第101回~
阿南古事記研究会の会員,請田和彦氏が阿南市にある 袙 海岸について調べていた。袙とは,装束の中着のこととあり,さらに調べていると「のうし(直衣)」という言葉にいきあたった。
「古事記」を毎日読んでいる請田氏は,ピンと来た。イザナギの神が,「 竺紫 の 日向 の 橘 の 小門 の 阿波岐原 」で禊ぎ祓いした時に,杖から 衝立船戸 神。帯から 道之長乳歯 神。 嚢 から 時量師 神。 衣 から 和豆良比能宇斯能 神。 褌 から 道俣 神。 冠 から 飽咋之宇斯能 神。左手の飾りから 奥疎 神・ 奥津那藝佐毘古 神・ 奥津甲斐辨羅 神。右手の飾りから 邊疎 神・ 邊津那藝佐毘古 神・ 邊津甲斐辨羅 神。以上の十二神が生れた。
「のうし(直衣)」とは, 和豆良比能宇斯能 神のことではないか?と思ったという。「古事記」の解説書では,「わづらいの主神」と書かれているが,衣から現れた神が, 和豆良比能宇斯能 神であるので,けがれた衣の神と考える方がつじつまが合う。 奥疎 神・ 奥津那藝佐毘古 神・ 奥津甲斐辨羅 神は,沖の伊島の當所神社に祀られ, 和豆良比能宇斯能 神も 袙 に関係するとなると,イザナギの神が禊ぎした地は,阿南市の見能林である事がより鮮明に浮かび上がってくる。
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