2026年3月22日日曜日

希望の原理 第一巻 (白水iクラシックス) | エルンスト ブロッホ, 山下 肇, 瀬戸 鞏吉, 片岡 啓治, 沼崎 雅行, 石丸 昭二, 保坂 一夫 |本 | 通販 | Amazon


希望の原理 第一巻 (白水iクラシックス) 単行本(ソフトカバー) – 2012/11/7 


「なぜブロッホは、他のマルクス主義者と違って、『未来』について考えたのか、さらに、宗教やロマン主義的な先祖返りというような問題について考えたのか。それは1930年代半ば、ドイツでマルクス主義運動がナチスに敗北したからだと、私は思う。彼が「『未来の哲学』を見いだしたのは、まさに『未来』のない状態においてであった。」(柄谷行人・本書解説より)

来るべき自由の大地を見据える特異なマルクス主義哲学者、ブロッホ畢生の大著である。
一九三八年から四七年、亡命の地で書かれた本書は全五部から成る。まず市井の男のごく平均的な夢が報告される(第一部)。この淡い夢を、〈いま・ここ〉を突破し〈未だ意識されないもの〉を先取りするユートピア機能の発見により「把握された希望」として基礎づけるのが第二部である。世界過程を開かれたものとして措定するこの主体‐客体論が、今後の各論を検証する方法と基準の理論編となる。こうして娯楽雑誌、舞台、映画、サーカス等の擬似ユートピア批判を経て(第三部)、古代ギリシア以降近代に至るまでの広大無辺の「よりよい世界の見取図」を検討する第四部に移る。宗教、文学、音楽など予見的な営みがまさに百科全書的に展開される。「自由と秩序、社会的ユートピアの略図」の章や、技術、建築の章は圧巻である。〈いま・ここ〉の闇を突破する限界踏み越えの導きの像を描く第五部において、ドン・キホーテが、ファウストが、フィデリオが満たされた瞬間に見たものは何か。死、音楽、宗教、東洋の自然を経巡り、マルクス主義的知は前人未到のありうべき「故郷」を指し示してゆく。
哲学は明日の良心を、希望を我がものとする。こう書いたとき著者は、ファシズムと戦争の逆境にあった。3・11を経験した私たちにとって本書は、希望を無から救いだし既成性を造り変える手がかりとなるに違いない。
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