2021年6月15日火曜日

カラスは「ゼロの概念」を理解できると明らかに (3/3) - ナゾロジー

カラスは「ゼロの概念」を理解できると明らかに (3/3) - ナゾロジー
今のところ、0を理解できることで知られる動物は、ヒトを除いて、カラスとアカゲザル、それからミツバチのみです。
https://nazology.net/archives/90975/3

カラスは「数の順序」も分かっている?

研究チームは、活動をより深く理解するために、小さなワイヤーをカラスの脳に埋め込み、テスト中の電気的活動を記録しました。

対象にした神経細胞は、カラスの脳の後部に位置する「脳外套(pallium)」という領域で、高度な認知機能を司ることで知られます。

この状態で先と同じテストを行い、1羽のカラスから233個、もう1羽から268個、計500個以上の神経細胞から記録を取りました。

その結果、特定のドット数に対応して、特定のサブグループの神経細胞が活性化していたのです。

例えば、ドット数2に反応して急に発火し始めるものもあれば、4に反応して発火するものもありました。

面白いことに、特定の数とスクリーン上の数の差が大きくなるほど、神経細胞の活動量が低下していたのです。

ニーダー氏は、これについて「カラスが数値をお互いに関連づけて認識していることを示す」と指摘。

「1の次は2、2の次は3というように、数列に沿って順番に並んでいるという、数の秩序性を理解している」と説明します。

数字の順番までも理解している?
数字の順番までも理解している? / Credit: jp.depositphotos

さらに、特定の神経細胞の発火は「0」に対しても見られました。

これらの神経細胞は、スクリーン上のドット数が増えるほど、あるいは0から離れるほど、活動量が低下したのです。

「以上の結果をまとめると、カラスは確かに0の概念を理解していることが分かる」と研究チームは結論します。

その一方で、0を理解することで、カラスにどんなメリットがあるのかは分かりません。

ニーダー氏は「1個のリンゴと2個のリンゴを区別できることは生存に役立つでしょう。しかし、何もないことを量として理解することが、カラスにとってすぐに役立つとは思えない」と話します。

今のところ、0を理解できることで知られる動物は、ヒトを除いて、カラスとアカゲザル、それからミツバチのみです。

日常生活で高度な数学を使わないはずの彼らが、なぜ0を理解しているのか、一体どんな有用性があるのか?

研究チームは今後、この点に焦点を当てて、調査を続けていく予定です。



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