2022年2月22日火曜日

L'amour à 20 ans,Tokyo

l'amore a venti anni(原題: L'amour à 20 ans)

パリ、ローマ、東京、ミュンヘン、ワルシャワの五つの都市における青春と恋を追求したオムニバス映画。 フランスは「大人は判ってくれない」のフランソワ・トリュフォーが脚本・監督を担当し、「女は女である」のラウール・クタールが撮影した。出演者は「並木道」のジャン・ピエール・レオー、新人マリー・フランス・ピジェ、フランソワ・ダルボンなど。なおこの映画はカンヌ映画祭監督賞を受賞。 イタリアはロベルト・ロッセリーニの息子レンツォが脚本・監督した。撮影は「ローマの恋」のマリオ・モントゥオーリ。出演者は「女の部屋」のエレオノーラ・ロッシ・ドラゴ、クリスティーナ・ガヨーニ、新人ジェロニモ・メニエルなど。 日本は作家の石原慎太郎が脚本と監督を担当。出演者は劇団“四季”出身の古畑弘二、東宝の田村奈巳、小池朝雄、横山道代など。音楽は武満徹。 ドイツは故マックス・オフュールスの息子マルセル・オフュールが脚本を書き演出した。撮影はウォルフガンク・ウィルト。出演者は新人バーバラ・フレイ、クリスチャン・デルマーなど。 ポーランドは「鉄十字軍」のイェジー・ステファン・スタウィニュスキーの脚本を「灰とダイヤモンド」のアンジェイ・ワイダが監督した。撮影は「暴力への回答」のイェジー・リップマン。音楽はイェジー・マトゥシュキヴィチ。出演者は「夜行列車」のズビグニエフ・チブルスキー、「生きる歓び」のバーバラ・ラス、ヴワディスワフ・コワルスキーなど。総製作はピエール・ルスタンである。黒白・ディアリスコープ。
1962年製作/120分/フランス・イタリア・日本・ドイツ・ポーランド合作
原題:L'Amour a 20 ans
配給:東和
〔東京〕工員の浩(古畑弘二)の心には秘めたひとつの美しい面影があった。工場への行きかえりに会う女子高校生(田村奈巳)である。ある日、彼は一心にナイフを作っていた。このナイフこそ彼の恋を成就させるただひとつのものだ。翌日の晩、彼は彼女にとびかかった。いまこそ彼女は自分のものだ。事件が迷宮入りを伝えられるある日、彼は新間社に電話した。「三宅文子を殺したのはおれだ……」

 

https://filmarks.com/movies/11886

 「二十歳の恋」に投稿された感想・評価 すべての感想

真鍋新一 真鍋新一の感想・評価 2022/02/02 20:34 3.0 

権利だかなんだかの関係でトリュフォーのパートしか上映されなかった。のちのフランケンシュタイン・古畑弘二の出る石原慎太郎監督パートも見せろ。

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2006年ごろに新文芸坐のオールナイトで観た時のコメントが↑。

石原慎太郎が監督した日本篇のパートをようやく、フランス語吹替、英語字幕というおかしな仕様で一応見ることができた。 のちにストーカー映画の先駆けと言われる『コレクター』よりも早く、おまけに『コレクター』のように「ストーカーというのはいろいろ事情があって感情が歪んでしまった異常者なんですよ〜」という形式ばった説明は一切ない。のちに『フランケンシュタイン対地底怪獣』で怪人役を演じる古畑弘二が鉄工所に勤める気弱な青年に扮し、そしてほとんどなんの説明もなくたまたま通りすがりに顔を見た女性をストーキングし、凶行に走る。余計な説明がなにもないが、犯罪というのは本来そういうものだと思う。殊にこの日本に住んでいるとすごくリアリティがあり、とても怖い。 とはいえ、監督がああいう人で、映画の中で描いた事件に対してどういう考えがあるというわけでもなし、先駆けたところで全然すごくないと思う。男性の破壊的な性衝動についてはよくわかったが、結局被害者である女性はそこにいるだけの歩く人形のようにしか扱われていない。理不尽な犯行の犠牲になることに対する視点はビックリするほどなにもない。人をなんだと思ってるんだこいつは。 暗闇の中に人影が浮かび上がる幻想的なカットなど、モノクロ撮影はまるで芸術写真のようですばらしい。「小説家センセイの芸術をお手伝いできるぞ!」とスタッフが張り切ったのだろうか。監督の趣味とはちょっと思えなかった。 


フランシーヌ フランシーヌの感想・評価 2021/05/16 23:44 4.1 

石原慎太郎が監督した東京篇のみについて。 実際に起きた小松川高校殺人事件に基づいて作られた短篇。東宝が下請けで作られただけあって俳優は東宝専属が殆ど。大島渚の同テーマの作品と比較されがちで世間的評価は低いようだが、どうしてどうして犯人の不気味さなら圧倒的にこちら。田村奈巳の美しさもプラス。

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