2023年2月25日土曜日

佐々井秀嶺師が発見した仏教遺跡 - 南天会|佐々井秀嶺上人の活動を支援するネットワーク

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佐々井秀嶺師が発見した仏教遺跡

シルプール遺跡

ティーヴァラディーヴァ・ビハーラ
ティーヴァラディーヴァ・ビハーラ

チャティスガル州の州都ライプールから東に50km、マハーナディ河南岸にある古代都市遺跡。

紀元4世紀ごろから10世紀にかけて、仏教寺院やヒンズー寺院などが混在する宗教都市として栄えた。紀元6世紀に玄奘三蔵が訪れた南憍薩羅国(ダクシナーコーサラ国)の都城とはここであると言われている。

19世紀後半より様々な遺物、仏像等が出土して遺跡が認められていた。

1954~56年に本格的な発掘調査が行われたが、やがて資金難で放置される状態が長く続いていた。

1990年代、シルプールを訪れた佐々井上人は、この遺跡の仏教的な重要性を認識し、仏教徒から資金を集め主要な土地を購入して、インド考古学局のA・K・シャルマ氏に依頼して発掘を行った。

2003年には、2メートルの仏陀坐像を安置する寺院跡を発見。発見者の佐々井上人の名を冠して「ササイ・マハービハーラ」(現在は、ティーヴァラデーヴァ・ビハーラに改称されている。)と名付けられた。一帯から僧坊跡、巨大な市場の跡、複数の寺院など次々と遺跡が見つかり、ナーランダ仏教大学の規模をしのぐ一大仏教都市が確認された。

M・P州から分離独立したばかりのチャティスガル州にとっては、州都ライプール近郊に出現したこの大遺跡をまたとない観光資源ととらえ、大きな道路を通し周辺が整備された。しかし、州政府第一党のBJPはヒンズー至上主義の立場から、シルプール遺跡をヒンズー遺跡と位置付け仏教徒の意向を無視した発掘調査を行った。

発掘主任のシャルマ氏もそれに追従し、佐々井上人と意見の相違を見ている。 佐々井上人は『龍樹と龍猛と菩提達磨の源流~』の中で、シルプールをナーガ・バラ大王(龍猛菩薩と同定)の曾孫ティーヴァラデーヴァが開いたパーンドゥ王朝後期の中心都市と推定している。

現地の仏教徒協会は、仏教遺跡としての正当な調査が行われるよう、所有する土地にお寺(アーリヤナーガールジュナ・シューレイ・ササイ・ブッダ・ビハーラ)を建立し、様々な働きかけをしている

マンセル遺跡

ナグプールから北東へ30キロの地点にあるマンセル遺跡は、佐々井上人が最も重要視している遺跡である。

すなわち南天鉄塔と目される遺構は、マンセルの小高い丘の上にある。佐々井上人が、龍樹菩薩の「南天鉄塔もまたそこにあり」という霊告に従って、ナグプール周辺を調査して、ここがそうだと確信した場所である。

1990年代から発掘調査が行われ、この丘の背後にあるマンセル・タンクという湖周辺でたくさんの遺構、遺物が発掘されている。特に大きな遺構が、湖東側の僧坊などを中心としたサイト2と、この丘のサイト3で、複雑なレンガ造りの塔の基壇や、様々な石像、蓮弁を配した装飾などが見つかっている。

マンセル遺跡は、アジャンター石窟を開鑿したサータヴァーハナ朝及び、その後デカン高原を支配したヴァーカータカ王朝などが、西紀3世紀から7世紀にかけて造営した遺跡ということであるが、後代ヒンドゥー教の影響を受けて破壊、改造され、インド考古学会の発掘でも、仏教遺跡としての適切な評価、保存がされていない。土地を所有する佐々井上人は、この状況に一旦発掘作業を中止している。

2000年以降、種智院大学の頼富本宏師に調査を依頼して、また他のインドの考古学者やナグプール大学などにも研究を促し、文字通りこの大乗仏教の一大聖地を死守している。 

サイト2 僧院・宮殿跡
サイト2 僧院・宮殿跡
サイト3 南天鉄塔
サイト3 南天鉄塔
龍樹山 中腹に龍樹寺
龍樹山 中腹に龍樹寺

マンセルから東へ7キロのラムテク地区に龍樹連峰と呼ばれる丘陵が連なっている。西端の最も高い岩山にはヒンズー教のラーマ寺院が建っている。ここを龍の頭頂部として腹部にあたる山脈の中央に洞窟があり、その上に龍樹寺という小さなお寺があるが、現在はヒンズー寺院となっている。佐々井上人は2010年、この麓に龍樹菩薩大寺という大きなお寺を建立した。境内にはラージギルの多宝山上で佐々井上人の枕元に現れた龍樹大菩薩の巨大な石像が立つ。台座にはその時の霊告が記され、石像上部には南天龍宮城をめざした平家の象徴である平家納経箱蓋の文様が並んでいる。マンセルや龍樹菩薩大寺の様々な構築物は、佐々井上人の思想を反映した立体曼荼羅と言える。それぞれ重要なメッセージを持ち、今後その実証をするべき者へ向けた遺戒でもある。


バックナンバー|TBSテレビ:『日立 世界ふしぎ発見!』
https://www.tbs.co.jp/f-hakken/onair/230225.html

バックナンバー|TBSテレビ:『日立 世界ふしぎ発見!』

激動するインド
熱き想いで新時代を
築く人たちに迫る!

仏像を愛する私にとって、インドはずっと憧れの国でした。お釈迦様の教えは、どのような文化、社会で生まれたのか肌で感じてみたいと。ですが、取材を終えて今思うのは、私のインドのイメージはいささか古過ぎ、ステレオタイプ過ぎでしたね(笑)。取材を進めていくにつれて、今のインドにどんどん魅かれていく自分がいました。お会いしたすべての方たちが、とても生き生きとしていたのも印象的でした。そしてこれからもっともっと魅力的な国になるんだろうなと感じました。

3つの宗教寺院が混在した
世界遺産・エローラ石窟群

全国から全世界へ!
注目が高まるインド映画
そしてIT企業の現場とは?

インドの取材から帰国して、毎日のようにインド映画を観ているんです。でも実はこれまでほとんど観たことがなかったのです(笑)。数々のヒット映画を手掛けたラージャマウリ監督を取材させて頂くことになり、話題の『RRR』を観て一気に開眼しました(笑)。エンタメの魅力がすべて詰まった素晴らしい作品で心底魅了されました。インド映画に激しいバトルや、めっちゃ踊ってる!くらいのイメージしかなかった自分は何と残念だったことか。インド映画のイメージが一新されました。監督にお会いした時の私は、興奮MAX(笑)。そして監督にお話を伺いますますファンになってしまいました。本当に素敵なジェントルマンでしたよ!

世界一大きな映画スタジオ
ラモジ・フィルムシティ

また取材をして初めて知り感動したのは、インドでは映画は生活の一部だということ。単なるエンターテインメントではないんです。教養や道徳を身に付ける手段であり、家族の絆を深めるツールでもある。そんなところも素晴らしいと感じました。少し前まで、ステレオタイプのイメージしかなかった私ですが、今では憧れやマイブームをすっ飛ばして、絶対にインド映画に出たい!!心に火が付きました(笑)。

IT企業での取材も、印象的でした。ITは20世紀に生まれ、21世紀に主要産業になったお仕事ですが、働くみなさんも先進的でした。競争の激しい業界だと思いますが、ピリピリした雰囲気はなく、活気がある。ちょっと先の未来を覗かせて頂いた気分になりました。

今インドで飛躍的に増える仏教徒
その最高指導者は日本人!?

そして、今回の取材で最も情熱的でエネルギッシュだった方、佐々井秀嶺さんを多くの方に知って頂きたい!と思います。インドで活動をなさっている僧侶なのですが、人に寄り添うということの神髄を教えて頂きました。佐々井さんは仏教の教えを説くことだけに止まらず、学校や病院の設立やインフラ整備などもされ、もの凄くたくさんの人たちを、安心して自信を持って暮らしていけるように導いてこられたのだと思います。そしてとってもチャーミングなんです!インドのみなさんから本当に慕われていました。

憧れのインドの今を取材して、インドは仕事したい!住みたい!国になりました(笑)。私もそうでしたが、インドにステレオタイプのイメージを持つ方に是非見て頂きたいと思っています。カレーとか、ガンジス川で沐浴とか、ヨガとか(笑)。インドで今最も熱いところ、そして熱き人たちの魅力をお伝えします!

みほとけさんが、「ご一緒できて本当に幸せでした」と語る佐々井秀嶺さんにまつわるこぼれ話をご紹介します。

みほとけさんが敬愛する
平安時代の上人を
彷彿とさせる佐々井さん

佐々井さんは、年齢を伺って信じられない!と思うほど日々エネルギッシュに活動をなさっていますが、常にとても繊細な優しさを示してくださる方でもありました。密着取材で、仏像の開眼法要が行われるお寺へ車で10時間かけて移動した時があったんです。その時に佐々井さんの車を追っていると、佐々井さんの車が止まることがあるんです。それは2時間おきくらいに必ずあって、私たちのことを心配してくださるんですね、「大丈夫か?」「お腹すいてないか?」と。インドの方たちが心から佐々井さんを敬い慕う気持ちがよくわかりました。そんな佐々井さんとご一緒していて、21世紀の空也上人(くうやしょうにん)だ!と思いました。実は私が最も好きな仏像のひとつが、空也上人立像。空也上人は、平安時代にまだ仏教が貴族など特権階級の人たちの信仰だった時に、庶民にも教えを広めた僧侶で、庶民の暮らしを良くするためにインフラ整備も行っていました。まさに佐々井さんの活動そのものです!現代の空也上人とも言える方を密着取材させて頂き、何ともありがたく貴重な体験でございました!

もっと佐々井さんについて知りたい!と思われた方におススメの書籍と映画を担当ディレクターに教えてもらいました。

●書籍『世界が驚くニッポンのお坊さん 佐々井秀嶺、インドに笑う』白石 あづさ (著)
●映画『ジャイビーム!インドとぼくとお坊さん』

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