎/㎏で計算
※以降体重1㎏あたり約200μgを追加(体重15Kgにつき3㎎の場合1錠)
※個人輸入では12㎎錠が多いようですが、9㎎にするには4つに割る必要があります。しかし、実際は困難であるため、体重が43㎏までの方は、6㎎(半錠)、43~50㎏までの方は、12㎎(1錠)で、いいと思います。
・体重が15㎏未満の子供は服用できません。
■予防および早期の外来患者治療に関するプロトコル(FLCCC):
・予防:0.2㎎/㎏を初日と48時間後に1回、その後2週間ごとに服用
・軽症~中等症:0.2㎎/㎏を1日1回5日間、または回復するまで
例.体重50㎏の方は、3錠を5日間内服
※食前または食後に服用、1日1回なので、朝、昼、夕は自由です。ただ、朝内服したら、翌日以降も同じにして下さい。
■注意事項
・高齢者への安全性は確立されていません。
・イベルメクチンに対し過敏症、既往歴のある方やアレルギーの方は服用できません。
・胎児への影響は不明のため、妊娠中、妊娠予定の方は服用前に必ず医師にご相談ください。
・母乳に移行する可能性があるため、授乳中の場合も同様に、服用前に必ず医師にご相談ください。
Q. 介護施設で、新型コロナウイルス感染が発生しました。保健所からの指導で、陽性の入居者は、自室での療養、職員は、自宅での療養となりました。検査時、症状がなかったため、特に薬の処方はありませんでしたが、今後、微熱や咳、咽頭痛などが出た場合、どのようにすればよいのでしょうか。
A.まず、PCR検査か抗原検査で診断をつけましょう。しかし、陽性であっても、重症化リスクの低い方は、新型コロナウイルスの治療薬は、まだ処方できないため、対症療法となります。当院で検査をされた方は、以下の処方を行っていますので、体調の変化があった場合は、ご連絡をお願いします。
■発熱・頭痛・全身倦怠感:アセトアミノフェン(カロナール)
■咽頭痛:トラネキサム酸(トランサミン)
■咳:デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(メジコン)、麦門冬湯など
※臨床経験から、新型コロナ感染の咳は、かなり重篤なので、コデインリン酸塩(20㎎)3T3×をはじめから内服した方がいいかもしれません。
■食欲不振:ガスター10
■漢方薬:荊芥連翹湯(予防)、補中益気湯(予防または回復期)、葛根湯(軽症)、麻黄湯(中等症以上)、十全大補湯(肺炎予防)
■高齢者、ハイリスク者:カモスタット(フォイパン)→臨床研究で有効性なし
■呼吸苦:酸素飽和度が93%以下で重症型となるため、95%以下であれば、早めに当院または保健所に連絡をして下さい。
内服例1:発熱と咳、咽頭痛がある場合
カロナール+メジコン+トランサミン、荊芥連翹湯
内服例2:微熱のみ
カロナール+葛根湯→熱が平熱になったら、補中益気湯
内服例3:糖尿病あり、発熱、全身倦怠感がある場合
カロナール+麻黄湯→熱が平熱になったら、補中益気湯
※カロナールは、タイレノールA(武田CH)やイブプロフェンを含まない、パブロンゴールドA(大正製薬)、エスタックゴールド(エスエス製薬)、新ルルA(第一三共)で代用可能です。
Q.会社で新型コロナウイルスに感染し、自宅で10日間の隔離を終了し、症状はすっかりなくなりました。会社からは出社の前に、陰性証明書が必要と言われました。杉原クリニックでは、検査が受けられますか。
A.PCR検査は、自費診療になりますが、受けられます。しかし、国の指針では、会社復帰に陰性証明書は必要ないとしていますので、あえて、検査は不要です。
現在、保健所の指導では、10日間の隔離で、症状がなくなった方は、臨床的には感染リスクが低いため、隔離解除となります。しかし、この時期では、PCR検査は、まだ、陰性にならないことも多いため、現在は、保健所でも隔離解除のためのPCR検査は行っていないのです。発症後14日でも約20%は、陽性であるとのデータもあり、100%陰性にならなため、PCR検査は必要ないのです。
Q.古川先生は、新型コロナウイルス予防接種は受けますか?
A.
私は、すぐに予防接種を受けたいと思います。理由は2つ。
1つ目は、それほど重篤な副作用がないし、あっても対応が可能であること。
2つ目は、自分が感染して患者さんにうつしたくないためです。
ファイザー製のmRNAワクチンは、人類初となるタイプのワクチンで、ウイルス抗原の鋳型となるmRNAが細胞内に取り込まれ、抗原ウイルスたんぱく質を産生し、これにより抗体産生と細胞性免疫の両方を誘導します。しかし、治験の期間が短いため、半年後、1年後にどうなるのか分かっていません。外国の世論調査を見ると、フランス国民の59%、アメリカ国民の40%が「接種したくない」と答えています。副作用を心配している人は多いと思うのですが、理論的にいうと、大きな副作用はないと思います。mRNAワクチンというのは基本的にはmRNAだけで、おたふくかぜワクチンのように生ウイルスを投与するわけではないからです。ファイザーとモデルナは3万~4万人の規模で治験をして、3か月以上フォローしているため、インフルエンザワクチンの副作用の大部分が3か月以内であることを考えると、ワクチンとしてはむしろ安全じゃないかなと思います。アメリカ食品医薬品局(FDA)が公表している資料によると、約4万4000人を対象にした臨床試験の結果、2回目の接種から7日後以降での新型コロナウイルスの予防効果は、95%に上ることが報告されています。副作用は、注射部位の痛み(84.1%)、倦怠感(62.9%)、頭痛(55.1%)の順に多く、筋肉痛、悪寒、関節痛、発熱などで、どちらかというと年齢が高い方の方が副作用は少ない傾向にあったようです。もし、このような副作用があってもカロナール(アセトアミノフェン)の内服でOKなのです。
当初、RNAを使ったワクチンはヒトのDNAを変異させるという誤った解釈がSNSを中心に流れていたようですが、DNAワクチンはヒトの遺伝子に組み込まれる可能性がありますが、RNAワクチンは、ヒトの遺伝子に取り込まれないので、安全性は高いのです。
日本政府は2021年6月までに、ファイザーから1億2000万回分(6000万人分)の供給を受けることで合意をしていますが、米政府がファイザーから購入を約束しているのは1億回分(5000万人分)で、日本の方が多いのです。これは、ファイザーのワクチンは壊れやすいため、製造後、病院などの施設に届けるまでの間、基本的にセ氏マイナス70℃以下の温度を維持しなければならないのですが、マグロやカツオの消費の多い日本では、セ氏マイナス70℃以下で鮮度を保てるコールドチェーンという輸送システムがあるためだと思います。
また、次世代シーケンサーによるDNA、RNA遺伝子解析の技術が進歩したお陰で、ウイルスの遺伝子もすぐにわかるので、以前ではワクチンの作成に10年以上かかっていたことが、いまでは、1年以内にできるのです。
なんとか新型コロナウイルス感染を収束させるため、重症化ハイリスクの65歳以上の高齢者の方は、ぜひ新型コロナワクチンの予防接種を受けられることを願います。
Q.新型コロナワクチンの副作用が、いろいろネット上で言われていますが、対処方法があれば、詳しく教えて下さい。
その副作用には大きく分けると3種類あります。
1つ目は即時に、接種して数日以内に出てくるもの。
2つ目は2週間から4週間たってから出てくるもの。
3つ目はワクチン接種者が感染した場合に出てくるもの。
1つ目で、注意しなければいけないが、摂取後15分くらいで起こる「アナフィラキシー」という、全身に現れるひどいアレルギーです。ただし、ワクチンによるアナフィラキシーの頻度は、米疾病対策センター(CDC)の研究チームは、米国で1~2回接種した人を対象にした副反応の集計結果発表によると、2021年1月18日までに急性の重いアレルギー症状「アナフィラキシー反応」が表れたのは、米ファイザー製では約994万回の接種で50回、米モデルナ製では約758万回で21回。それぞれ約20万回に1回、約36万回に1回の割合で、約9割の人が30分以内に発症していたそうです。横浜市青葉区人口30万人で考えると、1.5人となります。ただ、杉原クリニックの患者さんには、インフルエンザや肺炎球菌ワクチン接種でアナフィラキシーショックになったことのある方には、新型コロナワクチン接種を勧めていませんが、1-2名くらいです。万が一、アナフィラキシーショックになった場合には、0.1%アドレナリンの筋注で対応をしますので、安心して頂ければと思います。
2つ目の遅い方の副反応は、脳炎などの神経障害、それから末梢神経がまひするギランバレー症候群などがあります。例えば脳炎については、おたふくかぜのワクチンだと、10万回の接種に対して1回ぐらい起こる可能性があるといわれています。しかし、おたふくかぜのウイルスに感染すると、その約10倍の頻度で脳炎が起こるので、リスクがあっても接種した方がいいということになります。今回のワクチンでは2回目接種の2カ月後ぐらいまでは調べていて、脳炎、神経障害などは見られていないようです。
3つ目の副反応はADE(抗体依存性感染増強)と呼ばれ、ワクチン接種後に抗体ができ、その抗体のために新型コロナ感染症が悪化するというものです。せっかく獲得した抗体が、再び感染した際に悪く作用し、重篤化につながってしまうのです。今のところ、新型コロナワクチンでの報告はありませんが、過去に、デング熱ワクチンのように、一時海外で承認されて使用されたワクチンはありましたが、ワクチン接種者の中から重症のデング患者が発生しやすいことがわかったため、使用中止となりました。
ADEの作用機序は、はっきりしたことは分かっていませんが、ADEを防ぐための、生ワクチンのような細胞性免疫(樹状細胞、マクロファージ、CTL)を誘導するワクチンの開発が、1つの手段になり得るようです。しかし、抵抗力の低い65歳以上の高齢者は、生ワクチンで新型コロナウイルス感染発症をするリスクがあるため、ファイザーやモデルナ製のmRNAワクチン接種をうけることが、一番安全なのではないのでしょうか。
■免疫栄養ケトン食外来
Q.多摩南部地域病院でケトン食外来の診察を受けていましたが、新型コロナウイルスの影響で、外来を受診することができなのですが、どのようにすればよいでしょうか。
A.
進行再発がんステージⅣで、日々、免疫栄養ケトン食を実践しながら、抗がん剤治療を行っているケトン食外来を受診されている皆様。がん細胞は、スーツを着た詐欺師で、善人なのか悪人なのが分からず、免疫抑制状態を起こすため、駆除するのが困難です。しかし、新型コロナウイルスは、細胞膜を持たないRNAウイルスで、いわば裸で歩いている不審者なので、通常、がん細胞と異なり免疫細胞から見れば、発見しやすいと思われます。しかし、現代人は、ビタミンD不足、腸内細菌叢の乱れから、免疫細胞のコントロールが十分でないため、ウイルスとの闘いが始まると、火が付きすぎて、いわばサイトカインストームを起こして、ARDSやDAD(びまん性肺胞障害)を起こします。
ケトン食外来を受診されている皆様は、ビタミンDを補充(NK細胞、マクロファージの活性化)し、腸内細菌叢(T細胞の調整)遺伝子検査により、日々、免疫細胞を強化しているため、特に、新型コロナウイルス感染の心配はありません。しかし、過信せず、手洗い、うがい、不急不要の外出は控えて、かかりつけの病院で抗がん剤治療を続けてください。
もし、全身倦怠感や発熱、気管支症状、味覚障害などの新型コロナウイルス感染の心配がある場合は、がん治療で、肺転移に対し、肺のマクロファージ強化で処方している十全大補湯、さらに葛根湯、アセトアミノフェンで対応して下さい。漢方は、Webやドラックストアで入手できます。また、予防の場合は、夕食前に、葛根湯または荊芥連翹湯を1袋内服してみて下さい。エビデンスはありませんが、自分の身体は自分で守る必要があるため、感染しても重症化しないようにできることをやりましょう。
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