2020年8月14日金曜日

バディウ『存在と出来事』Alain Badiou L'Être et l'Événement (1988)


Being and Event

Alain Badiou



Alain Badiou (/bəˈdj/French: [alɛ̃ badju] About this sound(listen) (help·info); born 17 January 1937) is a French philosopher, formerly chair of Philosophy at the École normale supérieure (ENS) and founder of the faculty of Philosophy of the Université de Paris VIII with Gilles DeleuzeMichel Foucault and Jean-François Lyotard. Badiou has written about the concepts of beingtruthevent and the subject in a way that, he claims, is neither postmodern nor simply a repetition of modernity. Badiou has been involved in a number of political organisations, and regularly comments on political events. Badiou argues for a return of communism as a political force.[2]

存在と出来事





  • アラン・バディウ著 藤本一勇訳
  • A5上製 656頁
    ISBN-13: 9784865782509
    刊行日: 2019/12

  • フランス現代思想“最後”の巨人、最重要文献の完訳。

    “出来事”を数理的に擁護せよ――革命・創造・愛といった「出来事」を神秘化・文学化から奪還し、集合論による「存在」の厳密な記述に基づき、「出来事」の“出来”の必然性を数理的に擁護する。アルチュセールの弟子にして、フラン ス現代思想“最後”の巨人が、数学と哲学の分断を超えてそのラディカリズムの根拠づけを企図し、後の思弁的実在論にも影響を与えた最重要文献。

    目次

    序 論

    Ⅰ 存在――多と空 プラトン/カントール
     省察1 一と多――あらゆる存在論のアプリオリな条件
     省察2 プラトン
     省察3 純粋な多の理論――パラドクスと批判的決定
     技術上の注――書字の約束事
     省察4 空――存在の固有名
     省察5 標記Ø
     省察6 アリストテレス

    Ⅱ 存 在――超過、状況の状態 一/多、全体/部分、あるいは∈/⊂?
     省察7 超過点
     省察8 状態あるいはメタ構造と存在の類型学(正常性、特異性、過剰性)
     省察9 歴史的―社会的状況の状態
     省察10 スピノザ

    Ⅲ 存 在――自然と無限 ハイデガー/ガリレオ
     省察11 自 然――詩か数学素か?
     省察12 自然な多の存在論的図式と《自然》の非実存
     省察13 無 限――他のもの、規則、そして《他》
     省察14 「自然な多には無限がある」という存在論的決定
     省察15 ヘーゲル

    Ⅳ 出来事――歴史と〈超―一〉
     省察16 出来事の立地と歴史状況
     省察17 出来事の数学素
     省察18 存在による出来事の禁止
     省察19 マラルメ

    Ⅴ 出来事――介入と忠実さ パスカル/選択 ヘルダーリン/演繹
     省察20 介 入――出来事の名の不法な選択、《二》の論理、時間的基礎
     省察21 パスカル
     省察22 介入の〈多なる形式〉――選択の存在はあるか
     省察23 忠実さ、連結
     省察24 存在論的忠実さの操作子としての演繹
     省察25 へルダーリン

    Ⅵ 量と知 識別可能体(あるいは構成可能体) ライプニッツ/ゲーデル
     省察26 量の概念と存在論の袋小路
     省察27 思考における方向づけの存在論的運命
     省察28 構成主義的思考と存在の知
     省察29 存在の折り曲げと言語の主権
     省察30 ライプニッツ

    Ⅶ ジェネリック――識別不可能なものと真理 P・J・コーエンという出来事
     省察31 ジェネリックの思考と真理内存在
     省察32 ルソー
     省察33 識別不可能なものの数学素――P・J・コーエンの戦略
     省察34 識別不可能なものの実存――名の権力

    Ⅷ 強制法――真理と主体 ラカンの彼方へ
     省察35 主体の理論
     省察36 強制法――識別不可能なものから決定不可能なものへ
     省察37 デカルト/ラカン

    補遺
    原注
    辞書
    訳者解説(藤本一勇)

    関連情報

    私の主張するテーゼは、存在が数学的であると、言い換えれば、存在が数学的客観から構成されていると、そのように宣言するのではいささかもない。それは世界についてのテーゼではなく、言説についてのテーゼである。私のテーゼが肯定するのは、数学はその歴史的生成の全体において、〈存在としての存在〉について言いうることを言明しているのだということである。存在論はトートロジー(存在はそれが在るところのものである)や神秘的な謎(《現前性》のつねに差延された近似)に還元されるものなどではいささかもなく、豊かで複雑な未完の学であり、忠実さ(この場合は演繹の忠実さ)の厳しい拘束に従った学である。このように、一切の現前化を免れるものについての言説を組織することによってのみ、無限の厳格な任務が目の前に開けるのだ。(「まえがき」より)

    【著者紹介】
    ●アラン・バディウ(Alain Badiou)
    1937年モロッコ・ラバト生まれ。フーコー、ドゥルーズ、デリダなき後の、フランス最大の哲学者。高等師範学校(ユルム校)に学ぶ。パリ第八大学哲学科教授、高等師範学校哲学科教授を経て、現在、高等師範学校名誉教授。詩、数学に造詣が深く、また小説、戯曲、映画評論をも手掛ける。著書に『哲学宣言』『世紀』(藤原書店)『条件』『世界の論理』(藤原書店近 刊)、『ドゥルーズ――存在の喧騒』『倫理――悪の意識に関する試論』(河出書房新社)、『推移的存在論』(水声社)、『ラカン』(法政大学出版局)など多数。

    【訳者紹介】
    ●藤本一勇(ふじもと・かずいさ)
    1966年生まれ。パリ社会科学高等研究院深化学位(DEA)「歴史と文明」取得。早稲田大学文学研究科博士課程単位取得満期退学。早稲田大学文化構想学部表象・メディア論系教授。専攻、哲学。著書に、『批判感覚の再生――ポストモダン保守の呪縛に抗して』(白澤社、発売・現代書館)、『情報のマテリアリズム』(NTT出版)、訳書に、デリダ『アデュー――エマニュエル・レヴィナスへ』(岩波書店)、デリダ『哲学の余白』(法政大学出版局)、デリダ『プシュケー』(岩波書店)、ブルデュー『政治』(共訳、藤原書店)、ラクー=ラバルト『歴史の詩学』(藤原書店)がある。

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