2022年10月9日日曜日

特集 インタビュー 脚本・三谷幸喜さんインタビュー ~不思議な因縁にインスピレーションを受けて~ | NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」

山崎怜奈の誰かに話したかったこと。 | TOKYO FM | 2022/12/19/月 | 13:00-14:55 http://radiko.jp/share/?t=20221219131040&sid=FMT



『鎌倉殿の13人』全話のベストシーン5選!大発表

https://youtu.be/GGl-fHt3eTE

第二話ラストで頼朝が挙兵の意思を義時だけに打ち明けるシーン

(第一話の殺意を秘めた頼朝が伏線にある)

義経の最後の直前、正妻里を殺すシーン

(里は総集編でカットされたのが惜しい。義経が鎌倉攻略アイデアを話すシーンもいい)

実朝が千世に打ち明けて、千世と二人で泣くシーン

(総集編でカットされたが千世はよかった)

馬上の畠山重忠に百姓の女たちがときめくシーン

(庶民から見た権力者、この視座がもっとあっていい。政子の施餓鬼のシーンも良かった)

オンベレブンビンバはその後に展開されることで後から生きた。


唯一良くないのは巻狩のシーン。製作者は巻狩を理解していないのではないか?

騎乗しないのは仕方ないが、巻物を巻くように獣を追い詰めるのが巻狩なのに。

これで『草燃える』を超えたと言えなくなった。

「御成敗式目」はその内容をナレーションではなくもう少しドラマとして説明すべきだった。だからラストは個人的に消化不良。



一章

01話 2022.01.09 千鶴丸

06話 宗時

11話 清盛 伊東


二章

14 

15  4.17上総介

16  4.24木曽義仲

17  5.1源義高

18  5.8(壇ノ浦)

19  5.15(義経追討の院宣)

20  5.22源義経_______

21   5.29八重

22   6.5後白河法皇

23話 6.12工藤祐経


24話 6.19源範頼、大姫

25話 6.26

26話 7.3源頼朝


第三章

27    7.17

28話 7.24梶原景時

29話 7.31三浦義澄、安達盛長

30話 8.7阿野全成

31    8.14比企一族

32   8.21仁田忠常、一幡(比奈)______

33   8.28 源頼家、善児

34   9.4北条政範

35   9.11

36   9.18畠山重忠


四章

37   9.25 オンベレブンビンバ

38   10.2

**   10.9 トークショー)

39   10.16

40

41    10.30 和田義盛

42    10.06 

43    11.13 従三位

44話 実朝暗殺  公暁

45話 義時追討院宣  

46話 承久の乱

47話 後鳥羽隠岐へ

48話 12.18 義時毒殺 


中が二パターンの表紙
上も改訂版が出た

黒衣装を訂正した




https://www.nhk-ep.com/product/catalog/kw/大河ドラマ%20鎌倉殿の13/t/keyword/?q=大河ドラマ%20鎌倉殿の13


第1回「大いなる小競り合い」

第2回「佐殿の腹」

第3回「挙兵は慎重に」

第4回「矢のゆくえ」

第5回「兄との約束」

第6回「悪い知らせ」

第7回「敵か、あるいは」

第8回「いざ、鎌倉」

第9回「決戦前夜」

第10回「根拠なき自信」

第11回「許されざる嘘」__


第12回「亀の前事件」

第13回「幼なじみの絆」

第14回「都の義仲」

第15回「足固めの儀式」

第16回「伝説の幕開け」

第17回「助命と宿命」

第18回「壇ノ浦で舞った男」

第19回「果たせぬ凱旋」

第20回「帰ってきた義経」 

第21回「仏の眼差し」

第22回「義時の生きる道」


第23回「狩りと獲物」

第24回「変わらぬ人」

第25回「天が望んだ男 

第26回「「悲しむ前に」__

第27回「鎌倉殿と十三人」

第28回「名刀の主」

第29回「ままならぬ玉」

第30回「全成の確率」

第31回「諦めの悪い男」

第32回「災いの種」

第33回「修善寺」


第34回「理想の結婚」

第35回「苦い盃(さかずき)」

第36回「武士の鑑(かがみ)」__

第37回「オンベレブンビンバ」

第38回「時を継ぐ者」

第39回「穏やかな一日」

第40回「罠(わな)と罠(わな)

第41回「義盛、お前に罪はない」

第42回「夢のゆくえ」

第43回「資格と死角」

第44回「審判の日」

第45回「八幡宮の階段」

第46回「将軍になった女」

第47回「ある朝敵、ある演説」

第48回「報いの時」


鎌倉殿の13人 総集編 ★17 

https://nhk2.5ch.net/test/read.cgi/livenhk/1672300241/


112 公共放送名無しさん[] 2022/12/29(木) 17:16:21.10  ID:hRD1BHLB 

さらば実朝 

https://i.imgur.com/kTxxK4W.png 

https://i.imgur.com/qccHB3W.png 

https://i.imgur.com/EJh3OxP.png 

https://i.imgur.com/m4Znarc.jpg 

https://i.imgur.com/Wa5uAzv.jpg 

https://i.imgur.com/cDyEyUj.jpg 

https://i.imgur.com/CMqzeT5.jpg

https://i.imgur.com/MObOwiA.jpg

https://i.imgur.com/Q46mBCh.jpg

https://i.imgur.com/pllAlee.jpg













https://nhk2.5ch.net/test/read.cgi/livenhk/1672300275/鎌倉殿の13人 総集編 ★19 

42 公共放送名無しさん[sage] 2022/12/29(木) 17:38:33.58  ID:4CBEVJgv 
御成敗式目
やっていいことと悪いことの例

・みだりに通行人や旅人を殺してはいけません
・勝手に百姓の嫁を犯して殺してはいけません
・他人の領地の田畑から勝手に作物をとってはいけません
・他人のものを自分のものにしてはいけません
・行商のものを殺して品物を奪うことはもういい加減にやめましょう
・旅女や歩き巫女を無理矢理犯してはいけません、ちゃんと対価を払って犯しましょう


 
 
️️️おもち
⁦‪@omochiomochi916‬⁩
・佐々木の爺さんも面白かったので佐々木の爺さんの息子として出て来てもらった
・頼家素晴らしかった。また一緒にやりたい
・三谷さん視聴者の反応見てる
・本当の政子の気持ちは三谷さんにも分からない

駆け足だったけど色んな話聞けた~!🥰🥰🥰
#鎌倉殿の13人 pic.twitter.com/9JcRcRgox7
 
2022/12/19 20:52
 
 
 
 
️️️おもち
⁦‪@omochiomochi916‬⁩
・義時は最後、泰時はあなたに似てると言われて嬉しかったんだと思う
・政子は義時の為にあの演説をした
・政子の演説時、目が開いちゃった大江広元は台本にはなかった
・平知康は一回クランクアップしたけど、面白かったから押松として再登場してもらった
#鎌倉殿の13人
 
2022/12/19 20:52
 
 
 
 
️️️おもち
⁦‪@omochiomochi916‬⁩
今日のTOKYOFMダレハナ三谷幸喜さんゲスト
・政子の啜り泣きは台本にない吉田さんの演出
・最後毒で死にそうになってた芝居上手だったね山本耕史
・死んだように見せて下さいの要望にガチで答え過ぎてホントに死んだように見えてた鶴丸
#鎌倉殿の13人
 
2022/12/19 20:52
 
 
https://twitter.com/omochiomochi916/status/1604806951526809600?s=61&t=Q87ORoMy7XRkFStrQmo4zA



パットン
ムーミン






特集 インタビュー 脚本・三谷幸喜さんインタビュー ~不思議な因縁にインスピレーションを受けて~ | NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
《あとはシェイクスピア。やはり勉強になります。シェイクスピアには、おもしろい物語の要素のすべてがある。例えば、和田義盛と三代将軍・実朝。2人の関係は、『ヘンリー四世』に出てくるフォルスタッフとハル王子に重なります。三浦義村は『オセロー』に出てくるイアーゴー。頼家の苦悩は『リチャード二世』に出てくる若き王のかなしみと似ている。そして頼家の息子の公暁。彼が置かれた境遇はまさにハムレットそのものです。鎌倉時代とシェイクスピア。すごく似ています。今まで考えたことがなかったけど、新しい発見でした。皆さんもぜひ、興味があればシェイクスピアを読んでみるといいですよ。まるで鎌倉だから。》

脚本・三谷幸喜さんインタビュー

INTERVIEW 2022.10.09

~不思議な因縁にインスピレーションを受けて~

物語も終盤になってきましたが、これまでの執筆の中でどのようなことを感じていますか。

今回この「鎌倉殿の13人」を書くにあたっては、今まであまり経験してこなかった不思議な偶然がたくさんあるんですよ。すごく大げさな言い方になりますが、神様が「書け」と言っているような。例を挙げると、まずは上総介広常の死について。彼が字を一生懸命練習していたという設定は、演じた佐藤浩市さんから「キャラクターに深みを与えられる設定が欲しい」とリクエストをもらい、「じゃあ、字が書けないというのはどうだろう」とアイデアを出したんです。一方で、上総介が死ぬのと北条泰時が生まれるのがほぼ同時期だったことが分かった。「これは泰時上総介の生まれ変わりだという設定もあるな」と思い、ハッキリと明言はしなかったけど、泰時が赤ん坊のときの泣き声を「ブエイ」にした。これは上総介頼朝を呼ぶときの決め台詞ぜりふ。実は僕はそれほど歴史に詳しくなくて、北条泰時が御成敗式目をつくることは知識としてあったけど、字の読めない御家人たちのためにわかりやすい文章で書いていたって知ったのは、この回を書き終えたあと。もうびっくりですよ。視聴者の方で、「三谷はそこまで考えて台本を書いているのか」と驚いてくれた人も多かったみたいですが、全くの偶然。不思議でしょ。

あとは、第33回で善児が修善寺で亡くなりましたが、これも「終わる善児」と「終善児」に掛けたんじゃないかと、たくさんの方に言われました。告白しますが、全く考えてなかった。指摘されて初めて気づいた。そもそも善児という名前は、「梶原善さんがキャスティングされますように」という思いを込めて付けた名前ですから。そういう不思議な偶然が今回は多いんですよね。がっかりしました?

数多くの登場人物たちを手にかけ恐れられていた善児の退場には、どのようなプランを立てていたのですか。

まず第1回を書き出す前に、全体の綿密なプロットを作り、それぞれの登場人物がどのような人生を送るのかを、史実に添って考えていきます。でも細かいところまでは決めない。例えば、善児はオリジナルキャラだったから、途中で死ぬことは決めていたけど、それがどのタイミングなのかまでは、決めずに書き始めた。

善児は暗殺の仕事で2度修善寺に行きます。1度目は範頼を殺しに、2度目は頼家のとき。最初はね、1度目で行ったときに、命を助けた女の子が次に行ったらに大人になっていて、自分の養女にするという設定を、漠然と考えていた。ところがオンエアが進むにつれて、思いのほか善児が世間の注目を集めるようになってきた。絶対に人気者になる確信はあったけど、ちょっと僕の想像を上回った。「善児の名前がオープニングに出てきたら、それだけでおびえる」とか言われて。演じた梶原善も「河原で人を殺すシーンが多いので、みんなが怖がって、最近はプライベートで川に行けない」ってぼやいていた。

それで逆に、死ぬタイミングを早くしたんです。注目された分、飽きられるのも早いんじゃないかって思った。いちばん話題になっているときに退場させることにして、2度目に修善寺に行ったタイミングで死んでもらった。だからね、視聴者の皆さんが注目していなかったら、善児はもっと長生きしていたんです。
それが連続ドラマのおもしろさだと思うんですよ。第1回のオンエアの前に最終回まで書き終わっているというやり方もあるかもしれない。僕には無理だけど。でも、やっぱりテレビドラマは生き物なので、徐々にキャラクターが浸透していって、意外な人が人気になったりする。それが楽しい。そこをうまくすくい取って物語に当てはめていく。それが脚本家の醍醐だいごのような気がするんですよ。

これまでたくさんの方が退場されましたが、三谷さんの中で手応えのあった最期を教えてください。

やはり印象に残っているのは義経の最期ですね。菅田さんの芝居が見事だった。直接の死は描かなかったけど、梶原景時の予想外の涙も印象に残ってます。多分台本には泣くとは書いてなかったはず。脚本家の想像を、役者の演技が超えた瞬間でした。

それから畠山重忠。あんなに義時と殴り合うなんて思ってなかったから、映像をて驚きました。僕の指定ではないけど、いいシーンになりました。

しょせん、脚本家がパソコンの前で書いたものなんて、たかが知れているんです。僕は設計図を書いているだけ。それを現場でスタッフとキャストが肉付けしていく。そうやってドラマは完成する。殴り合いは小栗さんのアイデアだったと聞きました。よろいを着てあれはないだろうと思った歴史ファンもいたかもしれない。でもあそこは殴り合うべきなんです。本当は僕が思いつくべきだった。情けない限りです。
だからね、手応えのあったシーンというのは、だいたい僕が書いていない場面なんです。

放送をご覧になって、また、台本を書き進める中で、小栗旬さんが演じる義時の変化はどのように感じていますか。

そもそも小栗旬さんが義時を演じると決まったときに僕の頭にまずあったのは、晩年の義時の姿。いろんな悩みや苦しみを全部抱えたうえで最終的に死を迎える義時。それを演じる小栗さんのイメージが、最初から僕の頭の中にはあった。そこに向かって台本を書き進めました。若いころの義時を演じる小栗さんももちろんいいですよ。でもそれはみんなが知っている小栗さん。この先は誰も知らない、僕だけが知っている小栗さん。年老いてからの彼は本当にいい芝居をします。まだ観てないけど。多分間違いない。小栗さんはそれができる俳優さんだから。

三谷さんは以前より「女性を描くのは苦手」とお話をされていますが、今回の女性たちはどのように描こうと意識されていたのでしょうか。

昔から「女性を描くのが下手だ」と言われ続けていますね。もうトラウマです。なんで書けないんだろう。照れちゃうのかな。あと、いくさを描くのが下手ともよく言われる。これもどうすればうまくなるのか、さっぱり分からない。戦と女性は僕の鬼門です。
女性に関しては、今回はなるべくそう言われないように心がけました。とにかく女性のスタッフの意見を聞くことを心がけた。もう自分では無理だと思ったので。彼女たちに「この女性キャラはこんなことは言わない」と指摘されることもありましたし、「こういう女性はみんな嫌いだと思う」と言われて、書き直したこともあった。すごく勉強になりました。もし今回、女性の描き方が以前よりちょっとでもマシになっていたとしたら、それは彼女たちのおかげです。

政子に関してはいちばん悩みました。これまで"悪女"と言われ続けてきた人ですが、僕からすると、どこが"悪女"なのか、さっぱり分からない。別に政子を美化して描くつもりもなかったけど、普通に考えて、彼女に悪女と呼べる要素は何もない。常に妻として母として悩み、行動してきただけ。僕には権力欲の塊のような女性にはどうしても思えなかった。そう考えると、このドラマにはほかにも上昇志向の強い女性はたくさん出てくるけど、最も権力に興味のなかった政子が最後に権力の頂点に立つという、歴史の皮肉みたいなものが、浮かび上がってきました。そんな政子を小池さんがとてもチャーミングに演じてくれた。大満足です。僕はひそかに、小池さんが演じている政子が最も本物の北条政子に近いキャラなのではないかと思っているくらい。

女性でいうと、長澤まさみさんのナレーションも素晴すばらしかった。殺伐とした物語が、どれだけ彼女の声で浄化されたことか。文体を現在進行形にすることで、視聴者に寄り添う感じも強まった。僕が脚本家として、一つだけこのドラマに貢献したと自信を持って言えるのは、ナレーションを現在進行形にしたことのような気がします。いい発明だったでしょ。

執筆にあたってはさまざまな作品からインスピレーションを受けるとお話をされることがありますが、「鎌倉殿の13人」を描くにあたって参考にされた作品はどのようなものですか。

今回「鎌倉殿の13人」を描くにあたって、とにかく自分がおもしろいと思った古今東西の映画や舞台、小説を勉強し直しました。全体的には『ゴッドファーザー』。義時は、アル・パチーノが演じたマイケル・コルレオーネの親戚です。例えば佐藤浩市さん演じる上総介は、強くて怖いけど愛嬌あいきょうのある男という意味で、『アラビアのロレンス』で、アンソニー・クインが演じていた砂漠の権力者アウダ・アブ・タイの従兄弟いとこ。北条と比企一族との戦いを書いているときは、『仁義なき戦い』を参考にしていました。実は今まで観たことがなかったのですが、「あの時代は『仁義なき戦い』の世界観に似ている」とスタッフに教えてもらいました。

あとはシェイクスピア。やはり勉強になります。シェイクスピアには、おもしろい物語の要素のすべてがある。例えば、和田義盛と三代将軍・実朝。2人の関係は、『ヘンリー四世』に出てくるフォルスタッフとハル王子に重なります。三浦義村は『オセロー』に出てくるイアーゴー。頼家の苦悩は『リチャード二世』に出てくる若き王のかなしみと似ている。そして頼家の息子の公暁。彼が置かれた境遇はまさにハムレットそのものです。鎌倉時代とシェイクスピア。すごく似ています。今まで考えたことがなかったけど、新しい発見でした。皆さんもぜひ、興味があればシェイクスピアを読んでみるといいですよ。まるで鎌倉だから。





脚本・三谷幸喜さんインタビュー

https://www.nhk.or.jp/kamakura13/special/interview/074.html
2022.10.09

上総介『アラビアのロレンス』のアンソニー・クイン
和田義盛フォルスタッフ
三浦義村イアーゴー
頼家リチャード二世
公暁ハムレット
(比企能員=マクベス)

https://twitter.com/slowslow2772/status/1579369535446343681?s=20&t=Y1pGl9ZyAotm2uuNdsjIqg

 https://iitomo2010.blogspot.com/2022/06/13-yahoo.html
特集 インタビュー 脚本・三谷幸喜さんインタビュー ~不思議な因縁にインスピレーションを受けて~ | NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
《あとはシェイクスピア。やはり勉強になります。シェイクスピアには、おもしろい物語の要素のすべてがある。例えば、和田義盛と三代将軍・実朝。2人の関係は、『ヘンリー四世』に出てくるフォルスタッフとハル王子に重なります。三浦義村は『オセロー』に出てくるイアーゴー。頼家の苦悩は『リチャード二世』に出てくる若き王のかなしみと似ている。そして頼家の息子の公暁。彼が置かれた境遇はまさにハムレットそのものです。鎌倉時代とシェイクスピア。すごく似ています。今まで考えたことがなかったけど、新しい発見でした。皆さんもぜひ、興味があればシェイクスピアを読んでみるといいですよ。まるで鎌倉だから。》

脚本・三谷幸喜さんインタビュー

INTERVIEW  2022.10.09

~不思議な因縁にインスピレーションを受けて~

物語も終盤になってきましたが、これまでの執筆の中でどのようなことを感じていますか。

今回この「鎌倉殿の13人」を書くにあたっては、今まであまり経験してこなかった不思議な偶然がたくさんあるんですよ。すごく大げさな言い方になりますが、神様が「書け」と言っているような。例を挙げると、まずは上総介広常の死について。彼が字を一生懸命練習していたという設定は、演じた佐藤浩市さんから「キャラクターに深みを与えられる設定が欲しい」とリクエストをもらい、「じゃあ、字が書けないというのはどうだろう」とアイデアを出したんです。一方で、上総介が死ぬのと北条泰時が生まれるのがほぼ同時期だったことが分かった。「これは泰時上総介の生まれ変わりだという設定もあるな」と思い、ハッキリと明言はしなかったけど、泰時が赤ん坊のときの泣き声を「ブエイ」にした。これは上総介頼朝を呼ぶときの決め台詞ぜりふ。実は僕はそれほど歴史に詳しくなくて、北条泰時が御成敗式目をつくることは知識としてあったけど、字の読めない御家人たちのためにわかりやすい文章で書いていたって知ったのは、この回を書き終えたあと。もうびっくりですよ。視聴者の方で、「三谷はそこまで考えて台本を書いているのか」と驚いてくれた人も多かったみたいですが、全くの偶然。不思議でしょ。



あとは、第33回で善児が修善寺で亡くなりましたが、これも「終わる善児」と「終善児」に掛けたんじゃないかと、たくさんの方に言われました。告白しますが、全く考えてなかった。指摘されて初めて気づいた。そもそも善児という名前は、「梶原善さんがキャスティングされますように」という思いを込めて付けた名前ですから。そういう不思議な偶然が今回は多いんですよね。がっかりしました?

数多くの登場人物たちを手にかけ恐れられていた善児の退場には、どのようなプランを立てていたのですか。

まず第1回を書き出す前に、全体の綿密なプロットを作り、それぞれの登場人物がどのような人生を送るのかを、史実に添って考えていきます。でも細かいところまでは決めない。例えば、善児はオリジナルキャラだったから、途中で死ぬことは決めていたけど、それがどのタイミングなのかまでは、決めずに書き始めた。


善児は暗殺の仕事で2度修善寺に行きます。1度目は範頼を殺しに、2度目は頼家のとき。最初はね、1度目で行ったときに、命を助けた女の子が次に行ったらに大人になっていて、自分の養女にするという設定を、漠然と考えていた。ところがオンエアが進むにつれて、思いのほか善児が世間の注目を集めるようになってきた。絶対に人気者になる確信はあったけど、ちょっと僕の想像を上回った。「善児の名前がオープニングに出てきたら、それだけでおびえる」とか言われて。演じた梶原善も「河原で人を殺すシーンが多いので、みんなが怖がって、最近はプライベートで川に行けない」ってぼやいていた。


それで逆に、死ぬタイミングを早くしたんです。注目された分、飽きられるのも早いんじゃないかって思った。いちばん話題になっているときに退場させることにして、2度目に修善寺に行ったタイミングで死んでもらった。だからね、視聴者の皆さんが注目していなかったら、善児はもっと長生きしていたんです。
それが連続ドラマのおもしろさだと思うんですよ。第1回のオンエアの前に最終回まで書き終わっているというやり方もあるかもしれない。僕には無理だけど。でも、やっぱりテレビドラマは生き物なので、徐々にキャラクターが浸透していって、意外な人が人気になったりする。それが楽しい。そこをうまくすくい取って物語に当てはめていく。それが脚本家の醍醐だいごのような気がするんですよ。

これまでたくさんの方が退場されましたが、三谷さんの中で手応えのあった最期を教えてください。

やはり印象に残っているのは義経の最期ですね。菅田さんの芝居が見事だった。直接の死は描かなかったけど、梶原景時の予想外の涙も印象に残ってます。多分台本には泣くとは書いてなかったはず。脚本家の想像を、役者の演技が超えた瞬間でした。



それから畠山重忠。あんなに義時と殴り合うなんて思ってなかったから、映像をて驚きました。僕の指定ではないけど、いいシーンになりました。


しょせん、脚本家がパソコンの前で書いたものなんて、たかが知れているんです。僕は設計図を書いているだけ。それを現場でスタッフとキャストが肉付けしていく。そうやってドラマは完成する。殴り合いは小栗さんのアイデアだったと聞きました。よろいを着てあれはないだろうと思った歴史ファンもいたかもしれない。でもあそこは殴り合うべきなんです。本当は僕が思いつくべきだった。情けない限りです。
だからね、手応えのあったシーンというのは、だいたい僕が書いていない場面なんです。

放送をご覧になって、また、台本を書き進める中で、小栗旬さんが演じる義時の変化はどのように感じていますか。

そもそも小栗旬さんが義時を演じると決まったときに僕の頭にまずあったのは、晩年の義時の姿。いろんな悩みや苦しみを全部抱えたうえで最終的に死を迎える義時。それを演じる小栗さんのイメージが、最初から僕の頭の中にはあった。そこに向かって台本を書き進めました。若いころの義時を演じる小栗さんももちろんいいですよ。でもそれはみんなが知っている小栗さん。この先は誰も知らない、僕だけが知っている小栗さん。年老いてからの彼は本当にいい芝居をします。まだ観てないけど。多分間違いない。小栗さんはそれができる俳優さんだから。


三谷さんは以前より「女性を描くのは苦手」とお話をされていますが、今回の女性たちはどのように描こうと意識されていたのでしょうか。

昔から「女性を描くのが下手だ」と言われ続けていますね。もうトラウマです。なんで書けないんだろう。照れちゃうのかな。あと、いくさを描くのが下手ともよく言われる。これもどうすればうまくなるのか、さっぱり分からない。戦と女性は僕の鬼門です。
女性に関しては、今回はなるべくそう言われないように心がけました。とにかく女性のスタッフの意見を聞くことを心がけた。もう自分では無理だと思ったので。彼女たちに「この女性キャラはこんなことは言わない」と指摘されることもありましたし、「こういう女性はみんな嫌いだと思う」と言われて、書き直したこともあった。すごく勉強になりました。もし今回、女性の描き方が以前よりちょっとでもマシになっていたとしたら、それは彼女たちのおかげです。


政子に関してはいちばん悩みました。これまで"悪女"と言われ続けてきた人ですが、僕からすると、どこが"悪女"なのか、さっぱり分からない。別に政子を美化して描くつもりもなかったけど、普通に考えて、彼女に悪女と呼べる要素は何もない。常に妻として母として悩み、行動してきただけ。僕には権力欲の塊のような女性にはどうしても思えなかった。そう考えると、このドラマにはほかにも上昇志向の強い女性はたくさん出てくるけど、最も権力に興味のなかった政子が最後に権力の頂点に立つという、歴史の皮肉みたいなものが、浮かび上がってきました。そんな政子を小池さんがとてもチャーミングに演じてくれた。大満足です。僕はひそかに、小池さんが演じている政子が最も本物の北条政子に近いキャラなのではないかと思っているくらい。

女性でいうと、長澤まさみさんのナレーションも素晴すばらしかった。殺伐とした物語が、どれだけ彼女の声で浄化されたことか。文体を現在進行形にすることで、視聴者に寄り添う感じも強まった。僕が脚本家として、一つだけこのドラマに貢献したと自信を持って言えるのは、ナレーションを現在進行形にしたことのような気がします。いい発明だったでしょ。

執筆にあたってはさまざまな作品からインスピレーションを受けるとお話をされることがありますが、「鎌倉殿の13人」を描くにあたって参考にされた作品はどのようなものですか。

今回「鎌倉殿の13人」を描くにあたって、とにかく自分がおもしろいと思った古今東西の映画や舞台、小説を勉強し直しました。全体的には『ゴッドファーザー』。義時は、アル・パチーノが演じたマイケル・コルレオーネの親戚です。例えば佐藤浩市さん演じる上総介は、強くて怖いけど愛嬌あいきょうのある男という意味で、『アラビアのロレンス』で、アンソニー・クインが演じていた砂漠の権力者アウダ・アブ・タイの従兄弟いとこ。北条と比企一族との戦いを書いているときは、『仁義なき戦い』を参考にしていました。実は今まで観たことがなかったのですが、「あの時代は『仁義なき戦い』の世界観に似ている」とスタッフに教えてもらいました。


あとはシェイクスピア。やはり勉強になります。シェイクスピアには、おもしろい物語の要素のすべてがある。例えば、和田義盛と三代将軍・実朝。2人の関係は、『ヘンリー四世』に出てくるフォルスタッフとハル王子に重なります。三浦義村は『オセロー』に出てくるイアーゴー。頼家の苦悩は『リチャード二世』に出てくる若き王のかなしみと似ている。そして頼家の息子の公暁。彼が置かれた境遇はまさにハムレットそのものです。鎌倉時代とシェイクスピア。すごく似ています。今まで考えたことがなかったけど、新しい発見でした。皆さんもぜひ、興味があればシェイクスピアを読んでみるといいですよ。まるで鎌倉だから。



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三谷幸喜bot
⁦‪@mitanin_bot‬⁩
台本は書き終わりましたが、オンエアは十二月まで続きます。最終回はかなりの衝撃。今までこんな終わり方の大河ドラマはなかったはず。参考になったのは、アガサ・クリスティーのある作品。どうぞお楽しみに。
#鎌倉殿の13人 asahi.com/articles/DA3S1…
 
2022/09/08 19:02
 
 
https://twitter.com/mitanin_bot/status/1567815670255222784?s=21

超プレミアムトーク‬
‪https://youtu.be/rmdPOI-KeGc?t=14m‬
‪「八重と義時の関係性はウディ・アレンやビリー・ワイルダーが見え隠れする」‬

‪参考:‬
‪https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/06/05/kiji/20220604s00041000128000c.html‬
‪2022/06/05‬ 

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「鎌倉殿の13人」神回連発 三谷幸喜氏が語った海外ドラマの影響 脚本の進化と凄み キャストも「神業」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
 
 
弾正
⁦‪@naoejou‬⁩
9月8日付【三谷幸喜コラム】
鎌倉殿で三谷さんが参考にした作品

🔸全体像
 →『ゴッドファーザー』
🔸御家人たちのクーデター計画
 →『日本のいちばん長い日』岡本喜八監督
🔸頼朝死後の権力争い
 →『仁義なき戦い』
🔸北条時政一家ののんびりした空気感
 →『寺内貫太郎一家』
#鎌倉殿の13人 pic.twitter.com/VMC8X7mUsf
 
2022/09/08 17:41
 
 



秋元康の超プレミアムトーク 対談 三谷幸喜

「八重と義時の関係性はウディ・アレンやビリー・ワイルダーが見え隠れする」

「鎌倉殿の13人」神回連発 三谷幸喜氏が語った海外ドラマの影響 脚本の進化と凄み キャストも「神業」― スポニチ Sponichi Annex 芸能
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/06/05/kiji/20220604s00041000128000c.html
2022/06/05

「鎌倉殿の13人」神回連発 三谷幸喜氏が語った海外ドラマの影響 脚本の進化と凄み キャストも「神業」

 中盤に差し掛かるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)。脚本を手掛ける三谷幸喜氏(60)の筆が冴え渡っている。“坂東の巨頭”こと上総広常(佐藤浩市)が“非業の死”を遂げた第15話「足固めの儀式」(4月17日)以降、さらに“予測不能のうねり”が激化。本人やキャストの言葉から三谷脚本の“進化”と魅力を探る。 

 <※以下、ネタバレ有>

 俳優の小栗旬が主演を務める大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第16話「伝説の幕開け」(4月24日)は木曽義仲(青木崇高)、第17話「助命と宿命」は源義高(市川染五郎)、第20話「帰ってきた義経」(5月22日)は源義経(菅田将暉)、第21話「仏の眼差し」は八重(新垣結衣)と次々に主要人物が“退場”。三谷氏のキャラクター造形、演出、キャストの熱演が化学反応し、その散り際は一際の輝きを放った。

 広常の「手習いと祈願書」、義経の「堀川夜討と正妻・里(三浦透子)の告白」など、史実と創作を見事に融合。兄・頼朝の不興を解くため義経が書いたとされる詫び状「腰越状」は平宗盛(小泉孝太郎)の代筆という“新解釈”。源平合戦のクライマックス「壇ノ浦の戦い」は頼朝・義経に亀裂が入るファクターとして描き、入水伝承がある八重は頼朝との息子・千鶴丸が重なった孤児・鶴丸(佐藤遙灯)を川から助ける作劇。“三谷マジック”“神回”の連続に、歴史ファンからも唸る声が相次ぐ。

 三谷氏は5月4日に放送されたNHKラジオ第1「秋元康の超プレミアムトーク」に出演。作詞家の秋元康氏と対談した。

 【秋元氏】すっごい面白いですね。次週への引っ張りが。それは意識していますか?

 【三谷氏】ありがとうございます。「真田丸」の時から今回までの間で、何が僕の中で変わったかというと(米ドラマ)「ブレイキング・バッド」を見たっていうのが大きいですね。

 【秋元氏】そういう影響を受けているのかなと。「ブレイキング・バッド」とは思わなかったですけど。いわゆるアメリカのテレビドラマ的な「どうなるんだろう」っていうのは、すっごくうまい。

 【三谷氏】面白いんですよ、向こうのテレビドラマを見ると。

 【秋元氏】アメリカのテレビドラマって、やっぱり途中でやめられなくなるじゃないですか。

 【三谷氏】やっぱり連続ドラマだから「来週どうなるんだろう。次、早く見たい」って思わせることがとても大事。例えば「ブレイキング・バッド」とか「FARGO/ファーゴ」とか見ると、本当にやめられないじゃないですか。こういうことなんだなと思って。

 【秋元氏】でも、やっぱり三谷さんがすごいなと思うのは、「ブレイキング・バッド」にしても「FARGO/ファーゴ」にしても、オリジナルじゃないですか。オリジナルだから、どこでどういうふうに終わろうが、「この先どうなるんだろう」ってのも勝手に作れるわけじゃないですか。でも(「鎌倉殿の13人」は)史実に基づいているから、一応こうなるってことは分かった上で「来週どうなるんだろう」っていう切り方が絶妙だなと思うんですよ。

 【三谷氏】本当は歴史物で「来週どうなるんだろう」なんてことはないんですけど(笑)。みんな知っていることですからね。ただ、やっぱりどこで終わらせるとか、終わり方とかは考えますし、もっと言うと、そこから書き始めることが多いですね。

 【秋元氏】みんながこういうこと(史実)だよねって分かってるんだけども、そこに今回は、今までの作品とちょっと違うなと思うのは、歴史物だけじゃない、そこにすごいエンターテインメントが楽しめるんですよね。北条政子を中心とする女性たちがきっとこう思うんだろうなとか、たぶん見ていらっしゃる視聴者が引き込まれる、あるいは、もちろん、もともとが三谷さんは会話(劇)が面白いんだけど、そこがさらに強化されているような気がしたんですけど。

 【三谷氏】僕の今書いているパソコンですけども、テーブルには向田(邦子)さんのシナリオと、あと「仁義なき戦い」のシナリオが置いてありますから。その2つを合わせながら大河書いているのは、たぶん僕だけだろうなと思いながら(笑)。

 【秋元氏】「仁義なき戦い」の菅原文太さんや小林旭さんの決め台詞的なところは(「鎌倉殿の13人」に)感じるところありますね。いい台詞だなっていうのが。今回、特にネットがざわついていますよね。

 【三谷氏】それも、とてもありがたいなと思いますけども。「全部、大泉洋のせい」だって盛り上がっていましたからね。「首チョンパ」があんなにヒットするとは思わなかったですね(笑)。何の気なしに書いてましたけど、それで(あの時代にない言葉と)怒る人もいらっしゃったし。一応、(時代)考証の先生に読んでいただいて、割と細かいチェックを頂いて。好き放題書いているだけじゃないですから。それを通過して台詞になっているわけなんで、考証の先生にも責任はある(笑)。現代語に近い形にするってことが、割とよく言われるのが「それで笑わせようとしている」とか「見やすくなっている」みたいな、いい点であるとか悪い点であるとか言われますけども、それもあるんですけど、それが目的ではなくて、本当は今僕らが使っている言葉と同じ言葉を彼ら(登場人物)が使うことによって「あの時代は今の時代とつながっているんだ」っていうことを実感してもらえると「よりドラマが楽しくなる」「歴史が身近になる」から、そういう言葉を使っているっていうのはあるんですけども。

 三谷氏が挙げた「ブレイキング・バッド」は08~13年に5シーズン(全62話)にわたって放送された米ドラマ。余命2年と宣告された50歳の高校教師が家族のために挑む危険な副業。それは麻薬の精製だった…。13~14年とテレビ界のアカデミー賞「エミー賞」の作品賞(ドラマ部門)に輝いた。

 「真田丸」から“進化”を遂げた三谷脚本。その一端として、海外ドラマ、ホームドラマの名手・向田邦子氏、「仁義なき戦い」の影響を自ら明かした。

 キャストも口々に三谷脚本の魅力を語る。

 放送スタート前、合同インタビューに応じた小栗。初体験の三谷時代劇に「今まで大河ドラマや時代劇には『ちょっと、という言葉は絶対に口にしてはいけない』と思って参加してきましたが、今回の三谷さんの脚本には出てくるので『言っていいんだ』と新鮮な感じはありました。自分の『ちょっと待ってください』や、頼朝を演じる大泉(洋)さんの『ちょ、ちょ、ちょっと、いいかな』だったり。大泉さんも『まさか、こんな台詞を大河で言うとは思わなかった』みたいなことは仰っていましたね」と明かし「その時代の言葉があるので、時代劇はアドリブを挟みにくいんですが、今回はその縛りが強くない分、面白くなったシーンもあると思います。特に序盤は、北条家のホームドラマ。視聴者の皆さんには、三谷さんのユーモアを楽しんでいただければ」と呼び掛けた。

 序盤、八重の夫・江間次郎役を好演した名バイプレーヤー・芹澤興人は三谷作品初参加。「序盤ということもあるかと思いますが、物語を前に進める推進力がとにかく凄いと思いました。これだけたくさんの登場人物がいて、それぞれの人生を描きながら、エンターテインメント性も入れてきていますし、それぞれが最短距離で最高到達点まで行く――という印象です。神業に近いと思います」と感嘆した。

 「読む分にはとても楽しいのですが、芝居も最短距離で最高到達点まで行ってくれ、ということなので、いざ自分が芝居をするとなると、相当な技術なのか人間力なのか、武器になる“何か”が必要だなと感じました。出演している役者さんたちは皆さん、それぞれの何かを持って挑んでいるので、見ていてとても勉強になります」

 第10話(3月13日)と第11話(3月20日)のみながら、頼朝の異母弟・義円役で存在感を発揮した成河(そんは)。舞台を中心に活躍し、演出も手掛ける実力派も、意外や三谷脚本は初体験。三谷氏主宰の劇団「東京サンシャインボーイズ」(1983~94年、現在は充電期間中)もビデオで見るなど「ただただファンだったので、うれしかったです」と喜び、こう実感した。

 「演劇って、ややもすれば自分とは遠い世界の出来事に見えることもあるじゃないですか。翻訳物だったり。そういう中で、三谷さんは何が凄いかと言えば、いつも“隣の人”を描いていると思うんです。演じる側も、見る側も“登場人物のこの感覚って、分かるよね”と。例えば、一見自分とかけ離れた政治の世界でも、三谷さんの作品になると、グッと身近に感じられますよね。どんな題材でも、そのダイナミズムは意地でも手放さない。そして、それは決して簡単なことじゃないですから、本当にリスペクトしています」

 「今回も800年以上前の話。格式も時代劇の美しさの一つだと思いますが、三谷さんは800年以上前だろうが、何だろうが“それって隣の人と一緒だよね”“現代の人と同じ嫉妬だよね”という描き方。本当に凄いと思いますし、今回、そこに呼んでいただけたことは何より光栄です。実際に演じてみると、取り繕う必要が何もない、しゃべりやすい台詞なんです。もちろん、所作の先生に教わった時代劇のベースを実践した上で、三谷さんが書かれた台詞をどういうふうに口にしていくか。日本語というのはとても難しくて、どういうしゃべり方をするかが、身体の動きに結び付いてしまいます。三谷さんの言葉は本当に会話がしやすくて、演者の感性も開かれていくと思いました。演じていて、とても楽しかったです」

 成河からも飛び出したキーワードは「身近」。練りに練られた台詞と作劇が、見る者を約800年前への“共感”に誘(いざな)う。

「鎌倉殿の13人」神回連発 三谷幸喜氏が語った海外ドラマの影響 脚本の進化と凄み キャストも「神業」

 中盤に差し掛かるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)。脚本を手掛ける三谷幸喜氏(60)の筆が冴え渡っている。"坂東の巨頭"こと上総広常佐藤浩市)が"非業の死"を遂げた第15話「足固めの儀式」(4月17日)以降、さらに"予測不能のうねり"が激化。本人やキャストの言葉から三谷脚本の"進化"と魅力を探る。 

 <※以下、ネタバレ有> 

 俳優の小栗旬が主演を務める大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。 

 第16話「伝説の幕開け」(4月24日)は木曽義仲(青木崇高)、第17話「助命と宿命」は源義高(市川染五郎)、第20話「帰ってきた義経」(5月22日)は源義経(菅田将暉)、第21話「仏の眼差し」は八重(新垣結衣)と次々に主要人物が"退場"。三谷氏のキャラクター造形、演出、キャストの熱演が化学反応し、その散り際は一際の輝きを放った。

  広常の「手習いと祈願書」、義経の「堀川夜討と正妻・里(三浦透子)の告白」など、史実と創作を見事に融合。兄・頼朝の不興を解くため義経が書いたとされる詫び状「腰越状」は平宗盛(小泉孝太郎)の代筆という"新解釈"。源平合戦のクライマックス「壇ノ浦の戦い」は頼朝・義経に亀裂が入るファクターとして描き、入水伝承がある八重は頼朝との息子・千鶴丸が重なった孤児・鶴丸(佐藤遙灯)を川から助ける作劇。"三谷マジック""神回"の連続に、歴史ファンからも唸る声が相次ぐ。 

 三谷氏は5月4日に放送されたNHKラジオ第1「秋元康の超プレミアムトーク」に出演。作詞家の秋元康氏と対談した。 

 【秋元氏】すっごい面白いですね。次週への引っ張りが。それは意識していますか? 

 【三谷氏】ありがとうございます。「真田丸」の時から今回までの間で、何が僕の中で変わったかというと(米ドラマ)「ブレイキング・バッド」を見たっていうのが大きいですね。 

 【秋元氏】そういう影響を受けているのかなと。「ブレイキング・バッド」とは思わなかったですけど。いわゆるアメリカのテレビドラマ的な「どうなるんだろう」っていうのは、すっごくうまい。 

 【三谷氏】面白いんですよ、向こうのテレビドラマを見ると。 

 【秋元氏】アメリカのテレビドラマって、やっぱり途中でやめられなくなるじゃないですか。 

 【三谷氏】やっぱり連続ドラマだから「来週どうなるんだろう。次、早く見たい」って思わせることがとても大事。例えば「ブレイキング・バッド」とか「FARGO/ファーゴ」とか見ると、本当にやめられないじゃないですか。こういうことなんだなと思って。 

 【秋元氏】でも、やっぱり三谷さんがすごいなと思うのは、「ブレイキング・バッド」にしても「FARGO/ファーゴ」にしても、オリジナルじゃないですか。オリジナルだから、どこでどういうふうに終わろうが、「この先どうなるんだろう」ってのも勝手に作れるわけじゃないですか。でも(「鎌倉殿の13人」は)史実に基づいているから、一応こうなるってことは分かった上で「来週どうなるんだろう」っていう切り方が絶妙だなと思うんですよ。 

 【三谷氏】本当は歴史物で「来週どうなるんだろう」なんてことはないんですけど(笑)。みんな知っていることですからね。ただ、やっぱりどこで終わらせるとか、終わり方とかは考えますし、もっと言うと、そこから書き始めることが多いですね。 

 【秋元氏】みんながこういうこと(史実)だよねって分かってるんだけども、そこに今回は、今までの作品とちょっと違うなと思うのは、歴史物だけじゃない、そこにすごいエンターテインメントが楽しめるんですよね。北条政子を中心とする女性たちがきっとこう思うんだろうなとか、たぶん見ていらっしゃる視聴者が引き込まれる、あるいは、もちろん、もともとが三谷さんは会話(劇)が面白いんだけど、そこがさらに強化されているような気がしたんですけど。 

 【三谷氏】僕の今書いているパソコンですけども、テーブルには向田(邦子)さんのシナリオと、あと「仁義なき戦い」のシナリオが置いてありますから。その2つを合わせながら大河書いているのは、たぶん僕だけだろうなと思いながら(笑)。 

 【秋元氏】「仁義なき戦い」の菅原文太さんや小林旭さんの決め台詞的なところは(「鎌倉殿の13人」に)感じるところありますね。いい台詞だなっていうのが。今回、特にネットがざわついていますよね。 

 【三谷氏】それも、とてもありがたいなと思いますけども。「全部、大泉洋のせい」だって盛り上がっていましたからね。「首チョンパ」があんなにヒットするとは思わなかったですね(笑)。何の気なしに書いてましたけど、それで(あの時代にない言葉と)怒る人もいらっしゃったし。一応、(時代)考証の先生に読んでいただいて、割と細かいチェックを頂いて。好き放題書いているだけじゃないですから。それを通過して台詞になっているわけなんで、考証の先生にも責任はある(笑)。現代語に近い形にするってことが、割とよく言われるのが「それで笑わせようとしている」とか「見やすくなっている」みたいな、いい点であるとか悪い点であるとか言われますけども、それもあるんですけど、それが目的ではなくて、本当は今僕らが使っている言葉と同じ言葉を彼ら(登場人物)が使うことによって「あの時代は今の時代とつながっているんだ」っていうことを実感してもらえると「よりドラマが楽しくなる」「歴史が身近になる」から、そういう言葉を使っているっていうのはあるんですけども。

  三谷氏が挙げた「ブレイキング・バッド」は08~13年に5シーズン(全62話)にわたって放送された米ドラマ。余命2年と宣告された50歳の高校教師が家族のために挑む危険な副業。それは麻薬の精製だった…。13~14年とテレビ界のアカデミー賞「エミー賞」の作品賞(ドラマ部門)に輝いた。

  「真田丸」から"進化"を遂げた三谷脚本。その一端として、海外ドラマ、ホームドラマの名手・向田邦子氏、「仁義なき戦い」の影響を自ら明かした。

  キャストも口々に三谷脚本の魅力を語る。  放送スタート前、合同インタビューに応じた小栗。初体験の三谷時代劇に「今まで大河ドラマや時代劇には『ちょっと、という言葉は絶対に口にしてはいけない』と思って参加してきましたが、今回の三谷さんの脚本には出てくるので『言っていいんだ』と新鮮な感じはありました。自分の『ちょっと待ってください』や、頼朝を演じる大泉(洋)さんの『ちょ、ちょ、ちょっと、いいかな』だったり。大泉さんも『まさか、こんな台詞を大河で言うとは思わなかった』みたいなことは仰っていましたね」と明かし「その時代の言葉があるので、時代劇はアドリブを挟みにくいんですが、今回はその縛りが強くない分、面白くなったシーンもあると思います。特に序盤は、北条家のホームドラマ。視聴者の皆さんには、三谷さんのユーモアを楽しんでいただければ」と呼び掛けた。   

  序盤、八重の夫・江間次郎役を好演した名バイプレーヤー・芹澤興人は三谷作品初参加。「序盤ということもあるかと思いますが、物語を前に進める推進力がとにかく凄いと思いました。これだけたくさんの登場人物がいて、それぞれの人生を描きながら、エンターテインメント性も入れてきていますし、それぞれが最短距離で最高到達点まで行く――という印象です。神業に近いと思います」と感嘆した。  「読む分にはとても楽しいのですが、芝居も最短距離で最高到達点まで行ってくれ、ということなので、いざ自分が芝居をするとなると、相当な技術なのか人間力なのか、武器になる"何か"が必要だなと感じました。出演している役者さんたちは皆さん、それぞれの何かを持って挑んでいるので、見ていてとても勉強になります」

  第10話(3月13日)と第11話(3月20日)のみながら、頼朝の異母弟・義円役で存在感を発揮した成河(そんは)。舞台を中心に活躍し、演出も手掛ける実力派も、意外や三谷脚本は初体験。三谷氏主宰の劇団「東京サンシャインボーイズ」(1983~94年、現在は充電期間中)もビデオで見るなど「ただただファンだったので、うれしかったです」と喜び、こう実感した。 

 「演劇って、ややもすれば自分とは遠い世界の出来事に見えることもあるじゃないですか。翻訳物だったり。そういう中で、三谷さんは何が凄いかと言えば、いつも"隣の人"を描いていると思うんです。演じる側も、見る側も"登場人物のこの感覚って、分かるよね"と。例えば、一見自分とかけ離れた政治の世界でも、三谷さんの作品になると、グッと身近に感じられますよね。どんな題材でも、そのダイナミズムは意地でも手放さない。そして、それは決して簡単なことじゃないですから、本当にリスペクトしています」  「今回も800年以上前の話。格式も時代劇の美しさの一つだと思いますが、三谷さんは800年以上前だろうが、何だろうが"それって隣の人と一緒だよね""現代の人と同じ嫉妬だよね"という描き方。本当に凄いと思いますし、今回、そこに呼んでいただけたことは何より光栄です。実際に演じてみると、取り繕う必要が何もない、しゃべりやすい台詞なんです。もちろん、所作の先生に教わった時代劇のベースを実践した上で、三谷さんが書かれた台詞をどういうふうに口にしていくか。日本語というのはとても難しくて、どういうしゃべり方をするかが、身体の動きに結び付いてしまいます。三谷さんの言葉は本当に会話がしやすくて、演者の感性も開かれていくと思いました。演じていて、とても楽しかったです」 

 成河からも飛び出したキーワードは「身近」。練りに練られた台詞と作劇が、見る者を約800年前への"共感"に誘(いざな)う。

2 件のコメント:




  1. みよこ
    ⁦‪@syakuyaku6‬⁩


    鎌倉殿最終回クリスティー作品予想
    ・「そして誰もいなくなった」
    ・「オリエント急行殺人事件」
    ・「アクロイド殺し」
    ・「春にして君を離れ」
    ・「カーテン」
    あがってたのはこの辺りかな。私は史実からの考察とかじゃなく、このドラマの雰囲気に合う、オリエント展開だったら興奮する!と思っただけ

    2022/10/09 21:07


    https://twitter.com/syakuyaku6/status/1579081154002833408?s=61&t=D4aSBvMRI6-H9uE2iTyY0w

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  2. ムーミンパパ
    時政
    ミイ
    美衣

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