参照:
1964年、第11巻第2号通巻30、同(2)
1965年、第12巻第2号通巻34、同(3)
1966年、第13巻第2号通巻39、同(4)
1966年、第13巻第3号通巻40、同(1)
1966年、第13巻第4号通巻41、同(2)
1967年、第14巻第2号通巻43、同(3)
プルードンと憲法第九条
プルードンは晩年ベルギーに亡命してからはヨーロッパの国際政治について主に論じている。その論文「1815年の諸条約が存在しなくなれば?」(1863年発表)は、1815年のウィーン条約の有効性を17世紀の30年戦争を終結させたウェストファリア条約(1648年)と結びつけ、擁護しているものである(論文タイトルは「1815年の諸条約が存在しなくなった」というナポレオン三世の演説に反論したもの)。ポーランド、イタリアの統一に反対しているため誤解を与えるかもしれないが*、これは新たな戦争を防ぐためである。
実際連合の理念以外に戦争を防ぐものはないのだ。
その意味でプルードンが執筆当時に50年近く前の条約を蘇生させた試みは、今日の憲法第九条の擁護に似ている。
上記論文の結語近くの部分にはこうある。
「ウェストファリア条約は古代の戦争法および国際法を廃止しなかった。それは、それに実り豊かな調和的な制限すなわち均衡の思想をもたらしさえすればよかった。
同様に、ウィーン諸条約はウェストファリア条約を決して廃止しなかった。それらは、それによって課せられた原則に諸人民と諸国家にとって最も重要な思想、すなわち憲法の相互的保証の思想をつけ加えることによって、その連続となったのである。
諸国家間の平等の法則、各国家内部における平等の法則、これがマンステールとウィーンにおける討議から生まれた2重の思考である。
実際、これら2つから論理的に演繹される第3の思想が必要である。そして、それは、これらを完成し承認する物であり、国境区分の手直しという危険な道をとらずに、主権と統治の内部的分配によって、諸国家間の不平等から生ずる遺憾な結果を弱め、そしてさらに諸国民の自由を確保するものである。」
これらはまた、双務的契約を推奨する中で最大限自然法を重視する姿勢において、スピノザにも似ているかも知れない。
*注:
プルードンは前年の1962年に『連合の原理』(1863)を予告するように「イタリアにおける連邦と統一」後半部でこう書いている。
「ひとはいう、ローマはイタリア人たちのものだ、と。わたくしは答える、ちょうどナポリがナポリ人たちのものでありパリがパリ人たちのものであるようにローマはローマ人たちのものだ、イタリア人というのは、フランス人たちと同様に、1つの抽象(une abstraction)であって、真実なのはフランスという名をもつ政治的一大集団(une grande agglome'ration politique)が現時点に存在しているということである、しかしそうかといってこの事実はアルプスのむこう側にその集団の対応物(統一イタリア)を作り出すための理由では全然ない、まったく反対である、と。」
参照:
P.-J. プルードン著「もし1815年の諸条約が存在しなくなれば?〜〜来るべき会議の諸行為」(1) 〜(4) 翻訳 後藤修三
「中京商学論叢」
1964年、第11巻第1号通巻29、同(1)
1964年、第11巻第2号通巻30、同(2)
1965年、第12巻第2号通巻34、同(3)
1966年、第13巻第2号通巻39、同(4)
「イタリアにおける連邦と統一」(1)〜(3) 翻訳 後藤修三
1966年、第13巻第3号通巻40、同(1)
1966年、第13巻第4号通巻41、同(2)
1967年、第14巻第2号通巻43、同(3)
プルードンと国際政治(プルードンと憲法第九条を改題)
未来のプルードン——資本主義もマルクス主義も超えて | 的場 昭弘 |本 | 通販 | Amazon
カール・マルクスの終生のライバル、ピエール・ジョゼフ・プルードン。マルクスはプルードンの「所有」の概念に衝撃を受け、経済学に邁進した。
プルードンはさらに変化を遂げ、アソシアシオンという画期的な考え方に到達する。
https://www.amazon.co.jp/dp/486182804X/
新訳 哲学の貧困 (日本語) 単行本 – 2020/3/31
シルビオ・ゲゼル研究室 代表作「自然的経済秩序」1-0
http://www3.plala.or.jp/mig/gesell/nwo1-0-jp.html
「労働の雇主が現在の半分の金利で貨幣資本を供与されるならば、全資本家の金利収益もすぐにまた半分に落ちなければならない。たとえば、家を建てるための借入金の利子よりも既存の家の家賃収入のほうが高く、あるいは、肥沃な農地の賃料より森の開墾の利息のほうが安ければ、競争のために減少した金利(つまり剰余価値の減少)のレベルに必然的に家賃や賃料が下がるが、それは物的資本(家・農地)の価値を減ずる(つまり剰余価値を賃金の増大に向ける)最も確かな方法は明らかに、新たに資本を創造して行使することである。経済学の法則によると生産が増大すると労働者に提供される資本の量が増し、賃金を増やし金利を最終的に金利をゼロにする」(プルードン:所有物とは何か(パリ、フラマリヨン社、235ページ)より)
金利や地代とも呼ばれるいわゆる剰余価値、つまり不労所得の除去は、あらゆる社会主義的な運動の当面の経済目標である。この目標の達成のために一般的に、生産の国有化などとともに共産主義が要求されるが、P.J.プルードンこそが私の知る限り、資本の本質の探求でこの問題の解決の可能性を示唆した唯一の社会主義者である。生産の国有化の要求は、生産手段の特性によって正当化されている。資本家による生産手段の所有が労働者との賃金交渉で、どのような状況でも資本家に優越権を与えることは、通常自明の理として主張され、それは剰余価値あるいは資本金利として表現される。現在資本家が優位な状況が、単に既存の家の隣に新しい家を、あるいは工場の隣に新しい工場を建築することで非所有者(労働者)に有利になることは、誰も思い浮かべられない。
プルードンが社会主義者に50年以上前に明らかにした、不断の重労働で資本家をうまく攻撃でき放逐できるという方策は、今日当時よりも理解されていない。プルードンは完全に忘れ去られてこそいないものの、誰も彼をきちんと理解していない。そうでなければ、資本家はいなくなっていたことだろう。プルードンの方法論(交換銀行)が間違っていたので、彼の理論は全体が信用されなくなったというのが、決してプルードンがきちんと理解されなかった理由なのだろう。きちんと理解したことを実践せず、失敗のために尻込みしてしまったのだ。
なぜマルクスの資本理論がプルードンの学説を追い出せ、社会主義を独裁制にできたのだろうか。どうしてマルクスと彼の理論が世界のあらゆる新聞で語られるのか。マルクス主義の絶望とそのための無害性だという人がいる。ちょうど資本家がキリスト教の教義を恐れないように、資本家は彼の理論を恐れない。むしろ、マルクスやキリストについておおっぴらに話すのは資本家のためになる。マルクスは資本家を決して破壊できないが、それは彼が資本の性質を誤解しているからだ。しかし、プルードンに注意しよう。彼は徹底的に無視するに限る。妨害や擾乱、または中断なしに労働者が働ければ、資本家は資本の供給過剰(商品の生産過剰と混乱しないように)ですぐに窒息するという彼の主張は正当なものなので、彼は危険人物である。直ちに実行できるため、資本家の攻撃のためのプルードンの提案は危険なものである。マルクスのプログラムは最新の機械と道具を備えた現代の訓練された労働者の莫大な生産能力について語っている。マルクスはこの莫大な生産能力で何も始められない。プルードンの手にかかるとこれは資本家に対する武器となる。そのためプルードンを忘れてもらえるように、マルクスを喧伝せよ、と。
☆
ベンジャミン・コーヘン『通貨の地理学』2000,
https://www.amazon.co.jp/dp/4431708863/
Benjamin Cohen, 'The Geography of Money,' in Emily Gilbert and Eric Helleiner(eds.), Nation-States and Money: The Past, Present and future of National Currencies, Routledge, 1999
conventional
#2
27 ページ
... by mutually exclusive sovereign moneys, the conventional approach in effect privileges the power of national governments over all other actors.
[54頁]
「結果として、貨幣の問題における権力は、有無を言わせず国家の手に集中されるべきものだと、慣習的に考えられるようになった★1。」
邦訳書より
第二章 領土内通貨
第1二章
領土内通貨
「自らの政権域内で単一の標準通貨制度を実施しようとしなかった国家はほとんど例が
なS」
マイケル·マッサ「通貨圏のマクロ経済的政策操作」一九九一年
急速に過去の遺物となりつつあるものの、ウェストファリア.モデルは国際通貨関係について
のわれわれのイメージを依然支配し続けている。専門家でさえ、大半は領土内限定通貨のイメー
ジに基づいて理論展開し、いまもわれわれを誤解に導いている(IMF調査局長マイケル·マッ
サもその一人)註1。「一国家一通貨」神話の利点は明白だ。スタンダードな経済理論における完全
競争仮説のように、分析の出発点として都合がいい。神話に反する事実は、単に厄介な例外とし
て処理すれば済む。しかし欠点もやはり明らかである。相互に排他的な支配を受ける通貨から生
まれる地理イメージに固執する、この型通りのアプローチは、事実上、他のあらゆる経済主体に
比べ、国家に特権を与え、たとえどんなに経済プロセスの現実とはかけ離れていようと、暗に国
家中心の支配システムを支持することになる。
51
以下中野剛志『富国と強兵』#1より
こうしたことから、ベンジャミン・コーエンは、貨幣は「脱領土化」(deterritorialised)したと主張している。その論旨は、次のようなものであった。
一七世紀のウエストファリア条約以来、領土内における最終的な政治権力は国家にあるという主権国家の制度が確立した。貨幣の創出と管理は国家が独占するという通貨主権の伝統は、このウエストファリア的な主権国家システムに由来する。「結果として、貨幣の問題における権力は、有無を言わせず国家の手に集中されるべきものだと、慣習的に考えられるようになった★1。」ここで「慣習的」と述べているように、コーエンは貨幣と国家権力との間の関係は歴史的経緯によるのであって、そこに合理的な理由があるとは考えていない。
しかし、このウエストファリア的な通貨主権のモデルは、通貨の国際化や通貨代替といった「貨幣の脱領土化」が進んだことによって、変化を余儀なくされている。国家は通貨の管理を独占する特権を有するという考え方がもはや通用しなくなっているのは自明である。このように主張するコーエンの議論は、グローバリゼーションによって地政学はもはや過去のものとなったという、冷戦後に流行した論調に共鳴するものであると言えるだろう。
もっともコーエンは、貨幣問題において国家が何の役割も果たさなくなったと論じているわけではない。国家は、依然として通貨を発行し、供給する主体である。しかし、資本移動がグローバル化したことにより、通貨の需要はグローバル市場において決まることになる。たとえば、ドルの国際化やドルによる通貨代替といった「ドルの脱領土化」とは、グローバル市場における通貨を巡る競争の結果、ドルが需要されたということである。このように、グローバル市場が通貨を選ぶ時代においては、国家はもはや自国の領土内において通貨の需要を一方的に独占することができなくなるのである。
この状況を指してコーエンは、通貨は国家による「独占」ではなく、「寡占」になったと言う。国家という数が限定された主体が通貨を供給するが、通貨の需要は競争領域にあるからである。そこで国家は、寡占企業と同様の戦略をとるようになる。すなわち国家は、グローバル市場において、自国通貨のシェアを維持し、あるいは増やすために、他の国家と競争するようになるのである。「この意味において、通貨の生産者は、自動車、化学製品、あるいはコンピューターの生産者と本質的に何も変わらないのである★2。」
主権国家は通貨を発行するであろうが、何が通貨であるのかを決める最終的な権限は、もはや主権国家にはない。その権限は、グローバル市場における通貨の需給にある。コーエンは、このように論じるのである。 果たしてコーエンが言うように、貨幣は脱領土化したのであろうか。それを判断するためには、そもそも「貨幣」とは何であろうかという基本問題に立ち戻らざるを得ない。 貨幣とは何か
★1 Benjamin Cohen, 'The Geography of Money,' in Emily Gilbert and Eric Helleiner(eds.), Nation-States and Money: The Past, Present and future of National Currencies, Routledge, 1999, p.124.
★2 Cohen (1999: p.124)[247頁]
governance in monetary relations? Going back to the four benefits of a monetary ...
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147 ページ
... becomes clear that the power of national governments, while still substantial, is no longer automatically privileged over that of all other actors. https://books.google.co.jp/books?id=di5zDwAAQBAJ&printsec=frontcover&dq=%27The+New+Geography+of+Money&hl=ja&newbks=1&newbks_redir=0&sa=X&redir_esc=y#v=snippet&q=concent&f=false
conventionally
24 ページ
It also enables us to put the conventional Westphalian model in perspective. The hallmark of the state-centric Westphalian model, the strictly territorial ...
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94 ページ
... most tend to be limited to relations between nominally sovereign governments—reflecting the analytical norms of conventional political geography.
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14 ページ
... even distortions, introduced by the conventional territorial imagery of international relations—the deceptively innocent notion that world politics can ...
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134 ページ
... of what economists call “artificial currency units” (ACUs)— nonstate alternatives designed to perform one or more of the conventional roles of money.
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6 ページ
... offer us a composite map of money's imaginary landscape which is strikingly at variance with conventional understandings of currency space.
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158 ページ
To be sure, no evidence suggests any significant use of dollars for conventional domestic purposes inside EU countries. Dollarization is a phenomenon ...
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1 ページ
As a French economist, Pascal Salin, writes, in a rare dissent from the conventional wisdom: “The production of money, like the production of law, ...
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#2
27 ページ
... by mutually exclusive sovereign moneys, the conventional approach in effect privileges the power of national governments over all other actors.
[54頁]
「結果として、貨幣の問題における権力は、有無を言わせず国家の手に集中されるべきものだと、慣習的に考えられるようになった★1。」
邦訳書より
第二章 領土内通貨
第1二章
領土内通貨
「自らの政権域内で単一の標準通貨制度を実施しようとしなかった国家はほとんど例が
なS」
マイケル·マッサ「通貨圏のマクロ経済的政策操作」一九九一年
急速に過去の遺物となりつつあるものの、ウェストファリア.モデルは国際通貨関係について
のわれわれのイメージを依然支配し続けている。専門家でさえ、大半は領土内限定通貨のイメー
ジに基づいて理論展開し、いまもわれわれを誤解に導いている(IMF調査局長マイケル·マッ
サもその一人)註1。「一国家一通貨」神話の利点は明白だ。スタンダードな経済理論における完全
競争仮説のように、分析の出発点として都合がいい。神話に反する事実は、単に厄介な例外とし
て処理すれば済む。しかし欠点もやはり明らかである。相互に排他的な支配を受ける通貨から生
まれる地理イメージに固執する、この型通りのアプローチは、事実上、他のあらゆる経済主体に
比べ、国家に特権を与え、たとえどんなに経済プロセスの現実とはかけ離れていようと、暗に国
家中心の支配システムを支持することになる。
51
以下中野剛志『富国と強兵』#1より
返信削除こうしたことから、ベンジャミン・コーエンは、貨幣は「脱領土化」(deterritorialised)したと主張している。その論旨は、次のようなものであった。 一七世紀のウエストファリア条約以来、領土内における最終的な政治権力は国家にあるという主権国家の制度が確立した。貨幣の創出と管理は国家が独占するという通貨主権の伝統は、このウエストファリア的な主権国家システムに由来する。「結果として、貨幣の問題における権力は、有無を言わせず国家の手に集中されるべきものだと、慣習的に考えられるようになった★1。」ここで「慣習的」と述べているように、コーエンは貨幣と国家権力との間の関係は歴史的経緯によるのであって、そこに合理的な理由があるとは考えていない。 しかし、このウエストファリア的な通貨主権のモデルは、通貨の国際化や通貨代替といった「貨幣の脱領土化」が進んだことによって、変化を余儀なくされている。国家は通貨の管理を独占する特権を有するという考え方がもはや通用しなくなっているのは自明である。このように主張するコーエンの議論は、グローバリゼーションによって地政学はもはや過去のものとなったという、冷戦後に流行した論調に共鳴するものであると言えるだろう。 もっともコーエンは、貨幣問題において国家が何の役割も果たさなくなったと論じているわけではない。国家は、依然として通貨を発行し、供給する主体である。しかし、資本移動がグローバル化したことにより、通貨の需要はグローバル市場において決まることになる。たとえば、ドルの国際化やドルによる通貨代替といった「ドルの脱領土化」とは、グローバル市場における通貨を巡る競争の結果、ドルが需要されたということである。このように、グローバル市場が通貨を選ぶ時代においては、国家はもはや自国の領土内において通貨の需要を一方的に独占することができなくなるのである。 この状況を指してコーエンは、通貨は国家による「独占」ではなく、「寡占」になったと言う。国家という数が限定された主体が通貨を供給するが、通貨の需要は競争領域にあるからである。そこで国家は、寡占企業と同様の戦略をとるようになる。すなわち国家は、グローバル市場において、自国通貨のシェアを維持し、あるいは増やすために、他の国家と競争
★1 Benjamin Cohen, 'The New Geography of Money,' in Emily Gilbert and Eric Helleiner(eds.), Nation-States and Money: The Past, Present and future of National Currencies, Routledge, 1999, p.124. ★2 Cohen (1999: p.124)
11 ページ
返信削除... like a teaspoon or an umbrella, but unlike an earthquake or a buttercup, are defined primarily by the use or purpose which they serve” (Hawtrey 1928:1).
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224 ページ
... 99 Ha, Jiming, 113 Hale, David D., 111, 161, 162, 163, 164 Hanke, Steve H., 55, 165 Harmelink, Herman, 35 Hartmann, Philipp, 138, 157–58 Hawtrey, Ralph, ...
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202 ページ
Hawtrey, Sir Ralph (1928). Currency and Credit, 3rd ed. New York: Longmans, Green. Hayek, Friedrich A. (1976). “Choice in Currency: A Way to Stop Inflation.
ホートレー
通貨とは
返信削除Currency and credit : Hawtrey, R. G. (Ralph George), 1879-1975 : Free Download & Streaming : Internet Archive
https://archive.org/details/currencycredit00hawtrich
https://ia601402.us.archive.org/23/items/currencycredit00hawtrich/currencycredit00hawtrich_bw.pdf
ホートレーの代表作1919年全440頁
p.1
返信削除CHAPTERI.CREDITWITHOUTMONEY.
Moneyisoneofthoseconceptswhich,likeateaspoonoranumbrella,butunlikeanearthquakeorabuttercup,aredefin-ableprimarilybytheuseorpurposewhichtheyserve.Theuseorpurposeofmoneyistwo-fold:itprovidesamediumofexchangeandameasureofvalue.
CHAPTER I.
返信削除CREDIT WITHOUT MONEY.
MONEY is one of those concepts which, like a teaspoon or an
umbrella, but unlike an earthquake or a buttercup, are defin-
able primarily by the use or purpose which they serve.
use or purpose of money is two-fold : it provides a medium of
exchange and a measure of value.
According to the classical doctrine of money, mankind, in
order to avoid the intolerable inconvenience of the direct barter
The
of one kind of commodity or service for another, has learnt to
choose one standard commodity to be offered by every buyer
and accepted by every seller. Whether this standard com-
modity is established by law or custom, the seller willingly
accepts it in payment because he knows that it will be ac-
cepted in turn by those from whom he wants to buy. The
practice which makes the selected commodity the common
medium of exchange almost inevitably makes it also the
common measure of value.
A market which priced each
commodity separately in terms of every other would be im-
possibly complicated; the use of one standard commodity as
money enables us to express all prices in terms of this one
commodity.
If we approach the subject in this way, we naturally as-
sume that the use of some selected commodity as money is
the only alternative to a state of barter. To show what part
the use of money plays in society, and how great a difference
it makes, we are invited to turn to remote and benighted com-
munities which have never learnt the use of it, or to conjec-
ture what must have been the economic condition of mankind
before money was originated at all. Such comparisons may
well exaggerate the importance of money.
In order to see it
I
20
返信削除か? この問いに答えを出すことによって、力の所在、通貨支配のプロセス、現代政治経済への
影響が明らかになるだろう。
通貨の意味
次に通貨の意味について考えてみようま4。基本的には、通貨はその機能によって定義される。
イギリスのかつての著名な経済学者が、以前ユーモラスに表現した。「通貨とは利用方法や目的
によって本来的に定義される概念の一つであるという点において、ティースプーンや傘と同じ次
元のものであるが、地震やキンポウゲ(毒草)とは違う次元のものである」(Hawtrey 1928:1)。通貨
は、その物理的あるいは法的性質にかかわらず、原則として特定の機能を慣習的に果たす。
通貨は、交換媒体、計算単位、価値保蔵という三つの機能を伝統的にもつ。交換媒体としての
通貨は、流通する支払い手段と考えて等しい。この役割を果たす場合の通貨の主要特性は、契約
上の支払い義務を満たす一般的な受領性をもつことである。計算単位としての通貨は、多様な商
品、サービス、資産の価値を表すための共通の基準、すなわちニュメレールとなる。この場合の
主要特性は、能率的で信頼の置ける価格表示ができる点である。価値保蔵の面では、資産を保有
するうえで好都合な手段として機能する。この役割における通貨の主要特性は、売却による受取
165
返信削除第五章 通貨問競争とヒエラルキー
「あんたは、国のため、国民のためと考える年寄りだ。でも世の中には、国家も、国民
も、ロシア人も、アラブ人も、第三世界も、西欧世界もない。存在するのは、システム
を束ねる全体的システムであり、米ドルが、オイルダラーが、電子マネーが、さまざま
なダラーが、独マルクが、ルーブルが、ポンドが、シェケルが支配する、互いに入り組
み、相互に作用しあう、多国間の、多変数の巨大な世界だけだ。地球上の社会の全体像
を決定するのは国際通貨システムなんだ。それが現代社会の自然の捉だよ。それが今日
の原子構造であり、素粒子構造であり、宇宙構造だ」
映画「ネットワーク」(一九七六年製作)より、アーサー·ジェンセンが
ハワード·ビールに向かって語った台詞
この映画の場面を想像してみてほしい。場所は優雅な会社の会議室。当惑した表情のTV
ニュースのアンカーマン。興奮した声で領土内通貨の時代は終わったと宣言しているネットワー
クの会長。約二二十年前の映画「ネットワーク」の中では、この台詞は怒りにまかせて吐かれた世迷
166
い言として扱われていた。しかし現代社会に照らし合わせてみると、アーサー·ジェンセンの熱
弁は予言的だ。
原因はもちろん、世界的な通貨関係の空間構造を変化させた、国境を越えた通貨間競争の急速
な激化である。領土内通貨の時代が幕を開けて以来、今日ほど国民通貨の領域が相互浸透性を
もったことはない。時代遅れの「一国家一通貨」神話で、通貨のイメージされた地形を正確に描く
のは、しだいに難しくなっている。国家中心のウェストファリア·モデルは、さまざまな変形バ
リエーションも含めて、ますます本来のあり方に近づいている||つまり、ウェストファリア
モデルはいっそう特殊な例になりつつある。現代の通貨地理を理解するには、物理的な観点から
ではなく、機能の観点から考えるべきである。通貨圏は場所ではなく、むしろフローをベースに
展開されるのだ。映画の中の登場人物ジェンセンが思い描くような「システムを束ねる全体的シ
ステム」||ノーベル賞受賞者フリードリッヒ.ハイエクが提唱した、脱国家化通貨による市場
主導の世界を俳とさせる||をもつところまでは行っていないかもしれないが、領土内に限定一
されたイメージとはほど遠い、多国の入り組んだ世界になったことは確かだ。
この「銀河系的構造」を正確に把握することはできるのだろうか? 残念ながら、答えはノー
だ。 各通貨の覇権領域を完全に認識するには、世界的な通貨の利用状況を示す包括的かつ継続的
なデータが不足している。取引ネットワークの横の広がりとヒエラルキー構造の縦の広がり、こ
の両者を的確に表すフロー.ベースの通貨圏を実証的にとらえるのは、容易なことではない。し
かし一部のデータについては、さまざまな出版物あるいは非出版物から入手可能で、それを利用
映画『ネットワーク』(シドニー・ルメット監督、一九七六年製作)より
Network(1976)directed by Sidney Lumet
ベンジャミン・コーヘン『通貨の地理学』2000年165頁参照
https://www.amazon.co.jp/dp/4431708863/
Benjamin Cohen, 'The Geography of Money,'
https://twitter.com/tiikituukahana/status/1441600676715372548?s=21
ベンジャミン・コーヘン『通貨の地理学』2000,
https://www.amazon.co.jp/dp/4431708863/
Benjamin Cohen, 'The Geography of Money,' in Emily Gilbert and Eric Helleiner(eds.), Nation-States and Money: The Past, Present and future of National Currencies, Routledge, 1999
Network (1976 film)
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Network
Theatrical release poster
Directed by Sidney Lumet
Written by Paddy Chayefsky
Produced by Howard Gottfried
Fred C. Caruso
Starring Faye Dunaway
William Holden
Peter Finch
Robert Duvall
Beatrice Straight
Ned Beatty
Narrated by Lee Richardson
Cinematography Owen Roizman
Edited by Alan Heim
Music by Elliot Lawrence
Production
company Metro-Goldwyn-Mayer
Distributed by United Artists
Release date November 27, 1976
Running time 121 minutes[1]
Country United States
Language English
Budget $3.8 million
Box office $23.7 million[2]
You are an old man...
返信削除...who thinks in terms
of nations and peoples.
There are no nations, there are no peoples.
There are no Russians.
There are no Arabs.
There are no Third Worlds.
There is no West!
There is only one holistic system
of systems.
One vast and immane...
...interwoven, interacting, multi-variate...
...multinational dominion of dollars.
Petrol dollars, electro-dollars,
multi-dollars.
Reichsmarks, rins, rubles,
pounds and shekels.
It is the international system of currency which determines...
...the totality of life on this planet.
That is the natural order of things today.
That is the atomic......and subatomic...
...and galactic structure of things today.
v
返信削除「あんたは、国のため、国民のためと考える年寄りだ。でも世の中には、国家も、国民
も、ロシア人も、アラブ人も、第三世界も、西欧世界もない。存在するのは、システム
を束ねる全体的システムであり、米ドルが、オイルダラーが、電子マネーが、さまざま
なダラーが、独マルクが、ルーブルが、ポンドが、シェケルが支配する、互いに入り組
み、相互に作用しあう、多国間の、多変数の巨大な世界だけだ。地球上の社会の全体像
を決定するのは国際通貨システムなんだ。それが現代社会の自然の捉だよ。それが今日
の原子構造であり、素粒子構造であり、宇宙構造だ」
映画「ネットワーク」(一九七六年製作)より、アーサー·ジェンセンが
ハワード·ビールに向かって語った台詞
You are an old man...
返信削除...who thinks in terms
of nations and peoples.
There are no nations, there are no peoples.
There are no Russians.
There are no Arabs.
There are no Third Worlds.
There is no West!
There is only one holistic system
of systems.
One vast and immane...
...interwoven, interacting, multi-variate...
...multinational dominion of dollars.
Petrol dollars, electro-dollars,
multi-dollars.
Reichsmarks, rins, rubles,
pounds and shekels.
It is the international system
of currency which determines...
...the totality of life on this planet.
That is the natural order of things today.
That is the atomic...
...and subatomic...
...and galactic structure
of things today.
「あんたは、国のため、国民のためと考える年寄りだ。でも世の中には、国家も、国民
も、ロシア人も、アラブ人も、第三世界も、西欧世界もない。存在するのは、システム
を束ねる全体的システムであり、米ドルが、オイルダラーが、電子マネーが、さまざま
なダラーが、独マルクが、ルーブルが、ポンドが、シェケルが支配する、互いに入り組
み、相互に作用しあう、多国間の、多変数の巨大な世界だけだ。地球上の社会の全体像
を決定するのは国際通貨システムなんだ。それが現代社会の自然の捉だよ。それが今日
の原子構造であり、素粒子構造であり、宇宙構造だ」
映画「ネットワーク」(一九七六年製作)より、アーサー·ジェンセンが
ハワード·ビールに向かって語った台詞
地域通貨花子1
@TiikituukaHana
映画『ネットワーク』(シドニー・ルメット監督、一九七六年製作)より
Network(1976)directed by Sidney Lumet
ベンジャミン・コーヘン『通貨の地理学』2000年165頁参照
amazon.co.jp/dp/4431708863/
Benjamin Cohen, 'The Geography of Money,' pic.twitter.com/XJXj78bEXF
2021/09/25 12:09
https://x.com/tiikituukahana/status/1441600676715372548?s=61