世界史の構造
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- 単行本:3,850円
- 岩波現代文庫:1,540円
内容説明
■著者からのメッセージ
本書は,交換様式から社会構成体の歴史を見直すことによって,現在の資本=ネーション=国家を越える展望を開こうとする企てである.私はこのヴィジョンを,すでに前著『トランスクリティーク――カントとマルクス』(2001年)で提示している.それを本格的に展開したのが本書である.実は,その草稿は2005年にはほぼできあがっていた.だから,そのダイジェスト版を『世界共和国へ――資本=ネーション=国家を超えて』(岩波新書)として刊行したのである.それから本論を仕上げるのに,さほど手間はかかるまいと思っていた.しかし,この仕事一本に専念したにもかかわらず,4年もかかってしまった.この間に,細部においてはいうまでもないが,かなり核心的な部分で飛躍的な発展がある.それが何であるのか.ご期待を乞う.
柄谷行人
目次
序文
序説 交換様式論
1 マルクスのヘーゲル批判
2 交換様式のタイプ
3 権力のタイプ
4 交通概念
5 人間と自然の「交換」
6 社会構成体の歴史
7 近代世界システム
第1部 ミニ世界システム
序論 氏族社会への移行
第1章 定住革命
1 共同寄託と互酬
2 交易と戦争
3 成層化
4 定住革命
5 社会契約
6 贈与の義務
第2章 贈与と呪術
1 贈与の力
2 呪術と互酬
3 移行の問題
第2部 世界=帝国
序論 国家の起源
第1章 国家
1 原都市=国家
2 交換と社会契約
3 国家の起源
4 共同体=国家
5 アジア的国家と農業共同体
6 官僚制
第2章 世界貨幣
1 国家と貨幣
2 商品世界の社会契約
3 『リヴァイアサン』と『資本論』
4 世界貨幣
5 貨幣の資本への転化
6 資本と国家
第3章 世界帝国
1 アジア的専制国家と帝国
2 周辺と亜周辺
3 ギリシア
4 ローマ
5 封建制
第4章 普遍宗教
1 呪術から宗教へ
2 帝国と一神教
3 模範的預言者
4 倫理的預言者
5 神の力
6 キリスト教
7 異端と千年王国
8 イスラム教・仏教・道教
第3部 近代世界システム
序論 世界=帝国と世界=経済
第1章 近代国家
1 絶対主義王権
2 国家と政府
3 国家と資本
4 マルクスの国家論
5 近代官僚制
第2章 産業資本
1 商人資本と産業資本
2 労働力商品
3 産業資本の自己増殖
4 産業資本主義の起源
5 貨幣の商品化
6 労働力の商品化
7 産業資本主義の限界
8 世界経済
第3章 ネーション
1 ネーションの形成
2 共同体の代補
3 想像力の地位
4 道徳感情と美学
5 国家の美学化
6 ネーション=ステートと帝国主義
第4章 アソシエーショニズム
1 宗教批判
2 社会主義と国家主義
3 経済革命と政治革命
4 労働組合と協同組合
5 株式会社と国有化
6 世界同時革命
7 永続革命と段階の「飛び越え」
8 ファシズムの問題
9 福祉国家主義
第4部 現在と未来
第1章 世界資本主義の段階と反復
1 資本主義の歴史的段階
2 資本と国家における反復
3 1990年以後
4 資本の帝国
5 つぎのヘゲモニー国家
第2章 世界共和国へ
1 資本への対抗運動
2 国家への対抗運動
3 カントの「永遠平和」
4 カントとヘーゲル
5 贈与による永遠平和
6 世界システムとしての諸国家連邦
注
あとがき
著者略歴
柄谷行人(からたに こうじん)
1941年生まれ.評論家.
著作としては,『定本 柄谷行人集』(全5巻,岩波書店),Transcritique : On Kant and Marx(The MIT Press),『世界共和国へ――資本=ネーション=国家を超えて』(岩波新書)など多数ある.
書評情報
東京新聞(朝刊) 2012年5月27日
図書新聞 2011年2月26日号
毎日新聞(朝刊) 2011年1月20日
北海道新聞(朝刊) 2010年12月26日
東京新聞(朝刊) 2010年12月19日
朝日新聞(朝刊) 2010年12月18日
図書新聞 2010年9月18日号
朝日新聞(朝刊) 2010年8月24日
日本経済新聞(朝刊) 2010年8月22日
産経新聞 2010年8月13日
AERA 2010年8月2日号
週刊読書人 2010年7月23日号
毎日新聞(朝刊) 2010年7月21日
東京新聞(朝刊) 2010年7月18日
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