2022年7月12日火曜日

方べきの定理まとめ(証明・逆の証明) | 理系ラボ

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方べきの定理まとめ(証明・逆の証明)

東大塾長の山田です。
このページでは、方べきの定理」について解説します

方べきの定理とその証明を、イラスト付きで丁寧にわかりやすく解説していきます
ぜひ参考にしてください!

1. 方べきの定理とは?

まずは方べきの定理とは何か説明します。

これら3つすべてまとめて「方べきの定理」といいます。

2. 方べきの定理の証明

それでは、なぜ方べきの定理が成り立つのか?証明をしていきます。

パターンⅠ・Ⅱ・Ⅲそれぞれの場合の証明をしていきます。

2.1 方べきの定理Ⅰの証明

パターンⅠは、点Pが弦AB,CDの交点の場合です。

PACPDBにおいて

対頂角だから 𝐴𝑃𝐶=𝐷𝑃𝐵 

円周角の定理より 𝐶𝐴𝑃=𝐵𝐷𝑃 

①,②より2組の角がそれぞれ等しいから
 PACPDB

よって 𝑃𝐴:𝑃𝐷=𝑃𝐶:𝑃𝐵

 𝑃𝐴𝑃𝐵=𝑃𝐶𝑃𝐷

となり、方べきの定理パターンⅠが成り立つことが証明できました。

2.2 方べきの定理Ⅱの証明

パターンⅡは、点Pが弦AB,CDの延長の交点の場合です。

PACPDBにおいて

共通な角だから 𝐴𝑃𝐶=𝐷𝑃𝐵 

円に内接する四角形の内角は,その対角の外角に等しいから
 𝑃𝐴𝐶=𝑃𝐷𝐵 

①,②より2組の角がそれぞれ等しいから
 PACPDB

よって 𝑃𝐴:𝑃𝐷=𝑃𝐶:𝑃𝐵

 𝑃𝐴𝑃𝐵=𝑃𝐶𝑃𝐷

となり、方べきの定理パターンⅡが成り立つことが証明できました。

2.3 方べきの定理Ⅲの証明

パターンⅢは、パターンⅡのC,Dが一致しているパターンです。

PTAPBTにおいて

共通な角だから 𝑇𝑃𝐴=𝐵𝑃𝑇 

接弦定理より 𝑃𝑇𝐴=𝑃𝐵𝑇 

①,②より2組の角がそれぞれ等しいから
 PTAPBT

よって 𝑃𝑇:𝑃𝐵=𝑃𝐴:𝑃𝑇

 𝑃𝐴𝑃𝐵=𝑃𝑇2

となり、方べきの定理パターンⅢが成り立つことが証明できました。

3. 方べきの定理Ⅰ・Ⅱの逆とその証明

方べきの定理Ⅰ・Ⅱは、その逆も成り立ちます。

3.1 方べきの定理Ⅰ・Ⅱの逆

3.2 方べきの定理Ⅰ・Ⅱの逆の証明

下図の,「【Ⅰ】点𝑃が線分ABCDの交点の場合」,「【Ⅱ】点𝑃が線分AB,CDの延長の交点の場合」,いずれの場合も証明は同様です。

PACPDBにおいて

仮定 𝑃𝐴𝑃𝐵=𝑃𝐶𝑃𝐷より
 𝑃𝐴:𝑃𝐷=𝑃𝐶:𝑃𝐵 

[【Ⅰ】対頂角],[【Ⅱ】共通な角]だから
 𝐴𝑃𝐶=𝐷𝑃𝐵 

①,②より2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しいから
 PACPDB

 𝑃𝐴𝐶=𝑃𝐷𝐵

よって,[【Ⅰ】円周角の定理の逆],[【Ⅱ】円に内接する四角形の性質]より,4点𝐴,𝐵,𝐶,𝐷は1つの円周上にあるといえます。

したがって,𝑃𝐴𝑃𝐵=𝑃𝐶𝑃𝐷が成り立つならば,4点𝐴,𝐵,𝐶,𝐷は1つの円周上にあることが証明できました

4. 方べきの定理Ⅲの逆とその証明

方べきの定理Ⅲについても、その逆が成り立ちます。

4.1 方べきの定理Ⅲの逆

4.2 方べきの定理Ⅲの逆の証明

PTAPBTにおいて

仮定 𝑃𝐴𝑃𝐵=𝑃𝑇2より
 𝑃𝐴:𝑃𝑇=𝑃𝑇:𝑃𝐵 

共通な角だから 𝑇𝑃𝐴=𝐵𝑃𝑇 

①,②より2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しいから
 PTAPBT

 𝑃𝑇𝐴=𝑃𝐵𝑇

よって,接弦定理の逆より, 𝑃𝑇𝑇𝐴𝐵の外接円に点𝑇で接するといえます。

したがって,𝑃𝐴𝑃𝐵=𝑃𝑇2が成り立つならば,𝑃𝑇𝑇𝐴𝐵の外接円に接することが証明できました

5. 方べきの定理のまとめ

以上が方べきの定理の解説です。しっかり理解できましたか?

方べきの定理はとても便利であり、超重要公式の1つです。

必ず覚えておきましょうね!



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