Robin Dunbar - How Many Friends Does One Person Need?
2010
Robin Dunbar on Evolution
2014
人類進化の謎を解き明かす ロビン・ダンバー Human Evolution Robin Dunbar 2014
https://freeassociations2020.blogspot.com/2022/10/2016620-httpswww.html @
https://www.blogger.com/blog/post/edit/102781832752441205/2030325520830475527
https://www.amazon.co.jp/dp/4772695516/
ヒトの心や社会ネットワークはいかに進化したか?
私たちはいかにして「人間」になったのか、
心や社会ネットワークはどのように進化したのか――
謎を解く鍵は、「社会脳」と「時間収支(1日の時間のやりくり)」にある。
この新たなアプローチによって、類人猿から現生人類まで、
進化のステージが初めて統合される。
・人類進化の鍵は、「社会脳」と「時間収支」が握っていた。
・人類の脳の増大についての通説は間違っている。
・ネアンデルタール人の絶滅は、脳と緯度の関係に注目せよ。
・なぜ言語や音楽が生まれたのか。
・肉食や料理は、進化とどうかかわるか。
・ヒトは本来、単婚なのか、多婚なのか。
・複雑なヒトの社会やネットワークはいかに生まれたか。
・「死後の世界」と宗教の役割
・・ダンバー数(気のおけない仲間の数は150人)で知られる著者による
驚きの知見満載の最新作!
圧倒的な面白さだ
ーー瀬名秀明『週刊ダイヤモンド』
運命を分けた集団形成の差
ーー柄谷行人『朝日新聞』
::著者:: ロビン・ダンバー
オックスフォード大学の進化心理学教授。
ダンバー数や社会脳仮説の提唱者として知られる。
邦訳書は『友達の数は何人?:ダンバー数とつながりの進化心理学』、
『ことばの起源』、『科学がきらわれる理由』。
::訳者:: 鍛原多惠子
翻訳家。訳書は、エリザベス・コルバート『6度目の大絶滅』、
マイケル・コーバリス『意識と無意識のあいだ』、マット・リドレー『繁栄』など多数。
::目次::
第1章: 人類とはなにか、いかに誕生したのか
第2章: なにが霊長類の社会の絆を支えたか
第3章: 社会脳仮説と時間収支モデル
第4章: アウストラロピテクス――時間収支の危機をどう解決したか
第5章: 初期ホモ属――脳の増大をもたらした要因
第6章: 旧人――料理と音楽、眼と脳
第7章: 現生人類――なぜ繁栄することができたのか
第8章: 血縁、言語、文化はいかにつくられたか
第9章: 新石器時代以降――私たちが「人間」になった理由
::絶賛::
心のはたらきについて素晴らしく力強く説明してくれる。必読!
――『ニューサイエンティスト』
「人類進化の謎を解き明かす」書評 運命を分けた集団形成の差
評者: 柄谷行人 / 朝⽇新聞掲載:2016年08月21日
ISBN: 9784772695510
発売⽇: 2016/06/20
サイズ: 20cm/337p
私たちはいかにして「人間」になったのか、心や社会ネットワークはどのように進化したのか。「社会脳」と「時間収支(1日の時間のやりくり)」を鍵に、人類進化の謎を解き明かす。【…
人類進化の謎を解き明かす [著]ロビン・ダンバー
気のおけない、互恵的な集団は、150人が限度である。この数は狩猟採集段階の共同体(クラン)から、新石器時代以後の村落、軍隊、地域教会、政治組織にいたるまで共通している。それがヒトの社会の基礎単位であるようで、ダンバー数として知られている。それを提唱したダンバーが、より全面的に人類進化の謎に迫ろうとしたのが、本書である。
これまで考古学は、類人猿以来の進化の段階を、いわば「骨と石」に頼ってきた。それでは、認知的側面(心)や社会的側面における進化を見ることができない。ダンバーが提起したのは、二つの仮説である。第一に、「社会脳」の仮説。それは、社会の規模が大きく社会的行動が複雑になると、脳(新皮質)の容量が増大するということである。逆に、その容量から、集団の規模や認知能力を推測することができる。ダンバー数も、それらの相関性から見いだされたものだ。第二に、「時間収支」の仮説。一日の生活は、「摂食・移動・休息」、そして、集団(の絆)を維持するための「社交」からなる。それらのための時間をどう配分するかが、時間収支である。
特に重要なのは、社交のための時間である。類人猿の段階では、それは毛づくろい(グルーミング)であった。それが脳内物質エンドルフィンをもたらす。人類において、毛づくろいに代わるものとして、集団における、笑い、歌、踊り、さらに、言語が生まれた。たとえば、摂食のための移動・労働などに時間をとられるようになると、社交のための時間が不足する。すると、集団が崩壊してしまう。また、集団の規模が大きくなっても、同じことになる。集団を広げつつそれを維持するためには、社交を集約し効率化しなければならない。それを果たすのが、祭式であり、また宗教である。
言語・祭式・宗教などの起源については諸説ある。それを、このように「社会脳」と「時間収支」を組み合わせて見るのが、本書の新しい点である。もう一つ新しい点は、ネアンデルタール人が絶滅し現生人類が繁栄したのはなぜかという問題にかかわる。これも諸説あるが、著者によれば、ネアンデルタール人は、日差しの弱い高緯度地帯(ヨーロッパ)で暮らしていたため、視覚系(後頭葉)を発展させねばならなかった。そのため、言語機能にかかわる前頭葉は大きくならなかった。一方、後から来た現生人類は、日差しの強いアフリカで前頭葉を発達させてから、高緯度地帯に進出した。その結果生じた認知能力および集団形成の差が、両者の運命を分けたというのである。
◇
Robin Dunbar 47年、英国生まれ。オックスフォード大学教授(進化心理学)。ダンバー数、社会脳仮説の提唱者で、著書に『友達の数は何人?』『ことばの起源』『科学がきらわれる理由』など。
ロビン・ダンバー 「人類進化の謎を解き明かす」
原題は「Human Evolution」なので,邦題は盛りすぎだと思うが,人類進化について今まで読んだこともないアプローチで迫り,読み応えは充分。一昔前まで,化石や遺物を掘り出してあれこれ議論するか,ゴリラやチンパンジーの群れを観察して初期人類の挙動を推察するしか方法がなかった。最近になりDNA解析の手法が取り入れられ,現代人の遺伝子を解析することでホモ・サピエンスの移動についての手かがりや,日本人など「民族」の起源に迫れるようになった。更に,保存がよいネアンデルタール人の化石からDNAを抽出するという驚くべき方法が開発され,黒人以外のホモ・サピエンスにネアンデルタール人のDNAが入っている事が分かった。
これらの手法による研究は成り立ちを解明する手がかりとなることは確かだし,火の使用跡や洞窟壁画などの岩絵から文化に対するある程度の研究はできる。しかし,初期人類の生活がどのようなものであったかや,直立歩行・言葉の使用・火の使用などが進化にどのような影響を与えたか(なぜ直立歩行をし,言葉をしゃべり,火を使うようになったか)については想像の域を出ない。著者のアプローチのユニークさは,こういった証拠が残らずはっきりしない疑問に対して,「社会脳仮説」と「時間収支説」を駆使することで,合理的な説明を与えることである。
まず「社会脳仮説」では,類人猿や人類の脳と社会を分析し,「社会の複雑さや規模は大脳新皮質の容積に比例する」という仮説を出した。これによれば,人類が仲間を維持できる上限は150人と言うことになる(ダンバー数)。
もうひとつの「時間収支説」は,一日に使える時間は24時間と限られているから,それをどのように「摂食・移動・休息・社交」の作業に割り振れるかを計算する方程式を考案し,類人猿,初期人類(アウストラロピテクスなど),ネアンデルタール,現生人類の場合を算出したことである。
例えば,初期人類の数値を計算すると,4つの作業の合計が2時間になったとする。直立に作歩行により移動のスピードが速くなり,移動の時間が2時間少なくなれば,時間の収支があうようになる。同様に肉食や火を使った調理で摂食の時間が節約できれば,社交に当てる時間が増やせる。それは更に狩りを効率化させ摂食時間を減らせるなどに繋がる。このように,人類史上の「大発明」あるいは「大改革」がなぜ起こったか,必要だったかを時間収支の観点から読み解いていく。ネアンデルタール人に対してホモサピエンスが勝利をあさめた理由についても,解析していく。この過程が本書の一番の読み所である。「収支」という合理的な判断基準を取り入れたため,進化の過程が極めて合目的的に説明される。そのような明快さを好むかどうか,意見が分かれるところだとは思うが。
もちろん,全ての基礎は彼らが導いた方程式の正しさによる。詳細は説明されないが,おそらく,学会では様々に議論されているのだろう。素人である読者にその導出過程や議論を説明されても,煩雑で理解できないだろう。ここではダンバーの方程式を認めて,彼らが進化を説明する切り口の鮮やかさに浸るのが良いだろう。難しいことは専門家に任せて。
社会の成り立ちや,男女の子育て分担,収支の観点から読み解く面白い話がたくさん出てくる。現生人類の子どもを育てるのに,もし大人が二人必要ならそれは妻と夫ではなく,妻とそのお母さん(子どもから見たときの祖母)であるという話は,男は(夫は)子育てに必要ない(関わらなくて良い)という話で,フェミニストが読んだらカンカンに怒ることだろう。しかし,これはあくまで人類が動物として社会を合理的に運営するならば,という話であり,現代の社会はその上に「文明」がすっぽり被さっている。文明の文脈で子育てをどう捕らえていくかは,例え収支的マイナスであろうとも,取り決め事項であれば,それでよい。人間は合理的な判断のみで生きている動物ではないからだ。
https://www.amazon.co.jp/dp/B09LH73QTN/
2021
0ooo
ベスト1000レビュアー
5つ星のうち5.0 進化心理学から見た人とのつながりの重要性2022年2月9日に日本でレビュー済み
『動物園の飼育係にホモ・サピエンスに適した檻を作ってくれと頼んだら、考慮に入れるべき事項のトップに「群居せざるをえない」ことを挙げるだろう
砂漠にペンギンを住まわせることができないのと同じで、我々人類を孤立して住まわせることはできないのだ。』
細かいニュアンスは異なるかもしれないが、上記のような一文をかつてどこかで読んだことがある。
本書は、"群居せざるを得ない" 種たる我々人類にとって最も重要な問題、「他者との関係性」について、進化心理学、脳科学、人類学などさまざまな分野の視点から掘り下げた一冊。
膨大な調査や実験から得られたエピデンスを基に、友だちをはじめ家族、恋人同士など、人間関係のさまざまな側面が縦横無尽に論じられている。
ヒトが社会的なつながりを求める遺伝的傾向や、それが失われているときに感じる社会的な痛みを感じる傾向が、いかに我々の内奥に刻み付けられているのか、本書を読み進めればよくわかる。
『孤立して生きることのできない種』たる我々人類必読の書。
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吉田形
5つ星のうち5.0 人とつながり社会をつくる人間という動物についての調査研究の集大成2022年2月8日に日本でレビュー済み
「1人が持てる友人の数の限界は150人」
ダンバー数として知られる説の提唱者である、心理学者・動物学者・進化生物学者のロビン・ダンバーの2021年の本。
ダンバー数に加えて、これまでに発表した次の3つのアイデアがベース。
1. 社会集団の規模は脳の大きさに制約される「社会脳仮説」
2. 霊長類の社会的な絆つくりとしての「毛づくろいの重要性」
3. 毛づくろいの制約を超え集団規模を拡大した「ゴシップによる言語進化論」
タイトルは「友だち」だが実態はコミュニティであり、その中に家族・親友・恋人・夫婦など自分が交流する人間関係の全てが含まれ、人間の社会性についての根源的な洞察となっている。
「私たちの生物としての認知能力と時間的制約が、社会ネットワークのサイズと構造を制限している」「デジタルメディアで新しい人間関係をつくったり、古い人間関係を修復することはできない」という知見が、コロナ感染症とデジタル技術の広がりの中で重い。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%93%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC
ロビン・ダンバー
人物情報 | |
---|---|
生誕 | 1947年6月27日 イギリス リバプール |
出身校 | モードリン・カレッジ |
学問 | |
研究分野 | 人類学・進化生物学 |
研究機関 | リバプール大学・オックスフォード大学 |
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ロビン・イアン・マクドナルド・ダンバー(Robin Ian MacDonald Dunbar 1947年6月28日 - )[1][2]はイギリスの人類学者、進化生物学者。
経歴
1947年、エンジニアの息子としてリバプールで生まれた。ノーサンプトンシャーで育ち、オックスフォード大学モードリン・カレッジに入学した。そこでニコ・ティンバーゲン、リチャード・ドーキンスらに学んだ。卒業後は2年間をフリーのサイエンスライターとして過ごした[2]。
1977年から1982年までブリストル大学、ケンブリッジ大学に所属[3]。1987年から1994年までユニバーシティ・カレッジ・ロンドンにおり、1994年に進化心理学の教授としてリバプール大学へ移った。2007年にリバプールを離れ、オックスフォード大学の認知・進化人類学研究所の所長に就任した[4][1]。1989年から1993年までイギリス霊長類学会の会長を務めた。
研究内容・業績
- ダンバーは英国学士院の「ルーシーから言語まで」プロジェクトの責任者を務めている。彼が執筆したか共同執筆した論文のうちいくつかはデジタル化され、リバプール大学の進化心理学・行動生態学リサーチグループから入手可能である。
- 専門は霊長類の行動。彼はダンバー数の定式化でよく知られている。人間にとって、平均約150人(100-230人)が「それぞれと安定した関係を維持できる個体数の認知的上限」であると述べている[5]。
受賞・栄典
- 1998年 英国学士院会員[2]
- 1994年 心理学アド・ホミネム教授、リバプール大学[6]
脚注
- ^ a b “British Academy Fellows Archive”. The British Academy. 2008年2月2日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2007年12月2日閲覧。none
- ^ a b c “Professor Robin Dunbar FBA”. humanism.org. 2007年12月2日閲覧。none
- “Dominance and reproductive success among female gelada baboons” (1977年3月24日). 2007年12月3日閲覧。none
- “Prof. Robin Dunbar FBA”. liv.ac.uk. 2007年12月2日閲覧。none
- Malcom Gladwell (2007年6月17日). “Dunbar’s Number”. scottweisbrod. 2008年2月2日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2007年12月2日閲覧。none
- “Faculty of Science”. liv.ac.uk. 2007年12月2日閲覧。none
主な出版物
- Dunbar. 1984. Reproductive Decisions: An Economic Analysis of Gelada Baboon Social Strategies. Princeton University Press ISBN 0691083606
- Dunbar. 1988. Primate Social Systems. Chapman Hall and Yale University Press ISBN 0801420873
- Dunbar. 1996. The Trouble with Science. Harvard University Press. ISBN 0674910192 邦訳『科学がきらわれる理由』 松浦俊輔訳、青土社、1997年
- Dunbar (ed.). 1995. Human Reproductive Decisions. Macmillan ISBN 0333620518
- Dunbar. 1997. Grooming, Gossip and the Evolution of Language'. Harvard University Press. ISBN 0674363345 邦訳『ことばの起源』 松浦俊輔・服部清美訳、青土社、1998年
- Runciman, Maynard Smith, & Dunbar (eds.). 1997. Evolution of Culture and Language in Primates and Humans. Oxford University Press.
- Dunbar, Knight, & Power (eds.). 1999. The Evolution of Culture. Edinburgh University Press ISBN 0813527309
- Dunbar & Barrett. 2000. Cousins. BBC Worldwide: London ISBN 0789471558
- Cowlishaw & Dunbar. 2000. Primate Conservation Biology. University of Chicago Press ISBN 0226116360
- Barrett, Dunbar & Lycett. 2002. Human Evolutionary Psychology. London: Palgrave ISBN 069109621X
- Dunbar, Barrett & Lycett. 2005. Evolutionary Psychology, a Beginner's Guide. Oxford: One World Books ISBN 1851683569
- Dunbar. 2004. The Human Story. London: Faber and Faber ISBN 0571191339
- Dunbar. 2010. How Many Friends Does One Person Need?. London: Faber and Faber ISBN 0571253423 邦訳『友達の数は何人?』(藤井留美 訳)インターシフト、2011年. ISBN 9784772695244.
外部リンク
- Research profile at the Evolutionary Psychology and Behavioural Ecology Research Group, University of Liverpool.
- Publications list for the Evolutionary Psychology and Behavioural Ecology Research Group.
- "The Social Brain Hypothesis" by Dunbar (1998).
- The Human Behaviour and Evolution Society
- 上柿崇英「ゴシップこそ社会的インタラクションの活力」(" Grooming, Gossip, and the Evolution of Language"書評)
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