戦国時代の"幻の仏像"ネットオークションで発見 時代を超え大分市の寺に帰還
大分市内の寺におよそ500年前に安置され、その後所在がわからなくなっていた「幻の仏像」がいくつもの時代を超えてこの度、戻ってきました。
(糸永記者)「こちらが奇跡的に戻ってきた仏像です。およそ500年前に作られたとは思えないほど状態がよく、不思議なご縁が感じられます」
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大分市にある神護寺(じんごじ)。3月4日から本堂に安置されているのは、鎧をまとった武将の仏像です。
(宝剣山神護寺・宝珠典隆住職)「私たちも私の先代も先々代も存在を知らなかった」
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仏像は薬師如来(やくしにょらい)を守る十二神将(しんしょう)の1つ、「迷企羅(めきら)大将」。今から474年前の戦国時代にこちらの寺に安置されたとされていますが、少なくとも100年以上前には行方がわからなくなり、存在すら忘れられていました。
(宝剣山神護寺・宝珠典隆住職)「下の台に『豊後の国 高田村 神護寺』と書いてある。ちょうど(オークションに)出ていたのでうちのだなと」
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住職によりますと2月21日、この仏像がネットオークションに出品されていることを知り購入。しかし、相手の手違いで仏像は別の出品者に受け渡されます。諦めていたところ再びオークションに出品されているのを見つけ、問い合わせてみると快く譲ってくれたということです。
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(宝剣山神護寺・宝珠典隆住職)「お疲れさまというよりもここによく帰ってきてくれた。この間にこれだけの姿で残っていること自体がすごく珍しい」
仏像は高さ81センチ。1本の木をくりぬく「一木造り」でできています。うるしや金箔ははがれているものの目立った破損はありません。
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寺からなくなった理由は謎のままですが、明治の初めに出された神仏分離令による廃仏毀釈の難を逃れた可能性があるということです。
(宝剣山神護寺・宝珠典隆住職)「過去もない。未来もない。いま自分が置かされているその時代を大切に生きなさいよということを言っている。私たちが何百年も守っていかなくちゃいけない」
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いくつもの時代を超えて再び姿を現した仏像。令和の今を生きる私たちをあたたかく見守ってくれているようです。
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