歴史暗号
目次第1章 百人一首は後鳥羽院愛惜の書
第2章 百人一首は「歌織物」
第3章 歌織物を復元する
第4章 合せ言葉の原理
第5章 浮き出る絵は水無瀬の里
第6章 嵌め込まれた二組の贈答歌
第7章 定家と後鳥羽院 畏敬と反目
第8章 なぜ定家は百人一首をつくったか
第9章 百人秀歌は公開用改訂版
言葉の魔術師・藤原定家が「百人一首」にこめた奇想天外・驚くべき構想とは何か・・・・中世初期、鎌倉幕府権力と滅びゆく王朝権力が織りなす陰と陽の世界、歴史と人物の様々な相貌を、大胆な推理とユニークな着想で描く歴史推理。
1 百人一首は、タテ10首、ヨコ10首の方形の枠の中に、百種を特殊な順序で配列することにより、上下左右に隣り合うすべての歌同士が何らかの共有語=合せ言葉によって結び合う。
2 この歌織物は、右から第7列目をタテに走る月八景によって左右に二分され、右側6列部には、合せ言葉を絵の具代わりに、花咲き、雪舞い、紅葉映え、滝落ち、川流れ、芦しげり、浜辺に波が打ち寄せる、山紫水明、美しい日本の四季の景観が豪華な絵となって浮かびだし、左側3列分には、人を恋い忍び、恨み、なげき、悲しむ、情念が織り込まれている。
3 たんなる観念的な日本的桃源郷の図ではなくて、ある特定の具体的な地域、すなわち新古今花壇のふるさと、水無瀬の里の地形・風物・史実と合致する、極めてリアルな描写となっている。
4 四隅には四人の主要人物の歌が配置され、島流しとなった二人の帝王・後鳥羽院と順徳院、薄幸の佳人・式子内親王の3にんの帰ってこぬ人に対して、定家が「来ぬ人を待って身もこがれつつ」と呼びかけている。
5 右半分には、後鳥羽院の「見渡せば山もと霞む皆瀬川」の歌、左半分には、式子内親王の歌が合せ言葉文字鎖の技法で封じ込まれている。
6 政治的な部分をカットし、別の歌と差し替え、組み替えたのが「百人秀歌」
0 件のコメント:
コメントを投稿