田中角栄『…[日本の軍事的危機を主張するソ連の学者に対して]ロンドンも灰燼(かいじん)に帰したけど、今でも天皇陛下はご健在だし、イギリスの女王様も健在ですよ、と言ったら、ちょっといやな顔をしたけどね(笑)。』
(『プレイボーイ・インタビュー・セレクテッド』1990年、308~9頁より)
きの冷害で食糧事情も悪いし、アフガニスタンでも、イラン、
こうちゃく
イラクでも膠着状態で動きがとれない。ポーランド問題もある。
だから、ソ連の日本侵略なんかありません。 ありませんが、
とにかくサハリンとかシベリアに大軍を集結している。それか
軍事基地の拡張、あるいはSS20の極東配備もある。しかし、
中ソの間の7000キロに及ぶ国境線、これをどっちか破った
ものが第2のベトナム戦争に踏みこむようなものであるという
ことは、世界の戦略家も政治家もすべて知っている。
また、今にも北海道に上陸される危険性があるというときに
は、アフガニスタン侵攻とは違うわけでして、日米安全保障条
約が前提になっているんです。北海道に上陸するくらいなら二
ューヨークを叩くでしょうね。それこそニューヨークをやった
ら、10秒後にはモスクワとレニングラードがぶっ飛ぶでしょう
から。第3次世界大戦は地球上の人類の破滅を意味するもので、
私はそんなことはまったくないと思ってます。
また、ソ連の何とかいう学者が来て私の意見を聞いて、同じ
だと言ってましたね。そんなことしたら、日本もやられるでし
ょうね、と向こうが言うから、日本もやられるけど、あなたの
ところもやられますよ、と言ってやった。どっちかというと日
本は慣れている。日本は東京をやられたし、ドイツはベルリン
をなくした。
ロンドンも灰燼(かいじん)に帰したけど、今でも天皇陛下はご健在だし、イギリスの女王様も健在ですよ、と言ったら、ちょっといやな顔をしたけどね(笑)。
しかし、真実というものは素直に判断していく必要があるな。
防衛体制ということよりも、あまり戦術論やらないで、日中米
の3カ国が正三角形か二等辺三角形を堅持しているかぎりにお
いて、アジアに脅威はない。ぼくは、こういうふうに思ってま
す。だから、日中が国交正常化をおこなったと同時に、ソ連の
脅威は、半減ではなくて、何分の1かに減殺されたはずです。
そこらが外交の基本です。
げんさい
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