2026年7月29日水曜日

イーリアス

◇クイントゥス(コイントス)の叙事詩

クイントゥスは三世紀の小アジア・スミュルナの詩人。
ギリシア語圏の人間なので、ギリシア語形の「コイントス」と呼ぶのが正確だが、
ラテン語形の「クイントゥス」との表記が一般的?
彼は『イーリアス』以後のトロイア戦争のエピソードをまとめた唯一の叙事詩を残している。
ギリシア語、全十四巻。
彼の叙事詩には正式な題名はなく、古代から中世にかけては、
「ホメロスの続き(タ・メタ・トン・ホメーロン)、
あるいは「ホメロス以後の事々(ポストホメリカ)」
と便宜的に呼ばれていた。

1.トロイアの救援

2.アキレウスと大アイアースの死

3.ネオプトレモス参戦
4.ピロクテーテースの復帰とパリスの死

5.木馬作戦

6.トロイアの陥落、アカイア勢の帰国

ホメロス以降、トロイア戦争の全てを補完すべくいくつかの叙事詩が作られた。
これらは一括して「叙事詩環(エピコス・キュクロス)」と呼ばれている。
これらすべては散逸して現存せず、九世紀のビザンティンの学者ポティオスが、
五世紀のプロクロス作といわれる『文学便覧』より抜粋した記述により、かろうじてその内容が知られる程度。

1.『キュプリア』(十一巻)・・・ペーレウスとテティスの婚礼の場における三女神の口論から『イーリアス』開始直前まで
2.『アイティオピス』(五巻)・・・ペンテシレイア来援からアイアスとオデュッセウスの争いまで(あるいはアイアスの自殺まで)
3.『小イーリアス』(四巻)・・・パリスの死からトロイアの陥落まで。2、4との内容重複が多い。
4.『イーリオスの陥落』(二巻)・・・木馬作戦に始まるトロイア陥落について。
5.『帰国物語(ノストイ)』(五巻)・・・オデュッセウスのそれを除くギリシア勢の指揮官たちの帰国物語
6.『テレゴネイア』(五巻)・・・オデュッセウスがキルケーとの間に生まれた子テレゴノスの手にかかって死ぬ顛末を描く

クイントゥスは、2~4そして5のごく一部についてのエピソードを取捨選択吟味し、一つの作品にまとめあげている。


http://www.aurora.dti.ne.jp/~eggs/iliad.htm

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