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角川文庫『般若心経秘鍵』を参考に改訂。
仏説摩訶般若波羅蜜多心経
般若心経(現代語訳) - Wikisource
[玄奘訳 般若心経から和訳(サンスクリットからではない)]
般若心経(はんにゃしんぎょう)
__因__ ___行____ _時_ __証___ __入__
一___観自在菩薩 行深般若波羅蜜多 時、 照見五蘊皆空、度一切苦厄。
(人と法に関する総説。因・行・証・入・時)
二 (声聞と縁覚を含め、7つの宗派の教えが説かれているという。真言は四、五へ)
|_(華厳、普賢A)
観音菩薩が、深遠なる「智慧の波羅蜜」を行じていた時、
〔命ある者の構成要素たる〕五蘊は空であると見抜いて、
すべての苦悩から解放された
| 舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。
| 受想行識 亦復如是。
「シャーリプトラよ、
色は空性に異ならない。空性は色に異ならない。
色は空性である。空性は色である。
受、想、行、識もまた同様である。
|_(三論、文殊B) |
| 舎利子。是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。 |
シャーリプトラよ、
すべての現象(一切法)は空を特徴とするものであるから、
生じることなく、滅することなく
汚れることなく、汚れがなくなることなく
増えることなく、減ることもない。
|_(法相、弥勒C) |_______
| 是故空中、無色、無受・想・行・識、 || |
| 無眼・耳・鼻・舌・身・意、 || |
| 無色・声・香・味・触・法。無眼界、乃至、無意識界。 || |
ゆえに空性においては、
色は無く、受、想、行、識も無い
眼、耳、鼻、舌、身、意も無く、
色、声、香、味、触、法も無い
眼で見た世界(眼界)も無く、意識で想われた世界(意識界)も無い
|_(二乗、声聞と縁覚) |
| 無無明、亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽。(縁覚)______ |
無明も無く、無明の滅尽も無い
"老いと死"も無く、"老いと死"の滅尽も無い
| 無苦・集・滅・道。 (声聞=教えを受けた悟り)____ | |
「これが苦しみである」という真理(苦諦)も無い
「これが苦しみの集起である」という真理(集諦)も無い
「これが苦しみの滅である」という真理(滅諦)も無い
「これが苦しみの滅へ向かう道である」という真理(道諦)も無い
|_(天台、観自在菩薩D) | | |
無智亦無得。以無所得故、 | | |
知ることも無く、得ることも無い
もともと得られるべきものは何も無いからである
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_人__ __以下、法(因と行他修行の結果の説明)___ | | |
___因と行__ ______入_____ | | |
三___菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罣礙無罣礙故無有恐怖、(涅槃に| | |
_____________入_____________ | | |
遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃。三世諸仏、依般若波羅蜜多故、入る)| | |
____証_____ | | |
得阿耨多羅三藐三菩提。 (証) | | |
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菩薩たちは、「智慧の波羅蜜」に依拠しているがゆえに
心にこだわりが無い
こだわりが無いゆえに、恐れも無く
転倒した認識によって世界を見ることから遠く離れている。
三世の仏たちも「智慧の波羅蜜」に依拠するがゆえに
完全なる悟りを得るのだ。
四___故知、般若波羅蜜多、(名体用、すべてが真言に帰することの説明)| | |
是大神呪、 (声聞の真言)_________________| | |
是大明呪、 (縁覚の真言)_______________|___| |
是無上呪、 (大乗の真言)___________ | | |
是無等等呪、 (秘蔵の真言)(~以上、名)__ | | | |
能除一切苦、 (用) | | | | |
真実不虚。 (体) | | | | |
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故説、般若波羅蜜多呪。即説呪曰、 | | | | |
それゆえ、この「智慧の波羅蜜」こそは
偉大なる呪文であり、
偉大なる明智の呪文であり、
超えるものなき呪文であり、
並ぶものなき呪文である。
すべての苦しみを除き、
真実であり、偽りなきものである。
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五___ | | | | |
(真言~ここも5分割出来る~の解説) | | | | |
羯諦 (1教えを聞いての悟り)____|_|_|_| |
羯諦 (2独自の悟り)________|_|_| |
波羅羯諦 (3法相、三論等修業の結果)__|_|_________|
波羅僧羯諦 (4真言等修行の結果の結果)__|
菩提薩婆訶 (5究極的悟りに入る意義)
般若心経。
では、「智慧の波羅蜜」をあらわす呪文を示そう、
"ガテー、
ガテー、
パーラガテー、
パーラサンガテー、
ボーディ、スヴァーハー"
(往ける者よ、往ける者よ、彼岸に往ける者よ、彼岸に正しく往ける者よ、 〔聖なる仏母である〕菩提〔女尊〕よ、ささげ物を受け取り給え)
〔ここに智慧の心髄をおわる〕
返信削除三密
さんみつ
仏教用語。秘密の三業(さんごう)(身(しん)・口(く)・意(い)によって行われる理想的行為)の意。すなわち身密・語密(口密)・意密(心密)の三で、おもに密教でいう。顕教(けんぎょう)では、凡人では推し測れない仏の三業をいうが、密教では、仏の三業は体(たい)・相(そう)・用(ゆう)の三大のなかの用大(真如(しんにょ)の働き)であって、衆生(しゅじょう)の三業もまたその隠された本性においては仏の三業とまったく同じであるとして三密という。
[小野塚幾澄]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例