2026年6月30日火曜日

月の「ちり」は、月面に降り立つ宇宙飛行士の呼吸器系に有害なのか - オーベン×ネーベン

月の「ちり」は、月面に降り立つ宇宙飛行士の呼吸器系に有害なのか - オーベン×ネーベン

月の「ちり」は、月面に降り立つ宇宙飛行士の呼吸器系に有害なのか

オーストラリアの研究チームが、月の「ちり」はこれまで考えられていたほど人体に有害ではない可能性があるとの研究結果を、科学誌Life Sciences in Space Researchに発表しました。

現在、米国主導で進行中の国際月探査「アルテミス計画」で、月のちりが人体に与える影響が懸念されています。人類初の有人月面着陸を実現した米航空宇宙局(NASA)の「アポロ計画」では、宇宙飛行士に呼吸器系の問題が発生したと報告されています。

チームは、月のちりを再現した模擬物質を用い、ヒト肺の上部(気管支)および下部(肺胞)の細胞に対する影響を調査しました。そして、その結果をシドニー市内の交通量が多い通りで採取した大気中の浮遊粒子状物質(PM)による影響と比較しました。

分析の結果、地球の粒子状物質の方が、月のちりの模擬物質に比べて炎症反応を多く誘発し、細胞に対して有害であることが示されました。また、模擬物質で処理した肺細胞では、微粒子による毒性影響において重要な役割を果たす「酸化ストレス」の増加は確認されませんでした。

チームは、表面が鋭くザラザラしている月のちりを吸い込んだ直後に気道が刺激される可能性はあるものの、地球の粒子状物質によって生じるような深刻な細胞の損傷や炎症を引き起こす可能性は低いと結論づけています。

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