:後述Love and Nature in Economics - Hazel Henderson https://t.co/BY4L55QvyT pic.twitter.com/cIR1rsGLzP
— 地域通貨花子1 (@TiikituukaHana) November 26, 2021
https://freeassociations2020.blogspot.com/2020/09/httpsmobile_22.html @
https://mobile.twitter.com/kateraworth/status/1308153275225604097?s=21
Love it - a beautiful echo of Hazel Henderson's layer cake from 1982. I had this picture pinned above my desk in the early 2000s - I know it went deep into my subconscious and came out as a doughnut. pic.twitter.com/H0agTEPrAg
— Kate Raworth (@KateRaworth) September 21, 2020
三俣論考
https://www.kyoto-seika.ac.jp/researchlab/wp/wp-content/uploads/kiyo/pdf-data/no27/mitsumata.pdf
The Cake Model
As economists are so fond of pie charts (which are quite one-dimensional), Henderson created this cake model of the economy that she uses to illustrate how un-balanced the usual perspective of economists is (who normally only focus on the top layers, 50% or less of the actual total economy):The Private Sector (Businesses) - is the icing on the cakeThe Public Sector supports this - the NGOs, Local & National Government, maintain basic infrastructure - with 'undergrund economy' as a sub-section.The Love Economy in turn supports these & consists of all the unpaid work (normally done by women) of raising children, making food, caring for homes & the elderly, etc.Underneath it all, the base is Mother Nature, the natural economy of ecosystem services from which all resources to move the other layers of the human economy come from.
Love and Nature in Economics - Hazel Henderson
The Economist's use a pie for them model = and my cake the icing
is the private sector.
and we all like to work in the private sector that's where all the innovation and the fun is.
but the private sector rests on the public sector which is all the tax supported activities we have to have to keep the air and water clean and the roads and
schools and national defense.
and what have you but that's where the economic model stops because those two top layers are conducted in cash.
and therefore the economist's notice them and add them up in the GDP.
but there are these two underneath layers which actually support the official curtain cash measured economy.
and the third layer down is the love economy that's the fifty percent of all of the activities that support the economy without getting paid.
and of course the whole thing rests on mother nature's productivity.
経済学における愛と自然 - ヘイゼル・ヘンダーソン
https://youtu.be/XIFd5f7deb8
エコノミストはパイをモデルにしています。
で、私のケーキのアイシングは民間部門です。
民間企業です。
私たちは皆、革新と楽しみがある民間部門で働きたいと思っています。
しかし、民間部門は公的部門の上に成り立っています。公的部門とは、空気や水をきれいに保ち、道路や学校、国防を維持するために税金で支えられている活動のことです。
道路、学校、国防。
しかし、経済モデルはそこで止まってしまいます。なぜなら、これらの2つのトップレイヤーは現金で行われているからです。
そのため、経済学者はそれらに気付き、GDPに加算します。
しかし、その下にある2つの層は、現金で測定される公式のカーテン経済を実際に支えています。
そして3番目の層は愛の経済で、お金をもらわずに経済を支えているすべての活動の50%にあたります。
そしてもちろん、全体は母なる自然の生産性にかかっています。
参考:
Keen 2021/11/24
https://iitomo2010.blogspot.com/2021/11/keen.html
The Money Fix podcast #1 Hazel Henderson
https://wideplus.org/wp-content/uploads/2018/09/productionwide.pdf
ヘイゼル・ヘンダーソン(Hazel Henderson, 1933年 - )は、英国ブリストル生まれ、米国フロリダ州在住の未来学者、著述家、テレビ番組のプロデューサー。30カ国以上の組織のコンサルタント。マサチューセッツ州ウスター工科大学の名誉博士。カリフォルニア大学バークレー校・サンタバーバラ校の客員教授。著書『WIN-WIN WOLRD』(日本語版『地球市民の条件』)によると、これからの時代は「勝ち・負け」のルールではなく、誰もが勝利する世界(win-win world)にするためという視座から経済活動を考えるべきであると考察している。また、国の豊かさを測る指標としてGNP(国民総生産)の代わりに「将来性」を提唱している[1]。
著書(日本語訳)
脚注
- Ethical Markets: Growing the Green Economy, Chelsea Green Publishing, 2006, ISBN 978-1-933392-23-3
- Daisaku Ikeda coauthor, Planetary Citizenship, Middleway Press, 2004, ISBN 978-0-9723267-2-8, 256 pgs
- Hazel Henderson et al., Calvert-Henderson Quality of Life Indicators, Calvert Group, 2000, ISBN 978-0-9676891-0-4, 392 pgs
- Beyond Globalization. Kumarian Press, 1999, ISBN 978-1-56549-107-6, 88 pgs
- Building a Win-Win World. Berrett-Koehler Publishers, 1995, ISBN 978-1-57675-027-8, 320 pgs★
- Creating Alternative Futures. Kumarian Press, 1996, ISBN 978-1-56549-060-4, 430 pgs (original edition, Berkley Books, NY, 1978)
- Hazel Henderson et al., The United Nations: Policy and Financing Alternatives. Global Commission to Fund the United Nations, 1995, ISBN 978-0-9650589-0-2, 269 pgs
- Paradigms in Progress. Berrett-Koehler Publishers, 1995, ISBN 978-1-881052-74-6, 293 pgs (original edition, Knowledge Systems, 1991)
- Redefining Wealth and Progress: New Ways to Measure Economic, Social, and Environmental Change : The Caracas Report on Alternative Development Indicators. Knowledge Systems Inc., 1990, ISBN 978-0-942850-24-6, 99 pgs
- The Politics of the Solar Age. Knowledge Systems Inc., 1988, ISBN 978-0-941705-06-6, 433 pgs (original edition, Doubleday, NY, 1981
★
Paradigms in Progress. Berrett-Koehler Publishers, 1995, ISBN 978-1-881052-74-6, 293 pgs (original edition, Knowledge Systems, 1991)
返信削除地球市民の条件―人類再生のためのパラダイム (日本語) 単行本 – 1999/2/1
ヘイゼル ヘンダーソン (著), Hazel Henderson (原著), 尾形 敬次 (翻訳)
国政・地方自治の担当者、企業人、国際協力関係者、そして、市民活動を推進するすべての人びとへ!勝‐敗ルールから誰もが勝利する世界へ向けて。地球規模の共同体を構築するための世界初の総合理論。
内容(「MARC」データベースより)
今や私たちの地球は産業主義社会の建設がもたらした負の遺産で満ち溢れ、この苦境から脱却するには経済構造や社会の価値観を根本から変化させる必要がある。この窮状を逃れるための新たな総合的パラダイムを提示する。
登録情報
発売日 : 1999/2/1
単行本 : 310ページ
ISBN-10 : 4794803842
ISBN-13 : 978-4794803849
出版社 : 新評論 (1999/2/1)
言語: : 日本語
Amazon 売れ筋ランキング: - 456,563位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- 2,991位社会一般関連書籍
キキラティ
5つ星のうち5.0 市民運動の教科書
2011年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
難解なところもありますが、女性として、母として、一人の人間としてグローバルな観点から活躍する著者に共感しました。
特に”シンク・グローバリー、アクト・ローカル”(地球規模で考え、自分の地域で行動せよ)という言葉がこの本を象徴していて共感しました。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
地球市民38頁
返信削除産業化社会の全システム(クリームのかかった3層のケーキ)
1982
公認されている市場経済
返信削除すべて貨幣による取引
私的セクターの生産、雇用、消費、
投資、貯蓄
防衛と国家、および地方行政 公的セク
ターのインフラストラクチャー(道路保
ト全、上下水、橋、地下鉄、学校、市行政)
貨幣による“地下経済、脱税”
〜〜
程よい公平、DIY、物々交換による社会、 家
族、地域の構造、無償の家事、世話、 ボラ
ンティア活動、分かち合い、相互扶助、 老人。
病人の看護、家族内生産 加工、自給農業
母なる自然
自然保護一公害·汚染防止コストを吸収許容量を
超えないならば、老廃棄物は循環再利用される。
GNPのかくれた外部コスト(有毒廃棄物ほか)
貨幣で表されるGNP
(ケーキの1/2)
上の2段は貨幣化され、公的に計
られたGNPとして、すべての経
済統計にのる
(15%は地下経済で、不法ないし脱
税分)
〜〜
非貨幣的生産部門
(ケーキの1/2)
下の2段は貨幣では表せない利他
的経済部門。「対抗経済」は上の2
段のGNP貨幣部門を無償の労働、
自然に吸収されたか、あるいは計
算されえない環境コストで補強し
ている。
リスクは次世代へ引き継がれる。
GNP「私的」
セクター
I
依存
↓
GNP「公的」
セクター
I
依存〜〜
↓
社会的協同
対抗経済
依存
↓
自然の層
ケイトはヘイゼルの影響を受けた
返信削除ドーナツ経済学|幸せ経済社会研究所
https://www.ishes.org/keywords/2019/kwd_id002698.html
ドーナツ経済学
ドーナツ経済学は、経済成長だけに注目することを避け、持続可能な未来をつくるための考え方です。2011年に、当時オックスファムの研究者だったケイト・ラワースによって考え出されました。ドーナツという誰にでもイメージしやすいデザインを用いていることが特徴です。
下がドーナツの図です。仮に、ドーナツの食べられるところ(緑の部分)を「中身」、穴の部分を「穴」、外側を「外側」と表現しましょう。「外側」には環境指標が、「穴」には社会指標が配置されていることがわかります。
kwd_20190924.jpg
ドーナツの外側
ドーナツの外側には、ストックホルムレジリエンスセンターの「プラネタリーバウンダリー(地球の境界)」の9つの分野が配置されています。この9分野で超過(行き過ぎや使いすぎ)があれば、その分野のドーナツの外側が赤色で表示されます。赤色の部分が大きければ大きいほど、超過の程度が大きいことを表します。図を見ればわかるように、現在、このうち4つの分野で超過が生じています。
ドーナツの穴
ドーナツの穴は社会面の12分野の「不足」を表しています。図1を見ると、ドーナツの中身におさまっている分野は一つもなく、すべての分野で問題が残っていることがわかります。赤い部分が中央に向かって伸びているほど、不足の程度が大きいことを示しています。
たとえば、平和と正義について赤い部分が2つに分かれています。これは「腐敗認識指数」(各国の公務員や政治家などが、賄賂などの不正行為に応じるかどうかを数値化したもの)が100点満点中50点以下の国に住む人が85%いること、人口10万人あたりの殺人発生件数が年間10件以上の国に住む人が13%いることを表現しています。
※詳しいデータは書籍『ドーナツ経済学が世界を救う』で公開されています。
ドーナツの中身におさまることを目指して
持続可能な未来をつくるためには、環境面での超過と社会面での不足をなくし、すべてをドーナツの「中身」におさめる必要があります。ドーナツの図を見ることで、GDP成長という一つの目標だけに目を向けることをさけ、総合的に考えることができるように。そんな願いからこの図はつくられています。
参考資料
ケイト・ラワース著/黒輪 篤嗣訳, 2018, 『ドーナツ経済学が世界を救う』, 河出書房新社
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309248486/
What on Earth is the Doughnut?...(英語)
https://www.kateraworth.com/doughnut/
地球の境界(プラネタリー・バウンダリー)2.0 (幸せ経済社会研究所のキーワード解説)
https://www.ishes.org/keywords/2015/kwd_id001823.html
ドーナツ経済学が世界を救う 人類と地球のためのパラダイムシフト Kindle版
返信削除ケイト・ラワース (著), 黒輪篤嗣 (翻訳) 形式: Kindle版
5つ星のうち4.4 12個の評価
2018
内容(「BOOK」データベースより)
返信削除経済成長なき未来をどう生きるか。従来の経済学では世界を救えない!GDPの成長に依存せずに、貧困問題や環境問題を解決しつつ、豊かで幸福な社会を構築するためのまったく新しい経済モデル! --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
著者について
経済学者。オックスフォード大学環境変動研究所の講師兼上級客員研究員。またケンブリッジ大学持続可能性リーダーシップ研究所の上級客員研究員。シューマッハー・カレッジで移行計画のための経済学を教える。
翻訳家。1973年生まれ。上智大学文学部哲学科卒。ノンフィクション、ビジネス書の翻訳を幅広く手がける。訳書に、ビニー『世界の橋』、エリスマン『アリババ』、ゴードハマー『シンプル・ライフ』ほか多数。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ラワース,ケイト
経済学者。21世紀の社会と環境の課題に取り組むために必要な経済思考を探求する。オックスフォード大学環境変動研究所の講師兼上級客員研究員。またケンブリッジ大学持続可能性リーダーシップ研究所の上級客員研究員
黒輪/篤嗣
翻訳家。1973年生まれ。上智大学文学部哲学科卒。ノンフィクション、ビジネス書の翻訳を幅広く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
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jun42
5つ星のうち4.0 ドーナツの中
2018年4月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者のいうドーナツ経済とは、ドーナツの内側では生活の基本的なニーズが満たされず、ドーナツの外側では環境の上限を超えてしまうということで、ドーナツの範囲内が人間の繁栄が可能な範囲を意味する。ドーナツの内側の境界線と外側の境界線を示す目標又は基準をどのようにして設定するかが問題だが、世界全体としての目標を設定するには各国代表による話し合いが必要であり、国ごとの基準は各国の政策立案者が決めるということであろう。国連などの場で既にドーナツの図が利用されているということなので、著者の提案は採用されつつあると言える。
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Toshi Kurokawa
返信削除5つ星のうち5.0 「公正と環境の経済学」を提示する力作
2018年5月22日に日本でレビュー済み
力作だ。朝日新聞の書評では、これほどよくできた本とは分からなかった。題名が良くないのだと感じる。「公正と環境の経済学」とでも呼ぶべきだろう。ドーナツの形そのものが本質的ではなく、社会的な公正と公平の線と、環境を破壊しないという線の上下の線で区切られた範囲が「正しい」経済学の位置だということだ。
形ということでは、本文中でも「コンパス(羅針盤)」という表現があるが、むしろその方がメタフォーとしては適切だろう。ドーナツという食品を思い浮かべるとなんでドーナツ経済学なんだと戸惑ってしまう。
前書きで、21世紀の正しい経済学のための7つの思考法が示されて、それがそのまま本文の7章になっている。そこで、まずは目次:
経済学者になりたいのは誰か?
第1章 目標を変える―GDPからドーナツへ
第2章 全体を見る―自己完結した市場から組み込み型の経済へ
第3章 人間性を育む―合理的経済人から社会的適応人へ
第4章 システムに精通する―機械的均衡からダイナミックな複雑性へ
第5章 分配を設計する―「ふたたび成長率は上向く」から設計による分配へ
第6章 環境再生を創造する―「成長でふたたびきれいになる」から設計による環境再生的経済へ
第7章 成長にこだわらない―成長依存から成長にこだわらない社会へ
今や誰もが経済学者
付録――ドーナツとそのデータ
謝辞
訳者あとがき
著者が強調しているのは、経済学を説明するモデル、図が、経済活動や経済政策がどうあるべきかを規定するということ。だから、その考え方、立ち位置を変えることで、経済活動そのものが変わるということだ。Rethinking Economicsという、学生たちの活動が紹介されている。経済学が、いま世界が必要とすること、学生が学びたいことを扱わず、世界の不公正に加担しているという批判がこういう活動として行われている。
本書では、経済学の現在がどうしてこうなったかという説明と、これから変えるのはどこをどのようにという説明をデータとともに示しているので、結構細かいことがらまで述べられている。
第1章では、GDPがどのようにして導入されたかの経緯を含めて、その歪みを正すために公正な社会基盤を確保して、環境に対して負荷をかけないというドーナツ形の経済の枠組みを提示する。第7章でGDP成長神話がいかに問題をはらんでいるかの説明があるが、GDPだけを経済指標とすることの問題が述べられている。
第2章では、市場が問題になる。第3章の合理的経済人というモデルとも関係するが、「市場が万能」ではないことが論じられる。「マッチを擦る前と同じように、市場を始める前には注意しなくてはならない。何を燃やし尽くし、灰にしてしまうか、わたしたちにはわからないのだから。」とまとめられている。
市場に関して興味深かったのは、ボードゲーム「モノポリー」のお話。「ゲームの開発者エリザベス・マギーは、土地を人類全員の共有財産と考えるヘンリー・ジョージの思想の熱烈な支持者で、1903年に最初にこのゲームを考案したときには、二種類のまったく異なるゲームのルールを用意していた。「繁栄」と名づけられたルールでは、誰かが新しい土地を獲得するたび、すべてのプレーヤーにお金が配られ、元手がもつとも少なかったプレーヤーの資金が二倍になったところで、ゲームの決着がついた(全員が勝者だった)。いつぼう「独占者(モノポリスト)」と名づけられたルールでは、プレーヤーは自分の土地に止まったあわれなプレーヤーから地代や賃料を徴収して、お金を増やした。ゲームの勝者は、ほかのプレーヤーを全員破産させ、最後まで残ったプレーヤーだった。マギーが二種類のルールを設けたのは、「現在の土地の収奪システムからいかに尋常ではない結果や影響がもたらされるかを、プレーヤーたちに具体的に示し」、土地の所有権の扱いかたしだいで、社会にまったく異なる結果が生まれることを理解してもらいたかったからだ。」とある。パーカー・ブラザーズが1930年代に特許を買い取ってから、今の「モノポリー」だけと改変されたという。
市場以外にも、企業:任せる→目的を持たせる。金融:ぜったいに誤らない したがって信頼せよ→利用するものである したがって社会の役に立たせよう。貿易:双方を満足させる したがって国境を開放せよ→諸刃の剣である したがって公平にしよう。国家:無能である したがって干渉させるな→不可欠である したがって責任を明確にしよう。家計:家庭の問題である したがって女たちに任せよ→中核である したがってその貢献を重んじよう。コモンズ:悲劇である したがって売り払え→創造性の源である したがってその可能性を引き出そう。社会:存在しない したがって無視せよ→土台である したがってそのつながりを育もう。地球:無尽蔵である したがって好きなだけ使え→生命を支える したがってその許容限界に配慮しよう。勢力:無関係である したがって問題にするな→どこにでも生じる したがって濫用を防ごう。
と、経済学の要素を組み替える必要を説く。
第3章は、これも悪評高い「合理的経済人」の批判。社会にとって好ましくないこのような人を経済学部が生み出している状況が語られる。
第4章では、経済システムを「均衡理論」から、よりダイナミックな複雑系に切り替えることを説き、「今日の経済は、無策により、分断的かつ非環境再生的である。明日の経済は、設計により、分配的かつ環境再生的なものにしなくてはならない。」とまとめている。経済学者は「機械工から庭師に」というスローガンも用意されている。
第5章は、格差の問題に取り組む。従来の「経済成長すれば格差は解消する」という主張が破綻しているのは、ピケティの「21世紀の資本論」でも明示されているとおりだ。「不平等の解消のため、経済成長が進むのを待つのは止めよう。そうはならないから。代わりに、設計により分配的な経済を築こう。」とまとめられている。
興味深かったのは、コミュニティ通貨とブロックチェーンの組み合わせで、地域振興という観点。仮想通貨をこう把握することもできるのだ。また、オープンソースを引き合いに出して、知的資産のコモンズが語られる。Digital Technologyが勝者総取りの格差拡大だけでなく、共有化の可能性もあるということだ。
第6章では、地球環境の問題を取り上げる。
前提抜きに経済成長を是とする考えには、地球の資源や環境を無尽蔵に好きなように使えるという前提があることが論じられ、さらには、「経済が成長すれば環境もよくなる」という議論がなされる。これに対して、「環境再生的な経済設計に支えられて初めて、環境再生的な産業設計は真に実を結ぶ」と、当初から、環境再生を目指した政策、社会経済環境を整える必要性を説く。ここでは、コモンズの位置づけも従来の無用とするEnclosure以来の考え方を改め、むしろ、コモンズの適切な管理によって、環境再生的な基盤が整備されるとする。asknatureというサイトも紹介されて、知財もまたコモンズを通じて、このような環境保全の文脈で使われるべきだと論じる。
第7章では、今の経済理論の最大の欠陥。経済成長のこの後、どうなるのかを取り上げる。私がこの議論に最初に接したのは、Sutterさんの「経済成長神話の終わり 減成長と日本の希望」だったが、状況はあまり変わっていないようだ。原発ですら最終処分費用が不明でも、ランニングコストが安価などという議論がまかり通るから、いつまでも経済成長を続けることを前提とした政策がまかり通るわけで、まさに、無理が通れば道理が引っ込む状況だ。
経済理論が実社会をまともに扱うなら、GDPの上限があることは自明で、それをクラッシュではなく、まともに扱えるモデル構築が求められるし、そのような中で、GDPに取って代わる、願わくばわかりやすい指標が望まれる。本書の議論を通じて感じたのは、いわゆる「幸福指数」も、人間の狭い了見から来ているように見えることだ。むしろ社会・環境への貢献度、保全度のようなものを用いたほうが良いのではないかと感じる。
付録には、議論の材料となる種々のデータも示されている。「公正と環境の経済学」は、まだ出来上がってはいないが、それを論じるための基礎は、本書でかなりカバーされている。著者が希望しているように、これがこれからの経済学の基本となれば、世の中も少しは良くなると期待されるのだが、さて、どうなるか。
S.A
返信削除5つ星のうち5.0 私たちが考え方を変え、行動を変えるきっかけとなる本
2020年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本のタイトルである「ドーナッツ経済」とは、著者が主張する経済のあるべき姿であり、それを図にしたものです。なぜ、図にしたかというと、図の持つ視覚的なメッセージは言語的なメッセージよりも私たちに強く影響を与えるからです。
「人」「もの・サービス」「金」のフローを描いた図を多くの人が一度は目にしたことがあると思います。でも、実はこのフローには、「もの・サービス」を提供するのに必ず必要な「環境や資源」、「人」にとって必要な「社会的基盤」などが欠けています。私たちは、そのようなフロー図が経済政策や私たちの経済活動に大きな影響を与えています。
この本は、私たちが持続可能に繁栄するために、経済を新しく捉えなおすことを提案する本です。
著者は経済学者であるため、当然「経済学」に精通しているため、新旧さまざま例やデータを提示しながら、「経済学」の問題を指摘しています。
例えば、私は
・世界3位のGDPを誇る日本で、なぜ自殺率は世界の貧しい国よりも高いのか?
・コンビニのビニール袋をもらわなくすれば、温暖化は止まるのか?
・「経済成長」、「景気対策」で私たちは幸せになるのか?
・どうして出生率の低下や東京一極集中のような事態が起こるのか?
などを疑問に思っていましたが、この本を読んで、自分なりに理由が多少分かった気がします。
この本はあくまでも新しい経済学を提示し、私たちに考え方や行動を変えるきっかけを与えてくれる本なので、具体的なソリューションを提示しているわけではありません。大切なことは、この本をきっかけに読者が考え方や行動を変えて、より良い世界を作っていくことだと思います。
翻訳版ですが、見事に翻訳されており、著者の主張が正確に伝わってくると思います。
ESGやSDGに関心のある方は、ぜひこの本も読んでみることをお勧めします。
もっと少なく読む
Doughnut Economics Action Lab (DEAL) (@DoughnutEcon)
返信削除2020/09/29 19:01
Today's the day: Doughnut Economics Action Lab is live online! Join the fast-growing community at doughnuteconomics.org
Together, let's turn Doughnut Economics from a radical idea into transformative action. #DoughnutEconomics pic.twitter.com/UVxdekcO7W
https://twitter.com/doughnutecon/status/1310882302176657408?s=21