2022年10月7日金曜日

スマホ・タブレットアプリ [みを:AIくずし字認識アプリ] | 受賞対象一覧 | Good Design Award

スマホ・タブレットアプリ [みを:AIくずし字認識アプリ] | 受賞対象一覧 | Good Design Award

GOOD DESIGN AWARD

2022

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

「みを」は最新のAIくずし字認識技術を活用したスマホ・タブレット向けアプリです。カメラで資料を撮影し、ボタンを押せば、AIが数秒でくずし字を現代文字に変換してくれます。市民や専門家がくずし字資料をいつでもどこでも読み、学べるよう、重要な機能を選んでデザインしました。

デザインのポイント
1.最新のAI技術とスマホを組み合わせ、1000年以上に及ぶ日本のくずし字文化に親しみやすくした
2.カメラ撮影画像の上にくずし字と現代文字を並べて表示することで、資料の内容を素早く確認できるようにした
3.AIくずし字認識結果を修正する機能により、人間がくずし字から学びつつ、新たなデータを作れるようにした
プロデューサー

ROIS-DS CODH 北本朝展

ディレクター

ROIS-DS CODH 北本朝展/Google Research カラーヌワット・タリン

デザイナー

Google Research カラーヌワット・タリン

カラーヌワット・タリン

詳細情報

http://codh.rois.ac.jp/miwo/

利用開始
2021年8月30日
価格

0円 (無料)

販売地域

国内・海外共通仕様

受賞対象の詳細

背景

AIによるくずし字認識技術は最近数年間に研究としては大きく進展しましたが、最新技術をいつでもどこでも使えるようにするには、スマホやタブレットのアプリを実現する必要がありました。そこで、源氏物語のくずし字資料を10年以上読んできた研究者がデザイナーとなり、くずし字に関する長年の経験を踏まえて、一般市民だけでなく専門家にも便利な、世界初のAIくずし字認識アプリをデザインしました。くずし字をきちんと読める人は日本全体で1万人程度と言われますが、日本で大切に保存されてきた過去のくずし字資料は数億点にも達するため、大量の資料を読み解くにはAIの助けが不可欠です。人々の身近にあるスマホを用いて過去の資料に光を当てることができれば、地域の歴史の再発見だけでなく、観光や教育などにも大きな効果を及ぼすことが期待できます。AIによる社会課題解決のデザインとして、「みを」はユニークな例を示していると言えます。

経緯とその成果

アプリの長期的な目標は、人間がくずし字を読む作業をAIが支援することで、人間がくずし字を学び、古典を楽しむ世界を実現したいというものです。逆に言えば、AIによってくずし字認識を自動化することが目的ではありません。そこで、AIの認識結果に誤りが含まれることを前提に、人間がくずし字データベースを参照して正解を検討したり、人間が認識結果を修正してデータを保存したりできる機能を追加しました。またくずし字資料に関心を持つ人々の中には、テクノロジーにあまり慣れていない人々も多いと予想されたことから、マニュアルを読まなくてもアプリが使えるよう、できるだけシンプルなユーザインタフェースとしました。その結果、アプリ公開から9カ月で50万枚以上の画像の認識を完了しました。大学生のくずし字学習や、古書店や学芸員の資料確認、一般市民による地域資料調査など、今やアプリは様々な目的に使われています。

仕様

利用者:くずし字資料に興味がある市民、くずし字資料を日常的に扱う専門家など。動作環境:iOS、Android(スマホ・タブレットの両方に対応)

どこで購入できるか、
どこで見られるか

App StoreとGoogle Play
App Store:「みを」アプリ
Google Play:「みを」アプリ

審査委員の評価

AIによるくずし字認識技術の進展を捉え、誰もその技術の恩恵を受けられるように直感的に利用できるアプリとして実装している。くずし文字や古典を楽しむ層はニッチかもしれないが、ニッチであることからこそAIの活用は効果的であろう。本サービスの活用によりより古典を楽しむ層が広がることや、地域の歴史の再発見等につながることが期待される。

担当審査委員| 内田 友紀   井上 裕太   緒方 壽人   水野 祐  

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