2022年7月20日水曜日

エラスムス像を後世に 縁の佐野・龍江院に資料館 - 産経ニュース

エラスムス像を後世に 縁の佐野・龍江院に資料館 - 産経ニュース

エラスムス像を後世に 縁の佐野・龍江院に資料館

「木造エラスムス立像を後世に伝えたい」と話す大沢光法さん(左)と道山秀樹さん=佐野市上羽田町
「木造エラスムス立像を後世に伝えたい」と話す大沢光法さん(左)と道山秀樹さん=佐野市上羽田町

江戸時代、日蘭貿易の端緒となったリーフデ号の船尾像「木造エラスムス立像」(国重要文化財)を後世に伝えようと、栃木県佐野市の市民団体「エラスムス像研究会」(道山秀樹代表)が同立像を所有する同市上羽田町の古刹(こさつ)・龍江院内に資料館を整備した。詳細な資料、パネル展示、DVD視聴などで同立像の由来などを学ぶことができる。

 資料館内にある木造エラスムス立像のレプリカ=佐野市上羽田町
資料館内にある木造エラスムス立像のレプリカ=佐野市上羽田町

オランダを出港したリーフデ号は慶長5(1600)年、後に徳川家康に仕えたウィリアム・アダムス(三浦按針)らを乗せ大分県内に漂着。その船尾像は戦国時代の武将・牧野成里(しげさと)の手に渡り、ぼだい寺の龍江院に納められたとされ、「カテキ様」などと呼ばれていた。

大正期に栃木県足利市の郷土史家・丸山瓦全(がぜん)が学会報告し、正体が判明。昭和5年、国宝(戦後、国重文に指定替え)に指定され、現在は東京国立博物館に寄託されている。

同研究会代表の道山さん(70)は約10年前から、同立像の調査などを独自に進め、2年前に地元住民らと同研究会を結成。今年初め、龍江院住職の大沢光法さん(76)から「資料館整備は長年の悲願」などと打診を受け、同寺院内の空き部屋を活用し、開設の運びとなった。

同資料館には道山さんらの収集した文献、作成した資料を収蔵するほか、写真パネルや年表などで木造エラスムス立像を紹介。また同研究会が作成したDVDも視聴できるようになっている。

道山さんと大沢さんは「地元をはじめ多くの人に貴重な文化財を知ってもらい、後世につなげていく拠点としたい」と話している。

見学無料。開館時間は午前10時~午後4時で、希望者は事前に龍江院(0283・23・6063)に連絡する。(川岸等)

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