Frank Capra制作の教育ドキュメンタリー「The Unchained Goddess」1958
地球温暖化の発見ー真鍋淑郎先生ノーベル賞受賞記念(朴勝俊作)
2021年10月5日、真鍋淑郎さんが地球科学としてはじめて分野の壁を破ってノーベル物理学賞を受賞しました。真鍋さんの「気候モデル」こそ、地球温暖化や長期的な気候の予測を可能にし、パリ協定や再生可能エネルギーの導入につながった重要な研究です。この「気候モデル」に結実するまでには、天文学や海洋学、気象学など幅広い分野の先行研究が存在しました。中には、当時はほとんど理解されず、その先見性が後に明らかになった研究も存在します。地球温暖化はいつ頃から、どのような人々によって「発見」されたのか?その足跡をたどります。
本書は地球温暖化の科学史をたどりなおす試みである。人間活動による“正味の”温暖化が科学的に認められ、その影響が危惧すべきものと認められるまでには、いくつもの歴史的な研究成果が蓄積されなければならなかった。地質学/地球物理学上の新知見、シミュレーションによる気候モデルの進歩、急速な気候シフトが起こりうる動的な地球システムという新パラダイムなどだ。それらが量的に信頼できるほど精密になることも必要だった。少数の決定的なデータから「定説」ができるほど話は単純ではない。
温暖化研究の基石となった科学的事件の多くが、研究者たちの苦心や興奮とともに、この一冊の中で明快に紹介されている。彼らの体験した温暖化〈発見〉の過程を追体験することで、私たちも温暖化とはいかなるものかを、ようやく〈発見〉できる。
温暖化を「一時的な問題」「データを政治的・恣意的に使った科学的虚構」とする異論は今日も消えない。それは研究分野が科学的に健全に営まれていれば当然のことだろう。だがそのような専門的な論争の言わば“断片”が、各種メディアを通じてひとり歩きし、地球環境に関する誤解と混乱を煽るのはやっかいだ。本書はそれに振り回されない公平かつ明晰な事実認識を得るための、最初の拠りどころとして格好の一冊である。
温暖化の“発見”とは何か Tankobon Hardcover – March 1, 2005
by スペンサー・R. ワート (著), & 3 more
3.5 out of 5 stars 4 ratings
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温暖化の〈発見〉とは何か
温暖化ガスによる気候変動の可能性を多くの科学者が認め、政治問題に至った歴史的な経緯を振り返る。科学者、政治家、ジャーナリストなどがいかに影響し合ってきたかを描く。著者は米国の科学史家。
(日経エコロジー 2005/06/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
内容(「BOOK」データベースより)
「気候変化の科学における最重要論文のうちほぼ1000編の中で点と点をつなぐことを試みた」。地球温暖化の科学を公平な視点で要約した、信頼できる科学史。
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Product Details
Publisher : みすず書房 (March 1, 2005)
Publication date : March 1, 2005
Language : Japanese
Tankobon Hardcover : 283 pages
ISBN-10 : 4622071347
ISBN-13 : 978-4622071341
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electron_P
2.0 out of 5 stars 「温暖化の発見とは何か」=それは早とちりが生んだ巨大な蜃気楼である
Reviewed in Japan on September 27, 2018
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たかが ブック レビュー なのだから、そうまじめに考えず、さらりと、〇 ✖ で書いておけばよい、という考え方は、わからなくもない。しかし問題の本質からすると、そのように曖昧にすることは、かえって「科学」の冒涜になる とも考える。
地球温暖化は、人為排出の二酸化炭素 CO2 の「温室効果」が主因だとされている。当書はそのことを 歴史的、またグローバルに検証してゆく筋立てになっている。IPCCをはじめとして、世界の大多数はそれを疑わない。
けれどこの世界の一部には CO2 の関与を疑う人たちもいる。CO2 の関与を否定する人でも、重点の置き方で、さまざまなバリエーションが存在する。
一体、なにが真実なのか?
結論から言えば、CO2 に「温室効果」はない。よって地球温暖化の主原因ではない。 ―――この結論を受け入れることは、いわゆる「脅威派」には、耐え難いことであろう。だが、受け入れてもらわねばならない。
その証明は このレビューの範疇を越えるので、別の機会に回す。
ただ一言付記しておけば「鉛直一次元モデル」は、モデルとしての意味のない欠陥モデルである。
(2018/09/27 05:30 electron_P)
【追記】2019.04.15
地球温暖化の元凶はCO2なのか? それを考えるとき、ガリレオの裁かれた裁判を象徴的に思い出す。有罪判決を受けた彼はつぶやく。「それでも、地球は動いている。」 天動説と地動説のせめぎあいは、或る日を境に、一挙に大転回を遂げたわけではなく、数百年をかけて、ゆっくりと、真実が浸透していった、と「科学史」は教えてくれる。地球温暖化にCO2は関与しない、という真実があって、しかし、それを肯定しない大多数の権益者たちは、当然にCO2の関与を叫び、流血の事態すら発生しかねないとき、なまなかな覚悟では、真実は死するほかないのかもしれない。
それでも、天動説と地動説の相克史に照らし、真実はいつか正当性を認められるだろうと思う。天動説と地動説は、はじめは「仮説」でしかない。やがて、どちらのほうが、より多くの観測事実、既視現象をうまく説明できるかが問われる。当然、地動説のほうが、合理的で疑問点が少なくなるだろう。
CO2の非関与と、それゆえの「温室効果」の非実在性とは、これから、時間をかけて、認められていくだろう。そして広く浸透したとき、「温暖化の<発見>とは何か」と問うこと自体が意味を持たなくなる。
書物には、千年を超えて生き延びるものと、泡沫のごとく消え去るものとがある。当書は、後者から逃げられない。
(electron_P)
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地球太郎
5.0 out of 5 stars 2003年の時点における地球温暖化に関するもっとも信頼できる本
Reviewed in Japan on January 31, 2007
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この本は2003年の時点における地球温暖化に関するもっとも信頼できる本である。評者の読んだ英語のいくつかの本でも執筆にあったてこの本のおかげを受けたと言う大変高い評価がされている。著者のスペンサー・ワートは、アメリカ物理学会の科学史部会長を務める科学史家である。1000 以上の原論分をもとにして書いた本であるが、歴史的にことの始まりからエピソードをまじえて、数式は一つも使わずに一般の人にも読みやすい正確な記述になっている。19世紀の後半に提唱された炭酸ガスの温暖化説が、途中何度か否定されたのちに100年以上かかって確立するまでの過程の記述も迫真的である。混乱期で日本で職のなかった眞鍋、荒川、笠原の三博士が、アメリカにリクルートされてコンピューターモデルの開発と発展に先駆的、中心的な貢献をしていられる様子も生き生きと書かれていて日本人の評者もうれしい限りである。翻訳もこなれていて読みやすい。なを Spencer R. Weartのwebでさらに詳しい デテールと93年以降の発展をみることができる。
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suburu
5.0 out of 5 stars 温暖化に対する健全な懐疑心をお持ちの方に
Reviewed in Japan on January 6, 2008
温暖化は本当か。そんな事が起きうるのか。
科学者たちの間でも昔は懐疑派・否定派が大多数だった、それが少しずつ証拠が積み重ねられてゆくことで、本当に起き得るし、起きているのだと皆が確信する経緯を丁寧に追います。科学者たちが確信している理由を深く知りたい方、特に「なぜ断言するのか、色々異論があるとも聞くが」という健全な懐疑心をお持ちの一般の方に強くお勧めします ---もっとも、この本で痛感させられるのはIPCC報告書の中でもあまり注目されていない重要な主張「気候は激変する。過去に頻繁に激変した証拠がある。現在のゆっくりした温暖化が激変に突如変わらない保証はない」なのですが。
著者はAIPの物理学史センター所長だそうですが、広い視野、ごまかしのない記述、的確なバランス、見事です。
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