市民記者KM:日航123便墜落事件「修理ミス」捏造と無人標的機衝突説火消しのタイミング
圧力隔壁「修理ミス」の内容は発見後に2度変更されていた!
123便の墜落原因とされてきた圧力隔壁の「修理ミス」が捏造されていたという疑惑については過去記事(https://isfweb.org/post-73479/)で説明しましたが、今回さらに詳しく説明します。ボーイング調査団は墜落から10日後の8月22日に墜落現場で圧力隔壁の「修理ミス」を発見したとされていますが、実は「修理ミス」の内容は、発見後、以下のように2度変更されていました。
8月22日 「一列リベット打ち忘れ」をボーイング調査団が墜落現場で発見
9月6日 「一列リベット不貫通」とボーイング本社が発表
9月14日 「接ぎ板の切断」と事故調査委員会が発表
最初の「修理ミス」は「リベットの一列打ち忘れ」
最初の「修理ミス」は「リベットの一列打ち忘れ」とされています。それはボーイング調査団責任者であったジョン・パービス氏によってNTSB*の首席調査官だったロン・シュリード氏に報告され、当日の米国調査団の報告書に記載されています。そしてシュリード氏は墜落現場で事故調査委員会の藤原洋氏に手描きスケッチで説明をして、ニューヨークタイムス紙にリークしています。それが日本で大きく報道されて「修理ミスが墜落の原因」と広く信じられるようになりました。この「一列リベット打ち忘れ」について読売新聞と朝日新聞が以下の見出しで報じていました。
読売新聞 1985年9月7日朝刊「隔壁リベット1列だけ 2列必要 金属疲労広がる?」
朝日新聞 1985年9月7日朝刊「隔壁リベット不足 規定は2列 1列しか打たず」
*NTSB: 国家運輸安全委員会
ボーイングが「修理ミス」を「リベットの一列不貫通(空打ち)」に変更
しかしボーイングは9月6日の公式声明で「修理ミス」の内容を「リベットの一列不貫通」に訂正し(図1)、それが9月8日のニューヨークタイムス紙で報じられています。

図1 「一列リベット不貫通(空打ち)」の「修理ミス」
以下はニューヨークタイムス紙の記事の該当箇所です。
「ボーイング社は先日(金曜日)、先月墜落した日本航空のB-747の客室後部に対して1978年に行った修理への過失を認めた...ボーイング社によると、客室後部の圧力隔壁の上半分と下半分を接合する際、継ぎ目の比較的小さな部分で問題があったとしている...本紙が金曜日(9月6日)に修理ミスを報じているが、調査に関わっている当局によると、その内容は一部のリベットが欠落していたというものであった。今回のボーイング社の発表は先日の本紙報道の一部に異を唱えている。修理ミスは、修理の際に継ぎ目部分に使われた接ぎ板が不適切であったことであり、3列あるリベットのうち1列は接ぎ板を貫通していなかった。そして問題箇所は継ぎ目全体の約17%であった。」
The Boeing Company acknowledged Friday that it had made faulty rear-cabin repairs in 1978 on a Japan Air Lines Boeing 747 that crashed in Japan last month… The company said that the problem involved a relatively small section of the splice its team fashioned in reassembling upper and lower halves of the pressure bulkhead in the rear of the passenger cabin… Disclosure of a faulty repair was made initially by The New York Times on Friday. The Boeing statement took issue with a part of the report, attributed to authorities involved in the inquiry, that the improper assembly had to do with some missing rivets.
Defect in Riveting
”A splice plate added during the repair was incorrectly installed in this small section of the splice such that one of three rows of rivets did not pass through the splice plate,” the company said. The small section amounted to about 17 percent of the splice, according to the statement.
このボーイングの発表について読売新聞と毎日新聞は以下の見出しで報じていました。
読売新聞 1985年9月7日夕刊「隔壁リベット一部不貫通 ボ社 欠陥修理認める」
毎日新聞 1985年9月7日夕刊「日航機しりもち事故 ボ社、修理ミス認める リベット、貫通せず」
事故調査委員会が「修理ミス」を「接ぎ板の切断」に変更
そして事故調査委員会が9月14日の第二回中間報告で、「修理ミス」は「接ぎ板の切断」であったと発表しています。この発表について読売新聞が以下の見出しで報じていました。
読売新聞 1985年9月15日朝刊「ボ社修理ミスで金属疲労 接ぎ板離れていた」
前回の記事で説明しましたが、圧力隔壁の客室内与圧への耐圧強度は隔壁の厚さに依存します。「一列リベット打ち忘れ」や「一列リベット不貫通」では圧力隔壁破壊の原因とはなりえないため、おそらく事故調査委員会が「接ぎ板の切断」に変更させたものと思います。
もし修理ミスがあったとすると該当箇所はどう見えるか?
もしそれぞれの「修理ミス」があった場合、隔壁下側の修理箇所に亀裂がどう現れるのかを図にしてみました。

ボーイング調査団が8月22日の現地調査の際に確認したとされる圧力隔壁修理箇所はどういった状態だったのでしょうか?何を見て「リベット一列打ち忘れ」の「修理ミス」があったと判断したのでしょうか? パービス氏が墜落現場で数百枚撮ったとされる写真は公開されておらず該当箇所が実際にはどういう状態であったのか確認できません。そして最終的な「修理ミス」である「接ぎ板の切断」は目視では確認できません。見えないはずの「修理ミス」をどうやってこの日に発見したのかという矛盾が生じています。
FAA(連邦航空局)のウエブサイトにある記述
以下はFAAの日航123便墜落の報告書にある「修理ミス」に関する記述です。
不適切な修理
修理後の検査で、交換した下半分の圧力隔壁のリベットの縁端距離が足りないことが判明した。この不具合を解消するために接ぎ板を入れて上下の圧力隔壁を接合することとした。この設計変更においては、上下の圧力隔壁の荷重を連続的に伝えるために一枚の接ぎ板を使用する必要があった。しかし承認された修理方法から逸脱した結果、修理図面で指示されたとおり二列のリベットではなく、一列のリベットが、影響を受けた(破壊された)上側の隔壁板に荷重を伝えることとなった。この不適切な修理により、隔壁板には過度な荷重がかかり早期の疲労破壊につながった。修理箇所は隠れており、さらに隙間部がシール材で埋められていたため、不適切な修理が施された箇所は圧力隔壁のどちら側から見ても分からなかった。事故調査委員会は、修理箇所の強度は適切な修理が行われた場合と比較して約70%と評価した。
Improper Repair
In the post-repair inspection, it was discovered that certain rows of rivets on the newly replaced lower half of the bulkhead had inadequate edge margins. A solution for the inadequate edge margin was engineered and involved installation of a splice plate to join the upper and lower halves of the bulkhead. This rework design called for a single splice plate to be used to provide a continuous load path between the upper and lower halves of the bulkhead. The deviation from the approved repair resulted in a single row of rivets transferring the load to the upper affected web plate instead of the two rows specified in the repair instruction drawing. This deviation resulted in the bulkhead web being improperly loaded and susceptible to early fatigue. Furthermore, because of the geometry of the repair and the use of fillet sealant to fill the gap, the splice deviation would visually appear to conform to the approved repair when viewed from either side of the aft pressure bulkhead. The accident board estimated that the strength of the repair decreased to about 70% of the strength that would have resulted from a proper repair.
FAAの報告書にある説明への疑問点
圧力隔壁は外周部でボルトにより機体に取り付けられており、修理箇所の隔壁板に自重による荷重はかかりません(修理箇所の隔壁板にかかるのは与圧のみ)。そして接ぎ板は十分な縁端距離を得るために使われましたが荷重を受け持っていません。上下の隔壁を繋ぐリベットは隔壁を密着させて与圧空気漏れを防ぐことが目的であり荷重を受け持つ目的ではありません。接ぎ板が二枚に切られたために「一列リベット」で荷重を伝えることになったというFAAの説明は、何を言っているのか全く意味不明です。
米国側が「修理ミス」の内容について「一列リベット打ち忘れ」や「一列リベット不貫通」と発表してしまったため、その後も「一列リベット」と言い続けなければならなくなったのではないでしょうか。「一列リベット」とは、「荷重を伝えるのが『一列リベット』」という苦しい説明になったものと思われます。
「修理ミス」を早々と発表したのは無人標的機衝突説火消しが目的!
墜落当初、「無人標的機衝突」あるいは「飛翔体の外部衝突」は、相模湾上空で123便に異常を生じさせた原因である可能性として、テレビや週刊誌などで報じられており「陰謀説」ではなかったのです**。1985年9月6日のニューヨークタイムスの報道およびボーイング社の発表以降、誤りを認めないアメリカ人が「修理ミス」を認めたのだから「修理ミス」があったのだろうと多くの国民が信じてしまったのではないでしょうか。そして米国側が強引にこの発表をしたのは、タイミング的に、「無人標的機衝突説」の火消しをすることが目的だったのではないかというのが私の推測です。
**無人標的機衝突の可能性については、墜落当時、航空評論家の関川栄一郎氏がテレビ番組で指摘しており、作家の吉原公一郎氏が週刊ポストに記事を書いていた。
国内のほぼ全てのメディアが墜落原因偽装に加担!
1985年9月前半の日航機墜落関連の朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の記事を調べたところ「圧力隔壁」や「修理ミス」の記事一色となっていました。当時のメディアは米国調査団が圧力隔壁に固執したり、ボーイングが短期間で過失を認めたり、発見したはずの「修理ミス」の内容が2度も変更されていたり、現場で修理箇所を撮影した写真が公開されていなかったり、など不審な点が多くあったにも関わらず何故追及しなかったのでしょうか?不可解なことはその後も続きます。「修理ミス」への責任があったとされたボーイング社員4人を含む関係者20人は全員が不起訴とされ、1978年に来日したボーイング修理チームの44人の誰一人として何故「修理ミス」をしたのか詳細を語らず、誰一人として謝罪をしていません。そして遺族の訴えにも関わらずCVR(コクピットボイスレコーダー)の音声は公開されておらず、IT技術の進歩で、個人PCで簡単にできるようになった機体後部の流体シミュレーションはされていません。明らかにおかしなことだらけにも関わらず、国内メディアは今後も「修理ミスによる圧力隔壁破壊と与圧空気噴出が123便墜落の原因」と強弁し続けるのでしょうか。
ニューヨークタイムスのRichard Witkin記者1985年9月6日の記事”CLUES ARE FOUND IN JAPAN AIR CRASH(日本の航空機墜落の手がかりが見つかった)”
https://www.nytimes.com/1985/09/06/world/clues-are-found-in-japan-air-crash.html
ニューヨークタイムスのRichard Witkin記者1985年9月8日の記事”BOEING SAYS REPAIRS ON JAPANESE 747 WERE FAULTY (ボーイングが日本のB-747に修理ミスがあったと発表)”
https://www.nytimes.com/1985/09/08/world/boeing-says-repairs-on-japanese-747-were-faulty.html
この件に関するYouTube動画を作りましたので是非ご覧ください。
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