2020年8月15日土曜日

台湾 オードリー・タン Audrey Tang

台湾 オードリー・タン Audrey Tang
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零時政府 g0v.tw

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RadicalxChange

https://www.radicalxchange.org



AUDREY TANG 唐鳳 オードリー・タン 

デジタルとAIの未来を語る 

THE FUTURE OF DIGITAL INNOVATION 

オードリー・タン著 プレジデント社


オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る


https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B08MF877HP/

2020年11月29日(電子版2021114日)



柄谷行人の「交換モデルX」から受けた大きな影響  


 私が現在興味を持っていることの一つは、日本の哲学者であり文芸評論家でもある柄谷行人さんが唱えている「交換モデルX」をデジタルの力で実現できないだろうかということです。  

 私は柄谷さんの思想に強い影響を受けています。たとえば、『トランスクリティーク──カントとマルクス』は、カントの視点からマルクスを、マルクスの視点からカントを見たものですが、私に大きな影響を与えた作品です。  

 彼は多くの考えを持っていて、とくに『トランスクリティーク』に続いて刊行された『世界史の構造』などに出てくる「交換モデルX」という概念は、間違いなく私に大きな影響を与えています。少し説明すると、柄谷さんが言っている交換モデルXとは、家庭のような無償の関係の交換モデルA、上司と部下のような上下関係のB、政府内部あるいは不特定多数の人たちが対価で交換する市場のような関係のC、これら三種類に属さない四つ目の交換モデルを指しています。これは開放的な方法で、不特定多数の人々を対象としつつ、「家族のように何か手伝いを必要とすれば、見返りを求めずに助ける」という交換モデルです(図表3)。  


図表 3 柄谷行人『交換様式X』

 ___________

|B再分配 |A互酬  |

|(略奪と | (贈与と|

| 再分配)|  返礼)|

|_____|_____|

|C商品交換|D    |

| (貨幣と|  X  |

|  商品)|     |

|_____|_____|


出典:柄谷行人著『世界史の構造』(岩波書店)

 二〇一四年と二〇一五年に台湾でイベントがあり、柄谷さんとお会いする機会がありました。話をしていて、私たちの視点が似ていたことがとてもうれしかったのですが、柄谷さんが彼自身の角度からこれまでの哲学者について整理してくれたのは、私にはとても参考になりました。  

 柄谷さんの交換モデルに関する基本的な考え方というのは、次のようなものです。 「交換」ということを考えるとき、二つの方向性があります。一つは知り合いと交換するか、見知らぬ人と交換するかという方向性であり、もう一つは交換の中で見返りの関係になるかどうかという方向性です。見返りの関係とは、相手から何かもらうことで自分も相手に与えるような等価交換の関係です。見返りの関係にならない交換には、無償で交換するとか、自由に分け合うというパターンがあります。すると、次のように二つの方向性で四種類の交換モデルが生まれることになります。 


知り合いと見返りの関係になって交換するパターン 

知り合いと見返りの関係にならずに交換するパターン 

見知らぬ人と見返りの関係になって交換するパターン 

見知らぬ人と見返りの関係にならずに交換するパターン  


 たとえば、「知り合いとしか交換しないけれど、自由に交換する」(前記の)というのは、家族です。家族であれば間違いなくお互いを知っていますし、助けが必要となれば手を差し伸べるでしょう。このパターンは、「助けてあげるから、あとで見返りを求める」という関係ではありません。その点でクローズドな交換ですが、対価のない交換です。  

 同じように「クローズドなモデルだけれど、見返りのある」交換もあります(前記の)。それは国家や政府のようなものを考えればいいでしょう。納税をすることによって国家や政府は私たちにインフラやサービスなどを交換で提供します。これは従来までの国家の概念で、この交換システムに参加できるのは、国民あるいは市民という知り合いに限られることになります。  

 次に「不特定の会ったこともない人と見返りを伴って交換する」パターン(前記の)ですが、これは市場を考えるとわかりやすいでしょう。あなたがもし何かを売ろうと店を開くと、相手が国民だろうと家族だろうと、お金を持って買いに来た場合、商品を売るでしょう。この場合、ある種のオープンな交換になります。  

 そこで柄谷さんは問いかけます。不特定の人に対価を求めるわけではなく、無償で分け与えたいとすると、これはどんなモデルだろうか。これは「オープンで、かつ無償の交換を行う」というパターンですが、このモデルには名前が存在しません。柄谷さんはこれをXと名づけました。これが交換のXモデルです(前記の)。  

 私は柄谷さんに、「イーサリアムやビットコインのように世界中の不特定多数の人々が組織化し、そのプラットフォーム上で交換が行われる暗号通貨などのような新しい分散型交換モデルは、交換モデルXの実現と捉えてよいのか」と尋ねました。これについて柄谷さんは、地域通貨や自分が考えている通貨発行のシステムなどを交えて答えてくださいました。  

 つまり、こうした分散型の方向に進むことは決して悪いことではないけれど、相互信頼がない知らない人同士の交換システムの場合、基本的なシステムについてどのように信頼を得ていくかが重要な問題の一つになるというのです。  

 交換システムに参加する人たちがお互いに顔見知りで、少なくとも誰かの推薦で参加するのであれば、先ほど述べた「家族」という考え方を拡大すればいいのですが、知らない人との交換では「どのようにして信頼を担保するか」を解決しなければならないのです。  

 市場であれば、これは問題になりません。「交換が自由である」ということだけで、対等性も等価性も必要ないからです。  

 私が問題にしているのは、知識の交換のようなケースです。私が知識を誰かとシェアしたからといって、私の知識が失われるわけではありません。これは事実上、独占権のない無償の交換モデルですが、この場合、「私の知識をシェアした人が、その知識を用いて私の望まないことを行わない」という信頼関係が必要です。  

 その信頼関係をどのようにして構築するか。それはまだ完全には解決していない問題です。だからこそ、「この問題を先に解決してからでないとこの道を歩み続けることはできない」と柄谷さんは言うのです。  


参考:

台湾デジタル大臣「唐鳳」を育てた教えと環境 東洋経済education×ICT 

2020/07/24

https://toyokeizai.net/articles/-/363750

お好きな哲学者、哲学書というのはありますか。


台湾デジタル大臣「唐鳳」を育てた教えと環境 | 東洋経済education×ICT | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

《…お好きな哲学者、哲学書というのはありますか。

唐鳳:私は現在、RadicalxChange(https://www.radicalxchange.org)という非営利ソーシャルイノベーション組織に参加しています。本部は米ニューヨークにありますが、全世界で運営されている組織です。私はデジタル大臣として働く傍ら、起業も行っています。

私と一緒に起業した人物で、エリック・グレン・ワイル(E.Glen Weyl)さんは、起業する一方でマイクロソフト社で未来学者のような役割を担っています。またヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)さんは、われわれと起業しながらEthereum(イーサリアム)(注2)というソースコードを開発する計画に携わっています。

ヴィタリックさんのEthereum上で研究開発された「新たな交換様式」は、不特定多数の人が公共の利益のために交換することを可能にするものです。これは一見すると個人ための利益に見えるかもしれませんが、最終的にはコミュニティー全体の利益になるという共通認識につながります。これらはメカニズムデザインの活用方法であり、私はこれを台湾の政治にできる限り応用するようにしています。

前置きが長くなりましたが、なぜこのような交換様式をRadicalxChangeと
名付け、Radical x Changeと別々の単語に分けて表示しなかったのか。それは
日本の文学者であり哲学者である柄谷行人(注3)さんが提唱している交換様式X、
すなわち「交換様式論」(注4)から着想したものだからです。

(注2) Ethereum=分散型アプリケーションやスマートコントラクト(契約のスムーズな検証や執行、実行、交渉などを狙ったコンピュータープロトコル)を構築するためのプラットフォームの名称であり、関連するオープンソース・ソフトウェア・プロジェクトの総称。ヴィタリック・ブテリンさんが提唱したもの。
(注3) 柄谷行人(からたに・こうじん)=1941年生まれ。著書に『定本 日本近代文学の起源』『トランスクリティーク』『世界史の構造』『哲学の起源』(すべて岩波現代文庫)『世界史の実験』(岩波新書)など多数。

(注4) 交換様式=柄谷行人氏が1998年に着想し、2010年刊行の『世界史の構造』でひとまず完成されたと思われる「交換様式論」を指す。社会システムの歴史を交換様式がどうであったからという観点から説明する理論。交換様式には4つのタイプがある。「互酬交換」(贈与とお返し)という関係を持つA、「服従と保護」(支配と被支配)の関係をB、「商品交換」(貨幣と商品)という市場で見られる関係をCとする。ここで、柄谷氏は交換様式Aは、交換様式BとCが浸透することで解体することになるが、その後、より高い次元で回復するという。互酬原理によって成り立つ社会Aは国家の支配Bや貨幣経済Cによって解体されるが、互酬的な関係が高次元で回復する。その回復した状態こそ交換様式D=Xと説明する。

___

感染症対策と民主主義促進にデジタルイノベーションをどう生かすのか、オードリー・タンがインタビューに答えている TED-YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=IZ2N3tF4W_k





【開源在臺灣】國際開源社群領導者唐鳳:開源是新時代交換典範 | iThome

https://www.ithome.com.tw/news/93603

Q  開源又是怎麼影響經濟以及政治模型的?

 A   在經濟方面,傳統分配模式的公地悲劇模型已被證明為過時的想像,開源社群也提出分享經濟作為新的思考架構。其中除了臺灣近年較為熟悉,由Clay Shirky提出的串聯模型之外,Jeremy Rifkin提出的零邊際成本模型和Yochai Benkler提出的協造共有模型,都是從開源社群實地觀察出來的思想。

政治方面,開源專案去中心化的成功運作,促成了各地的網絡民主實驗。Lawrence Lessig將開源理念擴增為,以創用CC為先導的自由文化運動後,也進一步針對美國的金權政治結構,用群募模式來經營以獻金透明化為訴求的新政團,以改進現有民主體制。更接近安那其的這端,則有柄谷行人提出透過開源分享的實踐,來消弭國族與資本造成的隔閡。

台湾のオープンソース】国際オープンソースコミュニティのリーダー馮唐氏:オープンソースは新世代のお手本 - iThome
https://www.ithome.com.tw/news/93603
2015/01/16
Q オープンソースは経済・政治モデルにどのような影響を与えますか?

 A 経済面では、従来の流通モデルの悲劇的なコモンズモデルが時代遅れの想像力であることが証明され、オープンソースコミュニティは経済を考える新しい枠組みとしてシェアリングエコノミーを提案してきました。 近年台湾では馴染みの深いクレイ・シャーキーが提唱したカスケードモデルに加え、ジェレミー・リフキンが提唱したゼロ限界コストモデルや、ヨチャイ・ベンクラーが提唱した共同コモンズモデルは、いずれもオープンソースコミュニティでの現場観察である。

政治の世界では、オープンソースプロジェクトの分散化に成功したことで、いたるところでサイバー民主主義の実験が行われるようになり、ローレンス・レッシグはオープンソースの理念を拡大して、CCを開拓したフリーカルチャー運動や、アメリカの貨幣的な権力構造に対抗して、既存の民主主義を改善するために寄付の透明性を求める新しいコーカスをクラウドファンディングを使って運営するなど、オープンソースの理念を展開しています。 アナーキストの端に近いところでは、オープンソースの共有の実践を通して、国籍と資本の間のギャップを埋めることを提案する柄谷行人がいます。



Kim, Yi-Chul
kimarx

オードリー・タンが柄谷行人から影響を受けて贈与経済の「高次での回復」をめざすための実践的組織に参加しているというのは知らなかった。

2020/08/15 1:23:02Twitter Web App

https://twitter.com/kimarx/status/1294308558545149954


北守
hokusyu82

台湾の唐鳳って、技術信仰のテクノクラートの権化かと思いきや必ずしもそうではないわけでしょ。このインタビューだけでも人文知があることがわかるし、柄谷とか読んで彼女なりのテーゼをつくってる。ところが日本ではむしろ教科書から柄谷を排除しようとしてるわけだ。
https://t.co/dnRVgLzWDz

2020/08/14 22:24:57Twitter for iPhone

https://twitter.com/hokusyu82/status/1294263745619755014


junichi yoshimura
jy_speedy

柄谷にさらっと言及している。台湾の超天才「唐鳳」が語るデジタル教育の本懐 39歳デジタル大臣「自ら動機を探すことが重要」 | 東洋経済education×ICT https://t.co/N7HogRJFt5 @Toyokeizaiより

2020/08/12 1:23:58Twitter for iPhone

https://twitter.com/jy_speedy/status/1293221630768869376



:: SayIt

https://sayit.pdis.nat.gov.tw/search/?q=%E6%9F%84%E8%B0%B7

Mentions of “柄谷” in speeches















































検索/柄谷
スピーチにおける「から谷」の言及

2018-01-19 Zen Yushanによる訪問
唐風水
表と裏をめくったので、後で英語の本を探しに行きました。 私は遅くカラタニと連絡を取りましたが、彼の考えの多くは非常に無秩序であり、現代性と意味で再解釈されています。

2018-01-19 Zen Yushanによる訪問
唐風水
ひまわりの前後に、台湾人の友人が一連の唐谷書を翻訳し、「世界史の構造」から読み始めました。

2018-07-20「台湾の若手政治家を育てる方法」に関するインタビュー
唐風水
李は他の人に話をするのに上下はないことを伝えることができます哲学について話したい場合、刈谷が言ったのは「捕食再分配」の交換モードであり、それとは何の関係もありません。 したがって、「捕食-再分配」という言葉で説明することはできませんが、これは本質的な制限であり、これは1つのことです。


https://sayit.pdis.nat.gov.tw/search/?q=karatani


Mentions of “karatani” in speeches



2018-05-08 Conversation with international journalists

Audrey Tang

Asian, thinkers in Asia, such as Kōjin Karatani, I think. Let me just quickly make sure that I am speaking of the right person.



2017-05-22 Martin Legros visit

Audrey Tang

, there is this philosopher, Kōjin Karatani, who categorized many of the early pioneers, that is to say, people who just



2018-05-08 Conversation with international journalists

Audrey Tang

Kōjin Karatani is a little bit like David Graeber, also an associationist anarchist, [laughs



2018-01-19 曾于珊來訪

唐鳳

在太陽花前後有一些臺灣的朋友翻譯了Karatani(柄谷行人)一系列的書籍,我是從「世界史的結構」開始看。


deepl:

スピーチでの「カラタニ」の言及



2018-05-08 国際ジャーナリストとの会話

オードリー唐

アジアの、アジアの思想家、例えば唐谷幸人さんとかね。私の発言が正しいかどうか、さっさと確認させてください。



2017-05-22 マルティン・レグロス訪問

オードリー唐

哲学者の唐谷幸人という人がいますが、彼は初期の先駆者の多くを分類しています。



2018-05-08 国際ジャーナリストとの会話

オードリー唐

唐谷幸人は、同じくアソシエーション主義のアナーキストであるデビッド・グレイバーにちょっと似ていますね[笑



2018-01-19 曾于珊來訪

唐鳳

在太陽花前後有一些臺灣的朋友翻譯了Karatani(柄谷行人)一系列的書籍,我是從「世界史的結構」開始看。


google.tr:

スピーチにおける「からたに」の言及



2018-05-08国際ジャーナリストとの会話

オードリー・タン

アジア人、アジアの思想家、たとえば唐谷浩仁さん、そうですね。



2017-05-22マーティンレグロス訪問

オードリー・タン

、この哲学者、空谷空谷は初期の開拓者の多くを分類した、つまり、



2018-05-08国際ジャーナリストとの会話

オードリー・タン

唐谷鋼人は、アソシエーションのアナキストでもあるデビッド・グレイバーに少し似ています。



2018-01-19 Zen Yushanによる訪問

唐風水

ひまわりの前後に、台湾人の友人が唐谷書を翻訳し、「世界史の構造」から読み始めました。





https://sayit.pdis.nat.gov.tw/search/?page=2&q=一系列

Mentions of “一系列” in speeches



唐風水
ひまわりの前後に、台湾人の友人が唐谷書を翻訳し、「世界史の構造」から読み始めました。
コンテキストリンクLink

唐風水
表と裏をめくったので、後で英語の本を探しに行きました。 私は遅くカラタニと連絡を取りましたが、彼の考えの多くは非常に無秩序であり、現代性と意味で再解釈されています。
コンテキストリンクLink

唐鳳 
在太陽花前後有一些臺灣的朋友翻譯了Karatani(柄谷行人)一系列的書籍,我是從「世界史的結構」開始看。
Link in context Link

唐鳳
前面、後面都翻過一些,所以後來我去找英文的著作來看。我接觸柄谷是很晚了,但是他很多思想是很有安那其融合在現代跟意義的重新詮釋。
Link in context Link

唐鳳
因為很多安那其思想家都是在資訊時代以前的人,現在是要靠像佔領者——無論是華爾街或是Solarpunk——這些現代的安那其,一定程度上都是把資訊科技不只是當作異化的來源,而是當作安那其存在的基礎。
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唐鳳
這個是跟另外一派的,所謂的密碼學安那其,當然不完全一樣,但有匯流的趨勢。
Link in context Link


唐鳳
密碼學安那其就是像中本聰這種,他相信透過比特幣或者是區塊鏈這一種數學的方式,能夠重新做出主權來,當然這些都對我有一定影響。

ひまわりのあたりでは、台湾人の友人が柄谷さんのシリーズを翻訳している人がいて、私は「世界史の構造」から始めました。

唐風
前後の作品をいくつか見てきたので、英語の作品を探して読んでみました。 遅くなりましたが、彼の思想の多くは、彼のフュージョンを現代的に再解釈した意味深なものです。

唐風
多くのアナーキストの思想家が情報化時代よりも前に生まれたため、ウォール街であれソーラーパンクであれ、情報技術を疎外の原因としてだけでなく、アナーキストの存在の基礎として扱うのは、占拠者のような現代のアナーキストたちにかかっている。

唐風
これは、いわゆる暗号アナーキーとは異なり、もちろん全く同じではありませんが、収束に向けた動きがあります。

唐風
暗号学者アナーキーは、ビットコインやブロックチェーンで主権を取り戻す数学的な方法を信じているサトシ・ナカモトのようなもので、もちろん私にも多少の影響はあります。






オープン・ガバメントを追求する g0v零時政府のシビックハッカ - 台湾光華雑誌 Taiwan Panorama | 国際化、二カ国語編集、文化整合、世界の華人雑誌




台湾の「38歳」デジタル大臣から見た日本の弱点 | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

https://toyokeizai.net/articles/amp/327954

2020/02/01

《私は1993年に初めてインターネットに触れました。そこでは、世界の多くのユーザーが、なぜネットでつながりたがるのかを理解しました。ネットでは誰からも、何も強制されることがない。誰が何を言っても構わない。同時に、誰が何を言っているのかがわかる、透明性が極端に高い世界です。私はこのネットの特性を、一種の政治制度だと認識しました。》


https://toyokeizai.net/articles/amp/327954?page=2

《私がまず日本に関心を寄せているのは、地方創生・再生のやり方です。例えば日本の「RESAS」(地域経済分析システム)には、大いに啓発されました。これによって一時的な現象や特定層の意見のみにとらわれず、産業や教育、人口密度といった細かなデータに基づいて地方創生を議論できます。証拠に基づいた政策立案が可能になるわけです。

年齢による比較は公平ではありません。またITを担当する大臣といっても、日本と台湾とで役割は同じではありません。台湾の科学技術部(省)の大臣や研究者の人たちは私の父と同世代で60、70歳代の高齢ですが、皆さん革新的な考え方を持っていますよ。

台湾では部長(大臣)が組織の縦の運営を行い、私のような政務委員(無任所大臣)は横、すなわち省庁間の連携などで動きます。どちらも欠かせない存在で、それぞれに役割があるのです。》


https://toyokeizai.net/articles/amp/327954?page=3

私は、プログラミング教育よりも「素養」(教養)を涵養するような教育を重視すべきだと考えています。台湾ではこれまで「競争力」を重視するかのような教育が行われてきましたが、現在では「素養」を重視するように教育方針が変わりました。自発的で、ともに助け合い、共通の利益を求めるという3つの要素を重視する教育への転換です。日本の教育政策の方向性は正しいと思いますが、台湾ほどのエネルギーは発していないかもしれません。》

___


https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/fr/cp0/e15/q65/48427391_1022760417906647_8589432196790484992_o.jpg?_nc_cat=111&_nc_sid=8024bb&_nc_ohc=W1sYYnPpwLYAX_MEFmV&_nc_ht=scontent-nrt1-1.xx&tp=14&oh=16753e0911c8d04ec8341124c351f5b5&oe=5F5CA756






https://iitomo2010.blogspot.com/2020/08/blog-post_15.html

台湾IT大臣オードリー・タンの真価、「マスクマップ」はわずか3日で開発された | テクノロジー | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
https://www.newsweekjapan.jp/stories/technology/2020/07/it3_2.php

まず、台湾の行政院(内閣に相当)と立法院(国会)は分かれており、基本的に兼任はしないことが挙げられる。このため行政院内にある各省庁の大臣は皆、その分野におけるスペシャリストが就任している。
「足を引っ張り合っている場合ではない。手持ちで最も勝率が高いカードを掲げ、前へ進め」──これが、筆者のイメージする現在の台湾の民意だ。一見平和なようでも、ややもすると民主主義を失うのではという危機感が、人々の間に常に漂っているからだと思われる。

http://www.youtube.com/watch?v=IZ2N3tF4W_k
感染症対策と民主主義促進にデジタルイノベーションをどう生かすのか、オードリー・タンがインタビューに答えている TED-YouTube


vTaiwan project page

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Where do we go as a society?

Let's think and work together.

vTaiwan is an online-offline consultation process which brings together government ministries, elected representatives, scholars, experts, business leaders, civil society organizations and citizens. The process helps lawmakers implement decisions with a greater degree of legitimacy. It has various touch points such as a website (vtaiwan.tw), a combination of meetings and hackathons along with the consultation process. vTaiwan is also an open space, it is a combination of time and space run by participants to work on cases brought in.

零時政府 g0v.tw

https://g0v.tw/en-US/


オープン・ガバメントを追求する g0v零時政府のシビックハッカ - 台湾光華雑誌 Taiwan Panorama | 国際化、二カ国語編集、文化整合、世界の華人雑誌

https://www.taiwan-panorama.com/ja/Articles/Details?Guid=71c2e863-595c-4b39-849c-c260c0f3e5a0&CatId=7
《「中央政府総予算」可視化サイトは、すぐに多くの人に注目された。数百ページにものぼる政府の予算書に比べ、g0vの「中央政府総予算」は目で見て分かりやすいデザインで、親しみやすい比喩なども用いられ、一目瞭然である。

例えば、国防支出は3059億元だが、これはタピオカミルクティ101億杯分、または超豪華マンションで知られる「帝宝」120万坪分、またはiPhone5が1181万個も買える金額である。

ひとつの政策広告をきっかけに「中央政府総予算」サイトを立ち上げた。高嘉良は、政策決定と民意が懸け離れていることに気付き、2012年に「g0v零時政府」コミュニティを立ち上げ、「零」から政府の役割を考えることにした。

「g0v」なのか「gov」なのか。「零時政府」のg0vと「政府」のgovを混同する人もいるし、「g0vは政党なのか、政府に反対する組織なのか」と問われることも多い。

g0vは「オープンソースコード」コミュニティの延長で、政府や政党とは異なる。g0vコミュニティは誰もが平等に意見を言えるオープンな場で、絶対的な決定権は誰にもない。こうした理念は、オープンで自由、シェアを重視するネットの世界のそれと共通している。

そのため、コミュニティでの討論やソリューション提出は、すべて参加者が自主的に発起し、公開透明なプロセスを経て進められ、どのようなプランにもオープンな態度をとっている。多くの人の協力があり、それが政策の修正を促すこともあり、国民の共同参画も促してきた。

g0vコミュニティでは皆がよく口にする言葉がある。「なぜ『誰』もやらないのかと問う前に、自分がその『誰』であることを認めよう」というものだ。自ら進んで「誰」になれば、そのほかの「誰」も一緒にやり始めるのである。

g0vコミュニティでは皆がよく口にする言葉がある。「なぜ『誰』もやらないのかと問う前に、自分がその『誰』であることを認めよう」というものだ。自ら進んで「誰」になれば、そのほかの「誰」も一緒にやり始めるのである。

シビックハッカーの活躍は世界3位

2012年に発足したg0vは、2014年の「ひまわり学生運動」で一躍有名になった。当時、g0vの少なからぬメンバーが、抗議の現場からリアルタイムの情報を発信し、各方面の情報を統合するプラットフォームを立ち上げた。2014年、香港で普通選挙を求める抗議行動「雨傘革命」が起きた時も、g0vのオープンソースコードを使ってプラットフォームを立ち上げたのである。

IT人材が豊富な台湾は、早くからソースコードやフリーソフトを公開するコミュニティが多数あった。そしてg0vコミュニティが発足し、ひまわり学生運動に大きく貢献したことから、多くの人がコミュニティに加わった。彼らの目標は政府に情報公開を求めることで、問題点については定期的な会合でプロジェクトとして立ち上げ、マラソン式で多くの人が参加していく。彼らはこの方法を「Hackathon」と呼んでいる。

彼らはプロジェクトを坑(穴)と呼び、興味を持ってそれに取り組むことを「穴を掘って穴に跳びこむ」と形容する。高嘉良は、どんなに優れた政策にも問題点があると考え、解決すべき問題は常にあると言う。台湾では、平均して2ヶ月ごとに重大な社会的テーマが持ち上がり、市民のコミュニケーションが必要となる。かつては従来のメディアでしか議論はなされなかったが、ITの発達した今日、より多くの市民がオープンな対話に参加できるようになり、それが政府の効率をも改善させていく。

誰もが自主的に参加するため、g0vのプロジェクト実施効率は極めて高い。例えば「政治献金デジタル化」プロジェクトでは、シビックハッカーが24時間で3万件の資料識別を完成させた。中には失敗に終わるプロジェクトもあるが、それは気にしていない。「政治参加のハードルは高いですが、コミュニティには誰でも参加でき、限られた参加でも影響力を発揮できます」と言う。

オンラインの「オープンソースコード」の自由と協力の精神を受け継ぎ「とにかくやってみる」ことを是とするg0vが、わずか4年のうちに集めた参加者と各種成果により、台湾は世界第3位のシビックハッカー/シビックテック・コミュニティとなり、その「台湾経験」は世界的にも注目されている。》


https://ja.wikipedia.org/wiki/唐鳳

唐 鳳 (とう ほう、タン・フォン、オードリー・タン、Audrey Tang1981年4月18日 - ) は、中華民国 (台湾) の政治家、プログラマー。改名しており/旧名は唐 宗漢 (とう そうかん、タン・ツォンハン、Autrijus Tang)。

Audrey Tang in 2015 (cropped).jpg
中華民国の旗



中華民国の旗
中華民国の旗

2005年、Perl 6(現:Raku)のHaskellによる実装のPugsを開発したことで知られ[1]、「台湾のコンピューター界における偉大な10人の中の1人」とも言われている[2]

2016年10月に台湾の蔡英文政権において35歳の若さで行政院に入閣し、無任所閣僚の政務委員(デジタル担当)を務めている[3][5]

来歴編集

唐光華・李雅卿中国語版夫妻の子供として生まれる[6]。幼い頃からコンピューターに興味を示し、12歳のときにPerlを学び始めた[7]。2年後の14歳のとき、学校生活に馴染めなかった彼女は中学を中退した[8]。19歳のときに、シリコンバレーでソフトウェア会社を起業した[7]

2005年、外見と自己意識を一致させるために、名前を変更するなどの女性への性別移行英語版を始めた[9]。性別移行を開始した後、唐鳳はブログ上において「私の脳は私が女性であると認識しているのに、社会的にはそうでないことが要求されるので、私は長年に渡って現実世界を遮断し、ネット上で生活をしてきました。」と述べている[9]東森電視のニュースチャンネルは彼女のIQが180以上であると報じた[2]。2019年1月、アメリカの外交専門誌『フォーリン・ポリシー』の2019年のグローバル思想家100人に選出された[4]。彼女は独学[10]個人主義的無政府主義[7]の支持者である。

フリーソフトウェアへの貢献編集

唐鳳は、HaskellコミュニティーとPerlコミュニティーから、RakuPerl 6)処理系を実装するプロジェクトであるPugsの創始者兼主要開発者として知られている[11]。また、彼女はSVK[注釈 1]Request Tracker英語版Slash英語版を含む幾つかのフリーソフトウェアの国際化と地域化に対する貢献や、オープンソースに関連する様々な書籍の繁体字中国語への翻訳も行っている[2][7]

CPAN上において、唐鳳は2001年6月から2006年7月までの間にPerl 5向けのクロスプラットフォームパッケージングデプロイツールであるPerl Archive Toolkit英語版 (PAR) を含む100以上のプロジェクトを開始した[12]。また、彼女はCPANのスモークテスト英語版の設定とデジタル署名システムのメンテナーでもある[13]。2005年10月には、オライリーメディアアムステルダムで開催したカンファレンス (European Open Source Convention) でPugsについて講演を行った[14]

政治経歴編集

2016年8月、唐鳳は林全内閣の政務委員に任命された。10月1日にデジタル担当の政務委員に就任し、35歳での閣僚就任は台湾史上最年少となった[8]

唐鳳は「デジタル技術とシステムによって政府の問題解決を補佐し、民間と政府のコミュニケーションの促進と強化を行う。自分の役割は特定の団体の利益のために動くことでも、政府のために政策の広報を行うことでもなく、より多くのアイデアと力を結合させる『パイプ』となることだ。」と述べ[15][8][16]、政務委員としてこれに取り組み、若年層と高齢層のジェネレーションギャップを埋め[17]パブリック・アクセスのためのフリーソフトウェアの開発し、台湾の新たな共有経済が実際に機能することを示した[6]

また、唐鳳は中国(中華人民共和国)と台湾は地理的には近くても正反対の価値観を持つとし、前者が社会信用システムインターネットを民衆の監視および制御に利用しているのに対して後者はインターネットに政府を監督する役割を求める開かれた社会を築いているとして台湾の民主主義を損なうフェイクニュースを防止する技術開発などに取り組んでいる[18][19]

さらに、理念としては「徹底的な透明性」(Radical Transparency[20])と呼ばれるものを挙げており、公開できる、あらゆる情報がインターネット上にあることで、政府の官僚や大臣が何をやっているのか、何を考えているのかを全部知ることができ、人々が「国家の主人」になれるというビジョンを掲げている[3]

脚注編集

注釈編集

  1. ^ プログラムのコードの大部分が彼女によって書かれている。

出典編集

  1. ^ 日本にも講演に来ている。YAPC Asia 2006 TOKYO::Learning Haskell
  2. a b c 江志男 (2006年2月8日). “別叫我「先生」! 電腦怪傑唐宗漢變性 改名唐鳳”. ETtoday. 2008年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月14日閲覧。
  3. a b 「大臣だけど、聞きたいことある?」台湾の異色閣僚の「超」情報公開
  4. a b 江今葉; 顧セン (2019年1月24日). “「世界唯一トランスジェンダー閣僚」唐鳳氏、米誌思想家100人に選出/台湾”. 中央通訊社. 2019年9月14日閲覧。
  5. ^ これは、トランスジェンダーの人物が閣僚に任命された世界で最初の事例である[4]
  6. a b Jake Chung (2016年8月28日). “PROFILE: Audrey Tang: 100% made in Taiwan”. Taipei Times. 2019年9月14日閲覧。
  7. a b c d 企業應用 : 專題報導 : 尋找台灣自由軟體力量”. Taiwan.CNET.com. 2006年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月14日閲覧。
  8. a b c 戴雅真 (2016年8月27日). “ネットの神童、中学中退、性転換… 異色の経歴誇る唐鳳氏、入閣へ/台湾”. 中央通訊社. 2019年9月14日閲覧。
  9. a b Audrey Tang (2005年12月25日). “Runtime Typecasting.”. 2019年9月14日閲覧。
  10. ^ 陳柏年. “平淡中見絢爤”. 台灣大紀元時報. 2004年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月14日閲覧。
  11. ^ chromatic (2005年3月5日). “A Plan for Pugs”. Perl.com. 2019年9月14日閲覧。
  12. ^ ☺唐鳳☻ (AUTRIJUS)”. metacpan.org. 2019年9月14日閲覧。
  13. ^ Audrey Tang (2002年4月30日). “Becoming a CPAN Tester with CPANPLUS”. Perl.com. 2019年9月14日閲覧。
  14. ^ Edd Dumbill (2005年9月8日). “Perl Internationalization and Haskell: An Interview with Autrijus Tang”. Perl.com. 2019年9月14日閲覧。
  15. ^ 楊虔豪; 福田恵介 (2016年9月1日). “中卒で性転換者、台湾「異例の新閣僚」の正体”. 東洋経済. 2019年9月14日閲覧。
  16. ^ Cabinet to appoint minister to steer open gov't initiative”. The China Post (2016年8月26日). 2017年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月14日閲覧。
  17. ^ 王景弘 (2016年11月5日). “Generation gap a factor for blue and green camps”. Taipei Times. 2019年9月14日閲覧。
  18. ^ 台北で人権に関する国際会議 「台湾の民主を誇りに思う」=唐政務委員”.  中央通訊社(2019年9月13日). 2019年9月19日閲覧。
  19. ^ 唐鳳華府行 酸大陸用網路監控大眾”. 聯合新聞網 (2019年4月24日). 2019年9月19日閲覧。
  20. ^ なお、唐鳳が開発したpugsの開発言語であるHaskellの特徴の一つとして参照透明性(referential transparency)がある。

関連項目編集

外部リンク編集


172 考える名無しさん[sage] 2020/08/15(土) 02:47:59.37 ID:0 
Kim, Yi-Chul @kimarx
1h

オードリー・タンが柄谷行人から影響を受けて
贈与経済の「高次での回復」をめざすための実践的組織に参加しているというのは知らなかった。


20200715

台湾の超天才「唐鳳」が語るデジタル教育の本懐 | 東洋経済education×ICT | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

https://toyokeizai.net/articles/-/362226?ismmark=a

台湾の超天才「唐鳳」が語るデジタル教育の本懐

39歳デジタル大臣「自ら動機を探すことが重要」

台湾の超天才「唐鳳」が語るデジタル教育の本懐

「台湾を代表するプログラマー」であり、IQ180以上の「天才」と称され、台湾だけではなく日本でも熱い注目を浴びている人物がいる。台湾で「デジタル大臣」を務める唐鳳(とう・ほう、Audrey Tang)氏(39歳)だ。
2016年10月に蔡英文政権のもと、台湾史上最年少の35歳という若さでデジタル担当大臣として行政院に入閣するや、社会問題の解決や政策の実行にデジタル技術を果敢に発揮し、今回のコロナ禍で台湾に導入された「マスク在庫管理アプリ」によっても、あらためてその名が知れ渡った。
日本でも教育へのICT導入が喫緊の課題となっている中、今回、緊急取材を実施。デジタルがこれからの教育に与える可能性をはじめ、自身が受けてきた教育など、前後編に渡ってロングインタビューをお届けする。

デジタルが教育に与える可能性と、その未来

――新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大に対し、台湾の取り組みが世界で高く評価されています。教育現場においては、日本では休校措置がとられ、入学式など通常の予定を進められないうえに、休校中の授業をどう進めればいいのかといった混乱も生じました。台湾では学校教育など、どのように進められましたか。

唐鳳:台湾では新学期の開始を2週間遅らせ、すべての学校でマスクや非接触型の体温計、アルコール消毒液、せっけんなどの基本的な衛生用品がそろっているかを確認することから始めました。したがって、今年の夏休みも2週間遅れで始まることになりました。

最大の変化といえば、新型コロナ対策として大規模な集会を行わないなど、いわゆる「密」を避けたということ。また、対面型のディスカッションを行う授業においては、オンライン型の学習を応用する機会が増えました。これは、マスクを着けていると相手の表情がわからないためです。

ただ、台湾では世界で見られたロックダウンや、日本で行われた緊急事態宣言は実行されませんでした。そのため、遠隔授業とはいっても子どもが家にいて、学校とつながるという形ではなく、小規模のクラスやグループに分かれ、それぞれ異なる場所から、衛星のように大きな教室空間につながっているような状況をイメージされるとよいでしょう。例えば、オンラインで行っている今回のインタビューでも、台湾側に私とカメラマンの2人がいて、日本側に記者と通訳を含めて4人います。こんな形のオンライン授業が、台湾ではよく行われています。

総合的には、新型コロナによる影響を受けた程度は、他国よりも小さかったと思います。ビデオ関連のテクノロジーが発達したので、不鮮明な画質や、途中で音声が途切れるといった5年前や10年前にはよく悩まされた問題もなくなりました。パソコンを開いて接続すれば、お互いがはっきりと見えることは、もはや普通ですからね。

インタビューは、台湾行政院にある唐鳳氏の執務室と、日本をデジタルで結んで行われた

――デジタル技術やオンラインを活用して教育を支援するということは、日本でもつねに言われていることです。ところが、実際の現場では、どのように導入して、どのように活用すればよいのかという点で、先生たちも子どもたちも試行錯誤をしています。教育現場のデジタル化のために、その具体的な方法や方向性をどう考えていけばよいでしょうか。

唐鳳:「デジタル化」ということが指す内容は、実にさまざまなものがあります。例えば、ビデオチャットや2つの教室を合併させる「ダブルルーム」、1人の先生が担任する教室にいて、専門課程の先生がほかの教室やスタジオといった離れた場所にいて授業を行う「ダブルティーチャー」といったやり方は、いずれも空間という制約を取り除くために行われるものです。別の空間にいても、同じ時間を共有していますね。

私がデジタル大臣に任命される前のことですが、台湾のテレビ局からインタビューを受けました。当時、私はフランスにいたのですが、インタビューはVR(バーチャルリアリティー)のスタジオで行われました。

このインタビューで、身長が180cmある私はVR内で3Dスキャンを受け、自分が小学生と同じ身長になるようなキャラクターを作りました。こうすることで、子どもたちが大人を見上げて話す必要がなく、同じ目線で、またより身近な空間でインタビューができたわけです。これはすべての子どもたちに親近感を与えるためになされた工夫ですが、あらかじめ録画されているビデオを見るよりは、確かに距離感はぐっと子どもたちと近づくことになります。

デジタルが人の距離を縮め、関心と信頼を高める

――日本では、新型コロナによる休校中の授業を補うために、大量のプリントを渡しただけという学校も少なくありませんでした。オンライン授業が行われたのも、ごく一部の学校だけで、日本の多くの学校はプリントで代替したところが多かったようです。こういう学校の現状で、デジタル化、オンライン化を切り開くことはできるのでしょうか。

唐鳳:私が中学3年生の頃、不思議に思っていたことがあります。インターネット上ではなぜ、そこまで時間をかけずにお互いを信用して一緒に行動を起こすことができるのか。一方で、実際の対面関係ではなぜ、お互いを信用するのに時間がかかり、互いを理解してからでないと一緒に何かをすることができないのか。それを理解したかったのです。

また、メディアでもそうだと思いますが、何かを出版する際に、未完成なまま発行するということはありませんよね。必ず取材・編集を経た後に出版されます。しかし、インターネット百科事典である「Wikipedia」では、まず誰かが執筆した後に、ほかの誰かが誤字脱字はもちろん、内容の信憑性などについて修正、かつ意見を述べながら改編されていきます。なぜリアルとネットでは、このような違いがあるのか。それが中学3年生当時の私の研究テーマだったのです。

そう考えているうちに、ネット上にはジャーナル(学術誌)での査読が完了していない多くの研究者の論文(プレプリント)が「arXiv(アーカイブ)」(arxiv.org)というサイトに、その研究内容とともに掲載されていることに気づきました。ネットを通じて世界の研究者が、今現在どのようなテーマを研究しているのかを理解し、その中から自分が興味のあるものを見つけることができるのです。

化学分野でも「ChemRxiv」(chemrxiv.org)というサイトがあります。例えば化学に関心のある中学生であれば、アルファベット順に農業や食品に関連する化学、あるいは生物、医学に関連する化学、工業面で化学がどのように応用されているのかを調べることもできますね。さらには化学によるエネルギーやCO2削減の可能性、気候変動への対策……などいろいろな分野に関することが一目瞭然なわけです。

興味のあることを探す中で、さらなる興味を持ったら、今度はその専門の研究者にメールを書いてみるとよいでしょう。研究者というのは、自分の研究分野に関する質問を歓迎する人たちです。また、ネット上でやり取りしている限り、質問をしているのは中学生ではなくて、同じ研究者だろうと思うこともあるでしょう。となれば、「一緒に研究を進めよう」ということにまで発展する可能性も出てくるのではないでしょうか。

好奇心が「共通善(Common Good)」となりイノベーションを生む

――そう聞くと、唐鳳さんは教育の分野でも社会全般においても、興味や関心を実行に移す際には、まずネットやIT技術を利用してやってみる。やってみた後に、ほかの人からの意見や修正を広く取り入れながら発展させていく。これこそイノベーションの手法だとお考えなのでしょうか。

唐鳳(とう・ほう、オードリー・タン)

1981年台湾・台北市生まれ。幼少からコンピューターに興味を示し、12歳からプログラミング言語を勉強。プログラマーとして有名になる。14歳で中学を中退。15歳で起業。19歳で米シリコンバレーでも起業。2016年からデジタル大臣として、台湾史上最年少の若さで入閣。現職。

唐鳳:確かにそうです。私にとってイノベーションとは、つねに自身の問題や好奇心を解決するところから始まり、同じ使命感や好奇心を持った仲間を集めて「共通善(Common Good)」を達成すること。社会分野、経済分野、環境分野など、どの分野でもイノベーションを起こすことは同じで、コミュニティーとの連携が大切だと思います。ほかには、おいしいものを食べて、よい音楽を聴く(笑)。これもイノベーションのためには大事です。

――唐鳳さんの個人的な体験を中心にお伺いしたいのですが、唐さんの学歴は中学卒業。しかも、中学生の後半は学校に通っていませんでした。そういった中で、印象的だった教育、学習について話していただけないでしょうか。

唐鳳:私は中学2年生の時にサイエンスフェアに参加し、AI(人工知能)やAIの自然言語処理に関する最先端技術をテーマに研究していました。その過程で多くの研究者と出会いましたが、同時に、学校の授業で学べる内容は最先端の知識よりも10年ほど遅れていることに気づいてしまったのです。

そこで、当時の校長先生を説得しました。校長先生としては、「学校に行きたくない」という私の要望を受け入れれば、罰金が科せられてしまいます。それでも校長先生はすばらしい方で、「明日から学校に来なくてよい。後は私が何とかするから」と言ってくれました。時効となったため、今ではこのような話を皆さんと共有できるようになったのですが……(笑)。

当時のような状況下にあった公務員でさえ、いわば市民的不服従ということができた。これは教育における1つのイノベーションだと思います。それを私は目の当たりにしました。現在、デジタル大臣という立場から、公務員の中でもイノベーションを起こせる力があるかどうか。これについては、私は誰よりも自信を持っています。

――自分の強い関心や興味を中心に、いろいろなことを自分から進んで勉強していくことがいちばん大事、ということでしょうか。

唐鳳:そうです。2019年に台湾の「新学習指導要領」(十二年国民基本教育課程綱要総綱)に基づくカリキュラムの開発を議論する委員会に私も参加していましたが、われわれは学生が自発的に、自ら学習の動機を探すことが、今後は最も重要だと考えています。

というのも、一人ひとりが生涯学習の習慣を維持する必要があります。そして、その動機が自分の心の中から発せられたものであれば、学習に対する情熱を一生涯、持ち続けることができるからです。そのような動機が、単に他人との比較やよそから植え付けられたものであったとすれば、学校教育から離れてしまった途端、「学習しよう」という動機が弱くなってしまうでしょう。生涯学習はやはり、最も大事だと考えます。

正解がないからこそ、生まれる創造性

――親や教師から、子どもたちに自学できるような情熱を与える具体的な方法はありますか。

唐鳳:1つのよい目標が提示されています。国連の「SDGs」(2030年、持続可能な開発目標)を参考にしてみたらいかがでしょうか。なぜなら、SDGsが持つ特色は、われわれの世代が経済や環境、社会的活動をしていくうえで、次の世代あるいはこれから7世代ぐらい先に至るまでによりよいものを築いていくということを基本的な考え方として構成されているからです。

また、気候変動や貧富格差の拡大、オートメーション化が進む未来における問題は、私たちの世代よりも、彼らの世代のほうが身近で切迫した問題です。だからこそ、今の子どもたちがSDGsに関する議題を耳にすれば、彼らの世代のほうが今後より大きな影響を受けるわけですから、きっとたくさんの時間をかけて理解し、学習しようとするはずです。

――SDGsをいかに達成していくか。目標はあっても、「こうすべし」という正解もまたないのではないでしょうか。不確実性が増す世界で、正解のない問題をどう解決していくのか、そのような知力、知性も必要とされています。それらをどのように獲得すべきだと思われますか。

唐鳳:確かにSDGsは目標だけであって、それらの目標をどのように達成するかは明確に提示されていません。とはいえ、だからこそ意味があるともいえます。なぜなら解決しようとする過程においてこそ、イノベーションや発展が存在する余地が出てくるからです。

目標はこう達成すべし、と指定されていたら、それはもはや目標ではありませんよね。決まった台本どおりに進めればよいだけです。小さい子どもを見ていてもそうですね。ルールが厳密に決められているボードゲームには興味がなく、砂や粘土のように「こう使う」と決められていないもののほうが最大限の創造力を発揮できます。SDGsもこれと同じようなことです。

愛用のiPadとMacBookを使いながら、インタビューに答える唐鳳氏

デジタルデバイスの利用は最初が肝心

――日本では今、新型コロナの感染拡大を考慮したうえで、デジタルデバイスを小学校低学年から与えるという動きが出ています。すでにデバイスを持っていて、何らかの分野に関心がある子どもたちは、自ら情報を集めることができる状態です。とはいえ、初めてデバイスを通じてデジタルに接していく小学生にとって注意すべきことは何か。それを大人はどう教えていけばよいでしょうか。

唐鳳:最も大事なことは、先ほども述べたような「自発的な態度」だと思います。例えばSNSの代表例の1つにFacebookがありますが、私は「News Feed Eradicator for Facebook」というプラグインソフトを使って、Facebookに接続して最初に出てくるニュースフィードを取り除いています。

これが意味することは何かといえば、私が自らの好奇心をもって自発的に探した情報のみ、表示されるようにしているということです。まずは「自分から探せるようにする状態」を用意しているのです。

デバイスに関しては、とくに子どもには、パソコンとは自転車と同じように、最初は自分からペダルを踏む必要がある、ということを理解させるべきでしょう。もし、最初から自動運転車が与えられれば、自主性は影響を受けてしまうおそれがあるからです。

――子どもたちがパソコンやインターネットを利用する際には、大人が使うときと違った注意が必要だということを、しっかり伝える必要がありそうですね。

唐鳳:そのとおりです。例えば「ご飯を食べる前には手をきちんと洗う」というような生物学的、心理学的衛生の概念や知識といった基本的な作法を植え付けるのは、パソコンやインターネットを利用する際にもとても大切です。食事の前には手を洗うという習慣がきちんと身に付いた子どもであれば、学校でどのような給食が提供されても問題はないでしょう。パソコンやインターネットも同じことです。

行政院の廊下で。どんな質問にも、時にはユーモアを交えながら、実体験に基づいた論理的な答えが返ってくる

後編「台湾デジタル大臣『唐鳳』を育てた教えと環境」はこちら


前置きが長くなりましたが、なぜこのような交換様式をRadicalxChangeと名付け、Radical x Changeと別々の単語に分けて表示しなかったのか。それは日本の文学者であり哲学者である柄谷行人(注3)さんが提唱している交換様式X、すなわち「交換様式論」(注4)から着想したものだからです。

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台湾デジタル大臣「唐鳳」を育てた教えと環境

天才をつくった恩師の言葉と両親の教育

台湾デジタル大臣「唐鳳」を育てた教えと環境

IQ180以上、不世出の天才として、台湾だけではなく日本でも熱い注目を浴びている人物、唐鳳(とう・ほう/オードリー・タン)氏(39歳)。2016年10月に蔡英文政権のもと、台湾史上最年少35歳の若さで、デジタル担当大臣として行政院に入閣するや、台湾のデジタル政策において手腕を発揮、今回のコロナ禍でもデジタルで数々の課題を解決してきた。
今回の緊急ロングインタビューでは、前回に引き続き、デジタル時代だからこそ必要とされる思考、自身の受けてきた教育や、その哲学について深く迫る。デジタル社会に生きる人すべてに、必読の内容だ。

多様な文化を知ることが、「寛容」につながる

――前回は、唐鳳さんが考えるデジタル教育の本懐についてお聞きしました。ここからは唐鳳さんの個人的なことについてお聞きします。唐鳳さんは幼い時から読書家だったと聞きました。座右の書、影響を受けた本というのはありますか。

唐鳳:最も影響を受けた本があるにはあるのですが、とても推奨しにくいですね。合計16万項目ある『再編国語辞典』なんですよ。辞典の良いところは、自分が直接的な体験をしていなくても語意を理解できるという点です。

以前、私は仲間と一緒に『萌典』(https://www.moedict.tw/)という辞典を作りました。これは台湾の文部科学省に当たる教育部が、日本語の「萌え」と「萌える」(芽生える)という意味を兼ねて作ったものです。ここでは、紙の辞書のように時間をかけて調べるのではなく、さまざまな機能を設計し、提供することで中国語(華語)や台湾語、客家語はっかご、さらには台湾の原住民(注1)の言葉などをすべて同じインターフェースに収めて調べることができます。

つまり1つの言葉を学ぶときに、多くの異なる言葉を同時に学べるようにしたわけです。そうすることで、自分たちの言語、文化のみで考えるというこれまでの考え方を崩し、言語、文化の枠を超えた学習環境を実現しました。これはとても大事なことです。

誰もが多くの文化に精通することは不可能ですが、自分の身の回り、例えば台湾においても、これほどまでに多様な文化が存在していることを、まず『萌典』で知り、その事実に慣れていけば、おのずと心を広く持ち続けることができるのではないでしょうか。

質問に対する回答はどれも明晰で、時に複数言語や、ジェスチャーも用いて説明してくれる

「ソクラテス式問答法」と「新たな交換様式」

――唐鳳さんの言動に対して、しばしば「哲学的」だとの評価を聞きます。小学生の時から「ソクラテス式問答法」(問いを立て、それに答えるという対話に基づいて批判的思考を活性化させ、考えを明らかにする方法)で対話をされていたという逸話もあります。お好きな哲学者、哲学書というのはありますか。

唐鳳:私は現在、RadicalxChange(https://www.radicalxchange.org)という非営利ソーシャルイノベーション組織に参加しています。本部は米ニューヨークにありますが、全世界で運営されている組織です。私はデジタル大臣として働く傍ら、起業も行っています。

私と一緒に起業した人物で、エリック・グレン・ワイル(E.Glen Weyl)さんは、起業する一方でマイクロソフト社で未来学者のような役割を担っています。またヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)さんは、われわれと起業しながらEthereum(イーサリアム)(注2)というソースコードを開発する計画に携わっています。

ヴィタリックさんのEthereum上で研究開発された「新たな交換様式」は、不特定多数の人が公共の利益のために交換することを可能にするものです。これは一見すると個人ための利益に見えるかもしれませんが、最終的にはコミュニティー全体の利益になるという共通認識につながります。これらはメカニズムデザインの活用方法であり、私はこれを台湾の政治にできる限り応用するようにしています。

前置きが長くなりましたが、なぜこのような交換様式をRadicalxChangeと名付け、Radical x Changeと別々の単語に分けて表示しなかったのか。それは日本の文学者であり哲学者である柄谷行人(注3)さんが提唱している交換様式X、すなわち「交換様式論」(注4)から着想したものだからです。

家庭でも身に付けられる「協働」という概念

――前編でお話されたSDGs(持続可能な開発目標)に関してもそうですが、唐鳳さんは周囲を巻き込み、活動の輪を大きく広げていく、すなわち「協働」することが得意だと感じます。協働することの意義や方法について、大人が教えられることはありますか?

唐鳳:文化や世代、地域の枠を超えた協働は、経験を積み重ねることでより簡単にできるようになります。そのため、親であればまず子どもと世代の枠を超えて協働してみてはどうでしょうか。今は新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)で移動が難しくなっていますから、地域の枠を超えた協働や、異なる文化や言語に触れることは難しいかもしれません。とはいえ、親と子で研究チームを結成することはできるのではないでしょうか。

振り返ってみると、私も小さい時に両親に多くの質問をしていました。そのとき、両親は「それは私も確かに知らない。じゃあ、一緒に図書館に行って調べようか」とよく言ってくれました。親子で一緒に調べてくれたのです。親戚など、周りの大人たちもそうでした。現代では図書館ではなくパソコンなどの端末を開いて、サーチエンジンを見ることになると思いますが、それも同じことです。親子で、世代の枠を超えて協働してみることで、よい一歩を踏み出せると思います。

コロナ禍の話の際には、わざわざマスクをつけて見せてくれた唐鳳氏

――前回、校長先生のお話をされました。教育を受ける中で恩師、尊敬すべき先生は中学校の校長先生でしょうか。

唐鳳:そうです。中学校の時の校長先生は、とても大切な存在です。彼が言ってくれた「明日からは学校に来なくてよい」という一言は最も重要で、私の人生に大きな影響を与えてくれました。

「クリティカルシンキング」と「クリエーティブシンキング」

――唐鳳さんのご両親は新聞社で働いていらっしゃいました。ご家庭ではどのような教育を受けましたか。

唐鳳(とう・ほう、オードリー・タン) 1981年台湾・台北市生まれ。幼少からコンピューターに興味を示し、12歳からプログラミング言語を勉強。プログラマーとして有名になる。14歳で中学を中退。15歳で起業。19歳で米シリコンバレーでも起業。2016年からデジタル大臣として、台湾史上最年少の若さで入閣。現職。

唐鳳:私の父はソクラテス式問答法を応用して、私と会話することを得意としました。つまり、何の概念も植え付けず、植え付けられたことがあるとすれば、「誰からも概念を植え付けられるな」という概念でした。よく言われる「クリティカルシンキング」のことです。批判的思考というと、人を責めることのように聞こえますがそうではありません。

クリティカルシンキングの「批判的な」という意味は、自分の考えを言うことはサポートするが、その考えはどのような状況下に適用されるのかを同時に説明せよということです。これは、物事をクリアに考える方法であり、私が幼い頃から、父はこのような考え方のもとに私を教育してきました。

一方、母は「クリエーティブシンキング」を重視していました。私の考えが、たとえ個人的なものであっても、その内容を言語化し、明確に説明できれば、必ず自分と同じ考えを持った人に巡り会うことができる。そうすると、私が考えたり、説明したりしたことはすでに個人的な考えではなくなり、公共性のある考えになる。そうすることで、同じ考えや感覚を持つ人たちが、どうすればよりよい生活を送れるかをともに考えることができる、と教えてくれました。いわゆる、社会的アドボカシー(擁護、支持、唱道)に発展するということです。

クリエーティブシンキングの意味は、既存の型や分類などにとらわれることなく、自分の方向性を見つけていくことです。星座でいえば、すでに構成されている星座からいったん離れて、自分で星をつかむように見て、自ら新たな星座を構成していくということはできますよね。母はこのような考えで私を教育しました。

――私(聞き手:福田)の父も新聞記者だったのですが、子どもの頃に、父から「聞くことは大事だが、聞く前に自分で調べてみるのがより大事」と口を酸っぱくして言われたことを思い出しました。

唐鳳:それもすばらしいことです。私が小さい頃には、まだインターネットはありませんでした。調べるということは、今より手間がかかり、難しかったでしょう。ただ、今の子供たちには、インターネットがあります。私の世代はデジタルへの「移民」ですが、今の子どもたちはデジタル「ネイティブ」と言ってもいいですね。調べるということについては、とてもハードルが下がっていると思いますよ。

辺鄙へんぴな場所であるほど先進的に」

――現在デジタル大臣として働いていますが、デジタル大臣として今後の目標、あるいはやってみたいことはありますか。

唐鳳:10年単位でいえば、SDGsですね。2030年までに達成しなければなりませんから。CO2の削減目標などすぐに達成するのは難しいものもありますが、今回の新型コロナで経済活動が停滞したことにより達成できる可能性もあるかもしれません。

――以前、台湾におけるSDGsの好例として、台湾製の電動スクーター「Gogoro」を紹介されていました。そのほかにもよい例はありますか。

唐鳳:私はブロードバンドの普及を挙げたいと思います。「ブロードバンドは人権だ」という話をよくするのですが、それはどのような場所でもインターネットにつながるべきだということを指します。

実は、私も昨日新たに5Gの携帯電話を契約しました。台湾では、5G網を発展させる中で、まず「辺鄙へんぴな場所であるほど先進的に」という、とても変わった手法を採用しています。これは、現状で4Gがつながりにくい場所こそ先に5Gを取り入れていくというやり方です。

現在、台湾では「非スタンドアローン型」(NSA)といって、4G基地局の上に5Gを構成して試用している状況ですが、これから5G網を本格的に構築していく際には、都市部ではなく地方を優先して普及させていく予定です。なぜ地方を優先するのかというと、そのような地域では、最寄りの学校や医療機関に行くために、ほかの地域よりも距離があることが多く、通信網の確保は重要だからです。そうすることで、遠隔的な教育や医療体制が必要になった場合、優先的に5G網を確保することができます。

――日本でも都市部と地方間のデジタルデバイド(情報格差)が問題になっていますが、台湾の場合、地方であればあるほど最先端であるべきという考えなのでしょうか。

唐鳳:そのとおりです。周波数は公共の資源でもあります。そのため、5Gの周波数帯をオークションにかけた際、市場価格以上に高額な入札保証金を課しました。たしか800億台湾ドル(オークション時、日本円で約3200億円)だったと記憶していますが、そうすることで電気通信事業者が、通常の加入者だけでは利益が上がらない地域に、優先的に予算を投入することを課しています。これにより、「辺鄙へんぴな場所であるほど、先進的に」という目標を達成するべく、電気通信事業者が費用を使うようになります。これも、公共政策におけるオークションというメカニズムデザインの好例だと思います。

「万事には裂け目がある。その裂け目は光の入り口である」

――最後に、日本の教育に関わる子どもたち、親、先生たちにメッセージをいただけないでしょうか。

唐鳳:私からのメッセージは、皆さんが誰であっても、同じです。私が大好きなカナダの詩人・歌手であるレナード・コーエン(Leonard Cohen)の「Anthem」の一節をご紹介します。

The birds they sang
At the break of day
Start again
I heard them say
Don't dwell on what
Has passed away
Or what is yet to be
Yeah the wars they will
Be fought again
The holy dove
She will be caught again
Bought and sold
And bought again
The dove is never free

Ring the bells that still can ring
Forget your perfect offering
There is a crack in everything
That's how the light gets in

Leonard Coen「Anthem」より一部引用

「万事には裂け目がある。裂け目があるからこそ、そこから光が差し込むのだ」ということです。

――今回はありがとうございました。

唐鳳:ありがとうございました。Live long and prosper!(長寿と繁栄を!)

唐鳳氏の思考や発言は、単にIT分野に秀でているだけではなく、すべてに深く広い思考が土台になっている

(注1)台湾の原住民=中国大陸からの移民が増える17世紀以前から、台湾に居住していた先住民族を台湾では公式的に「原住民」と呼ぶ。また、台湾では中国語(華語)のほかにも、福建省南部の言葉が台湾で独自に発展した台湾語(台語)、客家と呼ばれる人たちが話す客家語など多くの言語が話されている。
(注2) Ethereum=分散型アプリケーションやスマートコントラクト(契約のスムーズな検証や執行、実行、交渉などを狙ったコンピュータープロトコル)を構築するためのプラットフォームの名称であり、関連するオープンソース・ソフトウェア・プロジェクトの総称。ヴィタリック・ブテリンさんが提唱したもの。
(注3) 柄谷行人(からたに・こうじん)=1941年生まれ。著書に『定本 日本近代文学の起源』『トランスクリティーク』『世界史の構造』『哲学の起源』(すべて岩波現代文庫)『世界史の実験』(岩波新書)など多数。
(注4) 交換様式=柄谷行人氏が1998年に着想し、2010年刊行の『世界史の構造』でひとまず完成されたと思われる「交換様式論」を指す。社会システムの歴史を交換様式がどうであったからという観点から説明する理論。交換様式には4つのタイプがある。「互酬交換」(贈与とお返し)という関係を持つA、「服従と保護」(支配と被支配)の関係をB、「商品交換」(貨幣と商品)という市場で見られる関係をCとする。ここで、柄谷氏は交換様式Aは、交換様式BとCが浸透することで解体することになるが、その後、より高い次元で回復するという。互酬原理によって成り立つ社会Aは国家の支配Bや貨幣経済Cによって解体されるが、互酬的な関係が高次元で回復する。その回復した状態こそ交換様式D=Xと説明する。

前編「台湾の超天才『唐鳳』が語るデジタル教育の本懐」はこちら






… 

Ring the bells that still can ring
Forget your perfect offering
There is a crack in everything
That's how the light gets in

Leonard Coen「Anthem」より一部引用

「万事には裂け目がある。裂け目があるからこそ、そこから光が差し込むのだ」ということです。


後藤新平 - Wikipedia 

https://ja.wikipedia.org/wiki/後藤新平

後藤 新平(ごとう しんぺい、安政4年6月4日1857年7月24日) - 昭和4年(1929年4月13日)は、日本医師官僚政治家位階勲等爵位正二位勲一等伯爵

台湾総督府民政長官。満鉄初代総裁。逓信大臣内務大臣外務大臣東京市第7代市長、ボーイスカウト日本連盟初代総長。東京放送局(のちの日本放送協会)初代総裁。拓殖大学第3代学長を歴任した。

計画の規模の大きさから「大風呂敷」とあだ名された、植民地経営者であり、都市計画家である。台湾総督府民政長官、満鉄総裁を歴任し、日本の大陸進出を支え、鉄道院総裁として国内の鉄道を整備した。関東大震災後に内務大臣兼帝都復興院総裁として東京帝都復興計画を立案し(都市計画の項も参照推奨)、それを成し遂げた[1]



 用匿名的方式公表意見的人、在現実中不會興他人接触。ー般説来、

想要脱離匿名状態的欲望興政治結合的時候、有一個顕著的傾

向、就是容易産生排外的・歧視的運動;在政治上會出現法西斯主義。

但這是必然的事情、我們除了暫時容忍、没有別的辨法。 想要透過密名

的方式宣揚理念、是心行不通的。人的「 主體」是由他身處的場合或結構

所形塑而成的。證據很明顯‥人一旦離開匿名的状態、就會立刻改變他

的意見。

 所以、日本之所以貢要示威活動、並不是為了要發動革命;但總而

言之、示威活動的存在是很重要的一件事。不過、為了這個目標、我們

需要Association


『柄谷行人談政治』柄谷行人 / 林暉鈞 / 心靈工坊 台北 22011-7-4  1801

(p)http://book.douban.com/subject/6756119/



匿名で意見を述べる人は、現実に他人と接触しません。一般的にいって、

匿名状態で解放された欲望が政治と結びつくとき、排外的・差別的な運動

に傾くことに注意すべきです。だから、ここから出てくるのは、政治的に

はファシズムです。しかし、それは当たり前なのだから、ほうっておくほ

かない。2ちゃんねるで、人を説得しようなどとしてはいけない。場所あ

るいは構造が、主体をつくるのです。その証拠に、匿名でない状態におか

れると、人はただちに意見を変えます。

だから、日本では、デモは革命のために必要だというようなものではない。

とりあえず、デモが存在することが大事なのです。しかし、そのためには、

アソシエーションがなければならない。


柄谷行人『政治と思想』平凡社ライブラリー 151


178 考える名無しさん[sage] 2020/08/15(土) 12:36:59.72 ID:0 

《[台湾に行った時]

…みんながね、どういう理論で、あるいはどういう社会を実現するんですかときくんですよ。

けどねそれは僕はこう答えるんですよ。

それは君たちは知ってるんだ、と。

現にあるんですよ。イソノミアが現代ならどういう社会ですかと聞かれたら、

協同組合ですよと答えます。

自分が経営者で自分が労働者、あるいは共同所有…。支配関係はありません。労働商品ではないから。イソノミア、ノールールです。

協同組合が社会全体であるような社会をマルクスは共産主義と呼んだんですよ。

国家がやってはダメですよ。協同組合が国家にとってかわらなければならないと言っているんです。

マルクスは若いときから言っています‥


「彼ら(労働者)は、実現すべき理想を何ももっていない。彼らのなすべきことは、崩壊しつつある古いブルジョア社会そのものの胎内にはらまれている新しい社会の諸要素を解放することである。」


解放すべき諸要素はあるんです。それを解放すればいいんです。


要素があるだけで…

それを思い出せばいいだけです。》


2013/02/07紀伊国屋書店柄谷行人トークイベントより



AUDREY TANG 唐鳳 オードリー・タン 

デジタルとAIの未来を語る 

THE FUTURE OF DIGITAL INNOVATION 

オードリー・タン著 プレジデント社


オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る

2021年1月14日


柄谷行人の「交換モデルX」から受けた大きな影響  

 私が現在興味を持っていることの一つは、日本の哲学者であり文芸評論家でもある柄谷行人さんが唱えている「交換モデルX」をデジタルの力で実現できないだろうかということです。  
 私は柄谷さんの思想に強い影響を受けています。たとえば、『トランスクリティーク──カントとマルクス』は、カントの視点からマルクスを、マルクスの視点からカントを見たものですが、私に大きな影響を与えた作品です。  
 彼は多くの考えを持っていて、とくに『トランスクリティーク』に続いて刊行された『世界史の構造』などに出てくる「交換モデルX」という概念は、間違いなく私に大きな影響を与えています。少し説明すると、柄谷さんが言っている交換モデルXとは、家庭のような無償の関係の交換モデルA、上司と部下のような上下関係のB、政府内部あるいは不特定多数の人たちが対価で交換する市場のような関係のC、これら三種類に属さない四つ目の交換モデルを指しています。これは開放的な方法で、不特定多数の人々を対象としつつ、「家族のように何か手伝いを必要とすれば、見返りを求めずに助ける」という交換モデルです(図表3)。  


 二〇一四年と二〇一五年に台湾でイベントがあり、柄谷さんとお会いする機会がありました。話をしていて、私たちの視点が似ていたことがとてもうれしかったのですが、柄谷さんが彼自身の角度からこれまでの哲学者について整理してくれたのは、私にはとても参考になりました。  
 柄谷さんの交換モデルに関する基本的な考え方というのは、次のようなものです。 「交換」ということを考えるとき、二つの方向性があります。一つは知り合いと交換するか、見知らぬ人と交換するかという方向性であり、もう一つは交換の中で見返りの関係になるかどうかという方向性です。見返りの関係とは、相手から何かもらうことで自分も相手に与えるような等価交換の関係です。見返りの関係にならない交換には、無償で交換するとか、自由に分け合うというパターンがあります。すると、次のように二つの方向性で四種類の交換モデルが生まれることになります。 

Ⓐ知り合いと見返りの関係になって交換するパターン 
Ⓑ知り合いと見返りの関係にならずに交換するパターン 
Ⓒ見知らぬ人と見返りの関係になって交換するパターン 
Ⓓ見知らぬ人と見返りの関係にならずに交換するパターン  

 たとえば、「知り合いとしか交換しないけれど、自由に交換する」(前記のⒷ)というのは、家族です。家族であれば間違いなくお互いを知っていますし、助けが必要となれば手を差し伸べるでしょう。このパターンは、「助けてあげるから、あとで見返りを求める」という関係ではありません。その点でクローズドな交換ですが、対価のない交換です。  同じように「クローズドなモデルだけれど、見返りのある」交換もあります(前記のⒶ)。それは国家や政府のようなものを考えればいいでしょう。納税をすることによって国家や政府は私たちにインフラやサービスなどを交換で提供します。これは従来までの国家の概念で、この交換システムに参加できるのは、国民あるいは市民という知り合いに限られることになります。  
 次に「不特定の会ったこともない人と見返りを伴って交換する」パターン(前記のⒸ)ですが、これは市場を考えるとわかりやすいでしょう。あなたがもし何かを売ろうと店を開くと、相手が国民だろうと家族だろうと、お金を持って買いに来た場合、商品を売るでしょう。この場合、ある種のオープンな交換になります。  
 そこで柄谷さんは問いかけます。不特定の人に対価を求めるわけではなく、無償で分け与えたいとすると、これはどんなモデルだろうか。これは「オープンで、かつ無償の交換を行う」というパターンですが、このモデルには名前が存在しません。柄谷さんはこれをXと名づけました。これが交換のXモデルです(前記のⒹ)。  
 私は柄谷さんに、「イーサリアムやビットコインのように世界中の不特定多数の人々が組織化し、そのプラットフォーム上で交換が行われる暗号通貨などのような新しい分散型交換モデルは、交換モデルXの実現と捉えてよいのか」と尋ねました。これについて柄谷さんは、地域通貨や自分が考えている通貨発行のシステムなどを交えて答えてくださいました。  
 つまり、こうした分散型の方向に進むことは決して悪いことではないけれど、相互信頼がない知らない人同士の交換システムの場合、基本的なシステムについてどのように信頼を得ていくかが重要な問題の一つになるというのです。  
 交換システムに参加する人たちがお互いに顔見知りで、少なくとも誰かの推薦で参加するのであれば、先ほど述べた「家族」という考え方を拡大すればいいのですが、知らない人との交換では「どのようにして信頼を担保するか」を解決しなければならないのです。  市場であれば、これは問題になりません。「交換が自由である」ということだけで、対等性も等価性も必要ないからです。  
 私が問題にしているのは、知識の交換のようなケースです。私が知識を誰かとシェアしたからといって、私の知識が失われるわけではありません。これは事実上、独占権のない無償の交換モデルですが、この場合、「私の知識をシェアした人が、その知識を用いて私の望まないことを行わない」という信頼関係が必要です。  
 その信頼関係をどのようにして構築するか。それはまだ完全には解決していない問題です。だからこそ、「この問題を先に解決してからでないとこの道を歩み続けることはできない」と柄谷さんは言うのです。  

参考:

台湾デジタル大臣「唐鳳」を育てた教えと環境 | 東洋経済education×ICT | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

《…お好きな哲学者、哲学書というのはありますか。…》

 デジタル空間とは「未来のあらゆる可能性を考えるための実験場所」  

 実際のところ、こうした「無償」という概念は、仏教あるいは他の宗教などでも謳われています。ほかにも、これと似たような概念を見つけようと思えば見つけられるでしょう。無償であるというのは、ある種の「信仰」と関係しているとも言えるからです。  
 しかし、柄谷さんは「無償」という概念を決して一種の宗教や信仰とするのではなく、純粋に交換モデルとして分析しています。つまり、「無償と交換の関係はどのようなものなのか」ということですが、たとえばそれは、私が何もかも無償であらゆる人に提供するのを見たあなたが、その行為に同意してくれて、あなたもまた同様の行為をするようなことです。つまり、完全に自発的な行為です。  
 このような人間性に基づいた信頼関係は成立するでしょうか。もちろん、それは可能だと思います。見ず知らずの人であっても、何度か話をしているうちにだんだん打ち解けてくるというのは、とても自然なことでしょう。  
 交換モデルXの概念は、「みんなとシェアする過程で、あらゆる人とお互いの信頼関係を築いていく」というものです。一般的には「まず相互の信頼を得てからシェアをする」という順番ですから、ベクトルは正反対です。  
 たとえば、百科事典の制作は、まず編集されてから出版されるという順番でしたが、






28 件のコメント:

  1. 台湾IT大臣オードリー・タンの真価、「マスクマップ」はわずか3日で開発された

    まず、台湾の行政院(内閣に相当)と立法院(国会)は分かれており、基本的に兼任はしないことが挙げられる。このため行政院内にある各省庁の大臣は皆、その分野におけるスペシャリストが就任している。

    「足を引っ張り合っている場合ではない。手持ちで最も勝率が高いカードを掲げ、前へ進め」──これが、筆者のイメージする現在の台湾の民意だ。一見平和なようでも、ややもすると民主主義を失うのではという危機感が、人々の間に常に漂っているからだと思われる。

    台湾は「世界デジタル競争力ランキング2019」で世界13位(日本は23位)にランクインするなど、デジタル人材の育成に力を入れている。それに呼応するように、グーグルやマイクロソフトといった名だたる企業が次々に台湾にAI研究拠点を構築。そんなデジタル界で、タンは大きな存在感を発揮している。

    例えば現政権が掲げる重要国策の1つが「アジア・シリコンバレー計画」。世界での存在感を高めようというこの取り組みでAI部門を率いるのが、米マイクロソフトでAI研究開発責任者を務めた杜奕瑾(トゥ・イーチン)だ。彼が帰国し「台湾AIラボ」を設立するのにも、タンは一役買っている。

    多様性が受け入れられなければ人材は居つかない。多様性を受け入れる度量があれば、人材は戻り、発展は続く。その大切なことを、台湾とタンは目の前で私たちに実証してくれているのではないだろうか。

    <2020年7月21日号「台湾の力量」特集より>

    【話題の記事】
    ・中国・三峡ダムに「ブラックスワン」が迫る──決壊はあり得るのか
    ・中国は「第三次大戦を準備している」
    ・中国・超大国への道、最大の障壁は「日本」──そこで浮上する第2の道とは
    ・どこにも行かない台湾の「なんちゃってフライト」、コロナで旅に飢えた応募者が殺到

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    2020年7月21日号(7月14日発売)は「台湾の力量」特集。コロナ対策で世界を驚かせ、中国の圧力に孤軍奮闘。外交・ITで存在感を増す台湾の実力と展望は? PLUS デジタル担当大臣オードリー・タンの真価。

    2/2ページ


    感染症対策と民主主義促進にデジタルイノベーションをどう生かすのか、オードリー・タンがインタビューに答えている TED-YouTube

    【関連記事】孤軍奮闘する台湾を今こそ支援せよ

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  2. 2016年8月、唐鳳は林全内閣の政務委員に任命された。10月1日にデジタル担当の政務委員に就任し、35歳での閣僚就任は台湾史上最年少となった[8]。

    唐鳳は「デジタル技術とシステムによって政府の問題解決を補佐し、民間と政府のコミュニケーションの促進と強化を行う。自分の役割は特定の団体の利益のために動くことでも、政府のために政策の広報を行うことでもなく、より多くのアイデアと力を結合させる『パイプ』となることだ。」と述べ[15][8][16]、政務委員としてこれに取り組み、若年層と高齢層のジェネレーションギャップを埋め[17]、パブリック・アクセスのためのフリーソフトウェアの開発し、台湾の新たな共有経済が実際に機能することを示した[6]。

    また、唐鳳は中国(中華人民共和国)と台湾は地理的には近くても正反対の価値観を持つとし、前者が社会信用システムやインターネットを民衆の監視および制御に利用しているのに対して後者はインターネットに政府を監督する役割を求める開かれた社会を築いているとして台湾の民主主義を損なうフェイクニュースを防止する技術開発などに取り組んでいる[18][19]。

    さらに、理念としては「徹底的な透明性」(Radical Transparency[20])と呼ばれるものを挙げており、公開できる、あらゆる情報がインターネット上にあることで、政府の官僚や大臣が何をやっているのか、何を考えているのかを全部知ることができ、人々が「国家の主人」になれるというビジョンを掲げている[3]。

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  3. 検索 / 柄谷


    Mentions of “柄谷” in speeches


    2018-01-19 曾于珊來訪
    唐鳳
    前面、後面都翻過一些,所以後來我去找英文的著作來看。我接觸柄谷是很晚了,但是他很多思想是很有安那其融合在現代跟意義的重新詮釋。


    2018-01-19 曾于珊來訪
    唐鳳
    在太陽花前後有一些臺灣的朋友翻譯了Karatani(柄谷行人)一系列的書籍,我是從「世界史的結構」開始看。


    2018-07-20 「台灣青年政治工作者的養成之路」訪談
    唐鳳
    益可以跟別人講,往上、往下都沒有去接,我們如果要講哲學的話,就是柄谷行人說「掠奪-再分配」的交換模式,完全跟它沒有關係。所以,它也沒有辦法用「掠奪-再分配」的語言解釋,這個是先天的限制,這個是一件事。

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  4. 検索/唐谷


    スピーチにおける「から谷」の言及


    2018-01-19 Zen Yushanによる訪問
    唐風水
    表と裏をめくったので、後で英語の本を探しに行きました。 私は遅くカラタニと連絡を取りましたが、彼の考えの多くは非常に無秩序であり、現代性と意味で再解釈されています。


    2018-01-19 Zen Yushanによる訪問
    唐風水
    ひまわりの前後に、台湾人の友人が一連の唐谷書を翻訳し、「世界史の構造」から読み始めました。


    2018-07-20「台湾の若手政治家を育てる方法」に関するインタビュー
    唐風水
    李は他の人に話をするのに上下はないことを伝えることができます哲学について話したい場合、刈谷が言ったのは「捕食再分配」の交換モードであり、それとは何の関係もありません。 したがって、「捕食-再分配」という言葉で説明することはできませんが、これは本質的な制限であり、これは1つのことです。

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  5. https://sayit.pdis.nat.gov.tw/search/?q=%E6%9F%84%E8%B0%B7

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  6. 柄谷
    https://sayit.pdis.nat.gov.tw/search/?q=%E6%9F%84%E8%B0%B7

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  7. 柄谷で検索
    https://sayit.pdis.nat.gov.tw/search/?q=%E6%9F%84%E8%B0%B7

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  8. https://www.radicalxchange.org/concepts/
    RadicalxChange運動にインスピレーションを与えるアイデアは、本「Radical Markets」にルーツがありますが、決してそれらに限定されるわけではありません。代わりに、新しい研究、コミュニティからのフィードバック、そしてこれらのアイデアを現実の世界で試すことから学んだことを基に、彼らは成長し進化します。

    以下に、今日のRadicalxChangeを推進する最も重要な概念をいくつか示します。これらのすべてまたはいずれかが参加するために私たちの熱意を共有する必要はありませんが、実際、私たちはあなたが批判的であることをお勧めします-それらを認識することは良い考えです。ただし、このリストは時間の経過とともに変化することに注意してください。頻繁にアクセスして、ご意見をお聞かせください。

    二次投票
    民主主義は、国、コミュニティ、地域のクラブのいずれであっても、一人一人に発言権を与えることです。しかし、現在の投票方法は、人々が実際に考えている多くのことを見逃しています。二次投票は、投票に対する新たな工夫であり、個人が自分の選択だけでなく、それについてどれほど強く感じるかを表現できるようにします。これは、グループが決定を下したり、オプションに優先順位を付けたりする必要があるほとんどすべての状況に適用できます。そして実際、コロラドのような場所ではすでにそうです。

    二次投票の速度を上げるには、次のことをお勧めします。

    急進市場の第2章
    急進的な地方民主主義のためのハンドブック
    二次支払い:入門書
    ウィキペディア
    二次金融
    共有インフラストラクチャやオープンソースソフトウェアなどの公共財への資金提供は、民主主義コミュニティにとって重要な課題です。とりわけ、個人が他の人が提供する資金に「自由に乗る」という自然な動機があるためです。個々の寄付が政府や慈善団体からの寄付と一致するマッチングファンドは、問題に対処するための優れた方法です。しかし、集中型アクターに基づく従来のマッチングアプローチは、コミュニティの実際のニーズを反映していないことがよくあります。Quadratic Financeは、プロジェクトの規模ではなく、寄付の数に基づいてプロジェクトに優先順位を付けることで、これを解決します。二次投票のように、目的は真の感情をよりよく捉えて行動に移すことです。ここでも、経験がその方法を示しています。Gitcoin Grants Round 3および4のレビューをご覧ください。

    二次ファイナンスについて理解を深めるために、いくつかの良い開始点は次のとおりです。

    急進的な地方民主主義のためのハンドブック
    リベラルラジカル:慈善活動マッチングファンドの柔軟な設計
    二次支払い:入門書
    オークションで販売された自己評価ライセンス(SALSA)
    私有財産は資本主義システムの中核であり、投資を奨励するという点だけでなく、多くの利点があります。しかし、私的所有はしばしば交換の前に所有するだけでなく、コミュニティの前にも利益を置く。一方、一部の社会主義者は、すべての財産を最も生産的な共通の目的に置くべきだと信じています。しかし、彼らは最も生産的な目的が何であるかを特定し、それを追求するよう人々を動機づけるのに苦労しています。RadicalxChangeでは、SALSA(オークションで販売された自己査定ライセンス)と呼ばれるシステムを使用して、プロパティへの両方のアプローチのベストを得ることが可能であると考えています。SALSAでは、誰もが価値があると思うことに基づいて財産に税金を支払いますが、自己査定価格を提供する意思がある人に売却することに同意する必要があります。最初は過激に聞こえますが、SALSAは有限のリソースを所有する権利を管理するためのより一貫性のある持続可能な方法です。その含意には、資源のはるかに効率的な使用、共有財産のより良い共有方法、公正な資産税、そしてより深い経済的平等が含まれます。

    SALSAの詳細については、以下をお勧めします。

    豊富さと希少性の間
    ラジカルマーケットの第1章
    ローカルラジカル民主主義のためのハンドブック
    ミレニアル世代、ズーマー、SALSA:根本的に十分
    プロパティの再考
    データの尊厳
    データはおそらく世界で最も価値のある商品になっていますが、毎日、大企業やほとんどの報酬を享受している他の人々に無料で無料で提供しています。今こそ再考の時だと信じています。私たちにとって、日常生活の中でデータを生成することは一種の労力です。それが補償されるだけでなく、公正なデータ賃金をまとめて交渉できるはずです。だからこそ、この新しい環境を反映し、データ経済のニーズとデータプロデューサーの利益のバランスをとろうとする、根本的に新しいデータポリシーを提唱しています。

    データの尊厳の詳細については、以下を参照してください。

    データ自由法
    ラジカルマーケットの第5章
    未来は誰のものか
    交差するソーシャルデータ
    高度にデジタル化された世界では、データは情報の面だけでなくアイデンティティの面でも価値があります。しかし、今日のインターネット上のアイデンティティは、主にテクノロジー企業などの手に渡っています。この問題はよく知られており、分散型またはユーザー制御のデジタルIDに関する多くの研究に拍車をかけています。RadicalxChangeでは、この作業を歓迎しますが、さらに進めたいと考えています。私たちは、現実世界であれ仮想世界であれ、個人のアイデンティティは、個人の社会的関係、ビジネス関係、およびその他の関係の交差点で構成されていると信じています。このような交差するソーシャルデータは、政府やテクノロジー企業に依存せず、人生を通じて有機的に成長し進化する、新しい知識と信頼のネットワークを開発するための鍵となる可能性があります。

    ISDの詳細については、次のものが適切です。

    交差するソーシャルデータ
    分散型社会的アイデンティティの主張を動機づける:パート1
    分散型社会的アイデンティティの事例の動機付け。パート2
    分散型社会的アイデンティティの主張を動機付ける:パート3
    反トラスト法
    私たちのほとんどは、独占は社会にとって健全ではないということに同意できます。それが私たちが独占禁止法を持っている理由です。しかし、現代の独占はしばしば独占者自身からさえ隠されています。調査では、最大の株主であり、したがって米国企業の所有者である米国の大規模な機関投資家が、彼らが何をしているのかを理解せずに有害な独占慣行に従事していることが示されています。コルセットを市場に出すのではなく、独占的な歪みに対する自然な緩衝手段として市場の力を利用するというのは、今が根本的な新しい独占禁止法のアイデアにとって良い時だと思います。

    独占禁止法の詳細については、以下を参照してください。

    ボーグル、インデックスファンドについて警告
    ラジカルマーケットの第4章
    株式の共同所有は規制当局による精査に直面する

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  9. ラディカル

    #2
    は 、トウモロコシをあなたに配分することで社会が放棄するものを社会に補償しなければいけない 。あなたが自分の車を運転していて誰かにぶつかったら 、相手に与えたケガ 、痛み 、苦痛に対して補償をすることが法律で義務づけられている 。それと同じように 、投票では 、集合的決定が行われる国民投票 (あるいは他の種類の選挙 )で負けた人にあなたが与えた損害を補償しなければいけない 。あなたが支払う金額は 、あなたの投票によって負けた市民が選好していた別の結果になっていたら 、その人たちが獲得していたであろう価値に等しくなる ★ 3 1 。
    では 、この仕組みはいったいどうやって機能するとされていたのだろう 。ある人が自分の投票 (場合によっては複数の投票 )によって選挙に影響を与えることで他人にどれだけ損害を与えたかを 、どうやって計算するのだろう 。数年後 、グロ ーヴスが経済学者のジョン ・レドヤ ードと行った共同研究や 、それに関連するア ーヌンド ・ヒランドとリチャ ード ・ゼックハウザ ーの未発表の論文で 、一つの手がかりが示された ★ 3 2 。公共財に影響を与える個人が支払うべき金額は 、その人が持つ影響力の強さの度合いに比例するのではなく 、その 2乗に比例するべきだとされたのだ 。

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  10. Q Vの実践例政治のシステムはなかなか変わらない 。うまくいく確証がないのに Q Vを導入したいと思う人がいるわけがない 。この問題を克服するために 、われわれはディサイドという会社をつくり (読み方は 「キュ ー ・ディサイド 」 、前身はコレクティブ ・ディシジョン ・エンジンズ ) 、 Q Vを商用化して 、日常的な目的に使えるようにした 。ベンチャ ー企業を立ち上げたことで 、 Q Vをテストして 、理解を深め 、改良する機会が得られている 。こうした調査が土台となって 、政治の世界に Q Vが取り入れられるようになることを願っている 。以下に Q Vの導入例をいくつか紹介しよう 。世論調査とマ ーケットリサ ーチ政治世論調査は 、選挙の結果を予測する手段として始まった 。勝ち負けを予想する 「競馬 」型の世論調査はいまも業界の屋台骨になっている 。しかし 、政治のリ ーダ ーたちが政策の優先順位を決めるときには 、大衆の考えやその強さの度合いを測ろうと

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  11. 参加者は最初にクレジットをプ ールする 。そのクレジットを使って 、個々の問題に対する賛成票あるいは反対票を好きな数だけ 「買う 」ことができる 。投票に必要なクレジットの費用は 、もちろん二次関数的に増加する 。この関係を数学的に記述すると 、抽象的で複雑に聞こえるが 、実際に使ってみると 、ほとんどのユ ーザ ーにとってシンプルで直感的に操作できる 。意見を表明するにしたがって自分のクレジットが減っていくペ ースが次第に速くなっていくのが目で見てわかるのだ 。数学恐怖症の人でも 、問題なく使える 。回答者には 、一定の予算を使って 、中絶権 、医療保険制度 、最低賃金など 、さまざまな問題で票を買ってもらう 。強い関心を持っている問題が一つしかなければ (これはあまりないケ ースだが ) 、予算をすべて使って票を買い 、一つの問題に対する立場を表明する 。数多くの問題に関心があるなら 、票をどのように割り振るか決めなければいけない 。たとえば中絶権にはとても関心があるが 、中絶権にたくさん賛成票を投じるためにクレジットを使い果たして 、オバマケアや最低賃金の問題に投じる票を一つも買えなくなってしまうのは困る 。たいていの場合 、回答者 (特に数学の正式な訓練をあまり受けていない人 )はたち

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  12. #1
    ジョ ージ主義に基づく土地税を執行するため 、中国の孫文は自己申告制度の導入を提案した ★ 3 9 。一般には 、住宅の所有者は自宅の評価額に一定の税率をかけた金額を固定資産税として支払い 、評価額は鑑定評価員と呼ばれる職員が決定する 。孫文のシステムだと 、個人が自分の土地の価値を自己申告し 、その自己申告額に一定の税率をかけて計算した税額を支払うが 、国はいつでもその土地を自己申告額で買い取ることができた 。孫文を 「建国の父 」とする蔣介石政権が台湾に逃れたときに 、孫文の仕組みが実行に移された 。残念ながら 、過少申告された土地を買い取る意思や能力は政府にはほとんどなく 、この仕組みはほぼ失敗に終わった ★ 4 0 。シカゴ大学の経済学者 、ア ーノルド ・ハ ーバ ーガ ーは 、 1 9 6 2年にチリのサンティアゴで講演したとき 、腐敗が蔓延するラテンアメリカで固定資産税を執行するという問題を解決する方法として 、孫文の仕組みを精緻化したものを提示した 。ヴィックリ ーはベネズエラの財政システムを懸念していたが 、鑑定評価員が住宅の所有者から賄賂を受け取って 、税負担を最小限にするために評価を過小にすることは日常茶飯事であり 、ハ ーバ ーガ ーもこの現状を憂えていた 。本人は前例があったことは知らなかったようだが 、ハ ーバ ーガ ーが示した解決策には時代を超えたエレガントさがある 。不動産 … …の評価額 … …に … …課税するのであれば 、本当の経済的価値を推定する評価手順を取り入れることが重要になる … … 。経済学者としての答えは … …単純明快である 。所有者一人ひとりが … …自分の不動産の価値を … …公表するようにさせて 、その金額を支払ってもいいという入札者が現れたら 、それを売ることを義務づけるのである 。このシステムは単純で 、自己拘束的であり 、腐敗する余地がなく 、行政コストがほとんどかからないうえ 、すでに市場にいる人たちにも 、不動産を経済生産性がいちばん高い用途に使うようにするインセンティブが生まれる ★ 4 1 。
    ★ 4 1 A r n o l d C . H a r b e r g e r , I s s u e s o f T a x R e f o r m f o r L a t i n A m e r i c a , i n F i s c a l P o l i c y f o r E c o n o m i c G r o w t h i n L a t i n A m e r i c a ( J o h n s H o p k i n s U n i v e r s i t y P r e s s , 1 9 6 5 ) . ★ 4 2 M a u r i c e A l l a i s , L ' I m p ô t s u r l e C a p i t a l e t l a R é f o r m e M o n é t a i r e ( H e r m a n n , 1 9 8 8 ) .法学者のソ ール ・レヴァ ーモアが学術界でこの問題への関心が復活するのに一役買った 。 S a u l L e v m o r e , S e l f A s s e s s e d V a l u a t i o n S y s t e m s f o r T o r t a n d O t h e r L a w , 6 8 V i r g i n i a L a w R e v i e w 7 7 1 ( 1 9 8 2 ) . ★ 4 3この事実は 、 C O S Tに対して出されると考えられる



    ハ ーバ ーガ ーは政府の歳入を増やす方法としてこの仕組みを設計したが 、先に明らかにした独占問題に対するすばらしい解決策を提示している 。ハ ーバ ーガ ー税は 、後にノ ーベル賞経済学者のモ ーリス ・アレも提唱しており 、評価額を高く申告して資産が購入されないようにするとコストが高くつくので 、資産に対して独占力を行使しようとする人を罰するものとなる ★ 4 2 。申告額を高くすればするほど 、支払わなければいけない税金が増えてしまうからだ 。

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  13. 配分効率性が下がっても 、投資効率性が上がることで相殺されると考える人もいるかもしれない 。しかし 、ここがキ ーポイントなのだが 、配分効率の低下が相殺されるどころか 、配分効率が下がるマイナスの効果よりも投資効率が改善するプラスの効果のほうが大きくなる 。税率が徐々に引き下げられて 、投資効率性が改善したときの配分効率性の低下幅は 、投資効率性の上昇幅よりも小さくなるのだ 。なぜなら 、売り手が受け入れてもいいと考えている価格を大きく上回る金額を支払ってもいいと買い手が考えている取引が 、売り手にとって最も価値のある取引だからである 。価格を少し下げても 、こうした取引が妨げられることはないので 、価格を下げて最初に可能になった取引が最も価値の高い取引になる 。実際に 、独占力がもたらす社会的損失は独占力の強さに対して二次関数的に増大することを示せる 。こうして 、マ ークアップを 3分の 1減らすと 、私的所有が配当効率性に与えるマイナスの影響は 5 / 9 = ( 3 2 - 2 2 ) / ( 3 2 )近く減る 。さらに 、この例では 、投資の歪みもなくなる 。もっと一般的な話をすると 、資産に投資して価値を 1 0万ドルまで高められるシナリオをすべて考えた場合 、税率が 1 0 %のときに投資が行われなくなるのは 、 9万ドル以上のコストがかかるケ ースだけである 。そんな例はまれであり 、投資から生まれる正味価値が小さいので 、あまり有効でもない 。先に述べたものと同じ理屈で 、税率が 1 0 %のときに生じる投資の歪みは 、税率が 3 0 %のときのおよそ 9分の 1だけになることを証明できる 。そうした政策をとれば 、投資のコストをわずか 9分の 1に抑えながら 、税率が 3 0 %のときに生まれる配分効率性の 9分の 5を達成できる ★ 4 4 。さらに 、土地に投資して改良する意思も能力も保有者によって違ってくるので 、それをいちばん有効に使うことができる人の手に土地が回るようにすれば 、投資が促進される可能性もある 。このような二次の構造になっているため 、少なくとも税率をとても低くすることが常に最適になる 。たとえば 、税率が 1 %だと 、投資が歪められることはまずなく 、しかも配当効率性を高めるインセンティブを大きく改善させられる 。所有者は税金を最小限に抑えようとかなり正確に自己申告するが 、土地の価値を高める投資をやめようとは考えない 。一般的には 、回転率よりも低い水準で 、こうした二つの力がバランスする穏当な税率にすることが最適になる 。 「共同所有自己申告税 ( C O S T ) 」によって所有権を社会と保有者で共有するこの税金を 、富の 「共同所有自己申告税 ( c o m m o n o w n e r s h i p s e l f a s s e s s e d t a x = C O S T ) 」と呼ぶことにしよう 。富の C O S Tは 、富 (を保有すること )のコストでもある 。 C O S Tが適用されると 、伝統的な私有財産制のあり方が変わる 。それが 「共同所有 」である 。私有財産を構成する権利の束の中でも特に重要になる二つの 「柱 」は 、 「使用する権利 」と 「排除する権利 」だ ★ 4 5 。 C O S Tでは 、この二つの権利がどちらも保有者から社会全般に部分的に移る 。

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  14. 台湾のIT担当相オードリー・タン語る「コロナ制圧のカギ」(by 2021.1.9(土)TBSテレビ「報道特集」) 21:11 20...
    https://youtu.be/iOUJ7SmmlQw

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  15. 「唐鳳meets福島futures」オードリー・タンさんから福島の皆さんへのメッセージ
    https://youtu.be/D71jhcQuUz8

    日本語の挨拶

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  16. AUDREY TANG 唐鳳 オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る
    THE FUTURE OF DIGITAL INNOVATION プレジデント社 2021年1月14日

     私が現在興味を持っていることの一つは、日本の哲学者であり文芸評論家でもある柄谷行人さんが
    唱えている「交換モデルX」をデジタルの力で実現できないだろうかということです。  
     私は柄谷さんの思想に強い影響を受けています。たとえば、『トランスクリティーク──カントと
    マルクス』は、カントの視点からマルクスを、マルクスの視点からカントを見たものですが、私に大きな影響を与えた作品です。  
     彼は多くの考えを持っていて、とくに『トランスクリティーク』に続いて刊行された『世界史の構造』
    などに出てくる「交換モデルX」という概念は、間違いなく私に大きな影響を与えています。少し説明
    すると、柄谷さんが言っている交換モデルXとは、家庭のような無償の関係の交換モデルA、上司と
    部下のような上下関係のB、政府内部あるいは不特定多数の人たちが対価で交換する市場のような
    関係のC、これら三種類に属さない四つ目の交換モデルを指しています。これは開放的な方法で、
    不特定多数の人々を対象としつつ、「家族のように何か手伝いを必要とすれば、見返りを求めずに助ける」という交換モデルです(図表3)。  

    図表 3 柄谷行人『交換様式X』
    (略)
     
     二〇一四年と二〇一五年に台湾でイベントがあり、柄谷さんとお会いする機会がありました。話をしていて、
    私たちの視点が似ていたことがとてもうれしかったのですが、柄谷さんが彼自身の角度からこれまでの
    哲学者について整理してくれたのは、私にはとても参考になりました。 …

    参考:
    https://toyokeizai.net/articles/-/363750
    《…お好きな哲学者、哲学書というのはありますか。…》

    返信削除
  17. 142 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 2021/01/14(木) 16:01:58.53 ID:uf7lKpMS
    AUDREY TANG 唐鳳 オードリー・タン 
    デジタルとAIの未来を語る 
    THE FUTURE OF DIGITAL INNOVATION 
    プレジデント社 2021年1月14日

    柄谷行人の「交換モデルX」から受けた大きな影響  

     私が現在興味を持っていることの一つは、日本の哲学者であり文芸評論家でもある柄谷行人さんが
    唱えている「交換モデルX」をデジタルの力で実現できないだろうかということです。  
     私は柄谷さんの思想に強い影響を受けています。たとえば、『トランスクリティーク──カントと
    マルクス』は、カントの視点からマルクスを、マルクスの視点からカントを見たものですが、私に大きな影響を与えた作品です。  
     彼は多くの考えを持っていて、とくに『トランスクリティーク』に続いて刊行された『世界史の構造』
    などに出てくる「交換モデルX」という概念は、間違いなく私に大きな影響を与えています。少し説明
    すると、柄谷さんが言っている交換モデルXとは、家庭のような無償の関係の交換モデルA、上司と
    部下のような上下関係のB、政府内部あるいは不特定多数の人たちが対価で交換する市場のような
    関係のC、これら三種類に属さない四つ目の交換モデルを指しています。これは開放的な方法で、
    不特定多数の人々を対象としつつ、「家族のように何か手伝いを必要とすれば、見返りを求めずに助ける」という交換モデルです(図表3)。  

    図表 3 柄谷行人『交換様式X』
     ___________
    |B再分配 |A互酬  |
    |(略奪と | (贈与と|
    | 再分配)|  返礼)|
    |_____|_____|
    |C商品交換|D    |
    | (貨幣と|  X  |
    |  商品)|     |
    |_____|_____|
    出典:柄谷行人著『世界史の構造』(岩波書店)

     二〇一四年と二〇一五年に台湾でイベントがあり、柄谷さんとお会いする機会がありました。話をしていて、
    私たちの視点が似ていたことがとてもうれしかっ
    たのですが、柄谷さんが彼自身の角度からこれまでの哲学者について整理してくれたのは、私にはとても
    参考になりました。 …

    参考:
    台湾デジタル大臣「唐鳳」を育てた教えと環境 東洋経済education×ICT
    2020/07/24
    https://toyokeizai.net/articles/-/363750
    《…お好きな哲学者、哲学書というのはありますか。…》

    返信削除
  18. 朝日
    2021年1月14日

    ていません。
    「個人情報をめぐる不安を払拭
    するには二つのことが重要です。
    よず、誰がどんな時にカードにデ
    ータを書き込め、読み取れるのか
    を法制化することです。例えば法
    律で許可されていない保険会社が
    腕み取ることは違法です」
     二つ目は、誰が内容を読み取
    ったのかを記録することです。後
    で問題が起きた時、刑事責任を追
    投するのにも役立ちます。台湾で
    はネット上で、自分の健康保険力
    ードに誰がデータを書き込み、読
    |み取ったのかを調べられます。医
    師の診断内容だけでなく、X線や
    CT撮影の写真も見られます。こ
    のシステムは官民の信頼を増ずの
    に役立っていると思います」
    ー日本政府はデジタル庁の設
    立華備も進めています。台湾も行
    政のデジタル化を推進していま
    す。どんな姿が理想でしょう。
    「誰でもプロードパンドに接続
    うにすること。社会や産
    議論の場を設け
    原の人と
    https://twitter.com/kenji184/status/1349503273258999809?s=21

    返信削除

  19. 図表 3 柄谷行人『交換様式X』
          見返り   見返りなし
          ___________
         |B再分配 |A互酬  |
    知り合い |(略奪と | (贈与と|
         | 再分配)|  返礼)|
         |_____|_____|
         |C商品交換|D    |
    見知らぬ人| (貨幣と|  X  |
         |  商品)|     |
         |_____|_____|

    出典:柄谷行人著『世界史の構造』(岩波書店)
     二〇一四年と二〇一五年に台湾でイベントがあり、柄谷さんとお会いする機会がありました。話をしていて、私たちの視点が似ていたことがとてもうれしかったのですが、柄谷さんが彼自身の角度からこれまでの哲学者について整理してくれたのは、私にはとても参考になりました。  
     柄谷さんの交換モデルに関する基本的な考え方というのは、次のようなものです。 「交換」ということを考えるとき、二つの方向性があります。一つは知り合いと交換するか、見知らぬ人と交換するかという方向性であり、もう一つは交換の中で見返りの関係になるかどうかという方向性です。見返りの関係とは、相手から何かもらうことで自分も相手に与えるような等価交換の関係です。見返りの関係にならない交換には、無償で交換するとか、自由に分け合うというパターンがあります。すると、次のように二つの方向性で四種類の交換モデルが生まれることになります。

    Ⓐ知り合いと見返りの関係になって交換するパターン
    Ⓑ知り合いと見返りの関係にならずに交換するパターン
    Ⓒ見知らぬ人と見返りの関係になって交換するパターン
    Ⓓ見知らぬ人と見返りの関係にならずに交換するパターン  

    返信削除
  20. 147 名無しさん@お腹いっぱい。[] 2021/01/15(金) 13:39:41.19 ID:/2jZIsgf
    図表 3 柄谷行人『交換様式X』[+α]
          見返り   見返りなし
          ___________
         |B再分配 |A互酬  |
    知り合い |(略奪と | (贈与と|
         | 再分配)|  返礼)|
         |_____|_____|
         |C商品交換|D    |
    見知らぬ人| (貨幣と|  X  |
         |  商品)|     |
         |_____|_____|

    出典:柄谷行人著『世界史の構造』(岩波書店)

     柄谷さんの交換モデルに関する基本的な考え方というのは、次のようなものです。 「交換」と
    いうことを考えるとき、二つの方向性があります。一つは知り合いと交換するか、見知らぬ人と
    交換するかという方向性であり、もう一つは交換の中で見返りの関係になるかどうかという方向性です。
    見返りの関係とは、相手から何かもらうことで自分も相手に与えるような等価交換の関係です。
    見返りの関係にならない交換には、無償で交換するとか、自由に分け合うというパターンがあります。
    すると、次のように二つの方向性で四種類の交換モデルが生まれることになります。

    Ⓐ知り合いと見返りの関係になって交換するパターン
    Ⓑ知り合いと見返りの関係にならずに交換するパターン
    Ⓒ見知らぬ人と見返りの関係になって交換するパターン
    Ⓓ見知らぬ人と見返りの関係にならずに交換するパターン  

    返信削除
  21. 147 名無しさん@お腹いっぱい。[] 2021/01/15(金) 13:39:41.19 ID:/2jZIsgf
    図表 3 柄谷行人『交換様式X』[+α]
          見返り   見返りなし
          ___________
         |B再分配 |A互酬  |
    知り合い |(略奪と | (贈与と|
         | 再分配)|  返礼)|
         |_____|_____|
         |C商品交換|D    |
    見知らぬ人| (貨幣と|  X  |
         |  商品)|     |
         |_____|_____|

    出典:柄谷行人著『世界史の構造』(岩波書店)

     柄谷さんの交換モデルに関する基本的な考え方というのは、次のようなものです。 「交換」と
    いうことを考えるとき、二つの方向性があります。一つは知り合いと交換するか、見知らぬ人と
    交換するかという方向性であり、もう一つは交換の中で見返りの関係になるかどうかという方向性です。
    見返りの関係とは、相手から何かもらうことで自分も相手に与えるような等価交換の関係です。
    見返りの関係にならない交換には、無償で交換するとか、自由に分け合うというパターンがあります。
    すると、次のように二つの方向性で四種類の交換モデルが生まれることになります。

    A.知り合いと見返りの関係になって交換するパターン
    B.知り合いと見返りの関係にならずに交換するパターン
    C.見知らぬ人と見返りの関係になって交換するパターン
    D.見知らぬ人と見返りの関係にならずに交換するパターン  

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  22. 訂正

    A.知り合いと見返りの関係にならずに交換するパターン
    B.知り合いと見返りの関係になって交換するパターン
    C.見知らぬ人と見返りの関係になって交換するパターン
    D.見知らぬ人と見返りの関係にならずに交換するパターン  

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  23. https://itest.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1612270700/-100

    【IT】天才プログラマー・オードリーさんがたった200行で効果的なアプリを作れる秘訣 [田杉山脈★] - 5ちゃんねる掲示板
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    【IT】天才プログラマー・オードリーさんがたった200行で効果的なアプリを作れる秘訣 [田杉山脈★]

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    0001 田杉山脈 ★ 2021/02/02 21:58:20

     IQ 180の天才プログラマーで有名な、台湾のデジタル担当大臣オードリー・タンさんへのインタビュー。今回はかなりギークかつ実務的な質問をしました。

    石井:今回の私の質問は少し技術的なことです。オードリーさんは天才プログラマーとして有名です。GitLab Taiwanのエンジニア友人から伺ったのですが、オードリーさんはわずか200行のコードで、驚くほどパフォーマンスが高いアプリケーションを作成したことがあるそうですね 。

     軽量で効果的なコードを書くための秘訣があれば、3つほど教えていただけますか?

    オードリー・タン:1つ目は、デザインやグラフィックやアイコンなどを除外した、コアとなる機能のみが書かれたコードをコミュニティと共有することです。

     私はコードを公開する時、「このコードは暫定版なので、プルリクエストをお送りください。」と言います。そうすれば、他の皆さんが(修正時の心理的ハードルが下がるため)貢献しやすくなります。

     本当に重要なことは、単独で作業するのではなくクラウドで作業することです。

     2つ目は、社会的に良さそうなプロジェクトかどうか初期段階で見極めることです。コードを書き始める前にreadme.txtの文面を考え、プロジェクトの企画全体を想像し、プロジェクト名とハッシュタグを考え、不特定多数の人が社会的意義を認めて開発に参加するように動機付けるには何をするべきか、といったことを考えるのです。

     3つ目ですが、相手を多くの同意書で縛る代わりに、相手に活躍の場を与えることを大切にしています。これは「Radical Trust(徹底的な信頼)」と呼ぶ方法論です。相手は、GitHubで自分が実施したcommitに問題があると分かったら、自らrevertすることができます。

    注:commit=GitHub等で変更を反映する操作
    注:revert=GitHub等で変更を取り消す操作

     許可を得ることは謝ることよりずっと難しいことです。だから、取りあえず進めてもらい、もし間違ったら一言ごめんなさいと言って修正してもらえば良いのです。

     私自身もこれまで、誤字脱字を含め、些細なミスをいろいろしてきました。 しかし、もし皆があなたの許可がないと動けないとしたらどうでしょうか。その場合、それがプロジェクトのボトルネックになってしまい、あなたの負担が減ることもありません。あなたがその気になれば、あなたは他の人に委任することさえも委譲することができます。

    石井:その通りですね。ありがとうございます。

     オードリーさんが言及された「Radical Trust」に大変興味を持ちました。

     「Radical Trust(徹底的な信頼)」と「Trust(信頼)」の主な違いは何でしょうか?

    オードリー・タン:「Radical Trust」の意味するところは、参画する権利の委譲です。例えば、Rakuというプログラミング言語を使いやすくするために、最近私はPugsの実装を行いました。その際、私は共有リポジトリへのプッシュ権が必要だったので、PerlやHaskellの関係者だけでなく、Pythonの生みの親であるグイド・ファンロッサムにもそれを伝えました。

     ご存じの通り、Perl 6を巡ってはフォーラムに(Perl 5の正統な後継でないという)批判的なコメントが書かれますが、私達は大抵「権限があります」とだけ返信します。

    あなたも開発に参加して、より良いものにすることが出来ます。進化が続くのは、元のバージョンから改良版を生み出す人のおかげです。直前に変更が行われたばかりであっても、もっと良い案が見つかったなら直ちに改良を施すべきなのです。これはWikipediaと同様で、IPアドレスを持っている人なら誰でも改良することが可能です。もし間違った変更をしてしまったら、 後から謝ればよいのです。
    以下ソース
    https://ascii.jp/ele...000/004/040/4040504/
    3 ID:CAP_USER

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  24. 《[台湾で]…みんながね、どういう理論で、あるいはどういう社会を実現するんですかときくんですよ。
    けどねそれは僕はこう答えるんですよ。
    それは君たちは知ってるんだ、と。
    現にあるんですよ。イソノミアが現代ならどういう社会ですかと聞かれたら、
    協同組合ですよと答えます。
    自分が経営者で自分が労働者、あるいは共同所有…。支配関係はありません。労働商品ではないから。イソノミア、ノールールです。
    協同組合が社会全体であるような社会をマルクスは共産主義と呼んだんですよ。
    国家がやってはダメですよ。協同組合が国家にとってかわらなければならないと言っているんです。
    マルクスは若いときから言っています‥

    「彼ら(労働者)は、実現すべき理想を何ももっていない。彼らのなすべきことは、崩壊しつつある古いブルジョア社会そのものの胎内にはらまれている新しい社会の諸要素を解放することである。」

    解放すべき諸要素はあるんです。それを解放すればいいんです。

    要素があるだけで…
    それを思い出せばいいだけです。》

    20130207紀伊国屋書店柄谷行人トークイベントより

    返信削除

    yoji8:57 午前
    956 考える名無しさん[] 2020/03/02(月) 01:57:12.99 ID:0
    >「彼ら(労働者)は、実現すべき理想を何ももっていない。彼らのなすべきことは、崩壊しつつあ
    >る古いブルジョア社会そのものの胎内にはらまれている新しい社会の諸要素を解放することである。」

    (『フランスの内乱』全集17.320頁)

    返信削除



  25. 《[台湾で]…みんながね、どういう理論で、あるいはどういう社会を実現するんですかときくんですよ。
    けどねそれは僕はこう答えるんですよ。
    それは君たちは知ってるんだ、と。
    現にあるんですよ。イソノミアが現代ならどういう社会ですかと聞かれたら、
    協同組合ですよと答えます。
    自分が経営者で自分が労働者、あるいは共同所有…。支配関係はありません。労働商品ではないから。イソノミア、ノールールです。
    協同組合が社会全体であるような社会をマルクスは共産主義と呼んだんですよ。
    国家がやってはダメですよ。協同組合が国家にとってかわらなければならないと言っているんです。
    マルクスは若いときから言っています‥

    「彼ら(労働者)は、実現すべき理想を何ももっていない。彼らのなすべきことは、崩壊しつつある古いブルジョア社会そのものの胎内にはらまれている新しい社会の諸要素を解放することである。」※

    解放すべき諸要素はあるんです。それを解放すればいいんです。

    要素があるだけで…
    それを思い出せばいいだけです。》

    20130207紀伊国屋書店柄谷行人トークイベントより
    ※ 『フランスの内乱』全集17.320頁

    返信削除

  26. 《[台湾で]…みんながね、どういう理論で、あるいはどういう社会を実現するんですかときくんですよ。
    けどねそれは僕はこう答えるんですよ。
    それは君たちは知ってるんだ、と。
    現にあるんですよ。イソノミアが現代ならどういう社会ですかと聞かれたら、
    協同組合ですよと答えます。
    自分が経営者で自分が労働者、あるいは共同所有…。支配関係はありません。労働商品ではないから。イソノミア、ノールールです。
    協同組合が社会全体であるような社会をマルクスは共産主義と呼んだんですよ。
    国家がやってはダメですよ。協同組合が国家にとってかわらなければならないと言っているんです。
    マルクスは若いときから言っています‥

    「彼ら(労働者)は、実現すべき理想を何ももっていない。彼らのなすべきことは、崩壊しつつある古いブルジョア社会そのものの胎内にはらまれている新しい社会の諸要素を解放することである。」※

    解放すべき諸要素はあるんです。それを解放すればいいんです。
    要素があるだけで…それを思い出せばいいだけです。》

    20130207紀伊国屋書店柄谷行人トークイベントより
    ※ 『フランスの内乱』全集17.320頁

    返信削除

  27. 《[台湾で]…みんながね、どういう理論で、あるいはどういう社会を実現するんですかときくんですよ。
    けどねそれは僕はこう答えるんですよ。
    それは君たちは知ってるんだ、と。
    現にあるんですよ。イソノミアが現代ならどういう社会ですかと聞かれたら、
    協同組合ですよと答えます。
    自分が経営者で自分が労働者、あるいは共同所有…。支配関係はありません。労働商品ではないから。イソノミア、ノールールです。
    協同組合が社会全体であるような社会をマルクスは共産主義と呼んだんですよ。
    国家がやってはダメですよ。協同組合が国家にとってかわらなければならないと言っているんです。
    マルクスは若いときから言っています‥

    「彼ら(労働者)は、実現すべき理想を何ももっていない。彼らのなすべきことは、崩壊しつつある古いブルジョア社会そのものの胎内にはらまれている新しい社会の諸要素を解放することである。」※

    解放すべき諸要素はあるんです。それを解放すればいいんです。
    要素があるだけで…それを思い出せばいいだけです。》

    2013年2月7日紀伊国屋書店柄谷行人トークイベントより
    ※ 『フランスの内乱』全集17.320頁

    返信削除
  28. 491 考える名無しさん[sage] 2021/02/09(火) 13:02:48.76 ID:0
     …そこで柄谷さんは問いかけます。不特定の人に対価を求めるわけではなく、
    無償で分け与えたいとすると、これはどんなモデルだろうか。これは「オー
    プンで、かつ無償の交換を行う」というパターンですが、このモデルには
    名前が存在しません。柄谷さんはこれをXと名づけました。これが交換の
    Xモデルです(前記>>109のⒹ)。  
     私は柄谷さんに、「イーサリアムやビットコインのように世界中の不特定多数
    の人々が組織化し、そのプラットフォーム上で交換が行われる暗号通貨などの
    ような新しい分散型交換モデルは、交換モデルXの実現と捉えてよいのか」と
    尋ねました。これについて柄谷さんは、地域通貨や自分が考えている通貨発行の
    システムなどを交えて答えてくださいました。  
     つまり、こうした分散型の方向に進むことは決して悪いことではないけれど、
    相互信頼がない知らない人同士の交換システムの場合、基本的なシステムについて
    どのように信頼を得ていくかが重要な問題の一つになるというのです。  
     交換システムに参加する人たちがお互いに顔見知りで、少なくとも誰かの推薦で
    参加するのであれば、先ほど述べた「家族」という考え方を拡大すればいいの
    ですが、知らない人との交換では「どのようにして信頼を担保するか」を解決し
    なければならないのです。  
     市場であれば、これは問題になりません。「交換が自由である」ということだけ
    で、対等性も等価性も必要ないからです。  
     私が問題にしているのは、知識の交換のようなケースです。私が知識を誰かと
    シェアしたからといって、私の知識が失われるわけではありません。これは事実上、
    独占権のない無償の交換モデルですが、この場合、「私の知識をシェアした人が、
    その知識を用いて私の望まないことを行わない」という信頼関係が必要です。  
     その信頼関係をどのようにして構築するか。それはまだ完全には解決してい
    ない問題です。だからこそ、「この問題を先に解決してからでないとこの道を歩み
    続けることはできない」と柄谷さんは言うのです。  

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