ひどい雨がふりそうなんだ
Bob Dylan, Nara, Japan, 21st May, 1994 (with The Tokyo New Philharmonic ...
https://youtu.be/6ZRLQ148608
どこへいってたの、青い目のむすこ?
どこへいってたの、わたしのかわいい坊や?
十二の霧の山腹につまずいていた
六つの曲りくねったハイウェイをあるいたり、はったりしていた
七つの悲しい森のまんなかにふみこんできた
十二の死んだ海の前にいた
墓場の口に一万マイルはいっていた
それで ひどいひどい ひどいひどい
ひどい雨が降りそうなんだ
なにを見たの、青い目のむすこ?
なにを見たの、わたしのかわいい坊や?
生れたての赤ん坊がオオカミにかこまれているのを見た
ダイアモンドのハイウェイを見たけど だれもいなかった
くろい枝から血がしたたりつづけるのを見た
部屋いっぱいの男たちが血のしたたるハンマーをもっていた
白いはしごが水につかっているのを見た
一万人のおしゃべりが舌がだめになっているのを見た
ちいさな子どもが手に鉄砲や剣をもっているのを見た
それで ひどい ひどい ひどい ひどい
ひどい雨が降りそうなんだ
それで なにがきこえたの、青い目のむすこ?
それで なにがきこえたの、わたしのかわいい坊や?
雷の音がきこえた、それは警告を発していた
波のうなりをきいた それは全世界をおぼれさせる
百人のタイコたたきをきいた 彼らの手はもえていた
千人のささやきをきいたが だれもきこうとしていなかった
ひとりが飢え死ぬのをきいた 多くのひとがわらうのをきいた
どぶで死んだ詩人の歌をきいた
路地裏でさけぶ道化師の音をきいた
それで ひどい×5
ひどい雨が降りそうなんだ
だれにあったの、わたしのかわいい坊や?
だれにあったの、青い目のむすこ?
死んだポーニーのそばのちいさな子どもにあった
くろいイヌをあるかせている白い人にあった
からだがもえている若い女のひとにあった
ひとりの少女にあったら、彼女は虹をくれた
恋に傷ついたひとりの男にあった
憎しみに傷ついたもうひとりの男にあった
それで ひどいひどい ひどい ひどい
ひどい雨が降りそうなんだ
なにをしようというの、青い目のむすこ?
なにをしようというの、わたしのかわいい坊や?
雨が降りだすまえにもういちど出かけたい
ふかい黒い森のふかみまで歩きたい
そこには多くのひとびとがいて彼らの手はからっぽだ
そこでは毒だんごが水にあふれている
そこでは谷間のわが家がしめっぽいきたない牢屋とむかいあわせだ
そこでは執行人の顔はいつもうまくかくされている
そこでは飢えが見苦しく、魂はわすれられている
そこでは黒が色で、ゼロが数だ
それでほくはそのことを告げ、かんがえ、しゃべり、
呼吸するだろう
山から反射させ すべてのひとびとに見えるようにしたい
そして沈みはじめるまで海に立っていたい
だけどうたいはじめるまえに自分の歌をよくわかるように
なるだろう
ひどい ひどい ひどい
それで ひどい
ひどい雨が降りそうなんだ
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