2023年4月24日月曜日

女相続人(字幕版)を観る | Prime Video


医師のひとり娘で内気な性格のキャスリンは、ようやく巡り会えた青年モーリスに夢中になるが、彼の本質を見抜いた父に反対されて愛を失う。父の死後再び現れたモーリスに彼女の取った態度は...。主演女優賞他、多数のオスカーを受賞した名作。
21IMDb 8.11時間50分1948






オリヴィア・デ・ハヴィランド

デ・ハヴィランドは『遥かなる我が子』(1946年)と『女相続人』(1949年)で、アカデミー主演女優賞を2度受賞している。妹のジョーン・フォンテインも『断崖』(1941年)でアカデミー主演女優賞を受賞しており、2013年現在時点でアカデミー主演賞を獲得した唯一の兄弟姉妹となっている。アカデミー賞のほかにデ・ハヴィランドは『蛇の穴』(1948年)でナショナル・ボード・オブ・レビュー主演女優賞ニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞ナストロ・ダルジェント賞最優秀外国女優賞ヴェネツィア国際映画祭女優賞を受賞している。また、ゴールデングローブ賞では『女相続人』(1949年)で主演女優賞(ドラマ部門)を、『アナスタシア/光・ゆらめいて』(1986年)で助演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)をそれぞれ受賞している。1960年には、それまでの映画界への貢献が讃えられてハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにプレートが設置された。2008年には当時のアメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュから、芸術分野の顕彰としてはアメリカ最高位の国家芸術メダル (en:National Medal of Arts) が贈られている[3]。2017年6月、史上最高齢の101歳で大英帝国勲章(DBE)を受章した[4]。2020年7月26日、パリの自宅で亡くなった[5][6][7][8]。『風と共に去りぬ』の主要な出演者のうち、上映当時成人していた最後の存命者であった。


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Omizu

Omizuの感想・評価

4.7
【第22回アカデミー賞 主演女優賞他全5部門受賞】
オリヴィア・デ・ハヴィランドが二度目の主演女優賞を受賞した作品。ヘンリー・ジェイムズの『ワシントン広場』を翻案した同名舞台劇の映画化。監督は『ローマの休日』などの巨匠ウィリアム・ワイラー、共演に『地上より永遠に』モンゴメリー・クリフト。アカデミー賞では作品賞他全8部門にノミネートされ、最多ノミネート最多受賞作品となった。

『風と共に去りぬ』でもお馴染み、幸薄美人を演じさせたら右に出る者はいないオリヴィア・デ・ハヴィランド主演作品。観たいと思いつつも期待が大きすぎてなかなか決心がつかず。

やはり素晴らしい作品だった。狂気を滲ませた目で階段を上がる様はまるで『サンセット大通り』のよう。ウィリアム・ワイラーの演出やオリヴィア・デ・ハヴィランドの演技もさることながら、原作ヘンリー・ジェイムズの色が濃い作品のように思える。

ヘンリー・ジェイムズと言えば大好きな『ねじの回転』、そして映画化作品『回転』だよね。上流階級を舞台にしつつも不穏で不気味な世界観が共通していると感じた。しかもその中心にいるのが若くはない女性というのも同じだ。

穿った見方をすれば、「性欲が狂気に染まっていく」というストーリーで一致しているように思う。

物語の主人公キャサリンは裕福な医者の一人娘で、父はそれなりに娘を愛しているように思える。でも不在の母というのが家庭の中で大きく影を落としている。父親はキャサリンのことを終盤「取り柄がない」と言う。彼が娘に向ける感情は愛ではなく哀れみなのだ。

親に哀れまれて育つ子供がどんなに惨めな思いをするのか。本質的には彼は理解できずに亡くなってしまうのだ。

キャサリンは裏切られた愛と誰にも向けることを許されない性欲の間で静かに心を完全に閉ざしてしまう。

表面的にはメロドラマのような本作であるが、実は父娘の物語だ。毒親ものと言い換えてもいいかもしれない。親がそれなりに地位があるだけにやっかいだ。

ウィリアム・ワイラーの女優演出の上手さと端正なストーリーテリング、オリヴィア・デ・ハヴィランドの最初と最後で全く違う人物になる演技、細かな行間を読む楽しさなどこれぞハリウッド全盛期と言いたくなる傑作。

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