毛利家書状 原本初確認 織田信長「中国攻め」の際 家臣に送る
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戦国時代、織田信長の軍勢が中国地方を攻めたいわゆる「中国攻め」の際に、猛攻を受けた毛利家が家臣に送った書状など200点以上の原本が新たに確認されました。
江戸時代に作られた写しは伝えられていましたが、専門家は「原本が見つかったことで戦いの様子をより詳しく分析できる」と指摘しています。
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確認されたのは、戦国時代、中国地方を治めていた毛利家が「中国攻め」の際に家臣の湯原春綱に宛てた書状など200点以上の書状の原本です。
東京大学史料編纂所の村井祐樹准教授が去年12月、湯原氏の子孫の家に残されていたのを見つけたもので、江戸時代に作られた写しは伝えられていましたが、原本は確認されていませんでした。
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書状は、1560年代から1580年代にかけて、毛利元就をはじめ、毛利輝元や吉川元春などが送ったもので、署名に当たる花押や紙の分析などから原本と確認されたということです。
このうち吉川元春が送った書状は縦10センチメートル、横30センチメートルほどの細長い紙に書かれていて「密書」として敵の包囲網をかいくぐって届けられたものとみられ、すぐに支援物資が届くので耐えるようにという呼びかけや増援を送ることを伝える内容などが書かれていて切迫した状況をうかがうことができるということです。
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村井准教授は「短い期間の書状の原本がこれだけ残されていることは珍しい。原本が見つかったことで毛利と織田の戦いをより詳しく分析できるようになる」と話しています。
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