2024年9月16日月曜日

泥棒! マラブー Malabou

青土社 ||哲学/思想/言語:泥棒!

泥棒!

〈統治されざるもの〉のために
シュールマン、レヴィナス、デリダ、フーコー、アガンベン、ランシエールら、現代の哲学者たちの仕事をアナーキーという切り口から批判的に読み解き、〈統治されざるもの〉という概念を浮き彫りにする。哲学の側がアナキズムに対して働いてきた「盗み」を告発し、哲学とアナキズムの果たされざる架橋を試みる、マラブー哲学の新たな到達点。

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[目次]

第一章 概観
    ——水平線の測量

第二章 アナーキーとアナキズムの切り離しについて

第三章  合唱隊の長たちの徳
      ——アリストテレス『政治学』におけるアルケーとアナーキー

第四章  存在論的アナーキー
      ——ライナー・シュールマンの旅、ギリシアからアンデスへ

第五章  倫理的アナーキー
     ——エマニュエル・レヴィナスにおける他律

第六章 「責任ある゠応答可能なアナキズム」
     ——ジャック・デリダの権力欲動

第七章  アナルケオロジー
      ——ミシェル・フーコー、最後の統治

第八章  瀆神するアナーキー
      ——ジョルジョ・アガンベンのゾーン

第九章 上演されるアナーキー
     ——証言者なきジャック・ランシエール

結 論 アナキストであること

原註
訳者あとがき
事項索引
人名索引

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[著者]カトリーヌ・マラブー(Catherine Malabou)
1959年、アルジェリア生まれ。現在、イギリス・キングストン大学教授。専門はドイツ・フランス近現代哲学。主な著書に『わたしたちの脳をどうするか——ニューロサイエンスとグローバル資本主義』(春秋社、2005年)、『ヘーゲルの未来——可塑性・時間性・弁証法』(未來社、2005年)、『新たなる傷つきし者——フロイトから神経学へ、現代の心的外傷を考える』(河出書房新社、2016年)、『明日の前に——後成説と合理性』(人文書院、2018年)、『偶発事の存在論——破壊的可塑性についての試論』(法政大学出版局、2020年)、『真ん中の部屋——ヘーゲルから脳科学まで』(月曜社、2021年)、『抹消された快楽——クリトリスと思考』(法政大学出版局、2021年)、編著に『デリダと肯定の思考』(未來社、2001年)など。

[訳者]
伊藤潤一郎(いとう・じゅんいちろう)
1989年生まれ。早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、新潟県立大学国際地域学部講師。専門はフランス哲学。著書に『ジャンリュック・ナンシーと不定の二人称』(人文書院、2022年)、『「誰でもよいあなた」へ——投壜通信』(講談社、2023年)。

吉松 覚(よしまつ・さとる)
1987年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。現在、帝京大学外国語学部講師。専門はフランス現代哲学。著書に『生の力を別の仕方で思考すること——ジャック・デリダにおける生死の問題』(法政大学出版局、2021年)。

横田祐美子(よこた・ゆみこ)
1987年生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、横浜美術大学美術学部助教。専門は現代フランス哲学ならびにエクリチュール・フェミニン。著書に『脱ぎ去りの思考——バタイユにおける思考のエロティシズム』(人文書院、2020年)。

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