百人一首01 歌織物説「水無瀬絵地図」配列と一覧
89 37 58 09 12 32 94 69 22 100
63 48 39 07 60 05 14 17 96 33
80 84 03 59 06 29 74 24 15 09
85 53 91 81 83 26 13 55 02 35
43 20 44 57 77 10 04 62 25 66
40 65 52 31 64 98 70 78 41 61
41 95 30 36 76 27 08 18 28 73
86 82 67 21 11 88 19 49 51 34
50 54 56 68 46 01 71 87 75 16
99 38 45 23 93 90 72 92 42 97
「合わせ言葉」により隣接する歌の上下左右が結びつく。
例えば、77崇徳院の歌。
【 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ 】
上の83とは「思」、右の10とは「せき」と「せか」、左の57とは「逢」、下の64とは「川」で一致。
その言葉たちを絵に置き換えていくと、京都西南の水無瀬が浮かび上がる。
水無瀬は、後鳥羽上皇が離宮を建てた場所。
承久の乱の後、彼は隠岐の島に流され、離宮は荒廃。
定家はお世話になった後鳥羽院への思いを込めて、栄えた水無瀬をパズル化したのかも。
崇徳院の歌は、2007年NHK朝ドラ「ちりとてちん」第35話と36話にて、
草若師匠の元を去った弟子たちをB子と草々が何とか復帰させようと奮起する時に登場。
籠の中の九官鳥(算段の)平兵衛が突然「崇徳院」を喋りだし、四草がまだ落語を愛していることが分かる名シーン。
「われても末に逢はむとぞ思う」=離れ離れになっても、きっといつかは、再会するぞ!
という下の句が、離散した弟子たちがまた揃うという大事な場面を見事に表現。
ちなみに隠岐の島では、「俺たちの旅 ~10年目の再会」にて、家出したオメダを探すため
かつて青春を共にしたカースケ・グズ六・洋子・真弓が久し振りに揃う。
≪ 落語 崇徳院 ≫
清水院(上方落語:高津神社)で『崇徳院の上の句の短冊』を渡してくれたお嬢さんに恋した若旦那。病弱の彼の代わりに熊さんがそのお嬢さんを探す恋煩いの話。
37軒もの代行捜索していた熊さんだが、疲れて床屋で休んでいた。
実はお嬢さんの方もあの日あの時若旦那に恋していたことが鳶頭によってわかる。
じゃあこれからこの朗報を伝えるため、どっちに駆けつけるかの言い争い勃発。
揉み合いの最中、床屋の鏡を割ってしまう。
「どうしてくれる!この鏡!」 と床屋。
「割れても末に買わんとぞ思う」
≪ 承久の乱 ≫
承久3 (1221) 年5月、
朝廷方が後鳥羽上皇を中心に皇権回復を目的として討幕の兵をあげるが、
鎌倉幕府軍に鎮圧された事件。
幕府が基礎を確立していくのに対し公家の間では根強い反幕府の動きが残っていたが、
北条氏が幕府内で実権を握り、朝廷で後鳥羽上皇の院政が始ると、両政権の対立が次第に表面化した。
後鳥羽・土御門・順徳の三上皇が配流され、朝廷方の公卿・武士の所領は没収。
その後、朝廷監視目的の六波羅探題を置くなど、幕府の絶対的優位が確立した。
≪百人一首一覧≫
01 秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ
天智天皇
02 春過ぎて夏来にけらし白妙の 衣干すてふ天の香具山
持統天皇
03 あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む
柿本人麻呂
04 田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ
山辺赤人
05 奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲し
猿丸大夫
06 鵲の渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける
中納言家持
07 天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも
安倍仲麿
08 わが庵は都の辰巳しかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり
喜撰法師
09 花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに
小野小町
10 これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬもあふ坂の関
蝉丸
11 わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ海人の釣船
参議篁
12 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ 乙女の姿しばしとどめむ
僧正遍昭
13 筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞ積もりて淵となりぬる
陽成院
14 陸奥のしのぶもぢずりたれゆえに 乱れそめにしわれならなくに
河原左大臣
15 君がため春の野に出でて若菜摘む わが衣手に雪は降りつつ
光孝天皇
16 立ち別れいなばの山の峰に生ふる まつとし聞かば今帰り来む
中納言行平
17 ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは
在原業平朝臣
18 住の江の岸に寄る波よるさへや 夢の通ひ路人目よくらむ
藤原敏行朝臣
19 難波潟短き蘆のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや
伊勢
20 わびぬれば今はたおなじ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ
元良親王
21 今来むといひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな
素性法師
22 番吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ
文屋康秀
23 月見ればちぢにものこそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど
大江千里
24 このたびは幣も取りあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに
菅家
25 名にし負はば逢う坂山のさねかずら 人に知られで来るよしもがな
三条右大臣
26 小倉山峰の紅葉葉心あらば いまひとたびのみゆき待たなむ
貞信公
27 みかの原わきて流るるいづみ川 いつ見きとてか恋しかるらむ
中納言兼輔
28 山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
源宗于朝臣
29 心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花
凡河内躬恒
30 番有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし
壬生忠岑
31 朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪
坂上是則
32 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり
春道列樹
33 ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ
紀友則
34 誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに
藤原興風
35 人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香に匂ひける
紀貫之
36 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいずこに月宿るらむ
清原深養父
37 白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける
文屋朝康
38 忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな
右近
39 浅茅生の小野の篠原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき
参議等
40 番忍ぶれど色に出でにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで
平兼盛
41 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか
壬生忠見
42 契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波越さじとは
清原元輔
43 逢ひ見てののちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり
権中納言敦忠
44 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし
中納言朝忠
45 あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたずらになりぬべきかな
謙徳公
46 由良の門を渡る舟人かぢを絶え ゆくへも知らぬ恋のみちかな
曾禰好忠
47 八重むぐら茂れる宿の寂しきに 人こそ見えね秋は来にけり
恵慶法師
48 風をいたみ岩打つ波のおのれのみ くだけてものを思ふころかな
源重之
49 御垣守衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつものをこそ思へ
大中臣能宣朝臣
50 君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな
藤原義孝
51 かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを
藤原実方朝臣
52 明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな
藤原道信朝臣
53 番嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る
右大将道綱母
54 忘れじのゆく末まではかたければ 今日を限りの命ともがな
儀同三司母
55 滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ
大納言公任
56 あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな
和泉式部
57 めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に 雲隠れにし夜半の月影
紫式部
58 有馬山猪名の篠原風吹けば いでそよ人を忘れやはする
大弐三位
59 やすらはで寝なましものをさ夜更けて かたぶくまでの月を見しかな
赤染衛門
60 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立
小式部内侍
61 いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重に匂ひぬるかな
伊勢大輔
62 夜をこめて鳥のそら音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ
清少納言
63 今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな
左京大夫道雅
64 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木
権中納言定頼
65 恨みわび干さぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ
相模
66 もろともにあはれと思え山桜 花よりほかに知る人もなし
前大僧正行尊
67 春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそをしけれ
周防内侍
68 心にもあらで憂き夜に長らへば 恋しかるべき夜半の月かな
三条院
69 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり
能因法師
70 寂しさに宿を立ち出でてながむれば いづくも同じ秋の夕暮れ
良暹法師
71 夕されば門田の稲葉訪れて 蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く
大納言経信
72 音に聞く高師の浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
73 高砂の尾の上の桜咲きにけり 外山のかすみ立たずもあらなむ
前権中納言匡房
74 憂かりける人を初瀬の山おろしよ 激しかれとは祈らぬものを
源俊頼朝臣
75 契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり
藤原基俊
76 わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波
法性寺入道前関白太政大臣
77 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ
崇徳院
78 淡路島通ふ千鳥の鳴く声に いく夜寝覚めぬ須磨の関守
源兼昌
79 秋風にたなびく雲のたえ間より 漏れ出づる月の影のさやけさ
左京大夫顕輔
80 ながからむ心も知らず黒髪の 乱れてけさはものをこそ思へ
待賢門院堀河
81 ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる
後徳大寺左大臣
82 思ひわびさても命はあるものを 憂きに堪へぬは涙なりけり
道因法師
83 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる
皇太后宮大夫俊成
84 長らへばまたこのごろやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき
藤原清輔朝臣
85 夜もすがらもの思ふころは明けやらぬ ねやのひまさへつれなかりけり
俊恵法師
86 嘆けとて月やはものを思はする かこちがほなるわが涙かな
西行法師
87 村雨の露もまだ干ぬまきの葉に 霧立ちのぼる秋の夕暮
寂蓮法師
88 難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ 身を尽くしてや恋ひわたるべき
皇嘉門院別当
89 玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする
式子内親王
90 見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず
殷富門院大輔
91 きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む
後京極摂政前太政大臣
92 わが袖は潮干に見えぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし
二条院讃岐
93 世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海人の小舟の綱手かなしも
鎌倉右大臣
94 み吉野の山の秋風さよ更けて ふるさと寒く衣打つなり
参議雅経
95 おほけなく憂き世の民におほふかな わが立つ杣にすみ染の袖
前大僧正慈円
96 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり
入道前太政大臣
97 来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ
権中納言定家
98 風そよぐ楢の小川の夕暮は 御禊ぞ夏のしるしなりける
従二位家隆
99 人も愛し人も恨めしあじきなく 世を思ふゆゑにもの思ふ身は
後鳥羽院
100 百敷や古き軒端のしのぶにも なほ余りある昔なりけり
順徳院
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