2022年7月26日火曜日

旧統一教会の正体 植民地支配の怨みを解くため日本はただの献金組織【報道1930】 2022年7月24日(日)

問われる政治との距離 激震・旧統一教会と日本政治【7月22日 (金) #報道1930】| TBS NEWS DIG

https://freeassociations2020.blogspot.com/2022/07/1930-2022724.html @


 https://youtu.be/GoTRyhI7uak


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旧統一教会の正体 植民地支配の怨みを解くため日本はただの献金組織【報道1930】

安倍元総理殺害事件でにわかに注目される宗教法人「世界平和統一家庭連合」(以下、旧統一教会) 80年代、霊感商法や多額の献金による家庭崩壊などが社会問題化したが、韓国の新興宗教がなぜ日本に深く入り込み、広く浸透し、多額の資金を提供するに至ったか、ほとんど知られていない。今回は旧統一教会と日本の政治家とのつながりを中心にその歴史を紐解いた。

■「ある時、笹川良一、児玉誉士夫、岸信介と文鮮明が本栖湖で会った」

一枚の古い地図。その地図を見ると岸信介邸の隣に書かれてある文字は「全国学生連合原理研究会」。原理研究会とは統一教会のことである。のちに岸元総理は自らと旧統一教会との出会いを旧統一教会の本部で"奇しき因縁"としてこう語っている・・・。「正体はわからないが、隣に住んでいる若者たちが日曜日に賛美歌を歌っていた」そして後に、「笹川良一君が統一教会に共鳴してこの運動の強化を念願して私に紹介した」。
この偶然であるかのような出会いについて旧統一教会などによる霊感商法の被害者対策に長年携わってきた山口広弁護士は・・・

全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士
「どうして隣同士だったのはわからないんですが、場合によっちゃぁ統一教会が(岸氏に近づくために)ここにアプローチしてきたのかもしれない」

もう一つ岸元総理と旧統一教会を結びつけるものがある。1958年に撮られた一枚の写真。渋谷区南平台の邸宅。庭で時の首相、岸信介氏が寛ぎ、傍らで孫である4歳くらいの安倍晋三氏が兄弟で遊ぶ・・・。その6年後に同じ構図で撮影された建物は、岸信介邸ではなく旧統一教会の本部になっていた。首相私邸が教会本部になったいきさつは定かではないが、密接な関係を物語る写真だ。

北海道大学大学院 櫻井義秀 教授
「(隣に原理研究会があったのは)偶然ではないと思います。右翼の大物である笹川良一さんと(60年安保を強行した)岸信介さんとの関係ですよね。要するに学生運動、労働運動に対抗するための右派運動のフロントを日本で作り上げなければならない、そういった構想の下に反共の防波堤を学生たちに作らせたいという発想から岸さんか笹川さんの方から統一教会にアプローチしたんだと思う」

全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士
ある時、笹川良一さんと児玉誉士夫(戦後最大のフィクサー)さんと岸信介さんと文鮮明(ムンソンミョン)が本栖湖で会った。そこで語り合って勝共連合を作ろうってことになって・・・」

キーワードは"反共"だった。時代は冷戦時代。ベトナム戦争、安保闘争、あまねく局面で共産主義とそれを撲滅しようとする勢力が対峙していた。かくして1968年"反共の砦"と言われた「国際勝共連合」が生まれた。80年代には勝共連合に名を連ねる国会議員が120人を数えた。

ジャーナリスト 後藤謙次氏
「ある自民党の二世議員に聞いてきたんですが、その議員の祖父も国会議員だったんですが堂々とポスターに勝共連合って入れていたというんです。当時の自民党議員にとっては朝鮮戦争の後でもあるし、勝共連合はシンボルマークのようなもの。その点で当時の議員たちは全く抵抗なく統一教会に感化されていったんですね」
反共産主義というイデオロギーで日本の保守層に入り込んだ旧統一教会。米FBIは文鮮明に関する報告書の中で「日本の右翼実業家や団体が相当な額の資金を提供している可能性がある」とした。しかし冷戦が終わり共産主義との戦いが影をひそめると、やがて旧統一教会の日本での資金集めはエスカレートし、社会問題となるのである。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/103895?page=2

旧統一教会の正体 植民地支配の怨みを解くため日本はただの献金組織【報道1930】

■「4500万・3500万・2100万この3つの数字から何を選びますか?」

旧統一教会による金銭トラブルは現在も昔ほどではないが続いている。1987年から2021年までの間に被害は34,537件、1,237億円。うち2021年だけでも47件の被害が報告され被害額は3億3153円に及ぶ。

旧統一教会が多額の献金を集める時の基本的な考え方に「先祖解怨(せんぞかいおん)」という言葉がある。信者の先祖を何代もさかのぼり献金によって恨みを解くというものだ。教団が信者に長い時間をかけて行う献金させるための説教を被害者の救済を30年以上続けてきた山口弁護士が教団側の人間の語り口を演じてくれた。少し長いがお読みください。
全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士
「あなたはお父さんお母さんの愛の結晶として生まれました。お父さんお母さんもそのお父さんお母さんから生まれました。私たちのご先祖は扇のように広がり、沢山のご先祖の中から今あなたがいる。では、そのご先祖たちの行いと私たちのこれからの運勢はどうなるのか・・・。人のために生きていい人生を歩んだご先祖が沢山いる方は幸せに恵まれる。財産や様々な幸運に恵まれる。しかしながら自分のために生きてしまった悪霊がご先祖に沢山いる方々は色々な不幸に見舞われることが多いといわれています。私たちは、十月十日お母さんのお腹にいる時は、地上生活の準備期間です。そして地上生活の80年間は肉体と心があります。心と体が一緒になって育っていくわけです。そして死ぬとどうなるか、肉体は土に還りますが、心は、これを霊人体と言いますが、心の体が永遠に霊界で生活していくんです。肉体は80年で滅びるが、霊界は永遠なんです。霊界は3層に分かれています。一つは天国。これは義人聖人が入る世界。次に中間霊界、為に生きた人が入る世界です。では私たちのご先祖が、例えば財産の怨念、色情の怨念、あるいは殺傷の怨念、これを抱えて亡くなった方々はどうなるかというと、永遠に地獄の蓋の下で苦しみ続けるんです。その永遠に苦しんでいるご先祖たちは「助けてくれ」と地上の私たちに合図を送る・・・」

と説教は延々と続き、じゃぁどうしたらいいのかというと、「お祈りをしてきます」。様々な先生がお祈りから戻って、何を言うかと思うと「4500万・3500万・2100万、この3つの数字から何を選びますか?」つまりあなたの真心を持っている財産の中から天に捧げてください。それでご先祖さまが救えるんです・・・となるという。

ここで救う先祖とは7代前まで遡る。7代前までのご先祖の解怨をする。この「先祖解怨」が旧統一教会の献金システムになっている。「怨みを解いてあげる」というのも旧統一教会の手口のキーワードなのだが、驚くのは、世界の旧統一教会のすべての献金の7割から8割近くが日本人の信者からのものだという。これは単に日本人に熱心な信者が多いとか、経済力があるということではない。

実は、旧統一教会の"正体"ともいうべき事実がそこにあった。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/103895?page=3

旧統一教会の正体 植民地支配の怨みを解くため日本はただの献金組織【報道1930】

■「先祖の犯した植民地支配という罪を償うためにあらゆる献金をしなさい」

旧統一教会は文鮮明氏を教祖に1954年創設された韓国の新興宗教。文氏没後現在の教祖は妻の韓鶴子氏だ。だが、韓国と日本では様子が違うらしい。韓国のキリスト教系テレビ局の記者に聞いた。彼は統一教会をキリスト教の異端として取材し続けている。

CBSテレビ ソン・ジュヨル記者
「現在旧統一教会は、単純なカルトというより宗教と産業が結合した"宗産複合体"の性格が強い。『統一グループ財団』があり、小・中・高校、大学まであります。彼らは『天一国』という宗教国家を目指し、国旗も国家も憲法も作っています。バチカンのようなミニ宗教王国をイメージしています。その建設資金に日本の信者の献金が使われます(中略)日本の信者には『先祖があまりにも多くの罪を犯したせいで子孫が苦しんでいるんだ。だからその罪を帳消しにしないといけない』と説いています。つまり先祖の犯した植民地支配という罪を償うため日本人信者はあらゆる献金をし、先祖解怨をし、懺悔する気持ちで献金をしなさいということです」

文鮮明氏の"お言葉"をまとめた本がある。広辞苑並みの厚さだが、信者は最低1冊は一生の宝として購入するという。ちなみに430万円だ。この中に文鮮明氏の本音と旧統一教会の本質がある。

北海道大学大学院 櫻井義秀 教授
「原理講論(教典)に韓国語版と日本語版があって、韓国語版には植民地支配がいかにひどいものだったか書かれていて、日本語版にはそれがない。(中略)"恨みを解く"というのが統一教会の本質なんです(中略)植民地時代の民族的恨みを解くこととして、日本で資金を調達してそれを韓国に持ってきて世界的な活動に使う。これが統一教会の本質を成しているんだと思う」

日本の植民地支配への恨みを日本から献金を巻き上げることで果たしている旧統一教会。だとすれば、日本の保守的な政治家たちとは相容れないはずである。

北海道大学大学院 櫻井義秀 教授
「(本質的なことより)反共の頃ならスパイ防止法とか、最近ならジェンダーフリー反対とか、家庭が大事とか、そういう部分で自民党の保守層と共有できた。表面上だけであって中身は全く違う、それぞれの国の保守なんです。それぞれがメリットを考え利用し合ったんだと思う」

自民党の政治家たちは、旧統一教会の本質を知っていてメリットを取ったのか、それとも知らなかったのか?議員にとっては喉から手が出るほど欲しいのが見える票の塊で宗教団体と選挙は親和性が高く、だからこそ気を付けなければならないと指摘する。

ジャーナリスト後藤謙次氏
「長年政治の世界を見てきましたが、これだけの問題が隠されてたのが初めて事件によって明らかになった。しかも自民党に大きくかかわっている人がいる。野党側が旧統一教会との関連を調べはじめてているが、自民党も議員との関係、どんなやり取りがあったのかきちんと調査をする責任がある。私が個人的に注目しているのは、9月にもあるといわれる内閣改造で、大臣になる人の"身体検査"に、この旧統一教会との関係を入れるかどうかです」

どちらにしても、日本の政治家が票欲しさにプロパガンダに利用される可能性があり、行動は慎むべきだと山口弁護士は切実に訴えた。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士
「旧統一教会の悪質性はどんなに言い訳しても許されない。人生の破壊、金銭的被害に家庭の亀裂は本当に深刻なんです。議員さんには是非そういうことを知っていただいて、付き合わないでいただきたい。旧統一教会は反社会的団体なんだと知っていただいて今後の政治活動をしていただきたい。心からのお願いです」

(BS-TBS 『報道1930』 7月22日放送より)

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