2023年2月17日金曜日

「空の大怪獣ラドン」のロケ地だった鹿町炭鉱 : アトリエ隼 仕事日記

「空の大怪獣ラドン」のロケ地だった鹿町炭鉱 : アトリエ隼 仕事日記
空の大怪獣 ラドン https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00L8HGP5I/ref=atv_dp_share_r_tw_85db18f163af4 

「空の大怪獣ラドン」のロケ地だった鹿町炭鉱

昭和31年に公開された、東映初の総天然色怪獣映画「空の大怪獣ラドン」。世代?なのか、「ラドン温泉」という看板をみると、無意識的に、この怪獣ラドンが浮かんでくるのは、私だけでしょうか・・・。
さて、この映画、阿蘇の近くにある鉱山から、ラドンが孵化するという設定なのですが、実際には阿蘇近郊に炭鉱等がなかった為、ロケ地として、長崎県北松浦郡の鹿町炭鉱がロケ地として選ばれています。
アナログでかなり画像が悪いのですが、先日やっと見つけました。
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昭和30年頃というと、一般のカメラは完全にモノクロの時代ですから、これは、貴重な現地のカラー資料ということになります。
しかし、この画像は本当に鹿町炭鉱のものなのでしょうか・・?
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その確証を得られるカットが、一瞬だけですが、ありました。下の画像の右上隅に、大加勢地区の「加勢会館」とバスセンターが映っています。
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この建物です・・・・右側のバスセンターは、現在でもなんとか残されています。
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ということは、やはりこの映画は、当時の風景をカラーで見ることの出来る、貴重な資料ということになります。この画像を見る限りでは、ボタ山にかなり草木が生えてきていることがわかります。
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坑口です。かなり大きなものであったことがわかります。
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この電柱も、当時の資料と一致します。
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映画では病院として描かれていた建物です。画像が荒くてはっきりしませんが、「北松鉱業所」と読めるような・・・?鹿町炭鉱の正式名は「日鉄北松鉱業所」なので、日鉄本部の施設なのでしょうか。
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そして、孵化した後のラドンは、何故か博多へ行く途中、ぐるっとまわって佐世保の方へ寄って?います。このシーンが出ると言うことは、おそらく西肥バスが撮影に全面的に協力したものと推察されます・・・
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前年、昭和30年に完成したばかりの西海橋も、わざわざラドンが(風圧で)壊すのですが、そのシーンでも、ご覧の通り、西肥バスをずらっと並べて、まるで「西海橋観光は、当社、西肥バスで!」と言わんばかりですね。
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↓西海橋付近の渦潮の中から飛び立つラドンの姿です。この映画の公開後、阿蘇や博多・西海橋には観光客が増えたそうです。映画の中で主要なロケ地でありながら、おそらくほとんど知られなかった鹿町炭鉱・・・。
おまけに映画の伏線として、坑内で多くの鉱員が(謎の)事故死し、残された奥さんが泣き叫ぶ・・というシーンまで出てきます。その後、鹿町炭鉱は昭和38年に閉山し、街も輝きを失っていきます。その頃、鹿町坑にいた炭鉱マンと家族たちは、どのような思いで、この映画を観ていたのか・・・と考えると複雑なものがあります。
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(説明のためにやむなく資料を引用させて頂いております。目的は、かつてこの地で暮らされていたご家族の記憶を辿る、一助になればという思いによるものです。ご了承のほどお願い致します。今後は現代の世相を鑑みて、ブログとしてのコンプライアンスをより重視してのぞみたいと考えております。2016年7月

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