横浜国大、ねじったり伸ばしたりできる柔軟なリチウムイオン電池を開発
横浜国立大学(横浜国大)は10月3日、液体金属による伸縮可能なガスバリアフィルムを実現し、それをバッテリーのパッケージに用いることによって、大気中で動作可能な、伸びる(ストレッチャブル)リチウムイオン電池(LIB)を実現したことを発表した。
同成果は、横浜国大大学院 工学研究院のNyamjargal Ochirkhuyag大学院生、太田裕貴准教授、同・上野和英准教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、米国化学学会が刊行する材料と界面プロセスを扱う学術誌「ACS Applied Materials & Interfaces」に掲載された。
現在、次世代のウェアラブルデバイスを支える基盤技術となるとして、シリコーンゴムやポリウレタンゴムを用いた「ストレッチャブル・エレクトロニクス」が期待されている。しかし、デバイス化、システム化において、硬く大きな固体のバッテリーが必要で、デバイス全体の伸縮性を損なうという課題がある。
また、高出力が可能なストレッチャブルLIBも登場してきたが、そのままでは大気中で使用できないという、社会実装をする上での課題もあるという。その理由は、外装材にゴム材料を用いているため、酸素ガスと水分を透過してしまい、LIBを短時間で劣化させてしまい、通常のゴム材料をパッケージングに用いたストレッチャブルLIBの場合、大気中だとバッテリーの電圧が2時間以内に低下してしまうという。
そこで研究チームは今回、液体金属をパッケージング材料として用いることでこの課題を解決し、大気中で使用できるストレッチャブルLIBを開発することにしたとする。
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